ネパールの地方選挙、ついに始まってしまった。
結局、全国58選挙区(市行政地域)で、市長、副市長、区長、区議、女性区議ポストの中で半数程度は、立候補者が一人もいない状態である。政府側は、マオ派による脅迫の下で沢山の立候補者が集まったと自賛しているし、反政府側は、失敗選挙の烙印を押す。
市民は.....白けている。投票率はきっと、低いだろう。
最近のカトマンズは、妙に静かだ。風は冷たいが、冬の一番寒い時期は終わった。街角のポップコーン屋台から、香ばしい豆を煎る香り漂う。埃が陽を浴びて、きらきらと空中に舞っている。
明日から、本格的な選挙キャンペーンは、きっと、ない。地方都市では、立候補者の安全のため、全員治安部隊の保護下にいる場所もある。カトマンズでは、市長候補でさえ、今まで聞いたこともない名前。見たこともない顔が、ずらり。誰が当選しても、期待感は持てない。
現在の状況、アホらしすぎる。これは、選挙とは呼べない。これは、王権の権威失墜に直結する。内閣総辞職程度では、許されない。
政治的真空という「ブラックホール」が、見えてきた。恐ろしい。