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2020年6月5日、鉄道友の会は「第63回ブルーリボン賞・第60回ローレル賞」の受賞車両を発表し、ブルーリボン賞に西武鉄道001系「Laview」を、ローレル賞にJR四国2700系をそれぞれ選出した。
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【2020年は特急形車両が賞を総なめに】
2020年のノミネート車両は16車種、特急形・近郊形・通勤形・機関車・路面電車・観光列車・ケーブルカーと様々なタイプの車両がノミネートされた。今回受賞した車両はいずれも「特急形」、受賞車両が特急形だけとなったのは2010年の「JR東日本E259系、近鉄22600系」のケース以来10年ぶりとなる。

【ブルーリボン賞:西武鉄道001系】 
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西武鉄道001系「Laview」は、従来の特急形車両である10000系「New Red Arrow」に代わる新たな顔として10000系と同じ日立製作所笠戸事業所で製造された。この車両最大の特徴である半球形の前面部と床面から天井ぎりぎりまである巨大な側面窓をもったデザインはそれまでの鉄道車両のイメージを大きく覆している。

(車体カラーはシルバー一色、車内は黄色を主体に温かみも)
シルバーメタリック1色の塗装は大日本塗料の「スーパーブライト No.2000」を採用、まるでメッキを施したような滑らかで光沢のある車体を実現した。車内のデザインは黄色をメインに落ち着きがある、「Luxury」な「Living」のような空間が特徴。「LuxuryでLivingのような快適性」、「Arrow」のような速達性、大型側面窓によって成立した「View」。『Laview』のコンセプトをそのまま表した完成度の極めて高い車両となった。
首都圏ではこの10年ほどの間に小田急(70000系「GSE」)・東武(500系「Revaty」)・京成(新AE形「スカイライナー」)・西武(001系「Laview」)・JR東日本(E353系「あずさ」、E261系「サフィール踊り子」)と新型の特急用車両が続々と登場し特急車両の世代交代が今までにない速さで進んできた。西武が今後「Laview」をどんな形で活かしていくかに注目したい。





【ローレル賞:JR四国2700系】 
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JR四国2700系は、土讃線を走る2000系の本格的な置き換えを目的として川崎重工業で製造された車両だ。急カーブの多い山岳路線を走る車両としてキハ187系(JR西日本)以来18年ぶりに新規開発された振り子式車両であるのが特徴だ。

(2600系と2000系の中間的性質、そうなった理由)
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近年の特急形車両は足わまりが複雑な「振り子式」よりも従来車両に近い設計をもつ「空気ばね強制車体傾斜システム」を採用する車両が主流となっており、JR四国でも8600系や2600系(画像車両)では「空気ばね強制車体傾斜方式」を採用している。
2700系が「振り子式」になった理由はたったひとつ、

『空気ばね車体傾斜システム』が土讃線で使えない
 
空気ばねを使うということはブレーキの操作だけでなく車体傾斜システムを動かすのに大量の圧縮空気が必要となる。2600系では出力の大きな空気圧縮機や屋根にまで空気タンクを設置するなどしていたものの、土讃線の急カーブ連続区間では空気容量が不足する事態に陥ったという。そのため、JR四国は2600系となるべく運行面で共通化しつつカーブ走破性により優れた振り子式の2700系を開発した。2700系の開発に際し振り子装置の機構をより滑らかな動作が可能な「ベアリングガイド」に変更するなど技術的にも進化をとげている。
近く土讃線では2700系による「アンパンマン列車:南風」のデビューも予定されている。今後一大勢力を築いていくことになる2700系の活躍にも目が離せない。


詳しい受賞理由につきましては「鉄道友の会」をご確認ください。

URL:http://www.jrc.gr.jp/newsreleas/5625.htm


【画像】
各車両画像は「鉄道友の会」受賞車両のページより

コメントを投稿される際は必ずご確認ください。
http://blog.livedoor.jp/uppi_natettyan/archives/22094005.html

鉄道コム
 
 
[雑記]
(西武鉄道の受賞車両)
西武鉄道で初めてブルーリボン賞を受賞したのは5000系「レッドアロー」(1970年、現在の富山地方鉄道16010形)である。というより、西武鉄道の受賞車両は001系「Laview」で2例目だ。

(JR四国の受賞車両)
JR四国ではキハ185系、2000系、5100系の3形式が受賞車両となっており、2000系の直接的な後継となる2700系は4形式目の受賞車両となった。

(日立製作所笠戸事業所の受賞車両)
山口県下松市にある日立製作所の車両製造工場
最新の受賞車両はJR九州BEC819系(2017年ブルーリボン賞)。

(川崎重工業の受賞車両)
兵庫県神戸市にある川崎重工業の車両製造工場
最新の受賞車両は叡山電鉄デオ730形(2019年ローレル賞)
※武庫川車両工業製で改造工事を川崎重工業で施工
※新造車に限れば東武鉄道500系(2018年ローレル賞)となる