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名古屋鉄道では2021年1月23日に1700系電車の引退イベントとして「ありがとう1700系記念撮影会 in 舞木検査場」を開催することを発表している。今回はその「1700系」について解説する。

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【概要〜『パノラマ』じゃない「パノラマSuper」〜】
名鉄特急は大きく分けると3つの編成形態が存在しており、
・4両または8両で運転され、全車特別車の空港特急「ミュースカイ」 
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・6両または8両で運転され、豊橋方2両が特別車の「一部特別車特急」
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・4両〜8両で運転され、特別車のない「全車一般車特急」 
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に区別される。しかし、2008年まではこれに「3両または4両で運転される全車特別車特急」というカテゴリーが存在していた。

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[2005年(8800系引退時点)における名鉄特急(全車特別車・一部特別車)の基本編成図]
※現役車両の塗装デザインは現行(2020年現在)のものを使用

1600系が産声をあげたのは1999年、老朽化の進行していた7000系・7700系(特急仕様:白帯車)の置き換えを目的として日本車輌製造において3両編成4本が製造された。「パノラマSuper」という愛称を有しているものの、同じ「パノラマSuper」を名乗り、『展望室』を有している1000系とは異なり『展望室』をもたない貫通型の前面構造を有しているのが特徴である。

1600系が3両編成となったのは輸送力が過剰気味となる支線系統での運用、2編成併結による全車特別車特急(6連)での使用に対応するための設計であり、名鉄特急専用車両としては初となるVVVF制御(IGBT-VVVF制御)を採用、6連運用時に使用するための自動幌連結装置を備えていたのも特徴である。

 
【特急運用の計画に翻弄され・・・】
1999年にデビューした1600系ではあるが「1600系」が引退したのは2008年、空港特急「ミュースカイ」をのぞくすべての「特別車連結特急・特別車連結快速特急」が『一部特別車』編成での運行に切り替えられたことによるものである。これにより1000系21編成のうち1992年までに「一部特別車特急」用に転用された6編成を除いた15編成・1600系4編成は用途を失うことになり引退した・・・

のだが、両形式とも新たな活躍の場が用意されていたのである。

先に1000系の方を解説しておくと、第1編成(1001編成)と一部特別車特急用編成(特別車2両と1200系4両の6両編成12本に再編)に転用された6編成を除いた14編成は主要な機器類を一般車仕様の車体に載せ替え「5000系(2代)」として生まれ変わっている。
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1600系はというと岐阜方の「モ1700形」と中間車「サ1650形」を豊橋方に方向転換・改造したうえで新たに2300系30番台を製造し新たに「1700系」という形式として再デビューしたのである。1600形は転用先がないため廃車解体され、一部の機器が2300系30番台に転用された。

【実は全然違う、1700系と2300系】
1700系は1999年に製造された車両形式であり、2004年から製造され続けている2200系列とは大きく異なる性能設計がとられている。

[1700系・2200系の比較]
1700系は支線区直通特急・空港アクセス急行での使用を目的として製造された1600系をベースとした車両であり、1600系時代の主要機器をそのまま使用している。
1600系は2編成を併結しての運行を考慮し正面に貫通ドアを設けた車体を採用しており、1700系への改造を行った際に自動幌連結器は撤去されたものの貫通ドアは埋め込まれていない。一方で2200系は前面こそ貫通構造を持つ2000系「ミュースカイ」と同じながらも貫通ドアは設置されておらず編成間の通り抜けには対応していない。
走行機器も異なる仕様のものが採用されており、1700系では200kwの主電動機(TDK6381)を使用し同時期にデビューした313系(JR東海)と同じTD平行ガルダン駆動を採用しているのに対し2200系・2300系(0番台・30番台)ではJR西日本などで標準化されている「WNドライブ駆動」を使用し主電動機の出力も170kwのTDK6382を採用している。


となると、「もとの性能設計が異なる車種を1本の編成に仕立てている」という特殊な組成形態、名鉄の「移動等円滑化」計画における移動等円滑化基準を満たさなくなったということが1700系の早期(先に竣工した1000系よりも)引退に影響したのではないかとも考えられます。







【どうやって置き換えた?】
今回の置き換え劇は言うなれば「編成そのものが『テセウスの船』みたいな状態になる」というかたちで実施されており、今回の場合は『特別車である2200系30番台(2230系)をメーカーである日本車輌製造で製造しそれまでの特別車である1700系と差し替える』方式で行われる。つまり、
[登場当時]
←豊橋
・ク1600形ーサ1650形ーモ1700形
      (新造)
[2008年]
モ1700形ーサ1650形サ2430形ーモ2480形ーサ2380形ーモ2330形 ク1600形
   (方向転換)          (新造)         (廃車)
[2020年〜2021年]
モ2230形ーサ2280形サ2430形ーモ2480形ーサ2380形ーモ2330形 モ1700形ーサ1650形
   (新造)           (2008年製造)          (廃車)

というように登場当時の車両が完全になくなるという「テセウスの船(編成版)」が完成することになる。





現在運用に就いている1700系は1702編成ただ1本、地元で記録できる方の記録はお早めに・・・

次回は2021年春ダイヤ改正で「在来線」から姿を消す?ことになる『オールダブルデッカー』について解説する予定です。

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