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【車両部隊行進-1】
車両行進では、中部方面隊管内に所在している方面隊直轄・方面隊隷下師団および旅団所属の特殊車両たちが行進、各車両の特徴を紹介していきます。

[Fast Force(2019年):第36普通科連隊(伊丹)]
災害派遣出動が発令されたとき、ならびに大規模災害発生時の緊急出動時、自衛隊の部隊はすぐに出動できるわけではなく、出動対象の部隊を招集(営外居住者・外出者を駐屯地に呼び戻す必要がある)し準備を整えてから出発します。そのため、警備隊区を持つ部隊は急な出動要請があった場合に先行して出動できる即応チームとして『ファストフォース(FAST-Force)』が24時間体制で待機しています。

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〈FAST-Force(2019年)〉
高機動車・野戦用救急車で構成された部隊の一例、災害派遣ではFAST-Force部隊が先行して出動し後続部隊に対して必要な情報を収集する役割があります。災害の種類や状況・保有装備次第では装輪装甲車や偵察オートバイ・装軌車両(を積載したトラック)などの車両も同時に出動していくこともあります。
 
[普通科車両部隊]
※2018年までの観閲行進と2019年年の観閲行進では「第3偵察隊」「中部方面警務隊」の配置が異なります。ここでは2018年の行進順にあわせて「普通科車両部隊・即応機動連隊」を先行して紹介します。

普通科車両部隊は、大きく分けると「軽装甲機動車主体」「高機動車主体」の2つに区別され、中隊ごとに使用車両が若干異なっています。中部方面隊管内の普通科部隊はいずれも「高機動車を主体に1〜2個中隊に軽装甲機動車を配備」した構成の自動車化部隊となっており、参加部隊の数によっては「軽装甲機動車・高機動車の両方を1部隊で構成」するパターンも存在します。

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〈高機動車を主体とする普通科部隊(2017年)〉
第46普通科連隊:普通科部隊のうち、「機械化部隊」の編成を取る部隊以外は概ね高機動車を主体に構成される。高機動車は人員輸送において最も標準的な車両であり、米軍が同様のコンセプトで運用している「ハマー」をもじって「ジャパニーズハマー」と呼ばれることもあります。

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〈軽装甲機動車主体の普通科部隊(2017年)〉
第50普通科連隊:装甲車(73式装甲車・96式装輪装甲車・89式装甲戦闘車など)の配備されていない普通科連隊のうち、1個中隊は軽装甲機動車によって装甲化された部隊となっています。軽装甲機動車は装甲車・装輪装甲車とは異なりCH-47での輸送が可能なため、真っ先に投入される車両として全国の陸上自衛隊(航空自衛隊にも配備)の部隊に配備されています。
2017年の観閲行進では第14戦車中隊に試験配備された16式機動戦闘車が登場し、「戦車の装輪化」という新たな自衛隊の戦い方を目にすることになった。

[即応機動連隊(2018年〜)]
即応機動連隊は機動師団・機動旅団に設置されている部隊であり、普通科(機械化部隊)、野戦特科(迫撃砲部隊)、機甲科(機動戦闘車部隊)を中心に限定的な後方支援も行える編成となっています。観閲行進では装輪装甲車を有する普通科中隊と機動戦闘車を中核とする機動戦闘車隊の2部隊が参加しています。

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〈第15即応機動連隊(2019年)〉
2018年に発足した即応機動連隊は、既存の普通科連隊を基幹として16式機動戦闘車に乗り換えた戦車部隊、普通科連隊における重迫撃砲中隊に相当する野戦特科部隊が合流しました。
装輪装甲車で機械化された普通科部隊の基本装備である96式装輪装甲車(12.7ミリ重機関銃または40ミリ自動擲弾銃を主武装として装備)は16式機動戦闘車(105ミリライフル砲を主武装として装備する装輪装甲車)と随伴して行動することができ、航空自衛隊の輸送機などを活用して先着の部隊(空挺団や水陸機動団・現場付近に駐屯している部隊)に続いて展開することができます。


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【部隊・装備解説(普通科車両部隊)】 
[FAST-Force]
2019年:第36普通科連隊(伊丹)
要請を受けて直ちに出動する「FAST-Force」は、その駐屯地に配置されている部隊の一部をもって充当され、災害派遣要請が出されて1時間以内に駐屯地を出発できる体制が整えられています。
〈FAST-Force(第42即応機動連隊:2020年7月豪雨)〉

〈FAST-Force(第4偵察戦闘大隊:2020年7月豪雨)〉

〈FAST-Force(西部方面特科連隊:2020年7月豪雨)〉

2020年7月の九州豪雨災害では、第4師団・第8師団管内の諸部隊に対して災害派遣要請が発令され、福岡県・熊本県を中心に所在する各部隊が『FAST-Force』を主力部隊に先立つかたちで所属駐屯地を出発した。
 
[普通科車両部隊]
2017年:第36普通科連隊(伊丹)・第50普通科連隊(高知)(+第14戦車中隊(日本原))
2018年:第46普通科連隊(海田市)
2019年:第33普通科連隊(久居)・第8普通科連隊(米子)
2020年:第35普通科連隊(守山)・第17普通科連隊(山口)
普通科部隊の車両行進では(1:「高機動車」で行進に参加する部隊)、(2:「軽装甲機動車」で行進に参加する部隊)、(3:「高機動車・軽装甲機動車」の両方を装備して参加する部隊)の3タイプがあり、2隊参加する場合は(1)と(2)が、1隊参加の場合は(3)のパターンで観閲行進を受けます。2017年は第14戦車中隊に試験配備されていた16式機動戦闘車が行進に参加した。

[即応機動連隊]
2018年〜2020年:第15即応機動連隊(善通寺)
近年の部隊再編では、従来からある普通科連隊を基幹として装輪装甲車を中心とした機動性・被輸送性の高い諸職科混成(普通科・機甲科を中核とし野戦特科・施設科・高射特科の隊員で構成された部隊を有する)の連隊となっています。
第15普通科連隊、第14特科隊、第14戦車中隊を統合して発足した機動展開力を重視した部隊であり、96式装輪装甲車によって装甲戦闘力を有する普通科中隊(3個中隊)、120ミリ重迫撃砲による近接火力支援を担う火力支援中隊、空輸機動力に優れた装甲戦闘車両「16式機動戦闘車」を有する機動戦闘車隊(2個中隊)を基幹とし、本部管理中隊内に高射特科・施設科の小隊を含むことでいつでも動くことができる普通科戦闘団のような性格を持っています。

[高機動車]
普通科部隊の隊員輸送で広く使用されている車両であり、小型の誘導弾や移動式レーダーシステム、重迫撃砲の牽引設備などを搭載した派生形も多い。普通科などではごく一般的な装備品であり、この車両を装備する普通科部隊は「自動車化部隊」と呼ばれている。

[軽装甲機動車]
自動車化部隊(3個〜5個中隊)のうち1個中隊は軽装甲機動車によって自動車化された部隊で構成されている。軽装甲機動車はヘリコプターでの空輸に対応した装輪装甲車であり、初動展開においては貴重な装甲戦力として重宝される。

[96式装輪装甲車]
機械化部隊において戦車に随伴可能な装甲輸送車両として開発された装輪装甲車。搭載されている自衛火器の種類からA型(40ミリ自動擲弾銃)、B型(12.7ミリ重機関銃M2)に分けられています。自動車化部隊では戦車隊などに所属する同車を使用することで普通科部隊を展開させる。

[16式機動戦闘車] 
74式戦車の置き換えを目的に「機動戦闘車隊(即応機動連隊)」と「偵察戦闘大隊(偵察隊を増強)」に配備が行われている装甲戦闘車両。装輪装甲車であるためC2輸送機での輸送が可能であり、74式戦車と同じ火力(105ミリライフル砲)、10式戦車で養われた射撃精度、装輪装甲車特有の機動性・展開能力の全てを兼ね備えている。