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産経新聞は2020年12月30日付の電子版記事においてJR東日本が今年9月から本格的に開始している「新幹線での「貨客混合列車」について、新幹線における貨物輸送を強化する目的で一部車両の貨物専用化改造・貨物輸送特化形車両の製造に向けた検討・設計を始めたとする記事を公開した。


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今回JR東日本が検討しているのは、
・新幹線の編成中1両を貨物専用車両に改造する計画
・「貨物新幹線」仕様の車両を製造する
の2つ。前者は現在「業務用室」として使用している場所に段ボール箱40箱分の貨物と積載しているところを、編成中1両の座席をすべて撤去し段ボール箱400箱程度の輸送力に増強するするというものである。この方式は現在、来年度中の運用開始を目指し需要に関する調査を行なっているとみられる。
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こちらは既存車両の改造のみという比較的短期間で・低コストで導入できる一方、ドアの開口部は種車のまま小さいため、大量の荷物の出入りには向いていない。また、開口部の都合上積載できる箱の大きさには制約が生じるため比較的小型の貨物や各停車駅で積み下ろしを行う小荷物輸送(かつて行われていた「レールゴー・サービス」に近い)


後者はパレットに載せた貨物をそのまま積み下ろし可能なドアを設けた「荷物車」を新造するというものである。こちらは今のところ車両設計を開始したタイミングとみられており、導入には数年かかると思われる。
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【なぜこのような方式が?】
JR東日本が「新幹線での貨物輸送」に本腰を入れるようになったのには2020年の「新型コロナ」が深く関わっている。
JR東日本によると2020年は新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な蔓延により新幹線をはじめとする長距離特急の利用率が低迷、2020年度の通期決算が民営化後はじめて赤字になるとの予想を示している。その一方で生活スタイルの変化から遠距離の「お取り寄せ」が増加し、JR東日本やJR九州では新幹線を利用した貨客混載列車を積極的に走らせており、JR東日本では実際に生きた魚を新幹線で運んだりもしている。今回の計画は輸送量が低下した旅客輸送に代わり新幹線の高速性を生かした物流の強化を図るものと推測される。

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鉄道コム

 
【解説:有蓋貨車・荷物車】
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現在貨物列車の主力として使用されている車種は『コキ』とよばれる規格化された貨物コンテナを積載して輸送するコンテナ貨車やM250系のようなコンテナを積載できる貨物電車であり、被輸送物である荷物は通常貨物コンテナに積載された状態で輸送・保管されている。一方で「有蓋貨車・荷物車」はパレット・箱をそのまま車両に積み込むタイプの車両であり、車体構造により有蓋貨車は「ワム(15トン積載の2軸貨車)」「ワキ(40トン積載のボギー貨車)」の2つに(そのほか、特殊用途として「冷蔵車(レ)」「家畜車(カ)」など)、荷物車は電車・気動車・客車に準じた分類記号(◆ニ:◆は動力・客車重量)を主に使用している。

(画像:マニ50形荷物車)
国鉄荷物輸送・ヤード輸送が終了すると有蓋貨車・荷物車の多くは用途を失い廃車され、生き残った車両は事業用車両(電源車・救援車代用など)に転用されたほか、123系電車のように1M方式の利点を生かし旅客電車へと改造された。また、寝台特急用客車である24系などの電源車も荷物室を有した構造となっているため形式分類上は「荷物車」として扱われている。これらは客車寝台特急そのものがなくなったことにより本線上から姿を消しており、現在使用されているのはE26系客車の予備電源車である「カヤ27形(カニ24形の改造車)」とのみなっている。
画像のマニ50形はジョイフルトレイン「リゾートエクスプレスゆう」専用の電源車として使用するために改造された通称「ゆうマニ」と呼ばれる車両であり、本来の用途(「リゾートエクスプレスゆう」の非電化区間走行時の電源車)だけでなく「ブレーキ読み替え設備の代用車・連結器アダプターの代用車」などの用途でも使用され、2019年に廃車・東急電鉄に譲渡され「THE  ROYAL EXPRESS」専用の電源車として「THE ROYAL EXPRESS」の非電化区間走行時に使用されている。