けぇ がるね?日記

ネパールの首都、カトマンズから発信しています。

2005年07月

We Blog 続報

どーしちゃったの?見えなくなってるじゃん......な、United We Blog。
 
先ほどブロガーくん本人に確認したところ、何者かによってハッキングされたそう。現在一時閲覧を止めて、サーバーと相談しつつサイトの修復中とのこと。1〜2日程度で再度閲覧可能になるでしょう。とのこと。
 
ブロガーくんたち、元気です。拘束されたりなどしておりません。ご安心を。

彼の帽子の下には.....むふふ。

どこの国にも、国内外に影響力を持つ知的エリートというのがいる。そして時には、エリートを排出し続ける「家系」というものもある。出てくる人間、そして迎える嫁ほとんど全てが、一騎当千の強者揃い。
 
ネパールにおいて、そのような家系のひとつに、パタンを本拠地とする「ディクシット一族」がある。その中でも、カマルマニ・ディクシット氏とその息子嫁、娘たち一家の活動は群を抜いている。
 
父親 カマルマニ・ディクシット
 元ラナ家の家庭教師。仕えた殿様に子供がいなかったため、莫大なる財産の相続人として指名される。文学者として著名であり、殿様の名前を冠した文学賞「マダン章」を設立・運営する。日本で云えば芥川賞か?また、陛下の外遊先中東はドーハーで、カトマンズの園遊会で、現国王に対する忠臣ぶりも目につくバリバリ体勢派。
 
UMH_1長男 クンダ・ディクシット 
 ネパールの高級英語紙(週刊)Nepali Times編集長であり、白髪長身ハンサムと三拍子揃った知識人。どんな先進国の、どんな場所に出しても恥ずかしくない、数少ない貴重なネパール人のひとり。
 
また、クンダ氏は中立派知識人の立場を固持している。彼の実弟がタレント文化人ぶりを発揮する各種発言の過激な政治集会に、そのカッコイイ姿を現すことは「まず」ない。
 
さて、Nepali Timesに連載する、彼の人気ブラックユーモア・コラム Under My Hat シリーズをまとめた最新刊 UNDER MY HATS - Greatest Hits が発売された。 
 
毎回、その時々の社会現象やニュースを取りあげ、シャープな英語で毒舌たっぷりに料理する。例えば、エベレスト登頂50周年の週には、ヒラリー卿とテンジン氏の初登頂の様子をジョークにしている。
 
テンジン
 Sir (ご主人様の意と、爵位ある人への呼びかけの掛詞)、Sirとお呼びしても良いでしょうか?
 
ヒラリー
 まだダメだよ、ボクに忠実なる(テン)ジン。(爵位をもらってSirになる前に)まずはあの未踏峰をやっつけちゃおうじゃないか。その後でのヒラリー卿だよ。
 
〜 大幅に中略 〜
 
 問題はこの二人がカトマンズに凱旋した後、テンジンがインド国籍を選択したことであった。このことが50年後、ネパールの官僚機構がヒラリーに対し、彼がネパール人同様に罵りの言葉を吐ける可能性を鑑み、ネパール国籍を授与することの遠因となった。この結果ヒラリー卿は、ネパール国民の持つ権利と優位を我がものとした訳である。例えば、わざわざニューデリーでしかオーストラリアのビザが申請できないことなどである。しかし心配なさるな。ついに彼は、外国人の三分の一のネパール人料金で、ルクラまでの国内線に乗れるようになったのだから。
 
う〜ん。日本語にすると、面白さが半減だな。と、自分の文章力を棚に上げているが。エベレスト登頂50周年を記して実際にネパール政府は、ヒラリー卿に「名誉ネパール国籍」を献上した事実を元にした、真っ赤なフィクションなんだけれど.......
 
UMH_2全編こんな感じであり、もちろん政治・社会ネタも取りあげられている。英語があまりに洗練されているため、ジョークの高度さについて行けない部分もある。しかし、電子辞書を片手に食いつく価値のある本である。
 
カンティパトの Mandala Book Point など、カトマンズ首都圏の有名書店で絶賛発売中。一冊Rs.200(邦貨換算約310円)。
 
左の写真は本の裏表紙である。新聞連載コラムのもうひとつの名物。毎週被り物をとっかえひっかえ、作者の七変化写真も見物である。写真クリックで拡大してご覧いただきたい。
 
「この本を他人に回し読みさせてはならない。ヤツらにも買わせるべし」 〜ネパール著作権侵害者連盟 との、お言葉もまた、がははははは.....
 
次男 カナクマニ・ディクシット
 タレント系文化人。何故なら、どう発言してどう行動すれば、自分が一番「いけてる人間」に見えるか、自覚しているから。
 ネパール語隔週刊誌「ヒマール・カバルパットリカ」発行人でもある。また、南アジア映画祭、カトマンズ山岳映画祭という、南アジアでの有名映画祭を主宰することでも有名。
 
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彼らの家族は、新聞発行・雑誌書籍出版のヒマール・メディア。文化事業主催のNGO、ヒマール・アソシエーション。小中高一貫教育の有名私立校、ラトバンガラ・スクール(嫁たちの経営)。児童書発行、ラトバンガラ書籍。クオリティ印刷、ジャガダンバ印刷。文学賞、マダン賞運営組織とマダン図書館。レストラン、ドカイマ・カフェ。
 
など、など、ネパールから発信する南アジアで評価される「エスプリ」を、一家で握っている。そういう意味では、ネパールにおける知識の王家!と云っても過言でない。このような貴いご家族と、親交を結ばせていただいている我がネパール人生は素晴らしい @クンダ兄さん命。
 
それにしてもひとつの家の中で、右翼、中立、左翼と、それぞれの国家的代表選手を揃えていて、しかも家族円満・仲が良いとは。ネパール思想界のユニークさを象徴している。
 
う〜む。ただ単に、新刊書の紹介だけするつもりだったのにね。
 
私の買った UNDER MY HATS - Greatest Hits は、著者であるクンダ・ディクシットさんのサイン入り。
 
親愛なるラクシュマンとミキへ
 この本を、大まじめで取りあげてくれてありがとう。 〜クンダ
 
ぎゃふん。アンタにはかなわんわ @関西風で......

United We Blog! ハッキングされたか?

ネパールを代表する民間メディア、「カンティプール」社の若手ジャーナリスト2人が中心になって運営するニュースブログ(英語)、United We Blog!である。
 
このブログで得られる情報は、まさに「玉石混淆」。こんな書き方するなよな......と思う記事がある一方、キャ━━━━(゚∀゚)━━━━!! めっけもん!な情報がごろごろ無造作に転がっていて、非常に楽しいサイトである。
 
しかし、ネパール時間今日午前中より、突然 Un-Root Crew Ownz . rotten back という文字だけが表示される。ちょっと調べてみたら、どうやらサイトが何者かによってハッキングされた模様である。というか、ハッキングされたサイトのように【見える】。
 
以前から治安当局にも目をつけられていたと云うし、事の真相は?活きのよいブロガー坊やたちは、大丈夫かな?特にディネシュくん、公安も混じり込む政治的集会にも、United We Blog! と刺繍したTシャツを着て姿を見せたりしてたから.......
 
ぷち心配だ。
 
今日、カンティプール社(新聞・雑誌)のポカラ販売担当氏(日本で云うと、新聞販売店地域取りまとめ代表のような存在か?)が、突然治安部隊に拘束されたとのニュースも入ってきた。罪状のみならず、どこに拘束されているかも現在不明であるとのこと。
 
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ところで、ネパールの隅々まで電波を届かせている「国営ラジオ・ネパール」。
 
ニュースの直前に流れるジングルが、パンチャヤト国王親政時代(1990年民主化以前)のものに変更されている。この変更があったのは、先日金曜日。王孫殿下満三歳の誕生日のその日から。
 
私は、ラジオ・ネパールのニュースを寝床で聞くのが日課だが、このごろ毎朝、死んだはずなのに生き返ってきた「ゾンビ・ジングル」を耳にして、ああ、時代は逆行させられた!と、朝からブルーである。

何故デウバ?何故シン?を考えよう

慢性的かつ危機的な水不足に悩むカトマンズ首都圏に、盆地外のメラムチ水源からの上水道給水施設を建設するプロジェクト、「メラムチ上水道プロジェクト」。
 
この事業の一環としての、工事用道路建設に関わる汚職容疑で、デウバ前首相とシン前公共事業相が、王立汚職追放委員会による「有罪」評決を受け、懲役2年(併せて評決された1億円以上の罰金を支払わなければ、懲役6年に延長)の刑期に服することとなった。
 
二人の政治家の他に、政府高官、プロジェクト責任者、工事請負業者も実刑+罰金の判決を受けている(詳細については過去記事参照)。
 
今年2月1日の「国王による全権掌握・親政開始」以降、国王の決定により設置された「王立委員会」の合憲性。審議の公平性と妥当性。これらについては、ネパール国内外で激しい論議が巻き起こっている。
 
今回の評決については、当時者である2人の政治家と所属する民主コングレス党は、汚職追及に名を借りた政治的追い落としと非難している。また米国政府も、非民主的行為であると声明を出し、隣国インドは、国王と政党の交渉による合意を困難にさせる行為と評価した。
 
今回の評決を不服とするデウバ氏、シン氏は、ネパール国内「最高裁」に提訴することが出来る。また一部報道では、国際的組織たる国連人権監視委員会に救済を求める案も検討されているという。
 
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さて、私は一歩視点を移し、ネパールに多数存在する政治家の中から、【何故デウバ氏とシン氏】の二人が、【国王による汚職追及】の槍玉に挙がったのか?という点を考え続けている。
 
以下、個別の政治家や案件につき、私個人が「汚職の事実あり」と決めつけているわけでは【ない】ことを前提に読んでいただきたい。また、かなりの長文になることもお許し願う。
 
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1990年の民主化以降ころころと変わり続けた政権には、右から左まで多数の政党が参画していた。そしてその権力の座、イコール、汚職の構図......と見られてきたのも事実である。今回のデウバ氏とシン氏以上に汚職の噂を引きずる政治家は、一人や二人ではない。なのに何故、この二人の政治家が取りあげられたのだろう。可能性としては、
 
可能性 その1
 今回の評決は「物語のはじまり」であり、今後も王立委員会が汚職政治家を追求し続けていく。国王側の主張は「汚職の追放」であり、政治家側から見ると「反国王勢力への強力な締め付け」である。
 
可能性 その2
 上記のバリエーションであるが、今後既存政治家に対する「国王派に寝返るための切り崩し」工作において、王立委員会での訴追を「手段」として使用するための見せしめであった。
 
可能性 その3
 外国政府や国連、国際援助機関からの非難を覚悟の上で、王国政府が外国の言いなりにならないことをアピールするため
 
可能性 その4
 デウバ氏、シン氏を、【国王の持ち駒】とするための戦略。えっ?と思われるだろうが、以下この論点をご説明する。
 
シェルバハドゥール・デウバ前首相は、パンチャヤト時代、コングレス系・学生活動家として名を馳せた闘志であった。9年間も投獄され、拷問も受けたが変節しなかった人間である。同時に、ネパール極西部のタクリ・カースト出身である。このカーストは、現王家と同一グループと考えられている。また民主化後遅い結婚をした相手はラナ将軍家の出であり、同じくラナ家が実家であるコマル王妃の親戚に当たる。そして国王と王妃自体、「又従兄妹(またいとこ)」でもあるため、デウバ氏は国王の縁戚。と云っても差し支えない。
 
デウバ氏は民主化以前、ギリジャ・コイララ氏と親密であったとされる。しかし民主化後、特に結婚後、ギリジャ氏との舌戦が相克に発展し、ついにはコングレス党が分裂する原因となった。この様相が深まるにつれ、デウバ氏の王室との親密さが、端で見ていても嫌らしいくらい感じられた。
 
2002年、マオ派の活動のため総選挙が出来る見込みもないのに国会下院を解散し、国王の「半権掌握」の原因を作ったのはデウバ氏。その後2002年10月、「首相としての能力の欠如」とはっきり侮辱のコメントと共に、国王から更迭されている。
 
それなのに2004年6月、誰がトップに就いても国家運営・総選挙の実施は非常に困難な状況下、再度国王勅任による首相職を受けたデウバ氏である。そしてその約8ヶ月後の今年2月1日。国王の「全権掌握」により、再度首相職から更迭〜自宅軟禁〜解放〜汚職容疑で召喚〜有罪〜懲役と相成ったわけである。
 
デウバ氏は首相として結果的に、「国王の直接政治体制」の確立に大きく寄与した、ネパール憲政史上特異なキャラクターを持つ(こととなった)政治家なのである。二度にわたって、国王体勢の隆起を許す重大な過ちを犯した。二度あることは三度あると云う諺、極東の某国にあったと思う。
 
一方、プラカーシュマン・シン氏は、コングレス党の伝説的闘士、故ガネシュマン・シン氏の子息である。父親はカトマンズ盆地のネワール民族を中心に、現在に至るまで党派を超えた尊敬を集めている偉人。シン・ジュニアは、ネパールの民主化に大きな影響力を持つ、首都圏市民を蜂起させる可能性をその出自に持つ政治家である。
 
国王による直接政治の要所要所で、国王に露骨に利用されてきた首相経験者デウバ氏。彼はメディア側に対し徹底抗戦を主張しているが、その出自と家庭環境から、王室に対する強い憧れを持つ人間であると私は考えている。ごく一部の例外を除いて、ネパール人のDNAには、王室に対する憧れと恭順の意が刷り込まれている。口では王室批判をしている人間も、国王の前に出されると自然と、腰を曲げ、肩を落とし、額に指先が届く「ナマステ」体勢をとってしまうのだ。
 
デウバ氏のような人間に対して強烈な侮辱だけでなく、人目につかない場所で、国王からの「個人的アプローチ」が為されるとなると、どのような心理状態に陥るだろう。しかも、監獄という世間から隔絶された環境でそれが行われたとしたら.......現在デウバ氏たちは、カトマンズ市内の中央刑務所の塀の中に収監されている。
 
ネパールを代表する政党、コングレス党には、2つの輝かしき家系がある。ひとつは「コイララ家」。民主化の象徴である故B.P.コイララの実弟がギリジャ・コイララ現党首・元首相である。ギリジャ翁は、筋金入りの「反国王」である。
 
一方、B.P.の長男であるプラカーシュ・コイララは国王体勢支持者となり、現在国王勅任の大臣職に就いている。彼の長女である、インド映画界の有名女優マニシャ・コイララも、父親と国王に対する支持を表明している。
 
もうひとつの家系は「シン家」。民主化後の政治的混乱から距離を置き、コングレス党を離党した故ガネシュマン・シン氏は、スキャンダルに無縁の高潔な指導者として尊敬されている。その後継者たるプラカーシュマン・シン氏が、デウバ氏と共に服役しているのである。
 
今後、国王はいつの日か、その手に握った全権を、王族以外の指導者に引き渡す必要がある。その時の状況は、実に数多くのパターンが考えられる。とすると、自分の勢力下で何でも出来る隔絶した環境=刑務所内に、デウバ氏、シン氏という【遣い勝手のよい持ち駒】を確保しておくという行動が、汚職追及とは全く別の流れの中で意味を持つのではないだろうか。
 
以上、荒唐無稽な推論である。しかし、先進国の価値観で判断できないのが、ネパール人の心の中である。そして政治というものはどの国であれ、時に高潔な、時にダーティーな心理作戦を含むものではないだろうか。

火垂るの墓と、王孫殿下の誕生日

本日夕方から、日本人会主催の映画会が大使館ホールであった。
 
上映作品は「火垂るの墓」。この時期のネパールで観るこの映画は、かなりインパクトがあった。これについて「ぐだぐだ」語ったり書いたりするのは野暮なので、しないことにする。普段はアニメを見ない我が亭主が、帰りの車中でひとこと。
 
「この映画、ネパールのいろんな方面のリーダーや指導者にも観てもらいたいよな」
 
そーだよね......と話したりするうちに、王室の現住居であるナラヤンヒティ王宮前にさしかかった。なんだかライトアップされていて、いつもよりキラキラ明るいぞ。
 
そうだ!今日は王孫(パラス皇太子の長男)リデャネンドラ殿下@王位継承権第二位の、満三歳の誕生日であった。そんな日に観た、火垂るの墓。う〜む、ディープだ。
 
ああ、せつこぉぉぉぉぉぉ〜。幼い命は、どの家の子供も大切だよね。

さすがのカンティプールも、禁句は規制か?

昨日、パタン市内で行われた「ネパール市民協会」トークプログラムについての記事について、続報である。
 
昨夜10時からのカンティプールTVニュースで、このプログラムのことが大きな扱いで取りあげられた。現政府に対する反体制姿勢を明らかにする、カンティプールとしては当然のことである。
 
が......「共和制」の必要を明言したクリシュナ・パハリ氏がスピーチする映像は流れるが、音声はカットされ全くの無音であった。
 
ニュースで紹介されたのは、別のパネラーであるデベンドラ・パンデ氏の発言の中で、政党と国王は話し合うべきであるというマイルドな部分だけであった。
 
私が瞠目したのは、この種のニュースにつきものの、聴衆を映したショットである。会場は元映画館を改造したものであり、ネパールやインドの映画館につきものの「バルコニー席」がある。普通の聴衆はステージに近い1階の席に座って、パネリストの過激な発言に聞き入っていた。しかし、ステージからは遠いが会場全体を見回せ、かつ聴衆からは気付かれないバルコニー席に陣取る一団があった。
 
そこにいたのは、国軍スポークスマンを務める、某「准将」氏であった。
 
音声を消して、それでもパハリ氏の発言する映像を流す。集会をモニターする国軍幹部の姿を、さり気なく放送する。う〜む。かなり高度な、分かる人にだけ分かる表現だと唸ってしまった。
 
さあ、今日夜が明けたら届く週刊英語紙 Nepali Times も、記事の内容が楽しみになってきた。編集長クンダ・ディクシット氏の、ニューヨークからの記事もあるだろう。

ネパールからの発信、Blog連合

最近またまた、ネパール関連の「先行き暗そうな」ニュースが、日本の新聞各社を中心に掲載されている。
 
「ネパール、どうなっちゃうの?旅行に行けない国なんですか?」
 
という不安の波動が、日本から感じられたりもする。しかし、この国に私は住み続けているわけであって、私だけでなく多くの日本人がネパールに住み続けている。旅行者を迎え入れられないような危機的状況なら、ネパール在留邦人は逃げ出してます(きっぱり)。
 
であるからして、ネパールに住む日本人と云う存在は、ガス漏れや二酸化炭素中毒(=ネパール社会の危機)を、母国日本にいち早く知らせる「炭坑の中のカナリヤ」である。ネパールに暮らす我々日本人が、ネパールからネット発信を続けてられる、イコール、ネパールで外国人として行動すること大丈夫!だという証拠である。
 
今日は私の独断で選んだ、日本人によるネパール発信、オススメ日本語Blogを発表したい。以下、Blog題名の五十音順でのご紹介。
 
ネパール通信 http://blog.goo.ne.jp/cae36940
 ご存じ、自転車に乗ったブロガーさん。カトマンズ中心部からの発信ニュースは、とにかく早い!臨場感に溢れている。時々「裏を取らない」情報発信もあるが、読者のネパール情報に対する選球眼を磨く貴重な機会となっている。なお、日本人妻+ネパール人夫がほとんどの日ネ国際結婚だが、ブロガーさんは「日本人夫+ネパール人妻」で、しかもカトマンズ在住。日本人夫の立場での記事は、とても新鮮!
 
 ご存じ、ばなな猫ブロガーさん。パタン市の住宅街にある一軒家カルチャー・カフェからの発信である。在留邦人の貴重な「たまり場」からの情報は、ネパール暮らしの一面をのぞかせてくれる。
 
±8788(プラマイはちななはちはち) http://blog.livedoor.jp/jccn/
 ご存じ、日本人会商工部会ブロガーさん。カトマンズと地方を行ったり来たりする日本人駐在員の視点で、「普通のガイジン暮らし」を発信中。しかしこの御仁。普通な人を装う、実はネパールを深く深く知る、市中のネパール専門家。今後、ネパールがまた「ごたごた」した時の的確な情報発信にも期待が寄せられている。
 
ポカラのほほん日記 http://blogs.yahoo.co.jp/chikamum67
 ご存じ、ポカラ在住ブロガーさん。なかなか手に入りにくい「ポカラ情報」が、リアルタイムで読める貴重な発信。最近では、ポカラにおける携帯電話再開のニュースが注目を集めた。ママブロガーさんの経営するホテル「マムズ・ガーデン」は、レイクサイドの隠れ家的、おすすめぷちホテル。
 
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日本の既存メディアでは報道されない、日本人のネパール暮らしの視点からの発信。是非ともご覧いただきたい。
 
ネパールからの日本語発信を引っ張ってきた「ビンティ」さんが、ここしばらくお休み中である。ビンティさんの留守を守るべく。そして一日も早いビンティさんのネパールご帰国を願って。
 
ネパールからの発信を続けていきたいと思う @ 当けぇがるね?日記 Blog <(_ _)>

市民なき、市民の声

本日午後、パタン旧市街にあるアショク・ホールにて、「ネパール市民協会」主催のトークプログラムがあった。 

この団体は7月25日、カトマンズ市内ボタヒティからラトナパークに向かったデモ行進が、機動隊と衝突したばかり。そのデモに参加したカリスマ学生活動家 ガガン・タパ氏は、共和制を望むスローガンを叫んだ事が原因でデモの2日後逮捕され、現在も罪状審議が続いている。一方、インテリ源ちゃんの「おぢ」さんたちは、デモの現場で機動隊に拘束されたもののすぐに釈放され、今日のトークに臨んでいた。

2005.7.28_1

 

 

 

 

 

 

 

壇上のパネリストたち。向かって左から、カナクマニ・ディクシット氏。デベンドララージ・パンデ氏。クリシュナ・パハリ氏。マヘシュ・マスケ氏。

行動するジャーナリスト。日本で云えば左翼系ルックスもいけてる(と、本人自覚済みでタレント的な)文化人!、カナクマニ・ディクシット氏が司会を務めた。

パネリストの発言の中では、カナリアのような黄色い服しか着ない、戦う人権活動家!、クリシュナ・パハリ氏が、非常にはっきりと、ラディカルな主張を繰り広げたのが印象的であった。曰く、

 現在の危機的状況の「軟着陸」を成功させなければ、国家的危機に見舞われる。そのために、市民社会が活動を活発化すべきである。

 政党の弱点は認めるが、それでも政党勢力をサポートするべきである。

 国王親政による現体制は、交渉の相手として認められない。

 そして......「共和制の実現」なくして、平和は訪れない。

う〜む。ここまで国王を敵視して、国王抜きの国家である共和制を主張するとは。既存の政党よりも、マオ派よりも、強烈なイデオロギーを発散させていた。市民活動と政党との連携を叫んでいたが、政党の方が怯えてしまいそうである。

また、旧来ネパール語では「デモクラシー(民主主義)」という言葉は「プラジャ・タントラ 」と翻訳されてきた。しかしこのプラジャという言葉は、国王の存在を前提とした国民という意味がある。今日の会場では、「ロク・タントラ」という、民主主義を表す新しい言葉の使用が提唱された。ロクは、絶対的な市民という概念がある。

現在の治安維持組織、公安は、「ガナ・タントラ(共和主義)」という言葉に大変神経を尖らせている。何故なら、共和主義を実現させる=国王の退位、王制の終焉を伴う革命を意味するからだ。

今後、国王なしの民主主義と解釈できる「ロクタントラ」という言葉に対し、国王側がどのような態度で臨むのか注目される。

2005.7.28_2

 

 

 

 

 

 

ところで客席は、(いわゆる)プロ市民、ジャーナリスト、評論家などの面々で埋まっていた。各メディアのスター☆論客勢揃いで、「オールスター観客」という壮観さ。毒舌コラムおぢさん。ネパリタイムス・コラム氏。最大部数紙の論客氏。パルパサ・カフェ作者編集長。などなど、なぜ?って感じで勢揃い。BBCをはじめとする、外国メディアもいた。

ところで、ネパール市民協会主催......ですよね。でも、普通の市民の参加は殆どなかった。また、先日のデモ行進をはじめとする市民活動に、カトマンズの一般市民が「傍観者的な反応しか示していない」事について、参加者との質疑応答でも厳しく追及されていた。

「市民なき市民運動は空虚である」もの。

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国王側は、各種祝賀行事に多数の市民を動員する。これを持って、市民社会は陛下に恭順の意を表している、と主張する。

一方、国王に対抗する政党は、支持者を動員する。そして、市民社会は政党を支持している、と主張する。

知識人たちは、自らを「市民」と見なして主張する。しかし今日の会場に、本当の市民の姿は見られなかった。

カトマンズの「市民」は、シラケている。立ち上がらない。そして、カトマンズ外の市民・村民たちは、マオ派と政府双方の武力のもと、命の危険を感じたままフリーズしている。

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国王による現体制は、市民が反政府抗議活動に立ち上がらないよう、巧妙な政策を敷いている。

実際のところ、ネパールは国王が独占的に支配している。しかし、かつてのパンチャヤト体制のように「政党結社の禁止」は行っていない。デモ集会の禁止区域外であれば、国王や王室に対する侮辱発言も黙認している。

もし、もっと厳しく取り締まりを行えば、市民感情が「反国王」で爆発する危険がある。そこのところを上手にガス抜きさせつつ、緩やかな専制体制をカトマンズ首都圏に敷いているのだ。

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さて、この市民協会は来週の金曜日午後、カトマンズ市内ニューバネソールで、大規模な市民集会を計画している。

本日の司会ディクシット氏は、「今日は市民がいなかったですね」と声をかけた私に、「来週は市民が終結する。思考を妨げるカメラなど持たずに、キミも手ぶらで、頭をクリアーにして来週参加しなさい」と、御神託を垂れた。

大集会は、何故明日の金曜日じゃないのだろうか?

それはですなぁ、ディクシット家の経営する会社の大パーテイーが明後日土曜日、某一流ホテルであるから(実話)、タイ━━━━||Φ|(|゚|∀|゚|)|Φ||━━━━ホ!! されたりすると大変.......なのではなく、まあ、いろいろと準備が必要なのだろう。

ともあれ、ネパールを代表する知識人の主催する「市民活動」には、今後も注目していきたい。この活動が、本当の市民や政党をも巻き込めるのか否か?ネパールを占うひとつの側面である。

Air Nepal Int'l ネパールの民間国際線

何かと「どよ〜ん」とした話題の多いネパールであるが、観光に関する、久方ぶりの「明るい話題」をお届けしたい。
ANI 
 
 
 
 
カトマンズ〜バンコク〜クアラルンプールを結ぶ、ネパールの新しい民間国際線航空会社が就航した。その名は、Air Nepal International (ANI)。
ウエブサイト(英語) http://airnepalinternational.com/
 
日本人にとって利用価値の高いカトマンズ〜バンコク路線は、現在週2便飛んでいる。秋からのシーズンには、週3便体制となる予定である。また、ワイドボディのジェット機を使用するため、一度に200人の乗客を輸送できる。現在 のフライト・スケジュールは(以下、ローカルタイム表示)
 
月曜日
 カトマンズ 11:25 便名SZ811 バンコク 16:00
 
木曜日
 バンコク 06:35 便名SZ812 カトマンズ 08:40
 カトマンズ 09:55 便名SZ818 クアラルンプール 16:40
 クアラルンプール 17:55 便名SZ819 カトマンズ  20:10
 
金曜日
 カトマンズ 11:25 便名SZ811 バンコク 16:00
 
日曜日
 バンコク 06:35 便名SZ812 カトマンズ 08:40
 カトマンズ 09:55 便名SZ818 クアラルンプール 16:40
 クアラルンプール 17:55 便名SZ819 カトマンズ  20:10
 
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ANI 社のリリースを見ると、将来、ラサ、香港、ロンドン、そして東京路線の就航を目指す!とあるけど......トーキョー!?ホントかな。
 
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ANI 社の予約・問い合わせは、http://airnepalinternational.com/sales.php
ただし未だ、日本には代理店やコンタクトポイントはない。現状では、ネパールに支店のある西遊旅行(ネパール担当Mさん、キャラバンデスクのみなさん、お元気ですかぁ〜)など、日本の旅行会社に問い合わせをするしかないと思う。
 
ANI 情報、今後もアップデートしてお伝えしたい。

小説、「パルパサ・カフェ」 その4

その1 その2 その3 からの続き
 
8月の書店販売を予定していた小説、「パルパサ・カフェ」が急遽昨日から、前倒し一般販売の運びとなった。出版元のNepalaya社曰く、業界人の書評から火がついた絶大なる前評判を考慮して.......ふむ。
 
なかなか素晴らしい販売戦略と広報能力ぢゃ。御主、なかなかやるのぅ。
 
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ナラヤン・ワグレ当Blogは、個人的にも作者(ナラヤン・ワグレ氏)を知る人間として、ワグレ氏個人の人格と著作を評価するものである。
 
それにしても、ワグレ氏が所属する、ネパール最大の民間メディア・グループ「カンティプール社」のお祭り騒ぎは大変なもの。昨日はプライムタイム・ニュースで「ワグレ祭り」たワショーイ
ヽ(´∀`)人(・ω・)人( ゜Д゜)人
が繰り広げられた。
 
書店店頭に平積みされた「パルパサ・カフェ」が、ばかすか売れていく様子。そして一般読者へのインタビュー。「ハリポタか?」って感じ。続いて、スタジオにワグレ氏登場!キャスターとのトーク。残念だったのは、普段は明るいシニカル・キャラのナラヤン・ジ、大緊張の様子でトークが盛り上がりに欠けたこと。
 
それにしてもカンティプール・グループは、自社の擁する看板編集長ワグレ氏を、社をあげてスターダムに押し上げるつもりなのだろうか?今後、彼が編集長を務めるネパール語紙(しかもネパールでは最大発行部数)において、「ワグレが斬る」「ワグレが展望する」「オレはワグレだぁ〜」と、我らの友人ナラヤン・ワグレが弄ばれないことを祈りたい。
 
某Hメディア社の、白髪の知識人ジャーナリスト弟(兄さんはナンセンスを嫌う)のような路線に、押し流されませんように。南無南無〜
 
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ところで、7月中旬から番組編成やロゴアニメを一新した民放、カンティプールTVである(カンティプール・グループ)。
 
私が瞠目したのは、夜の放送終了時に流れる「国歌」。毎日ネパール時間の夜10:45〜11:00ちょい前くらいの時間に登場する。
 
以前から、ネパール国家のメロディーだけにCGアニメと映像を組み合わせた、なかなか凝ったものであったが.......旧バージョンでは、国王礼賛の「歌詞」は歌でなく、「文字テロップ」表示であった。
 
新作国歌は、まず「歌詞テロップなし」!様々なネパール民族、エベレスト、大自然、動植物を紹介する画像のCG合成の上に、メロディーだけの国歌が被さっている。そして最後。
 
1.国民に手を振る国王陛下、登場。
2.陛下の手元から、王冠がフェードイン。
3.王冠がくるくる回り始める。(陛下、手を振り続け)
4.そして、王冠がズームアップしつつ手前に飛んでくる。
 
「ばいばい」をする陛下の元から、王冠=王権が飛び去る。とも見える! ( ゚Д゚)ヒョエー
 
最後まで王冠は消え去らず、画面に留まっているから、【寸止め】ではある。しかしアブナイぞぉ、カンティプール。共和制を叫んで、本日再度拘束された学生リーダー、ガガン・タパ氏の存在に匹敵する、この国歌映像。
 
私の考えすぎ、妄想だろうか?
 
はっ、このBlog、小説の紹介になってないじゃん <(_ _)>
 

デウバ前首相、懲役2年+1億四千万円

2005.7.26 

 

 

 

 

 

 

選挙が出来る見込みもないのに国会下院を解散し、二度にわたって国王に罷免され、現在の国王親政の「元を作った」シェルバハドゥール・デウバ前首相に対し、汚職による有罪判決が出た。

本日、ネパール時間午後3時過ぎ、王立汚職追及委員会に提訴されていた、メラムチ上水道プロジェクトに関わる汚職審議の評決があった。

懲役2年(執行猶予なし)+弁済金と罰金合計 1億4千万円弱(円換算) 

シェルバハドゥール・デウバ 前首相 / プラカーシュマン・シン 前公共事業相 / ティカダッタ・ニロウラ 前次官 / ドゥルババハドゥール・シュレスタ 前プロジェクトチーフ

懲役1年(執行猶予なし)+弁済金と罰金合計 7千万円弱(円換算) 

ディパククマール・ジャー 前プロジェクト副チーフ / ジェプチェリン・ラマ 建設請負業者社長

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かつては国王派コングレス党政治家であり、王室の縁戚を妻に持つデウバ氏は、国王に利用され、そしてばっさり斬り捨てられた格好である。今回有罪判決を出したのは、国王が設置した「王立委員会」である。

また、プロジェクトの主な出資者であったアジア開発銀行ADBマニラ本部は、会計処理に賄賂性はなかったとの報告書を出していた。ADBの出資に国家レベルでの汚職があったと認められれば、今後のADBネパール支援は非常に難しくなる。そしてその他の外国援助にも、ブレーキがかかる恐れがあるであろう。

外国援助なしでは立ちゆかない、ネパールの国家予算である。ここまで(文字通りの)王国政府が、ネパールに対する主要ドナーのひとつであるADBにケンカを売るとは......予想はしていたが、現実のものになるとやはりショックである。

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デウバ氏、シン氏は記者団に対して、【これは政治的な追い落としである】と声を荒げて主張した。そして服役を恐れず、政治問題として政党が断固戦う姿勢も表明した。

今後、王立委員会の追求が【他の政治家】にも及ぶのか否か?注目すべきである。反国王で連携している、主要政党のリアクションも見極めたい。そして、シラケた態度を示す市民は、どのように動くだろう。

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それにしても、国王政府の「強気」は、何の裏付けに基づいているのか?そこに、国民に対する為政者としての「誠意」はあるのだろうか?

同時に、今後デウバ氏を党首とする民主コングレス党を中心に、王立委員会自体の正当性。ひいては、2.1体制が合憲か違憲か?今回の評決が、政治家に対する弾圧に当たるとの論争と、反政府闘争が開始されるだろう。そこに、国民に対する政治家としての「誠意」はあるのだろうか?

国民は誰からも顧みられることなく、ますます絶望感を募らせるのだろうか?

【新しい】 ネパールからの発信サイト 【注目】

ネパール日本人会商工部会サイト http://www.cometonepal.com/
 
今日は、この新しい注目サイトを紹介したい。このサイトの母体は、ネパール日本人会の中に近年設置された【商工部会】である。ネパールでビジネスを敢行している、またはこれからネパールへの進出を計画している日本人という、【ネパールのプロ】集団である。
 
ネパールのような「法律はあってもなきが如しのファジー運用社会」において「経済活動」を行うのは、まさに至難の業である。日本人が暮らしていくだけの利益を上げなくてはならないし、それ以前に、雇用したネパール人社員の生活に対する責任がある。
 
ネパールにおける日本人企業、合弁企業は、利潤の追求を通じて、ネパール社会への貢献をしている。第一こんな状況の国に出向いてくる企業というのは、ネパールに対する愛情がなければやってられない。だから、大企業が少なく、中小企業や個人経営が多くなってしまうのだが......
 
商工部会会員のみなさんは、身銭を切ってネパールで商売をされておられる方たちである。企業防衛やビジネス戦略のため、独自のラインのネパール情報を掴んでいると思う。また、ネパールに10年20年30年と住み続けてこられた方たちもいらっしゃる。
 
と云うことで、現在は立ち上がったばかりのサイトであるが、今後、ネパールを語るに欠かせないサイトに成長してゆくものと、確信を込めた期待をしているのは私だけではないだろう。
 
サイトの生みの親は、ネパールからのネット発信の「良心」である「ビンティ」高津さん。商工部会サイトは、サラブレッドの出自を持っている。
 
また現在日本で療養中の高津さんに代わり、在ネパールの仲間たちが、サイトを盛り立てようとしている熱気が、カトマンズにいる私には感じられる。私自身は(日本人会員ではあるが)、商工部会員ではない。しかしこのサイトに、声援を送る一人である。
 
ネパールに人生を投資した仲間たちと、ネット発信のタッグが組めたら。得難い心強さである。
 
ネパール日本人会商工部会サイト http://www.cometonepal.com/

全体的に平穏。局所的にゴタゴタ

下の写真は、本日ネパール時間午後4時過ぎ。場所は、カトマンズの旧市街アサン広場から東に向かったボタヒティ路地が大通りに合流するまさにその地点。

d013337f.jpg現在カトマンズ市内には、デモや集会が禁止されている地区がある。上記の地点がちょうど「禁止地区」の入り口に当たる。ネパールの知識人、人権問題活動家、ジャーナリスト、法曹関係者の呼びかけで集まった200〜300人のデモ隊が「禁止地域内」にある広場、ラトナパークに向かったところ機動隊の制止にあったわけである。

有名な人権活動家パドマラトナ・トラダール氏、クリシュナ・パハリ氏、世界的ネットワークを持つジャーナリストであるカナクマニ・ディクシット氏などを含む、二十数人の逮捕者も出た。

国王親政に対する抗議のシュプレヒコールをあげるデモ隊。阻止する機動隊。そしてデモの参加者よりはるかに多い野次馬で、ボタヒティ一帯は喧噪の渦となった。

それでも20分ほどで、デモ隊はインドラチョゥク方面に後退。あっけなく衝突は終結した(その後、禁止区域外のインドラチョゥクで集会を行った)。また衝突の間も、大通りの通行は妨害されなかった。

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カトマンズに暮らすほとんどの人は、このデモがあったことは夜の民放TVニュースではじめて知っただろう。それほど、カトマンズのある限られた場所で、限られた時間だけ「わっ」と騒ぎになっただけである。

政治家や政党活動家だけでなく、知識人による反国王デモが実施されたことは注目すべきであろうが、一般市民のリアクションはクールである。カトマンズ市民の、政治に対する無関心は徹底している感がある。これはとりもなおさず、15年にわたる政党の無責任を首都で見守ってきた、人々の諦観に起因する部分が大きいだろう。

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明日は午後2時から、パタン市内ハリハルバワンにおいて、デウバ前首相らへの汚職容疑が結審し、評決が出る。

もし、有罪の評決が出た場合、周辺で政党支持者と機動隊による大規模な衝突が懸念される。もし無罪と出た場合、国王の「顔が潰れる」こととなる。いずれにしても、難しい。

国王勅任による文人内閣がこのままの閉塞感に停滞し、諸外国からの政治的圧力が国王にかかり続けた場合、次にどんな事態が引き起こされるのだろう?軽々しい予想はしないでおこう。

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それにしても、たまたまデモの現場に出会わない限り、カトマンズは誠に静かである。

皇太子殿下日本訪問「総集編」、放送@ネパールTV

昨夜、国営ネパールTVにて「パラス皇太子及び皇太子妃両殿下日本、韓国ご訪問の旅総集編」番組が放送されていた。
 
この中で特に目を引いたのは、両殿下と日本の衆参国会議員との交流会の様子。ネパールTVのインタビューに答えたある先生は、
 
「殿下がとても威厳のある方だと云うことに、感銘を受けました」
 
という趣旨の発言を(日本語で)されていた。これをネパール語に通訳したのは、日本語使いで有名なネパール外務省官僚のSさん(当然ネパール人)。
 
「殿下は、エベレスト峰のごとく気品ある威厳に満ちた方」
 
と、先生のご発言を更に拡張高く.....じゃなく、「格調」高く通訳されていた。このあたり、日本語とネパール語の両方が理解できないと、視聴者は分からないよ。的な部分。
 
また、某元総理の令嬢である若手先生は
 
「国会議員の視察団をネパールに派遣したいですね」
 
と発言されていた。どうぞ、来てください。先生方のご来訪が、一般旅行者の呼び水になれば万々歳です。カトマンズで、お待ちしております。
 
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元情報やソースにアクセス出来るネパール人というのは、都市部の一握り。ネパール全国津々浦々まで放送されている、国営テレビの影響は絶大である。
 
ということで、ネパール全国的に、両殿下の日本訪問大成功。日本の天皇陛下はじめとする皇族のみなさま、外相、国会議員、市民、在日ネパール人みなさまから、心のこもった大歓迎を受けられた。両殿下におかれましては、またひとつ貴重なご経験を積まれ、日ネ両国の友好の歴史に、輝かしい一歩を残された。
 
両国の友好、万歳。両殿下とネパール王室に、末永き栄光を!
 
おわり。
 
と云うことでございましょう。はい。

海外送金時の本人確認、基準強化か?

対テロ規制やマネーロンダリング対策のため、現在200万円以上の海外送金時実施されている「本人確認」が、10万円程度にまで基準が強化される見込みであるそうだ。
 
身の上相談掲示板に、時々「日本からネパールへの海外送金」についての質問がある。日本とネパールの関係が幅広くなるに従い、個人や企業のレベルで日本とネパールの間にお金を動かす機会は増大している。
 
これは私の個人的感想なのだが、日本の送金発出銀行が海外業務に慣れた都市銀行であると、何かと戸惑うことが少ないと思う。この点ではやはり、東京三菱に一日の長がある......と感じるのはステレオタイプだろうか。
 
今後10万円以上の振り込み者身元確認であるが、自分の銀行口座を持つ銀行支店であればスムーズだと思う。またそうでなくとも、確認に必要な書類さえ持参すれば、そう難しくないのだろうとも思う。日本はそういう点、きちんとしているものね。
 
ネパールに送金しているみなさん、次回送金時は銀行に確認の上、書類持参で行きましょう。

JICAネパール事務所、国連周辺、デモにご注意!

カトマンズ首都圏の絶望的水不足を解消できるか?と期待を集めてきた「メラムチ上水道プロジェクト」。このプロジェクトが現在、現体制とデウバ前首相との政治的闘争に巻き込まれている。

2月1日、国王による親政開始後に設置された王立汚職撲滅委員会は、デウバ前首相とシン前公共事業相の二人をメラムチ上水道プロジェクトに関する汚職容疑で拘束し、審議を続けて3ヶ月が過ぎた。

deubaここに来て、この計画最大のドナーであるアジア開発銀行ADBが、会計資料から違法性がなかったことを発表した。しかし王立委員会は、ADBからの報告を審議のための資料とすることを拒否している。

左の写真は、本日の審議を終え、報道各社に囲まれるデウバ元首相である(クリックで拡大)。世界的に評価の高いADBの報告書を証拠採用しないことは、今回の審議が「汚職に名を借りた政治的報復である」ことを実証しているに他ならないと、怒りを前面に出してコメントした。

今日にも評決が出るのでは?と予想されていたが、審議は明日も続くこととなった。ただし委員会によれば、評決が出るのももうすぐであるとのこと。

国連、ADB、アメリカ、インドと、国王親政に対する厳しい評価が続いている。現体制はこれら外圧に対して、どのように、真面目に対処するつもりなのだろうか?その流れの中で、今回の審議評決は、注目すべき事象である。

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さて、上記の王立委員会の場所が(カトマンズ市内ニューバネソールから)移転した。今日は、新事務所での第一回審議であった。

新しい委員会事務所は、パタン市プルチョウク。メイン道路から国連ネパール事務所方面に入った道の突き当たり。国立図書館もある「ハリハル・バワン」である。そしてこの道路。国連の向かい側には、JICAネパール事務所やDTZなどの国際援助機関。ヒマールメディア社などが入居する事務所ビルもある。

2005.7.24

今日はメイン道路からハリハル・パワンに入る道路の入り口(=JICA事務所のすぐ手前)で、デウバ氏が党首を務める「民主コングレス党」支持者と、機動隊が衝突した。

左の写真はネパール時間午後3時過ぎ(クリックで拡大)。このあと機動隊が警棒を使った事をきっかけにして、政党支持者がレンガを投げて応酬する事態となった。警棒をふるわれ、マハト元外務副大臣をはじめとする十数人が打ち身を負った。また数人、レンガが当たって流血している機動隊員も見かけた。

催涙弾も準備されていたが、発射にまでは至らなかった。ハリハル・バワンに至る道路が1時間ほど通行止めとなっただけでなく、パタンの幹線道路も一時車の通行が規制された。

明日月曜日も朝10時から、ハリハル・バワンにて王立委員会の審議が再開される予定である。今日同様の衝突が、再度引き起こされる可能性もある。この道路を通勤路とするみなさんは特に、ご注意いただきたい。

ネパールの空の下からの、お節介情報である。

祝!ビンティ再開、マターリでいきませう

ネパールと云えば、「ビンティ」である。
 
管理人さんの病気療養のため、4月下旬から更新が止まっていたが今週、「近況のお知らせ」という感じで、3ヶ月ぶりにサイトの更新があった。また、ネパール情報交換の場として定評のある「ビンティ掲示板」も、URLを新しいものにして再開されている。
 
現在日本で静養中のビンティ管理人さん、そしてご家族の皆さまのことを想って、祈っている。これからネパールの先行きを想うに、ビンティの存在はさらに必要な、大切なものとなる。だから、まずは、ビンティ管理人さんには療養第一でお過ごし下さい。一日も早い全快を!
 
私ごときが云うのもおこがましいが、私たちはみんな、ビンティの存在に助けていただいてきた。だから.....特に、再開されたビンティ掲示板の運行について、みんなで助け合っていけたらと想う。
 
ネット掲示板って、結構メンテに手がかかるものである。無作為に書き込まれるアダルト系書き込みの削除にはじまり、カキコが論議となった場合の交通整理などなど.......質問カキコに答えレスが付かないときも、管理人としてはちょっと気になったりするもの。
 
もうしばらく、ビンティ管理人さんは、ネットでの活動を制限して療養されると想う。だからその間、みんなでビンティ掲示板をもり立てて行きたいね。また、もし掲示板上での論議など巻き起こった場合も、みんなで健全な論議にまとめ上げていければと想う。
 
これが、私たちに出来る、ビンティに対する共感のこもった恩返しではないだろうか。管理人さんに対する、ネットで出来る励ましだとも想う。
 
新ビンティ掲示板における、活発で有意義なネパール情報交換を期待したい。
 
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さて昨夜、日本人会主催による映画会があった。作品は「たそがれ清兵衛」〜山田洋次監督による、藤沢周平(漢字合ってるかな?)の世界であった。
 
愚直で控えめな、名もなき侍の人生。幸せ薄い人生の中での、大きな幸せ。自分の人生観に忠実な美意識。そしてそんな侍を愛する女性と娘たち。ぐわ〜っ、日本的ストイックさ!
 
一緒に観ていた亭主が「これ、日本語?」と云っていたが、たしかにコテコテの山形弁(会場にいた山形県人からは、秋田弁に近いとの声もあったが)は美しくも、標準語とは遠く離れた世界。因みに、英語字幕付き。
 
会場にいた(日本語を勉強中って感じの)ネパール人青少年たちからは
 
「昔の日本って、今のネパールみたい」
 
との声が上がっていたが、確かに、うむ。しかしそれにしても、「たそがれ清兵衛」的なストイックさを「美」として、映画にしてしまうような価値観がネパールにあればね。もっと良い国になるんじゃないかな?
 
清く、貧しく、美しく。「たそがれ清兵衛」的な、愛すべきネパール人は沢山いる。しかし彼ら/彼女らが、「よきもの」として評価される社会【ではない】のがネパール。
 
いやはや、ぐわ〜っ (-_-;)
 
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ところで劇中、世間は「維新開国」の動乱に向かおうとしているのに、時代遅れの火縄銃の訓練をしている事に対し、清兵衛の親友が「何たる時代錯誤.....」と嘆くシーン。
 
河に、飢え死にした農民の子供たちが流れてくるシーン。
 
格好悪く血みどろで、斬り合いをするシーン+ハエ。
 
このあたり、現在のネパールとの共通項を感じた。
 
鷹揚で紳士的な「先君」と、先君没後の血みどろの権力闘争。新たに実権を握ったご家老さま.....なども.......はっ、これ以上は自粛すべぇ。くわばら、くわばら。

おかえりなさい

0c8c99e0.jpg
今日は金曜日ってことで、写真一枚でご勘弁を。
 
本日、ネパール時間午後4時過ぎ。トリブバン国際空港。「あ〜、帰ってきちゃったなぁ」って感じで、赤絨毯の上を歩く方でした。(写真クリックで拡大します)

四つ星ホテル、相次いで閉鎖か?

ネパール語新聞、「ネパール・サマチャールパットラ」本日付の記事によれば、カトマンズ市内で2つの、ポカラで1つの四つ星ホテルが閉鎖される見込みとのこと。
 
カトマンズ市内キングスウェイの「シェルパ・ホテル」。トリプレシュワルの「ブルースター・ホテル」。そしてポカラの「ブルーバード・ホテル」と、1990年代には日本からのツアー旅行の定宿として、親しまれてきたホテルばかりだ。私自身、日本からのお客さんと会うためやパーティーで、よく利用してきたホテルばかりである。特にカトマンズの2つのホテルには、仲良しのホテルマンたちがいる。
 
シェルパとブルースターは、ホテルの建物をそのまま「スーパーマーケット」に転用する計画とのこと。パタン市内にあった四つ星ホテル「ナラヤニ」が、この先駆者である。ただしホテルがスーパーを経営するのではなく、箱物としてスーパーのテナントを募集するのがネパール式である。ポカラのブルーバードは、私立病院に建物がレンタルされる可能性があるという。
 
カトマンズの歴史あるホテルは元々、一等地に広い敷地と建物を確保している。スーパーやオフィスビルとして転用するには、最適の物件である。
 
ネパールで最高級のホテルは「五つ星」である。これら最高級ホテルも客の減少に見回れ、起死回生策として「大幅なディスカウント」を売り物にして、何とか客を確保している。以前なら、三つ星ホテルのものであった料金体系で、最高級の五つ星ホテルに泊まれてしまう。
 
このしわ寄せが、四つ星ホテルの顧客減少に繋がっている。更なるディスカウントをして経営を続けるより、建物の賃貸収入の方がマシなのであろう。銀行ローンの金利と、経営者の財産保全を考えてのことと思われる。
 
これで経営者は救われるだろうが、失業するホテルスタッフの立場はどうなるのだろう。
 
ここ近年、日本でも沢山のネパール・レストランが開店している。また、インドレストランの厨房も含め、カトマンズの一流ホテルで仕事をしていたシェフたちが、多数流出しているという。また、英語での接客・営業能力のあるエリート・ホテルマンたちは、中東諸国の一流ホテルチェーンに活路を見いだす例が少なくない。アメリカの豪華客船に転出した人もいる。
 
しかし、これらの幸運な例外を除く大多数の「元ホテル従業員」たちは、深刻な失業問題の犠牲者となるばかりである。治安問題でネパールの観光業は、数年来の低空飛行を余儀なくされている。ホテル業界での再就職の口は、非常に少ない。
 
これに留まらず、ホテルに食材やサービスを納入してきた多くの企業や個人も、打撃を被る。影響は深刻である。
 
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最近、このBlogでは、ネパールの将来について暗い話ばかりであった。確かに、中長期的な見通しは混沌そのものである。
 
しかし、短期的には「安定」観がある。ネパールを旅するなら、今年の秋はベストであろう。何故なら、カトマンズやポカラを中心とした治安維持体制が急速に劣化するとは思えないからである。また、エベレスト街道などの主なトレッキングルートの治安も問題ない。
 
年末年始。来年の春までは、普通の旅行やトレッキングをするのに、支障ない状態が続くと思う。いや、却って、(普通の旅行で行く地域に限れば)ゼネストなどに悩まされることなく、近年にない快適感を味わえるだろう。
 
その上、今なら、良いホテルに安く泊まれる。
 
ただし、来年の夏以降のネパールについては、正直明るい話が出来ない。旅をするならお早めに!もしかしたら来年後半以降は、数年に渡ってネパールは、より大きな困難に直面する可能性もある。だって、このまま何も起きないで、閉塞と困窮と地方での武力衝突が続くわけがないもの。事態は必ず、大きく動くとしか考えられない。
 
だから、ネパールでの「楽しい計画」は「前倒し」して「お早めに」!と、心からおすすめしたい。ネパールに来て、ネパールでお金を使ってくれることは、貴方に出来る、ネパールに対する最大級の愛情表現なのだから。<(_ _)>

小説、「パルパサ・カフェ」 その3

その1 その2 からの続き
 
小説「パルパサ・カフェ」についての業界人だけの集まりで、小説の(フライング)販売デスクにて1冊ゲットし、ふと顔を上げた。そこに、よく知っている顔があった。銀縁眼鏡をかけた、細面のネパール青年。
 
「やあ、こんにちは」と、私は声をかけ、
 
「あっ、こんにちは」と、彼も挨拶を返し、
 
で......誰だっけ?あっ!小説の作者ワグレ氏が編集長を務める新聞社の、若手記者くんだ。彼は仲間と一緒に、United We Blog! という、ニュースブログサイトを立ち上げている。
 
2.1体制以降、最初は治安維持組織による「直接的検閲」。そしてその後は、有形無形の社会的プレッシャーによる「発行者による自己規制」が続いているネパールの報道業界。血気溢れる若手記者たちの手により、本業の新聞には書けない事実や体験、意見などを発表する場として、上記Blogが立ち上がった。
 
そこに本名だけでなく、堂々と顔写真もUPしているその「写真」をずっと見てきたせいで、青年ブロガーくんの本物にはじめて出会って、しかし旧知の人のように感じたのであった。
 
幸い、向こうも私の名前を聞いたことがあると云うことで(うちの亭主が、ネパールの業界で多少名が知れているため、私は小判鮫)、その後、和やかな会話となった。
 
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United We Glog! にも、パルパサ・カフェ関連の記事あり。 
 
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小説の主人公、画家のドリッシャは、旅先にもノートパソコンを持参し、友人や見知らぬ人とのチャットを楽しむ現代的若者である。【e−文化】という、既成のネパール文学者からは語られなかった現在の姿が、パルパサ・カフェには表現されている。
 
ネットサーフ、電子メイル、チャットは、カトマンズに暮らす「我ら」にとっては、水や空気のような存在。だからこそ、2.1から数日間、ネット環境が遮断されたときは狼狽した。数日後、ネットが再開されたときの安心感は、一生忘れられないと思う。
 
別の云い方をすれば、2.1計画者と実行部隊は、現代的市民の心に「トラウマ」を残す形で、大変効果的なショック療法をやり遂げた訳である。
 
それにしても、この現状の中で、当局からすぐに目をつけられる「英語とネパール語」による発信を続ける、ネパール人ブロガーの誕生は現代の象徴である。若者の【e−正義感】と【e−無鉄砲さ】だな。
 
ところでこのブロガーくん、前に「民主的ネパールのために」。後ろに「United We Blog!」とプリントしたTシャツを普段も着ている模様。そういう記載が、Blogにあった。当局からは既に慇懃なご注意を受けているようなのに、なかなか「やんちゃ」の強い青年だ。
 
そして、やんちゃで硬派な青年期が熟成した作者の手になるのが、このパルパサ・カフェである。
 
つづく.......

メディアウォッチは、なかなか疲れる

先日、日本の英語紙 The Japan times に興味深い記事があった。駐ネパール米国大使モリアティー氏が、ハワイ大学で行ったネパール情勢についての講演を元に、記者の考察が展開されている。
 
この講演内容自体については、3週間以上前にネパールの新聞に掲載されており、カトマンズでも注目を集めていた。しかし今回、日本の英文紙が取りあげたという点が注目に値する。また、検閲や文章のまどろっこしさがあるネパールの新聞の記事とは違い、ネイティブの記者が英語を読む日本人にも分かりやすく書いた英文はクリアーで、私のおバカ脳にも、すっ!と沁みてくる。
 
モリアティー大使は、あと1年あまりの間に、ネパールは大きな転換点を迎えると指摘している。ネパール国内自然に「機が熟する」とも考えられるし、アメリカ、インド、国連などの外圧によってそっちに転がると見る向きもある。実際のところ、その両方ミックスだろうが。
 
私も、ネパールの現体制が臭いはじめてきたこと。カトマンズに居て感じている。昨年末私は、「陛下が伝家の宝刀を抜く時期が近づいてきた」と確信し、この2月を迎えた。そして今、2006年はネパールの正念場になると考えている。1年後が目安だろう。
 
ここ何ヶ月かの間に、すぐに何かが起こるとは思えない。また来年その時期を迎えても、ネパールでの生活や仕事自体がすぐにひっくり返るとも思わない。であるからして、数ヶ月単位でやるべき計画は、変更する必要はない。しかし、前倒しでサクッ!と終わらせておきたい。
 
いや。今、まだ動ける時期に、冷静に動けるだけ動いておきたい。
 
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さてさて。先日来の国連特使ブラヒミ氏ネパール訪問にあたり、「ぎょ」っとする記事が、インドのニュースサイトに掲載されていた。
 
アナン事務総長の側近ブラヒミ氏と、ネパール国家、ネパール国王との密談の内容を「あたかも」すっぱ抜いた「ような」、センセーショナルな内容であった。その後、ワシントンの新聞社が西側国際ニュースネットの記事として、国連に対しての確認後追い記事を掲載したこともあり、カトマンズのニュース・マンたちの注目度が更に高まった。
 
ワシントンからの報道によれば、国連側はインドでの報道を否定している。また、内容があまりに仮説的、かつインドの国益ぷんぷんであったため、ネパールの報道各紙には掲載されなかった。
 
私自身、インドの報道の裏をとるべく動いても見たが、サイトの編集責任者からも「確証」は得られなかった。インドのネパール報道の典型。インド報道機関の、紋切り型ネパール観が漂ってきただけ......はぁ。
 
しかし国連にもパイプを持つ、状況分析では定評のあるネパールの雑誌は、国連が今後もネチっこく、ネパールと関わりを続けて行くであろう事を示唆している。インドから出たびっくりニュースは、インド外交筋の「思惑」に、多少リンクしている可能性はある。
 
このネパール雑誌最新号は、台風の雲の衛星写真と国王をコラージュした表紙。そして太抜き文字で「渦中の人」。表紙をスキャンして画像を載せようかな?とも考えたが、当局に目をつけられそうなので自粛。それにしてもこのネパール雑誌。最近「こんなこと書いて大丈夫?」という記事が沢山ある。それ以上に、表紙写真のコラージュが大胆すぎる。
 
編集長の某氏は、国際的にも有名な人。カトマンズの知識人一族出身の、ピカピカである。民主主義擁護と国王に対する物言いでも知られている。しかし、この御仁の父君は、最近特に、陛下に近い場所にいる。ネパール王室は、体制批判のガス抜きを担当するお気に入りを置くことがある。かつて、ビレンドラ国王のお気に入りであった某氏は、現体制から干されて活動の場を失い、最近国外に出ている。
 
この雑誌の編集長が、現陛下のお気に入りガス抜き担当......である可能性も否定できない。そうなるとまた、記事を読む目が違ってくる。
 
いやはや。四方八方、疑心暗鬼である。

小説、「パルパサ・カフェ」 その2

その1 からの続き。
 
若年性有名編集長(なんちゅー表現!)、ナラヤン・ワグレ氏の長編小説、「パルパサ・カフェ」。小説の舞台となるのは、ひとつは「旅」であり、もうひとつは「カフェ・レストラン」である。
 
palpasa主人公の二人は、旅先のレストランで互いを意識しはじめる。カトマンズに帰ってからのシークエンスが展開される章にも、「チキンシーズラー(カトマンズ風鉄板焼き)やモモを、ひとつの皿から仲良く食べている恋人同士」のいそうなレストラン* でのやりとりが、ここそこに見られる。
 
小説の最後にも、タメルのバーでジントニックの杯を重ねて閉店時間。と、いう設定がある。深夜営業は警察が許してくれないから。と、ウェイターが客を泣き落として席を立たせる。うーむ。リアルに目に浮かぶ。
 
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ネパールにおいて、「外食文化」が一般的になったのは、1990年の民主化以降である。それまでは、カトマンズの「レストラン」は外国人旅行者や、特別な最上流階級のネパール人男性のために存在する感があった。
 
ネパール人の旅行者や単身者のために、国民食ダルバートを食わせる「飯や」はあったが、黙って食べて、さっさと出ていくものでしかない。食「文化」とは縁遠い、燃料補給の一膳飯である。
 
宗教的な「穢れ」を重視するヒンドゥー家庭においては、食事は同一カーストである家族が作ったものが前提である。であるからして、結婚式などの宴会を別とすれば、誰が作ったか分からない食べ物を食する「レストラン」などと云うものは、本来論外である。
 
そこに風穴を開けたのは、現在、カトマンズ市内にチェーン展開する「ナングロ」レストラン。王宮通りの「本店」は民主化以前、カトマンズのスノッブたちが集まる特別な場所であった。今を去る20年前、旅行者としてナングロに通った私は、当時の最先端の、とんがったネパール人間模様を興味深く眺めたものだ。
 
それが現在、ナングロは一部の遊び人のためだけでなく、家族連れで安心して食事の出来るレストラン・チェーンとして、街中のここそこに展開している。また、外国人専用の感があったタメルのレストラン、カフェ、バーには、ネパール人客が溢れている。
 
民主化以降の新しい風の中、それまでタブーとされてきた外食がまず、仕事を持つ男性、社会進出を果たした女性に広がり、そして子供連れへと定着していった。健全な娯楽の少ないカトマンズでは、外食は、定番の家庭サービスである。また本来、妻は夫の残り物を食べるが、その逆はあり得ない封建的男女関係は少なくなり、恋人たちは人前で堂々と、同じ皿の食べ物を分け合ったりしている。
 
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現在37歳の作者ワグレ氏は、民主化とほぼ時を同じくして大学を卒業し、ジャーナリストとしての社会経験を積んできた。彼はカトマンズの大学に通うまでは、タナフ郡の田舎で過ごしてきたそうだ。当然、伝統的かつ封建的な食生活であっただろう。そしてカトマンズで、自由な学生生活を送り、その後若手ジャーナリストとして、様々な人と出会い経験をし、同時にカフェ、レストラン、バーの「文化」に親しんできた世代である。
 
ワグレ氏は悪酔いしない、きれいなお酒を飲むし、夜、仲間内で食事をしたあと「じゃあ、朝刊の最終割り付けしてくるわ」と、深夜の新聞社に飄々と立ち戻る人である。
 
そしてワグレ氏はまた、カフェで飲む一杯のドリップ・コーヒーをこよなく愛する「コーヒー人」でもある。創作のアイディアは、コーヒーのアロマと共に、ぽとりぽとりと抽出されるようだ。
 
甘く煮出したミルクテイが主流のネパールで、コーヒー、特に豆のコーヒーを愛飲するのは、未だ洒落者に限られている。
 
例えば、ワグレ氏より少し年上であるが、「ほぼ同じ環境」で過ごしてきた我が亭主。結婚前は、コーヒーは苦手であった。当時ネパール人が飲んできたコーヒーは、色が付く程度の非常に薄いネスカフェに、砂糖を入れたものであった。色つきの砂糖湯......美味しいはずがない。
 
最初は無理やり、ドリップ式コーヒーを飲ませたところ「何だ、この美味さと香りは!これがコーヒーだったのか」と感激していた。その頃は豆も輸入品で、大変高価。コーヒーは「タマの贅沢」でしかなかった。その後、ネパール国内産アラビカ種のコーヒー豆が、買える値段で出回ってきたこともあり、我が家からは「ミルクテイー」が駆逐され、コーヒーが主役の座を勝ち取った。
 
「パルパサ・カフェ」を読むことは、カトマンズにおける「外食」「カフェ」「コーヒー」という、民主化の副産物を水や空気のように感じて生活してきた、今後もそんな生活を送りたい、反プロレタリアート的ライフスタイルの確認行為でもある。
 
自分がカトマンズと関わってきた、この20年間の「同時代小説」だね。
 
そして小説の登場人物たちは、ネパールにおける共産主義武装闘争に巻き込まれつつ、終章に向け流されていく。
 
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と、ランチに(パタン市内)「だんらんレストラン」でオムライスを食べてきた私が、濃いめに入れたドリップコーヒーを飲みながら、キーボード叩いてこの駄文をUPしているのだ。
 
つづく........
 
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【注釈*】 チキンシーズラーやモモを、ひとつの皿から仲良く食べている恋人同士のいそうなレストラン
 
という表現。てっきり小説本文で読んだと思っていたが、その3で触れるBlog記事の表現であったことが判明。United We Blog! からの、表現引用でした。
 
ここに出典を明記して、白黒はっきりつけておきます <(_ _)>

小説、「パルパサ・カフェ」 その1

パルパサカフェ去る土曜日、カトマンズのメディア業界で評判の新刊小説、「パルパサ・カフェ(ネパール式ではキャフェ)」を手に入れた。

本ぐらいで「手に入れた」もないだろう.....しかし、未だ書店に並んでいないのだ。しかし、既に書評も出て、世間の注目を集めている。まるで、ネパール版ハリポタだね。

一般への販売は来月からであるが、その前に、業界人にだけお披露目とこっそり販売の集まりがあった。

この本の作者は、ナラヤン・ワグレ氏 37歳。

ナラヤン・ワグレえっ?37歳?ウソ!ホント?思わず本人に電話して、確認を取ってしまった。

ひとつには、写真からも分かるように、もっと年長者に見えること。もうひとつは、ネパールを(読売新聞的に)代表する日刊紙、「カンティプール」の「編集長」であるためである。30台で著名なる編集長。ネパールを代表するジャーナリスト。

ひぇ〜っ!ずーっと前からの知り合いだけれど、こんなに若い人だったとは思ってもみなかった。このワグレ氏、ネパール人離れした長身がジーンズ姿によく似合う、ダンディーな男性である。また、ネパールのインテリゲンチャンに時々いる、「日常会話も英語だよん〜」的なスカしたおやぢでもない。ネパール語で、ネパールの現実を語る、地に足をつけた人柄が魅力である。しかも、書くと英語も上手。

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小説の主人公は、二人のネパール人である。

アメリカの大学を卒業し、ドキュメンタリー映像作家を目指してネパールに帰ってきた女性、パルパサ。そして、旅を愛する男性画家、ドリッシャ。インドのゴアで出会い、恋に落ちた二人。ドリッシャの失踪。そして二人は、ネパールに深刻な影を落とす武力衝突の渦に巻き込まれ......て行く筈である。

実は、私自身読み終えていないんだな。しかし、ワグレ氏の描く人物像は、普段ネパール語の小説を読まない私をも引き込んでいる。パルパサとドリッシャの会話が立ち上がり、私の脳裏に「映像」スイッチONしてしまった。こうなるともう、何語で書かれていても、吸い付かれて離れなくなってしまう。

これから、何回かに分けて、「パルパサ・カフェ」のあらすじと、その背景となる世界を紹介してゆきたい。

同時に、ネパールを代表する新聞編集長が、何故、今、長編小説という創作手法で世に問うているのか?加えて、(ワグレ氏の後輩に当たる)ネパールの若手ジャーナリストたちが立ち上げた、人気ブログについても考えたい。

制限と規制と、社会的重圧の中での「表現」について、ひとつの小説を軸に考察を展開できれば.......と思う。

つづく 

臭ってきた、ネパール

本日の記事タイトルとは、全く似つかわしくない写真である。
 
7d77b5ab.jpg1960-70年代、ヒンディー映画のスターであったデーヴァナンド氏と、ネパールが生んだヒンディー映画界の名花、マニシャ・コイララ嬢。本日カトマンズでの、記者会見の様子である。
 
何故、往年のヒーローとマニシャ嬢がカトマンズに来ていたか?というと、昨日まで「第1回ネパール国家映画祭」へ、特別ゲストとして招待されていたのである。
 
ところで、ネパールの映画は「数少ない例外」を除けば、ストーリー的にも技術的にも「未熟以前」のものでしかない。未熟ならまだ、荒削りな映画に対する意気込みも感じられようが、それさえもない。
 
であるからして、映画祭などと銘打って上映するに足りる映画は数少ないし、そんな状態なのに「何とか賞」などと表彰すること自体、悪い冗談にしか見えない。
 
今回の映画祭は、国王夫妻の臨席を仰ぐものであった。主催者側の顔ぶれからは、(民主化以前の)パンチャヤト時代がぷんぷん臭ってきた。国王万歳!ネパール万歳!ネパール映画万歳!外国の言い分なんか、聞く耳持たないゼ!
 
ふ〜っ。映画祭なんだが、映画自体に対する「批評」は禁句。やれやれ。
 
さて、デーヴァナンダ氏であるが、現国王の父君、マヘンドラ国王の親友であったそうだ。そのため、往年の名作、ヒッピー文化を題材としたヒンディー映画大作「ハレクリシュナ、ハレラム」は、ネパールの国家的支援を受け、カトマンズ・ロケを敢行した。この作品は興行的にも大成功し、インド全土に「ネパールブーム」を引き起こす原動力になったのである。
 
それ以来、デーヴァナンダ氏とネパール王室の親交は続いてきた。
 
またマニシャ嬢であるが、云わずと知れた「ネパール民主政治の輝ける星」B.P.コイララ氏の孫娘である。現在、ネパール・コングレス党の党首であるギリジャプラサード・コイララ氏は、B.P.の実弟である。また、マニシャ嬢の父親=B.P.の長男は叔父であるギリジャ陣営を離れ国王支持を表明し、大臣にまで任命されている。
 
マニシャ嬢は以前から、見ていてせつなくなるほど「パパをサポート」する良き娘である。今回、国王礼賛の映画祭にムンバイから駆けつけた。泣かせるゼぃ........
 
取材後、国際メディアの記者団からは
 
「デーヴアナンダはもうろくした。賞味期限切れの老人だ」
 
「マニシャは、ネパールなんかに関わらないのが身のためだ。彼女のキャリアに傷が付く。ムンバイで輝き続けていて欲しい」
 
と、溜め息混じりの声が、ここそこで挙がっていた。
 
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それにしても最近、実態のない、意味のない、国王体制礼賛の集まりや行事が連続している。ナンセンスを嫌う陛下は、どのようなお気持ちで臨席されているのだろうか?その心中を思うに、嘆かわしい......(と、云うしかないよな)。
 
陛下を支えて挺身すべき閣僚であるが、
 自国のジャーナリストとコミュニケーションが取れない通信情報大臣。
 外国人観光客誘致!を目指す、英語が話せない、文化・観光大臣。
 巨額の債務不履行で有名な、某氏。
 
これ以外にも多々あるが、身の危険を感じるので自粛。

ネパールの意固地と、国際社会の圧力

国際的な和平問題専門家であり、国連事務総長特別顧問としてアフガンなどで辣腕をふるったラクダール・ブラヒミ氏をリーダーとする国連ミッションが今日まで、6日間ネパールを訪問していた。
 
その活動の締めくくりとして、夕方、カトマンズの国連事務所にて記者会見があった。内容については、ネットで報道されているとおり。
 
ブラヒミ氏もネパール政府側も、メディアには話せない内容も豊富な6日間であったと思う。政府筆頭閣僚のひとりビスタ氏は、国連の和平仲介を不必要!と表明したと記者団に語ったが、一方の当事者ブラヒミ氏によれば、ニュアンスが異なった表現であった。
 
ネパール国内問題として解決できる可能性が残っていることを否定しない国連側であるが、同時に和平構築について、今後とも「外交辞令ではない実務的な」関心と関わりを続けていくことも表明した。
 
ネパールは、治安問題を国際問題や地域紛争に拡大させないため、諸外国の介入を警戒している。もちろん、自国の中で解決できればそれに越したことはないが、軍事力をバックにした国王主導でさえ、その道は平坦でない。
 
ブラヒミ氏の言葉を借りれば、現在ネパール国民は深刻な状況に直面しており、問題解決は速やかに行われるべき段階である。そのために必要なのは、
 1.憲法に基づいた、多党制民主主義体制への帰還
 2.戦争行為の終結
 3.交渉による問題解決のための、包括的国内対話
である。
 
ということは、国王も政治家もマオ派も、国民だって分かっている。それが出来ないから、困り切っているんじゃないかぁ〜
 
現在の「ネパール国内でだけなんとか保っている体面」と「カトマンズだけの平和」は、2年も3年も続くとは思えない。ブラヒミ氏によれば、過去国連事務総長から国王に2回の文章送付と、1回の(ジャカルタでの)直接会談が行われている。また、その他に電話による会談も実施されてきた。
 
今後更に、国連をはじめとする国際社会からの圧力は強まっていくだろう。それは国王自身、誰よりも感じているはず。また、マオ派を含む政治勢力は、状況を利用することだけを考えず、国民の幸せを第一に、そろそろ真面目に考えないと手遅れになる。
 
分かっちゃいるけど、なかなか前に進まない国。ネパール。ああ。

内閣改造の模様

ギャネンドラ国王が首席を占める内閣において、一部閣僚の変更もしくは、新閣僚の任命があった模様。詳しい情報は、夜明けと共に入ってくるだろう。
 
ああ、某省庁の、あの絶望的大臣の首が取って代わっているだろうか?という、個人的興味もあったりして.......

国連さん、結構ですって、かぁ?

ネパールを訪問中の、国連事務総長特別顧問ブラヒミ氏。タリバン後のアフガンにおいて、国連による和平活動の中心になった人物であり、アナン事務総長の側近らしい。
 
昨日はネパール筆頭閣僚のひとり、ヴィンテージ政治家(この表現には、敬意を込めている)キルティニディ・ビスタ氏と会見した。ビスタ氏は記者団に対し、
 
「我が国は国連加盟国であるから、マオ派が原因である治安問題について、国連も関心を寄せている。しかし、ネパール自身の手で国内問題として解決できる。国連による和平交渉仲介は必要ない。考える余地もない」
 
という趣旨の言葉を述べている。この背景には、国連の名の下に、隣国インドが介入することに対する、深い疑念が感じられる。かつては独立国のステイタスがあったシッキムを、インドが併合してしまった歴史に多するアレルギーが、ネパール全体に強く存在している。また、インドの介入をきっかけに、ネパールの治安問題に「インド−パキスタン」「イスラム原理主義」が持ち込まれる懸念もあるだろう。南アジアの地域紛争として位置づけられてしまったら、更なる泥沼である。
 
そして何より、ネパールという【国家】の存亡に繋がる危険がある。
 
それにしても、ネパールが云う「国内問題」については、各党による政権下でも、2.1体制下でも、なかなか解決の糸口さえ見つからない。いつまで「国内問題」と云っていられるか?国際社会の評価は、利権と覇権絡みで厳しいものがあるだろう。
 
また国連は、ネパールが世界の紛争地帯に国連を通じて派遣している「平和維持軍」という、強力なカードを握っている。ネパール国軍や政府は、平和維持軍派遣により国連から、巨額の報酬を得ている。現在のネパール国軍運営において、この国連マネーは不可欠な存在である。
 
「国連の仲介を受け入れないなら、ネパールからの平和維持軍派遣を打ち切る」
 
これは、強烈な兵糧攻めとなる。であるからして、ビスタ氏の立場としては前述の発言は当然のものであるとして、水面下では【メディアに話せない】交渉が続いていると思う。
 
現在の体制も、このままの手詰まり感では、1年ちょっとが精一杯だと思う。その後、ネパールがネパールとして存在できるかどうか?の危機が訪れる可能性は、無視できないところまで来ている。
 
ネパールに人生を投資してしまった人間としては、イデオロギーより生存権を何とかしてもらいたい。諸外国に踏み込まれる前に!と考えてしまう。ああ。三本足の昆虫みたいな宇宙人にガンガン攻め立てられる巨匠作映画より、ネパールの方が身をもって怖い【予感】なのだけれど。
 
最近ちょっと、悲観的に流されているのだろうか?

ネパール登山協会、新体制発足

Nepal Mountaineering Association (NMA)、ネパール登山協会の新執行部が今日決まった。来年の「マナスル登頂50周年」を仕切る人たちでもある。以下、敬称略。
 
【会長】 アンツェリン・シェルパ(再任)
 ネパール登山界を仕切る2大エージェントのひとつ、「エイシアン・トレッキング」社長。ナムチェの上にある村、クムジュンの大旦那。その紳士的物腰で、日本登山界にも確固たるパイプを持っている。
 
【主席副会長】 ジンバザンブー・シェルパ(再任)
 物腰の柔らかい紳士。
 
【次席副会長】 ブミラル・ラマ(前事務局長)
 ご存じ、名事務局長としてNMAを引っ張ってきた実務家。それもそのはず。本職は公認会計士。どんなに忙しくとも、状況厳しくとも、笑顔を絶やさない好人物。アンツェリン会長とは「ゴールデン・コンビ」。影の会長!
 
【事務局長】 ディワースビクラム・シャハ(新任)
 NMA設立会長で、2001年の王宮事件で殺害された、クマール・カドカビクラム・シャハ氏の令息。国王の甥(同事件で殺害された母親が、国王の姉)。NMAを実質的に動かすポストだけに、手腕が注目される。
 
【事務担当理事】 ナルハリ・バンダリ(前会計担当理事)
 長年NMAの財務を仕切ってきた人。拡大を続けるNMA活動を支えてきた実務家。
 
【会計担当理事】 アンカジ・シェルパ(新任)
 前ヒマラヤンレスキュー会長のアンカジさんとは、同姓同名の別人
 
【理事】
ナラヤンスンダル・シュレスタ(再任)
 
サンタビール・ラマ(再任)
 日本語ペラペラの「サンタさん」。日本人を顧客とするトレッキング会社経営。エベレスト・コーヒーの社長としても有名。
 
RP・バント(再任)
 役者としても有名な、トレッキング会社経営者。ひげ面で厳ついが、実は大変優しいおじさん。
 
アンバブ・シェルパ(再任)
 彼も日本語堪能。
 
アンJP・ラマ(再任)
 日本の学術調査隊アレンジで有名。元学校の先生で、とにかく誠実。また大変信仰心が篤い、NMAの良心。
 
ディパク・パウデル(再任)
 
ビジェイ・グルン
 
ハリバハドゥール・カデル
 巨大な体躯に、にこにこ笑顔。仕事は辣腕。コーディネーターとしての能力に優れた、現場に強い旅行業のプロ。
 
ペンバドルジ・シェルパ
 
【クライマー枠選出理事】
サキ・タマン
ナワンニマ・シェルパ
 
【組織枠選出理事】
ディワス・ポカレル(ポケル?)
 
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ヒマラヤの国、エベレストの国として知られるネパールであるから、ネパール登山協会活動の成否は、ネパールの国家的イメージをも左右する。
 
今回の新執行部は、アンツェリン会長体制がより安定的になった印象である。それにしても、新事務局長シャハ氏が、今回の目玉人事か?実務は次席副会長が行い、シャハ氏は王室関係とのコーディネーションに実力を示すのだろうか?NMAに対立する組織への、強烈な牽制球とも見える。
 
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ところで、日本など先進国の登山・山岳団体の場合、【登山家】の組織である。しかしネパールでは、理事のほとんどが【登山家ではなく】、【登山やトレッキングを仕切る会社の経営者】であることをご理解いただきたい。

注目、国連の動き

国連アナン事務総長の特別顧問、Lakhdar Brahimi 氏をリーダーとする国連ミッションがネパールを訪問中である。
 
今回の訪問は、ジャカルタにおけるギャネンドラ国王と、アナン事務総長の会談をフォローアップする目的だと云う。Brahimi 氏は、国王はもちろん、ネパール政界のお歴々と会談する予定。
 
アルジェリアの元外相であるBrahimi 氏は、タリバン後のアフガニスタンや、イラクにおける国連の和平に従事した大物である。事務総長が満を持して送り込んだ、国連のピースメーカーと云えるだろう。
 
今後国連が、ネパールの和平に対してどの程度+どのようにコミットしてゆくのか?注目すべきである。和平交渉の仲介を試みるのか?それとも、国連の持つハードな力を投入する用意があるのか?そしてその場合、近隣諸国の直接・間接的覇権と介入をどう捌くのか?
 
第一、ネパールが国家として、国連の介入を受け入れるかどうか?国連の名札をつけた隣国の介入を、ネパールは神経質に警戒している。歴史的、地理的に、当然の心配と云える。
 
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さて、国連の動きに呼応するように、マオ派も声明を出した。主要7政党を代表して、マオ派との交渉を呼びかけたコングレス党コイララ党首に答える形である。
 
声明の中で、マオ派トップリーダーであるプラチャンダ氏は政党側に、交渉のため、政党側から正式に任命された代表団の結成を促している。また、国連をはじめとする諸外国からの仲介をも受け入れる準備があると表明した。
 
まあ、人を殺し合っている状態の政治駆け引きは、額面通りに受け取ってはならない。しかし、国連の本気が、ネパールの魑魅魍魎を動かす気配はある。
 
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興味深いのは、こんな大切なミッションを迎えるこの時期。主要閣僚であるはずの、パンデ外相は日本にいる。Brahimi 氏と渡り合えるのは、政府側では国王と(内閣に参加していない)そのブレーンしかいない.....ってことだろうか?
 
はっ?現内閣は目眩ましで、グランドデザインは別の人たちが担当しているって事だろうか?だとすれば、パンチャヤト時代の骨董品(中には一流のアンティークあり)と、何これ?的な顔ぶれであるのは当然のことか。
 
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いずれにしても、現在の閉塞は長く続くはずがない。気の長いネパールでも、やはり1〜2年以上は続かないだろう。そろそろ、次のステップに向けての足音が聞こえるかもしれない。
 
まあ、自分の社会的聴力の限度もあるし、空耳で勘違いすることもある。ネットワークのアンテナを張ろう。

頓挫した!バイク二人乗り禁止令

本日の新聞報道によると、ネパール内務省による「カトマンズ盆地内のバイク二人乗り禁止通達」は、【二人乗りをしないで欲しいという要請】にトーンダウンした模様。取り締まりや罰則も実施されない見込み。
 
その原因は、市民からのブーイング!だはぁ〜っ@脱力 ┐(´ー`)┌
 
じゃあ、その程度の治安維持情報に基づく、政府の動きだったの?それとも、何か事件が起こるのを待って「そうだろ。二人乗りはそういう事件に利用されるだろ」と、取り締まりを強化するつもりなの?
 
理解するのが難しい国だ、ネパールは......
 
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追伸:
 
おっ、毎日新聞が「釣られた」模様(クリック)。現地情報、確かめて出稿して〜

ネパール アート スーベニア、送料改定

昨今の急激かつ凶暴な「円/ドルレート」の影響で、国際クーリエ送料を改定いたしました。やむを得ぬ措置として、お許しください。
 
今回の改訂ですが、通常のお買い物でご利用いただく重量範囲内(2kgまで)では、92円〜200円の値上げとなっています。
 
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また、【送料込み】で価格設定している【ナグチャンパ石鹸】につきましては、【値上げなし】の価格据え置きで行きます。ただしこれ以上為替レートが変動した場合、値上げの可能性もあります。
 
購入御検討の皆さま。ナグ石鹸のゲットは、お早めに!
 
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さて、商品の日本円価格自体ですが、1ルピー=1.5円の計算のまま据え置いています。
 
しかしカトマンズの実勢レートでは、1ルピー=1.6円となっております。それでも、日本円価格を値上げすることは避けるべく、もうしばらく頑張ります。
 
ということで今回の送料改定、最小限度の価格変更としてご理解いただけましたら幸いです。

今日の風刺漫画

昨日発行のメルマガでお伝えしたとおり、カトマンズ盆地内で【バイクの二人乗り】が、内務省により禁止された。
 
で、禁止初日であるべき昨日。どうやら内務省より、交通警察に「通達」が「伝達」されていなかった模様。二人乗りバイクに対して、実質的な取り締まりは行われなかった。ここ1〜2日位で現場に指示が出て、取り締まりが開始されると思う。
 
新聞報道によれば、街の声は「不満ブーブー、ブーイング」で、そりゃ当然だろう。
 
ところで今朝の、カンティプール/カトマンズ・ポスト紙の風刺漫画が、脇腹をくすぐる出来であった。
(上記リンク、賞味期限有り。お早くご覧あれ)
 
ナラヤンヒティ王宮=国王親政をバックに、バイクの二人乗りをしているのはギリ氏、ビスタ氏の二人の「内閣筆頭閣僚」である。
 
この漫画シリーズの主人公ファラノくん(暴君.....じゃなくて、某くん)が読んでいる新聞には「バイク二人乗り禁止」のニュース。
 
そして、バイクのナンバープレートは【憲法127条】!この条項は、国家非常事態における国王親政を認めている。現体制を憲法の範囲内で正当化させるため、各種利用されている条項である。
 
そして、困惑したままフリーズしている交通警官。
 
漫画家のラジェスくん、久方ぶりのクリーンヒットだね。
 
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ところで、メルマガ「ネパールの空の下で」は、毎週末発行。ウェブサイトには気兼ねで書けない種類のネパール記事を、出来る限り掲載するよう努力している。
 
もし宜しければ読者登録を......こちらから。

何処かの国みたい?な、ネパール。

昨日のネパールは、「ギャネンドラ国王誕生日」の祝日。カトマンズでは、国王の長寿と国の繁栄を祈る市民大パレードがあり、王宮にて国王に直接祝賀を伝えた。

この時、花束を国王に捧げる人も多かったのだが、これに関して、「カトマンズの花屋さん大繁盛。普段の10倍も売り上げ」という記事が、国家の御用新聞 The Rising Nepal にあった。

http://www.gorkhapatra.org.np/pageloader.php?file=2005/07/08/topstories/main8

毎年国王誕生日と、ダサイン・ティカの日は、普通の市民が国王に直接謁見できる機会である。今年は得に、王制支持派による大動員がかけられたのか(国民の自発的行為との建て前)、ものすごい数の市民、学生などがパレードに参加していた。

ボディチェックなど無きに等しい状態であり、ネパールという国はまだまだ平和だなぁ......と思った。それともテロが怖いなんて、国王たるもの微塵も感じてはならぬのだろうか?

それにしても、陛下のおかげで花屋が儲かるってかあ?こういうニュースが、メインストーリーに並ぶこと自体、現体制の提灯なのではないだろうか。国王万歳!のデコレーションではなく、実際の和平だけでよい。これさえ実現させたなら、国民は黙っていても国王を敬愛するだろうに。
 
実の方が難しいから、まずはデコレーションからなのか?
 
マスゲームとか人文字.......までは、やらないだろうけれど。ネパール。そういう緻密さは、苦手だもんね。
 
国王誕生日の祝賀が終わり、皇太子の日本、韓国訪問も終了する今月下旬あたりから。政局は「地方選挙実施」に向けて、動くかな?政党側は反対だし。和平交渉かな?もし地方選挙をするにしても、10月11月は祭りシーズンでもあり、早くて冬くらいかな?という予感がする。
 
まあヴィクラム暦の今年(=西暦で云う来年4月半ば)以内に、地方選挙か和平交渉の前進か、はたまた政党側との連携か........どれかひとつは達成しないと、国王側も苦しいだろうね。
 
政治家の縁故主義と汚職が酷すぎるから、国王に期待するしかない!というカトマンズ市民の声も、だんだん疲れが見えてきた。

ネパール・テレビって、アバウトだよね

ネパールでは明日、ギャネンドラ国王誕生日。2.1体制以降、もはや「大本営発表」以外の何者でもない「国営ネパールTV」からは、国王礼賛が洪水のごとく溢れ出している。
 
詩人としても知られる(ようになった)国王作詞の、愛国歌謡の特集。この番組の中では、先日取りあげた「明日は誰にも分からない」の、新作ミュージックビデオも紹介された。他の曲が、明るく愛国心を鼓舞する行進曲なのに比べ、異色のマイナーコード進行。もの悲しいメロディーと、妙に強気の詩が、いろいろな想像をかき立てる。
 
ニュースでも、冒頭から「国王ご夫妻臨席のもと、誕生を祝うティー・パーティー」「誕生を祝う集会・デモ」「誕生を祝う宗教行事」もろもろもろ。ところでティー・パーティーであるが、例年首相が主催していた。現在は首相がいないため、内閣筆頭閣僚のギリ氏、ビスタ氏が主催なのかな?と思ったら、何と、ラナバート下院議長主催であった。
 
議員の任期が失効して、ずいぶん経つネパールの下院(日本で云う衆院)。治安問題と政治的混乱から、選挙が出来ないでいる。それにしても、現在のネパールには正式に存在しない下院の、次が決まらないから仕方なく、儀礼的にタイトルを保持しているだけのラナバート下院議長。
 
ああ。陛下を取り巻く環境も「寒いなぁ〜」
 
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その次のニュースは、パラス皇太子夫妻、日本の天皇皇后両陛下と皇居にてご会見。続いて東宮御所において、皇太子殿下とご会見。
 
ネパールTVの取材班も、日本に同行している。それにしても、である。一番視聴者の多い【夜8時のネパール語ニュース】では、日本からの映像がなかった。日本皇族との映像が流れたのは、夜10時15分の【英語ニュース】だけであった。
 
ネパールでも人気の高い尊敬されている日本の皇族方と、パラス皇太子夫妻が並んだ映像って、大本営発表を旨とする国営テレビなら、何が何でもネパール国民に【見せつけたい】映像の筈。それなのに、8時のニュースに間に合わなかったとは!10時過ぎの英語ニュースは、英語の分かる人しか見ない。しかも、同時間帯の民放のニュースの方が人気が高い。
 
ネパールTVのクルーは、慣れない日本から映像電送は大変だと思うし、名古屋への移動などもあったろう。しかし、それにしても、東京での【ネパール政府派遣団の仕切り】が、ニュース効果を理解していないものだったのかな?
 
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ネパールの愛国者たちは、王族がネパールにあることの「意味」や「意義」について、口角泡を飛ばすけれど.......ガイジンの感覚で見れば、王族に対する尊敬に基づくべき行動が、お粗末。なことが少なくない。
 
そしてそんな人たちだから、社会を動かし、国家を危機から救い出す能力も......まあ、その、う〜ん。ネパール人って本当に、国家組織を運営する能力に欠けた人たちが多い。
 
制服を着ていない勅任リーダーで成果が上がらなければ、良くも悪くも実行力と規律の塊である「制服集団」しか、もう残りのカードはなくなる。しかしこれは、あまりに前時代的かつ危機的カードでしかない。
 
王室も、王党派も、民主を標榜する政治家も、学生も、そしてマオ派も。そろそろ本当に、何とかしなければ、実にヤバいことになるのではないかな?という危機感。私などより、権力の中枢にいる方たちの方が、切実に具体的に感じているはずなのだが。
 
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そんな、漠然とした悲観的状況とは裏腹に、「身の上相談掲示板」が盛況である。実に心強い!
 
国や社会はどこに流れていこうとも、私たちの【情念】は凄いぞぉ〜。人生と商いは、止まらない列車。と、本来管理人であるはずの私が、掲示板でのやりとりで、振り払ってもまとわりついてくる「悲観的物憂さ」を乗り越え、明日に向かう元気をもらっている次第。
 
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ところで、パラス皇太子夫妻に同行している、パンデ外相のインタビューがNHKの衛星放送ニュースで放送されていた。
 
現体制は、ネパール民主化の危機を国王が救うためであり、早ければ10月に(市レベルの)地方選挙を行うこと。そして状況を見ながら国政選挙を実施し、選良議会に全権を渡すものであること。また、ネパール国内外のメディアが、間違った見方の報道をしていることは遺憾である。
 
と、政変直後から言い続けられている、現体制側の主張を話されていた。パンデ氏はパンチャヤト時代からのベテラン政治家であるが、政治家というより「論理家」として評価の高い御仁である。

あなたは、私たちと一緒よ....ふふふ。ってかぁ?

昨夜、【ネパールの観光業界を動かす、(ネパール人)ビッグ5】と呼ばれる、ネパール人の大先輩お一人と話をする機会に恵まれた。この方、何故だか私を可愛がってくださり、いろいろ薫陶を授けてくださる。得難い先輩である。

まずは、最近この方の経営する企業体に私の顔出しが少なくなったことに対する、やんわりとしたお叱り。だって、最近来訪者が少ないんですもの。と答えると、「お客なんていなくてもいいから、友だちと来なさい」とのこと。無理云うなぁ〜 (^_^;)

その次には、最近、カトマンズの邦人社会には何か「動き」はないか?と聞かれた。そこで何気なく「9月頃、日本人会主催で、在留邦人の緊急避難訓練をやるみたいですけど」と答えたところ、普段優雅な物腰の方が色めきだった。

「何故、そんなことをする!何故、そんな必要がある!!」

「え゛ーっ。だって2月みたいに電話回線全カットみたいな事態になったら、外国人として身を守るための訓練は必要じゃないですか」

「そんな必要はない!私が必要ないと云ったら、必要ない!!これ以上悪い方向には、私たちが絶対流さないから。少なくともあなたは、安心して暮らしなさい」

と、そんな会話となった。その後、まだまだ興味深い会話もあったのだが、ここでは割愛する.......しかない。

まあそれにしても、日本的考え方としては、火災予防のための「消火訓練」であり、その手の訓練は「災害や事件・事故を未然に防ぐ」ための訓練である。

であるからして、今度予定されている訓練も、緊急事態が起こらないことを祈ったり願ったりしてのことだろう。訓練終了後は、和気藹々と楽しい催しも準備されているそうであるので、まあ、お楽しみ会のアトラクションと考えつつ、真剣に参加することが(カトマンズ暮らしの中で)大切だろう。

それにしても、普段おっとりした上品なネパール人である方が、ビクッ!とした後、多少声を荒げて話をされたことが印象的だった。何らかのストライク・ゾーンに、直球を投げてしまったのだろうね。

さて先日、緊急時の心の準備をする上で、大変参考になるトピックスの「プロジェクトX」が、NHK国際TVで放送されていた。それにしてもあの番組の場合、結局「美談」である必要がある。当時の現場では、美談の範疇を越えた「人間ドラマ」があっただろうなぁ。番組に取りあげられなかった(人間らしい)話は、番組の100倍あっただろうなぁ.......と、想像を巡らせた。

もし自分が、その「人間ドラマ」に巻き込まれたら、どのように毅然と、冷静に、誠実な勇気を持った行動が出来るだろうか?と、考えるだけで終わって欲しいものだ。体験者には.......なりたくないよね。

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【蛇足】

ネパール国内に(確か3ヶ月以上)長期滞在する邦人は、カトマンズの日本大使館領事部に「在留届」を出しましょう。緊急時、邦人保護を受けるための基礎データとなります。

また在留届の届け出事項に変更が生じた場合も(引っ越し、帰国など)、必ず大使館領事部に連絡しましょう。

旅行者の方も、特に個人旅行の方は、日本のご家族と頻繁に連絡を取り合い、緊急事態発生の折は、大使館領事部に連絡を取ることをお勧めします。邦人保護の「網の目から漏れぬよう」、行動することが肝要です。

ネパール・テレコム、携帯電話

本日の新聞報道によれば、ネパールでの携帯電話事業を独占してきた「ネパール・テレコム」は、携帯電話使用料金の引き下げを決定した模様。特に、受信にかかる料金が、やっと無料になる。今までは、受信コールにも課金されていた。
 
これは、もうすぐ参入する見込みの「民間携帯サービス」に対抗するため。また、現在使用が中断されている「プリペイド」携帯の、新料金体制もほぼ決定したという。ということは、プリペイドのサービス再開も近いのだろう。
 
それにしても、カトマンズ盆地内でしか使えない携帯は、ちょっとなぁ〜。一日も早く、盆地の外でのサービス再開を!と願うばかり。
 
テレコムからは近日中に、正式発表となるだろう。
 
ところで、携帯電話新規参入準備中の民間企業は、国王の「娘婿」が経営する会社だというのが、もっぱらの評判である。

チャベル交差点、続報

昨日付の記事に、在留邦人Nさんが情報を寄せてくださった。Nさんも偶然、同じ渋滞に巻き込まれていたものの、バイクであったため目的地のHホテルまでたどり着けたそう。
 
まず、チャベルからボーダナート手前Hホテルまでの間、事件・事故はなかったとのこと。また渋滞は、Hホテル手前のパサンラモ三叉路までであったとのこと。ということは、自然渋滞である可能性が大きい。
 
また交通警官であるが、交差点に少なくとも2名いたようである。あの巨大渋滞には不十分な人員であるし、コンクリートブロックに囲まれた地域には、配置がなかった。このため、救急車が身動き取れないのは見捨てられていた。
 
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ネパールにおいて、道路を造る・拡張する・車の流れを決定する権限は、道路局 にある。交通警察は、道路局が作り上げた流れの中で、交通整理をしたり違反を取り締まるだけの権限しかない。
 
今回、パシュパティからチャベル交差点を「魔の数百メートル」としている元凶は、中央分離帯に隙間なく並べられた「コンクリートブロック群」である。これを「誰が」設置したのか?という問題がある。
 
今後確認する必要があるが、行政区分を考えると、ネパール道路局である可能性がある。となると、交通警察だけを責めるわけにはいかない。
 
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上記道路局、交通警察ともに、日本の政府開発援助ODAのつながりがあり、カトマンズの日本大使館、JICAネパール事務所も、確固としたパイプを持っていらっしゃる。
 
チャベル道路は我々在留邦人、また日本人観光客もよく通る道路である。もしあのような「逃げ場のない大渋滞」の中で大事故が発生したなら、ネパールの方たちばかりでなく邦人も被害を受ける可能性がある。
 
ネパールに対する内政干渉は求めないが、邦人保護の観点から、あのコンクリートブロック群に対する意見や、渋滞解消に対するアドバイスなど、日本政府から、日本大使館、JICAから、ネパール政府当局と協議いただくことは筋違いの妄想であろうか?
 
交差点に日本人が「出張って」交通整理するのは、主権の問題や安全確保などの問題がある。しかし日本が、交通【システムについての助言】をすることは、援助国として望まれる態度ではないだろうか?
 
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先進国の場合、交通量と道路施設の適合性が、地点地点だけでなく、街全体、国全体のプランで考えられていると思う。
 
しかしネパールの場合、そんな高度な計画性はない。それなのに最近のネパール。形だけ「先進国道路の真似」をして、却って混乱や危険性を増している部分があると、カトマンズに住んでいて実感する。

ネパールからの発信、出来るところまでやりますが

2.1体制以降、ネパール国内で閲覧できなくなったウェブサイトが幾つもある。毛派のネット発信や、その活動を伝えるニュースサイトなどである。
 
が、例えば在日ネパール人協会のニュースサイトも、何故だか規制の対象となっている(協会のメインサイトは、別URLでネパール国内で閲覧可能)。このサイトが閲覧不能になったとき、URLが空の下と似ていたため、一瞬「え゛ーーっ?」と青くなったものだ。
 
また最近も、2つのサイトが規制対象となった模様。
 
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ネパールの空の下は、管理人たる私の【日々の垂れ流し】であり、自宅でも事務所でも、ネパール語の中に首まで浸かって生活する私の、【キーボードで打った日本語おしゃべり】でしかない。
 
しかも、日本語による発信であるため、規制のための監視最前線からは逃れられているだろう。
 
それでも、狭い社会のネパール。密告もあれば誤解もある。ある時を境に、「ネパール国内閲覧不可」扱いになる可能性。「ネパールから更新不可」となる可能性は、ゼロではない。ここまでの事態は(多分)起こらないだろうが、今後カトマンズからは【思ったことを書けない】社会体制となる可能性がある。
 
出来るところまで発信を続けるが、ある日突然書けなくなること。この可能性を胸に抱いて、ではそれまでの間何をすべきなのか?何をしたいのか?考えていきたい。

魔の「チャベル」交差点にて、遭難(?)体験

カトマンズ市内。パシュパティナート寺院から、ボーダナートに向かう途中、「チャベル」交差点がある。カトマンズ市街地から、最新施設を誇るHホテルに向かうとき、必ず通る交差点でもある。
 
昨夜(7/1)、この交差点手前で、大変な思いをした。また、人命にも関わることも目撃した。カトマンズ市内の地理。また現場の状況を見ていない方には、共感しづらい点多々あるかと思うがお許し願いたい。
 
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昨夜、上記Hホテルでの会合(夜8時少し前に会場に着けばOK)に出席するため、夜7時5分に王宮通りから車で出発した。チャベル交差点は交通渋滞で悪名高く、特に朝晩の通勤時間帯が酷いため、夕方のラッシュ・ピークが終結に向かうはずの時間帯を選んだ。
 
パシュパティ交差点を過ぎ、しばらく走って、渋滞に巻き込まれた。ああ、いつものことか......と最初は感じたが、しばらくしてその異常さに気付いた。この道路は渋滞解決のため、つい最近拡張舗装工事が完了した。道幅が1車線ずつ増えたにもかかわらず、全然前に進めないのである。
 
進行車線。チャベル交差点からリングロードに向かう車線は、遅々とした動きだが車が流れていた。問題なのは、交差点を右折し、ボーダナートやHホテルに向かう車線であった。通常、渋滞であったも10〜15分で通過できる距離が、1時間経ってもまだ抜けられなかった。
 
対向車線は、ガラガラ。
 
通常カトマンズでは、このような場合、対向車線の一部まで車がはみ出て前に進む。または、諦めてUターンする。
 
しかし、拡張されたチャベル道路はこれが不可能である。中央分離帯に、最近カトマンズで大流行の「コンクリート製車止め」が、恐竜の背骨のように隙間なく、ずーーーーーっと設置されているからだ。
 
シンハダルバール前やプタリサダク道路にも導入されているが、ここでは車が自由に出入りできる間隔を持って設置され、その間はロープが張られている。今回のような事態となれば、交通警官が一部ロープを撤去することにより、少なくともUターンは可能となる。また、救急車などの「緊急車両」が(患者搬送時)対向車線を走行することも出来る。
 
チャベル道路は、人間の力ではなかなか動かせないコンクリートブロックが、隙間なく置かれている。しかも、Uターンのための隙間が殆どない。これでは渋滞時、多数の車両が閉じこめられることになる。
 
実際昨夜、ピーポーを鳴らした救急車も閉じこめられていた。他の車両が道を譲りたくても、どうしようもない。救急車は、途中1ヶ所ブロックの切れ間をぬって、対向車線に出て行った。しかし、30分くらい渋滞の中にいた。もし、一刻を争う患者さんが乗っていたら......命に関わる。
 
加えて【犯罪的】だったのは、このような場合は現場で仕切る筈の、交通警察官は一人も見られなかった。
 
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私は結局、交差点から数十メートル手前でブロックの途切れる場所からUターンし、カトマンズ市内に戻った。車の流れを見ていると、Hホテルに着けるのは夜9時頃になるか?と見込まれたからである。それほど、前方の車列は絶望的様相を呈していた。
 
それにしても、救急車の患者さんはどうなったのだろう。
 
昨夜の渋滞は、交差点からボーダナートに続く道路が、事故か何かで、車線の一部が塞がっていたとしか考えられない。これは、どこの国でもあり得ることであり、非難できると思わない。
 
問題なのは、パシュパティ〜チャベル道路に気が狂ったように(日本の高速道路並み)設置されたコンクリートブロックである。こんな道路は、カトマンズ市内他にはない。また、現場に出張らない、ネパールの交通警察の無責任である。
 
カトマンズ市内の道路では、ブロックとロープによる車線確保が成果を上げている地域がある。しかし、チャベル周辺に関してはブロック設置方法も異なり(ロープを使用しない、ブロックの密着設置)、ネパール国家権力による【犯罪的行為】だと思う。
 
周辺にある、高度医療に定評のO病院。大規模なHホテル。観光客の多いボーダナート。また地域住民が、声を上げて抗議することを期待したい。
 
少なくとも私は、平日のHホテルにどうしても行かなくてはならないなら、遠回りしてリングロード側から、チャベル交差点を抜けようと思う。だってリングロードなら、Uターンが出来るから。
 
そしてもし、救急車に乗る羽目となったなら、チャベル交差点を通る経路での搬送は御免被る。だって、たったひとつの命だもの。
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