知られざる佳曲

   一. クラシックを中心とした音楽が好きです。
   二. 素人ですが、著作権や著作権法について考えたり、情報検索について書いたりしています。
   三. アマゾンの深層webや物流に関心があります。

タグ:田代慎之介

ブログネタ
クラシック に参加中!
リスト ピアノ作品選集
リスト ピアノ作品選集


生誕200年を記念したオール・リスト・プログラムから2年、田代慎之介がリサイタルを開く。

採り上げるのは18世紀の大バッハ、19世紀のショパン、20世紀のバルトークと、それぞれの時代に閃光を放った作曲家だ。ヨーロッパ中部(中欧)の出身ということもおそらく偶然ではないだろう。

バッハ:
 平均律クラヴィーア曲集 I 第24番 ロ短調 BWV869
 平均律クラヴィーア曲集 I I第23番 ロ長調 BWV892
バルトーク:
 2つのルーマニア舞曲op.8a Sz43
 ソナチネ Sz55
 ルーマニア民俗舞曲 Sz56
 ハンガリー農民歌による即興曲 op.20 Sz74
ショパン:
 マズルカ イ短調 op.17-4
 マズルカ ハ長調 op.56-2
 マズルカ 嬰ヘ短調 op.59-3
 ピアノソナタ第3番 ロ短調 op.58


演奏会は札幌と東京で一度ずつ。

2013/8/27 (Tue) 19:00開演
会場 : 札幌コンサートホールKitara 小ホール
[全席自由]¥3,000

2013/9/2 (Mon) 19:00開演
会場 : 東京文化会館小ホール
[全席自由]¥3,000

問い合わせ:プロアルテムジケ

バッハ、ショパン、バルトークをどう料理してくれるか、とても楽しみだ。


もう一週間以上経ってしまったが、田代慎之介のリストに圧倒されて、何を書こうかずっと考えていた。

前半最後のスペイン狂詩曲(Rhapsodie espagnole)S.254 と、プログラム最後のソナタに、それぞれ圧倒されて言葉が出なかった。
そのため、演奏会が終わって何も言葉を発することなく、つまり誰にも挨拶しないで上野駅の電車に飛び乗ってしまった。

ソナタに感銘を受けることはある程度自分の中で想像できたので、心の中で準備が出来ていたが、スペイン狂詩曲のようなタイプの音楽に自分が感銘することは無いと思っていたので、自分自身に対して狼狽した。


そして、震災後、クラシック音楽が何を与えてくれるのか、あるいは伝統音楽として直接的にクラシック音楽を受け継いでいるわけでない日本人がクラシック音楽から何を受け取れるのだろうかという問いに、一つの回答を与えてもらえたような気がした。

それは、意志の強い力を信じることである。

底知れない自然の威力に畏敬の念を持つと同時に、復興への強い意志を持つことである。


日本の風土から遠く離れた西洋で生まれたクラシックは、人間の意志が強く書き留められた音楽であると思う。勿論、そんな間単に類型化することはできないが、ある程度には言えると思う。


音楽には、言葉ではあらわすことのできない何か底知れない力がある。
田代以外にも、音楽の力で、皆を力づけようとしている演奏家が日本には数多くいる。

そのことをとても嬉しく思うし、そんな彼らを私は誇りに思う。



B005IMG93Cリスト ピアノ作品選集
田代慎之介
ALM RECORDS 2011-09-07

by G-Tools


皇帝一家の御前で演奏するリスト


田代慎之介が生誕200年を記念したオール・リスト・プログラムを世に問う。

プログラムにのる作品も、壮年期に書かれたロ短調ソナタから晩年の「無調のバガテル(Bagatelle ohne Tonart)」に至るまで、リスト(Liszt, 1811-86)の創作の変遷と、19世紀後半のドイツ音楽史(特に新ドイツ楽派)が一望できる仕掛けとなっている。




田代慎之介

生誕200年とはいえ、前年のショパンと比べて、リストは採り上げるピアニストが少なく、聴ける機会はまだまだ多いとはいえない。

今月の札幌Kitara と、来月の東京文化会館でのリサイタルは貴重なものとなるだろう。
詳細はプロアルテムジケまで

プログラム
シューベルト=リスト/アヴェ・マリア、鱒
リスト/忘れられたワルツ第1番
 同 /無調のバガテル
 同 /メフィストワルツ第1番
 同 /ハンガリー狂詩曲第11番
 同 /スペイン狂詩曲
 同 /ソナタ ロ短調

2011年8月30日(火) 19:00開演
札幌コンサートホールkitara 小ホール
全席自由3000円
チケットぴあ(Pコード:141−150)


2011年9月5日(月) 19:00開演
東京文化会館 小ホール
全席自由3000円
チケットぴあ(Pコード:141−150)




同じハンガリーの雄、バルトークのCDと楽譜も出ているので参考まで。

4883642682バルトークピアノ曲集 1[CD] 田代慎之介
田代 慎之介 バルトーク
ショパン 2009-09-01

by G-Tools





4636862937バルトーク 舞曲集
解説:田代慎之介
ヤマハミュージックメディア 2010-11-30

by G-Tools














田代慎之介
田代慎之介(Tashiro, 1960- )リサイタルが近づいてきた。

8月25日に札幌コンサートホール Kitara(キタラ)で、
9月1日に東京文化会館で開かれる。


田代慎之介のピアノ室



 <プログラム>

バッハ(ブゾーニ編曲) :  コラール前奏曲「来たれ、異教徒の救い主よ」BWV.659
ベルク           :  ソナタ op.1
ベートーヴェン      :  ピアノソナタ 第32番 ハ短調 op.111
バルトーク        :  10のやさしい小品 より、No.5「田舎の夕暮れ」
                             No.10「熊の踊り」
               :  民謡による3つのロンド Sz.84
ブラームス        :  パガニーニの主題による変奏曲 op.35


今回は、三大Bを中心に据えたプログラムであるとともに、鍵盤音楽の歴史も分かるような仕掛けになっている。
18世紀のバッハ。19世紀前半のベートーヴェンと、後半のブラームス。20世紀前半のベルクとバルトーク。




アントン・ルビンシテイン

聴衆に対して専門家が音楽の歴史を実感できるように示唆することは、リサイタルの選曲の意義の一つだと思う。これは、レコードを個人的に掛けていたのでは絶対に分からないことだ。

アントン・ルビンシテイン(Anton Rubinstein, 1829-1894)が19世紀後半のペテルブルクで、当時までに知られていた鍵盤音楽を七回の連続演奏会にかけた(今回のベートーヴェンの最後のソナタもその時に採り上げられた)。





ソフロニツキー


同じレニングラードの街で、ヴラジーミル・ソフロニツキー(Sofronitsky, 1901-1961)も、第二次大戦前夜に十二回の演奏会でブクステフーデ(Buxtehude, 1637-1707)から当時三十になったばかりのショスタコーヴィチ(Shostakovich, 1906-1975)までの歴史を聴覚に訴えた。



移り変わりの激しい、そして聴衆が飽きっぽくなってしまった現代では、このような音の一大絵巻を観ることはできないが、一夜に凝縮されたこのプログラムで充分に味わおうと思っている。

4121013700バルトーク―民謡を「発見」した辺境の作曲家 (中公新書)
中央公論社 1997-07

by G-Tools




三大Bは、大指揮者ハンス・フォン・ビューロー(von Bülow, 1830-1894)の言葉で、ドイツ音楽の「古典」を作曲した三人の偉大な作曲家(ブラームスは当時まだ生きていた)を纏めた言葉だが、同じ用語でブラームスの代わりに、バルトークを入れるものもある。

それを初めて聞いた時、私は憤慨したが、意図を知ればまだ納得できる。三人の作曲家は全て中欧(概ね現在のドイツからポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー、オーストリアまで)の音楽を纏めあげ、そこから後世に残るべき芸術として発表している。勿論、ブラームスだって、そうだ。


つまり、三大Bとバルトークには、ドイツ音楽の歴史のみならず、中欧のそれを聴くことが出来る。


ハンガリーのリスト音楽院に留学した田代がどう聴かせてくれるか楽しみにしている。





田代慎之介の真摯な情熱




続きを読む

ブログネタ
クラシック に参加中!
Tashiro
ちょっとした縁で田代慎之介のピアノを聴くようになって、はや十年になろうとしている。田代のピアニズムは決して大見得を切るような真似はしない。「作品との真剣勝負」などという陳腐な言い回しでは、彼の演奏を一パーセントも表現することができない。

それなのに、ピアノに向かっている田代を客席から見る時、いつも何か怖いぐらいの気迫を感じる。恐らくそこにあるのは、演奏会の前までに作品と真摯に向き合った姿であり、演奏会では苦闘している姿などひとかけらも見せないプロの美学である。それが冷淡に見えると言う人は、乱暴な情熱家を聴きに行けばいい。


田代慎之介のホームページが出来た。前回のリサイタルでの「泉のほとりで」も試聴できるようなので、聴いてみてください。
田代慎之介のピアノ室

今月から来月にかけて札幌、東京、山梨(韮崎)でリサイタルがあります。
詳細は上記ホームページかプロアルテムジケでどうぞ。

札幌公演 8月24日(金) 
  札幌サンプラザホール 7:00PM (開場6:30PM)
東京公演 9月 3日(月)  
  東京文化会館小ホール 7:00PM (開場6:30PM)
韮崎公演 9月29日(土) 
  東京エレクトロン:韮崎文化ホール大ホール 6:00PM (開場5:30PM)

<曲目>
シューマン/幻想小曲集 op.12
ショパン/夜想曲 ハ短調 op.48-1
ショパン/マズルカ 変イ長調 op.59-2
ショパン/幻想ポロネーズ 変イ長調 op.61
シューベルト(リスト編)/「アヴェ・マリア」「糸を紡ぐグレートヒェン」「鱒」
スクリャービン/2つの夜想曲 op.5
スクリャービン/ピアノソナタ第3番 嬰へ短調 op.23

今回採り上げる曲は、音楽の教科書では「ロマン派」だが、そう十把一絡げにできない個性豊かな作品ばかりである。「飛翔(Aufschwung)」や「夜に(In der Nacht)」が人を惹きつけてやまない「幻想小曲集(Phantasiestuke)」にどういうアプローチを見せるか、とても興味がある。そして、まるでバラードのような大きな世界に聴くものを引き摺り込むショパンのハ短調夜想曲(第13番)。

同じくショパンだが、晩年のポロネーズの傑作として名高い「幻想」と、調性を同じくするマズルカ。作品59の三つのマズルカは昔から好きだったが、第二曲だけ抜き出すと、どう聴こえるのだろう。一見明るく聴こえるのに、どこかモーツァルトを聴いた時のように「かなし」く感じる不思議なマズルカだ。小林秀雄は万葉集の「かなし」とモーツァルトを結びつけたが、そこに近いものを私は感じる。

ゲーテを敬愛したが、素気無く「ファウストはモーツァルトが作曲すべきだった」と言われてしまったシューベルトの「糸を紡ぐグレートヒェン(Gretchen am Spinnrade)」。これは個人的に大好きな曲です。シューベルトの音楽にはいつも心を鷲掴みにされてしまう。落ち着き無く何かに恋焦がれるさまは、この作曲家やシューマンの独壇場である。

特に、このブログとして真っ先に扱わなくてはいけないのがスクリャービンの珍しい作品、初期の二つの夜想曲である。彼の初期の作品はよくショパンの影響を指摘されるが、そのショパンの音楽の美しさが退廃の兆しを宿していることに気付かされる小品。日本人ほどショパンを愛する国民もあまりいないだろうが、なぜかスクリャービンの初期作品は数えるほどしか演奏されない。嬰ヘ短調のソナタは個人的にはあまりスクリャービンらしい霊感を感じないのだが、比較的によく演奏されるソナタである。

どれも今までの田代の選曲からは遠かったような曲のように感じる。それがまた楽しみだ。


クラシック - livedoor Blog 共通テーマ

このページのトップヘ