December 07, 2007

「私の姉の日」

姉の日という事で、何かやりたいとは思ってたんですが、
考えてた事が何もかも中途半端な感じで、完成はしませんでした。

それでも、やっぱりお姉ちゃんへの感謝の気持ちと言うか、
何かしらの形として表したかったので、
今日バイト終わってから、勢いに任せて小説みたいなのを書いてみました。
小説とかSSとか初めて書いた上に、
構想も何も無くただ思い付いた事を並べて、4時間で書き上げたものです。
文章がおかしかったりグダグダだったりするかもしれませんが、
お姉ちゃんに対する気持ちは人一倍込めてかいたつもりなんで、
なにとぞご理解の上、ご容赦下さい。

あと、普通の姉萌え小説とは微妙に違った目線から書いてるのと、
実の姉弟ではない点など、
そこら辺もあらかじめご了承の上、お読み下さいませ。

では、ピエール・アネスキデスが、
姉の日(約7時間オーバー)にお贈りする姉小説「私の姉の日」。
ご覧になる方は「続き」をクリックして下さい。


今日は姉の日。
かわいい弟が「いつもありがとうお姉ちゃん!」って、姉に感謝する日。
私もそんな風に感謝されたいのに、感謝してくれた弟を褒めてあげたいのに、
如何せん私は姉じゃない、むしろ一人っ子だ。
頭の中で色んなタイプの男の子を自分の弟にしてあれこれ妄想する、
弟みたいなかわいい男の子が好きな女だ。

昔、年下の彼氏を作って「おとうと」って呼ぼうともしてみた。
初めは笑って返事してくれたけど、だんだんとウザがられるようになってた。
やっぱり私は変なんだろうか・・・。
結局、嫌な思い出を掘り返し、自分のいびつな欲望を考え鬱になるだけで、
今年の姉の日は終わろうとしていた。

12月6日午後11時30分。

会社での長い残業を終え、さっさと家に帰ろうと駅で電車を待っていた。
家に帰れば二次元のかわいい弟たちが私を迎えてくれる、感謝してくれる、
そんな事を考えていたら、電車がホームに入ってきた。
私は座席に座り、少しでも早く自分の駅に着くように、
嫌な現実から目を背けようと、眠るために目を閉じようとした。

その時、私の姉(仮)レーダーが反応して、目を開けるように命令してきた。
私は目を開け周りを見てみると、
すぐ隣に私好みのかわいい男の子がいた。
イマドキっぽい雰囲気を持ちつつもマジメで優しい感じの子。
多分大学生かフリーターでバイト帰りなのだろう。
乗客が多くて座席が狭かったので、
その子は膝に手を乗せてちょこんと座っていた。
やばい、萌える。
ちょっとうつむき加減で淋しそうにしてるとことか、
「主人の帰りを待つ犬」もとい「姉の帰りを待つ弟」みたいで、
胸がキュンキュンする。

・・・はっ!?
いかん、また悪い癖が・・・。
うっかりその子の方を向いて、
「恋する姉(おとめ)」の目で見つめてしまっていた。
見てたのがバレなかっただろうか?
チラッともう一度その子のほうに目をやると、
何事も無かったように自分のカバンを漁っていた。
「あれ〜?無いなぁ、どこ行ったんだろう・・・?」といった感じで、
何かを探していた。
ああ・・・多分あんまり整理されてないんだろうなぁ・・・。
「何このきったないカバン!?」とか言ったら、
「うるさいなぁ・・・。姉ちゃんには関係ないでしょ、ほっといてよっ!」
とか言って、頬を膨らませ・・・

ダメダメダメーッ!
また妄想しちゃってた・・・。
いい加減にしないと、現実と妄想の境目が分からなくなってしまう。
もう妄想しないと心に誓い、もう一度その子の方に目をやると、
さっきカバンを漁って探してたのはこれだったのか、
ハンドクリームを持って一生懸命に手に塗っていた。
その手を見ると、手の平は真赤にひび割れて荒れまくっていた。
多分バイトでこうなってしまったのだろう。
冷たい水仕事はこの時期ツライんだろうなぁ・・・。
そんな彼の気持ちを思うと、思わず「痛そう・・・。」という言葉が出てきた。
頭の中にではなく、自分の口から、小さな声ではあったもののハッキリと。

しまった!
そう思った時にはもう遅く、その子はいぶかしげな顔をして私の方を見ていた。
ヤバイ、何とかして誤魔化さなければ・・・。
「手、大丈夫?すごく痛そうだね?」
私の出来る限りの自然な笑顔で、心配そうに言ってみた。
すると、意外と彼の目には自然に映ったのか、
「あ、ごめんなさい・・・気になっちゃいました?」
と、言葉を返してきてくれた。
しかも、私を気遣うような優しい言葉で。
「ううん、気にしないで。私が勝手に見ちゃっただけだから。」
誤魔化しをより自然なものにしようと、私は話を広げようとした。
「それはお仕事か何かで?」
「はい。バイトで水触ってたらこうなっちゃって・・・。」
そう言って辛そうに苦笑いする彼を見ていたら、
何か力になってあげたいと思い、
「それ、私が塗ってあげよっか?」
と、通常ではありえないような事をつい口走ってしまった。

「へっ?な、なんでですか?」
言葉を少し交わしただけで赤の他人である私からの非常識な提案に、
当然のように眉をひそめる彼。
「いいからいいから、お姉さんに貸してみ?」
しかし、私の脳は完全にスイッチが切り替わり、暴走し始めていた。
もう誤魔化すとかそんな次元を飛び越え、
私のお姉ちゃん(似非)としての本能がぐいぐいと私の背中を押す。
「えっ、えっ・・・?」
戸惑う彼の手からクリームの容器を奪い、自分の手にクリームを取った。
「あ、あの・・・。」
困惑している彼を少しでも安心させようと、
「大丈夫。私、エステティシャンの資格も一応持ってるんだから。」
と言ったが、もちろん嘘。
それでも彼は納得したのか観念したのか、
大人しく私に両手を差し出してきた。

「ちょっと冷たいけど我慢してね?」
指先に少しだけ取ったクリームを彼の手に付けた。
そのまま手の平に延ばして、優しく塗り込んでいく。
「ふわぁ・・・。」
すると、彼が気持ち良さそうな声を出す。
「うふふ・・・気持ちいいでしょ?」
「はい・・・なんだか痛みも和らいでいくような・・・。」
その言葉に、私自身もすごく気持ちよかった。
「さすがエステの資格持ってるだけありますねぇ・・・。」
「喜んでもらえて何よりです。」
好みの男の子の手に触れるという事よりも、
奉仕して喜んでもらえる事にすごく喜びを覚えた。
その後も指、手の甲と丹念に塗っていった。

「はい、おしまい。」
全て塗り終わった頃には、降りる一つ前の駅に着いていた。
「ありがとうございました。」
「いえいえ、むしろ私がムリヤリやった事だから・・・。ゴメンね?」
今更ながら、自分のした事が恥ずかしく思えてきた。
「いえいえ、ホントにありがとうございました。」
なのに、彼は笑顔でお礼を言ってくれた。
「ゴメンね、ゴメンね・・・?」
「それにしても、なんだか親戚のお姉ちゃんみたいでしたね。」
「へっ?」
「ムリヤリ奪い取ってまで親切にしてくれるとことか、お姉ちゃんみたいだなぁ、って。」
「そ、そう・・・?」
思いがけない彼の発言に困惑してうつむいてしまった。
「あれ?ごめんなさい、何か気に障りました?」
「ううん、違うの。・・・私ね、男の子に"お姉ちゃん"って呼ばれるのが夢だったの。」

そこから私は、弟が欲しい事とか昔の恋愛のトラウマを話した。
すると彼は徐々に暗い顔へと変わっていった。
そんな邪まな気持ちで手に触れられていたのだと思うと、そりゃそうだろう。
それでも私は、心を開きたかったのか懺悔をしたかったのか、
自分の気持ちを喋り続けた。
「最初キミを見た時に、"こんな子が弟だったらなぁ"って思ったの。クリーム塗って喜んでくれた時はすごく嬉しかった。一方的とは言え、お姉ちゃんらしい事が出来たし、キミも喜んでくれたし。」
その時、ちょうど電車が降りる駅に着いた。
「とにかくゴメンね、変な事に付き合わせちゃって・・・。私、キミみたいな弟が欲しかった・・・。」
私はスッと立ち上がり、後ろを見ないように足早に電車を降りた。

プシューッ。
電車のドアが閉まった。
それでも私は後ろを見る事無く、改札の方へと進んで行った。
ほんの僅かな時間だったけどお姉ちゃんらしい事が出来て、
それだけでもう今年の姉の日は満足だよね・・・。
そう思いながら改札をくぐろうとした時、
「お姉ちゃーん!」
駅構内に響き渡る大きな声が聴こえた。
あの子だ。
私は振り返り、あの子の姿を探した。
でも、人が多くてすぐには見つからなかった。
「おとうとー!おとうとー!」
私も大きな声をあげ、手を振ってあの子に自分の居場所を教えた。
すると、少し離れた所で手を振りながら走ってくるあの子がいた。

「お姉ちゃん待ってよ〜!」
「な、なんで!?なんで追いかけてきたの?」
「え?だって、僕はお姉ちゃんの弟だから・・・ダメ?」
「だ、ダメじゃないけど・・・ってかこんな所で降りて大丈夫なの?」
「大丈夫もなにも、僕は弟なんだからお姉ちゃんの家に帰るの。」
「え・・・ええっ!?」
「冗談だよ。ホントは僕の家もここらへんなんだ。」
少しイジワルな顔をして、笑顔を見せる「弟」。
「も、もうっ!お姉ちゃんをからかわないの!」
「弟」の頬を引っ張ってみる。
「い、いひゃいよ、いひゃいってばぁ〜。」
「うるさいっ、おしおきだっ!」
そう言いつつも、二人とも幸せそうな笑顔をしていた。
「でも、本当にいいの?」
「ふぇ?にゃにが?」
「本当に私の弟になってくれるの?」
「うん、ひーよ。へも、とりあえず、ほっへたはなひて?」
「ああっ、ゴメン。」
私は照れ笑いしながら頬から手を離す。
「弟」はしょうがないなぁ、といった感じを見せる。
「でもなんで?普通、おかしいとか思わない?」
「ん〜、だって僕もお姉ちゃんが欲しかったり・・・。だから、お姉ちゃんの気持ちは良く解るし、弟になってあげたいって思ったから。それに、クリーム塗ってもらうの、気持ちよかったしね。」
「そっか・・・そっかぁ・・・うふふ。」

結局、今夜は「弟」も私の家に泊まる事になって、
一緒に帰り道を歩いていた。
「ところでお姉ちゃん知ってる?今日は姉の日だって。」
「当然でしょ。さあ、お姉ちゃんに感謝し敬いなさい。」
「あ、でも残念。もう12時過ぎて日付変わっちゃったよ。」
「弟」が見せてきた時計はとっくに12時を過ぎて、今は12月7日に変わっていた。
「そんなの関係ないって!お姉ちゃんに感謝しなさい〜!」
「ダーメ。」
「弟」は舌を出してあっかんべーをしてみせた。
正直カワイイとしか思えなかった。
「お願い、せめてほっぺにちゅーさせて〜。」
「な、なんで"せめて"が"ちゅーさせて"なんだよっ?ダーメったらダーメ。」
私がシュンとしていたら、不意に「弟」が近づいてきて、
「ちゅっ。」
頬にキスをした。
「へっ?」
「感謝の気持ちなんだから、僕がしないと・・・でしょ?」
「も、もう・・・ばかぁ・・・。」
「来年の姉の日にはちゃんとしようね?」
「そ、そうね・・・。」

2007年12月7日。
晴れて私は「お姉ちゃん」になる事が出来ました。

unprofessional at 06:36│Comments(0)TrackBack(0)サークル・創作活動 

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