けぇ がるね?日記

ネパールの首都、カトマンズから発信しています。

2006年10月

ネ憲法記念日の怪

今日は、つい、ネパール政府スポークスマンである、バドゥ情報通信大臣に噛みついてしまった。ネパールにおける憲法論議。

もし宜しければ、畏敬するT先生。吼えてください。

*-------*-------*-------**-------*-------*-------*

本日夕方、上記バドゥ情報通信相の定例記者会見があった。内容は、昨日の閣議決定についての伝達。重要案件については既に、昨日、ネパール国内報道各社に流れていた。

何を今更、ワシらを呼びつけて記者会見だ!昨日既に、ニュースで流れとるわい。と、各社記者たちの険悪な眼差しに晒される大臣。しかし、発表の最後、昨日は漏れ伝わっていなかった案件。

「閣議決定により、毎年11月9日に祝われてきた(ネパール)憲法記念日の休日を廃止する」

えっ?でも、何で......と、某記者が質問。大臣の答えは、

「1990年の憲法は、国会宣言によって既に有名無実化している。このような実態のない憲法の制定記念日を祝日とする意味がない」

思わず、不肖わたくし、マイクを掴んで質問してしまった。

「革命で政変があったなら兎も角、現在のような民主的プロセスで転換が為されている中、新憲法が制定されるまでの間は、1990年憲法が有効ではないんですか?」

答える大臣。

「いや、現在のネパールは、特別な状況下にある。国家の最高決定機関は、国会下院である。ここで、1990年憲法の条項一部停止が発表されている。また、もうすぐ、暫定憲法が施行されるから問題ない」

再度噛みつくわたくし。

「それじゃあ、ロクタントラ(民主主義)じゃなくて、プラティニディサバ・タントラ(国会下院独善主義)じゃあないですか!」

大臣、大笑い。笑ってごまかすなよぉ.......

大雑把でざっくりがネパールの魅力だけれど、憲法について、ちょっと、無謀過ぎはしないかい?と、考えるのは私だけだろうか。

ソウル〜かとまん直行便?

11月から、ソウルとカトマンズの間、大韓航空便が就航とか。

週に何便飛ぶのかな?時間帯は?日本への乗り継ぎは?料金は?シーズン中だけなのか、通年か?と、詳しい情報はこれから集めなくちゃ。

シンガポール経由のSQ(シンガポール航空)便がなくなってから、日本に行くときはバンコク経由のTG(タイ航空)だけが実質的なチョイスだった。* / **

これからは、ソウルでストップオーバー。本場のサムゲタン、プルコギ食べて日本行き・帰りという方法が出てくるか。カムサハムニダ!な予感がする。

* ネパール在住者は、関空直行を含むRA便を使わない事が多い。

**バンコクまでTGを使い、バンコク〜日本をJAL、ANA、もしくはアメリカの航空会社を使う方法もある。

ザ・タフネゴシエーター 〜4

最近、ネパールのテレビ番組関連のリサーチをしている。

ネパール国営ネパールTVをはじめ、人気番組を多数抱える(ネパールの)民放のトップに会っての交渉。番組制作者との面談。

そう。ザ・ネゴシエーターと化しているわたくし。

「☆○▽□のトーク番組で、この間放送した、ゲストが★▲●さんで、司会者が□◎☆の格好で登場したあの回は、云々」と、私。

「え゛っ、何故そんな内容まで......もしかしてアナタ、うちの番組を見ているんですか?」と、各局責任者や制作者。

どこに行っても、(ネパール語は喋るが)日本人の私が、ネパールのテレビ番組を見て内容を記憶していて、それに対してコメントするという点について驚かれる。ネパールのテレビ業界人にとって、ガイジンが自分の番組を熱心に見ていることは、想定外の様子。

だってアナタ、仕事でリサーチしてるわけだから、見てますよ。と云うのは普通。実はわたくし、ビョーキなんです。テレビ・ラジオ大好き病。仕事中はラジオつけっぱなし。家にいるときは、テレビつけっぱなし。

テレビは、NHK国際放送ニュースを中心に、ネパール民放のカンティプール。そして、国営ネパールTVのドロドロ愛憎メロドラマ(真珠夫人並みか、それ以上のストーリー)など......何でも見る。うちの亭主だけでなく、息子からも「なんでそんな(低俗な)番組まで見るんだ!」と非難轟々なのだが、やめられない止まらない。

私の「困った習性」が、今回は、仕事の役に立っている。ラッキー!

よくよく考えてみると、私の「遊び好き」「新しもの好き」「ネパール伝統文化好き」「お寺好き」「ミステリー好き」「ネパール好き」から、普段、だらだら、阿呆丸出しで見たり聞いたりで歩いたことが、結局、仕事のプラスになっている。日本から「こういう話、知らない?」とボールを投げられたとき、どんな球でも「とりあえずバットに当てる」ことに役立っている。

教訓。親の小言と茄子の花に、千に一つの無駄もない。

ネパ教訓。ネパールの諸々どんなに些細な事だって、私にとっては千に一つの無駄もない。

さて、今週は「和平交渉」かな?私にとってはマオ派問題もネパールのメロドラマも、「ネパールという同じたんす」の別の引き出し。

やっと終わった!盆と正月

ご存じの通り、ネパールでは雨期の終わりと同時に、ダサインとティハールの2大祭りが、1ヶ月にわたって連続して襲って(?)来る。

盆と正月が、1ヶ月の間に、続いてやって来るようなもの。

古来、都市部のごく限られた富裕層を別にする国民の大部分が、祭りじゃないとご馳走を食べられない。晴れ着を着られない。実家に帰れない国であるから、まあ、秋の1ヶ月に費やすネパール人のエネルギーは凄まじい。

好きなときに好きなものを食べて、気が向けば普段も洋服が買えるカトマンズの中流家庭でも、風習は急に止められない。我が家のように、苦労して子供を育て上げ、自己犠牲と家族愛の化身のような(連れ合いの)母がいたりすると、「親孝行!」とばかりに、出来る限り盛大に祝うのが人の道だったりもする。

忙しいネパール人しかしこの間、日本や世界は普段通り仕事しているわけで。外国と繋がった仕事、ビジネスをしているネパール人や在留外国人にとっては、何かと気ぜわしかったりする。

左の写真、クリックいただけるとよく分かるが、昨日のバイティカの儀礼を姉妹の手で受けている途中、携帯で話し込むネパール人男性の姿である。彼はカトマンズで、名の知れた旅行会社を経営している。この時期、仕事が最も忙しい。最新式でカッコイイ!モトローラ製の携帯電話に、ひっきりなしに電話が来るのも仕方ないこと。

*-------*-------*-------**-------*-------*-------*

さて、我が社も、今日から平常勤務......の筈なんだけど。社長たる、うちの亭主が率先して、祭り疲れで寝込んでしまった。明後日金曜日には、愚息が寄宿舎に戻る。「母さん、ボクの買い物どうするの?」攻撃もある。

ああ、うっとうしい!やろうよ、サクッと仕事。

10月末までに片付けるべき業務を果たすべく、夫も、息子も、家庭も顧みない宣言をしたい。今日の私は、半日しか出社できなかったが、明日からは「鬼」になるもんね。

がお〜っ!

異常な、日常

今までマオ派が出没できなかった場所に、堂々と出てきて、「毛沢東主義ネパール共和国」としてのマオ派警察活動や、マオ派トレッキング許可料金徴収は、なぜ可能になったか?理由は明確。

これまでなら、国軍や武装警察に見つかると、武力で制圧された。だから、逃げ場所の見つからない、国軍が駐屯するヒマラヤ山中や、政府治安維持の厚い首都圏では、マオ派の活動は制限されていた。

現在、停戦中であり和平交渉中であり、マオ派が出てきて何をしようと、国軍も警察も手出し出来ない。ひとつの、突発的衝突が、停戦破棄に繋がるかも知れない。だから、政府側がフリーズしているように見える。

結果、カトマンズでも普通にマオ派兵士が(武器を持たず、私服で)歩き回っているし、マオ派のスローガンを書いた横断幕も張られる。王宮通り(東京で云えば、丸の内のような場所)にも「マオ派党首プラチャンダ写真入りの歓迎ゲート」が作られていて、今日見て、一瞬、自分の目を疑ってしまった。

時々聞かれる質問に、ネパール人の人混みを見て、なぜ、普通の市民とマオ派の人間が分かるんですか?というものがある。多分、普通の外国人には分からない。でも、ネパールに長く暮らして、いろんなネパール人を見てきた人には分かるもの。目つき、顔つき、歩き方、身のこなし。時には、カトマンズのど真ん中での集会に、マオ派印のハチマキ巻いた「分かりやすい」マオ派活動家が集結していることもある。

ネパールに住むことや旅行することが、以前より危険になったとは云えない。普通に街を歩いていて、マオ派関連で危険性を感じることは(今のところ)ない。じゃあ、安全度が増したか?と聞かれると、これまた困る。

はっきり云えるのは、政府に加えてマオ派体制(マオ派にとっての自己政府)という2ヶ所から諸々主張されると、ネパールにいる人間としては大変に困ると云うことである。

マオ派のやりすぎ。政府の対応不充分。困るのは市民、居住者や旅行者。

マオ派が街にやってきた

ネパール国内におけるマオ派の存在は、反政府武装組織から、「もうひとつ別の政府」に変化してしまった感がある。

最近マオ派は、マオ派独自の警察組織を、首都圏においても活発に活動させている。和平交渉の時も、政府警察や軍隊とは別に、マオ派活動家が首相官邸を取り囲んで警備するなどの事態が発生している。

ネパール政府の警察と軍隊があるように、マオ派の警察と軍隊が並列する現実が、最近、都市部でも確認できるようになった。

これまで、マオ派が入り込んでいないと考えられてきたトレッキングルートでも、外国人に対するマオ派の強制的募金活動が活発化していること。ネパールの新聞で報道されている。「ネパール共和国」に対するトレッキング・パーミットの名目で、トレッカーから規定の料金を徴収し、立派な領収証も発行しているらしい。

やれやれ。トレッキング業組合TAANは、TRCというトレッキング登録料金を徴収。マオ派人民政府も、別途、お金を徴収ってか?

停戦中であるから、マオ派に対してお金さえ払えば「安全」と考えるべきか?いや、そういうことは「異常」なことで、ネパール政府の治安維持が緩んでいる証拠。「危険」だ!と判断されてしまうのか?やっと回復基調に入ったネパール観光業界にとって、影響が出ないか心配である。

信頼できる旅行会社を通じた、トレッキングや旅行をお勧めしたい。

ザ・タフネゴシエーター 〜3

なかなか合意に達しない、政府とマオ派の和平交渉。

その原因として、コイララ首相が王制温存に固執しているとか、インドの介入とかいろいろ噂されているが、もっと現実的、かつ、国民無視のこの野郎!的原因がある。という話を聞いた。

政府もマオ派も、相手ではなく、自分の陣営内に未解決の問題があるため、(マオ派が参加した)暫定政権樹立に向かえない。というもの。

マオ派の問題は、こう。プラチャンダ党首をはじめとする「毛沢東主義・政治家」は、武装解除せずに政権入りすることは、国内外の理解を得られないことを理解している。しかし、マオ派人民解放軍を基盤とする、党内武闘派がこれに納得していないこと。

政府側の問題は、こう。現政府を構成する、7政党の「序列」は、コングレス党、統一共産党、民主コングレス党、以下小政党。ここにマオ派が入る時、マオ派はコングレスに次ぐ「2番目の序列」を要求している。これにより統一共産党は、ひとつ下がって第3の勢力となる。これを、統一共産党が認めないというもの。しかし、統一共産党が2番目で、マオ派が3番目というのは、マオ派も認めないし、実情に反している。

ネパールの政治らしい理由であり、妙に納得できるところが悲しい。

*-------*-------*-------**-------*-------*-------*

さて、ネパールで「オバケより悪霊より扱いにくい」のは、政治家諸氏。

ネパール統一共産党の党首、マダブクマール・ネパール書記長(以下、マクネと表記)に、はじめてインタビューをお願いした時のこと。日本人のインタビュアーと一緒に、私もマクネ氏の自宅に行った。にこやかに私たちを迎えたマクネ氏は、開口一番

「日本共産党は、日本でどれくらい政治力がある政党ですか?」

う〜む。これって、答える人間が共産主義に対して、どのような考えを持っているかがモロに出てしまう。いきなり、変化球をあびせられた感じ。インタビュアー氏も巧妙に、

「書記長殿は日本の古都、京都をご存じですよね。京都では伝統的に、共産党が強い影響力を保ってきました」

と、日本の話を京都の話にすり替える。マクネ書記長は、満足そうな顔を見せない。そこで私が口を挟む。

「書記長殿。日本共産党の指導者の中には、有名な読書家の方もいます。日本人は、沢山本を読む人を知識人として尊敬します。ネパールでも共産主義者の皆さんは、実に、沢山本を読まれるそうですね」

と、相手の自尊心をくすぐるが、本質的にはすり替えの論点で急場をしのぐ会話であった。そんなところで、インタビューのためのカメラセッティングも出来た。マクネ氏も気分良く、インタビュアーとの英語トークで喋りはじめた。ほっとして、ふと、マクネ氏がカメラの前に座る直前に被ったトピー(縁なしのネパール民族帽)を見て、ひっくり返りそうになった。

帽子の布の模様が、鎌とハンマーの共産党記号。加えてCPN・UMLという、ネパール統一共産党を表す頭文字。カメラを意識した、細かい芸である。

残念だったのは、マクネ氏の発言自体は言を左右にした訳の分からないもので、何を聞いてもはっきりした考えが見えてこなかったこと。その後、何度も彼と会って分かったのだが、いつ話しても同じこと。何を尋ねても、何を言っているのか、いつも分からない御仁である。論点のすり替え、自己弁護の天才。

それでも、リズム感溢れた「完成された話芸」がある。

同じ「発言不明瞭」でも、民主コングレス党デウバ党首のような、人を不愉快にさせる話し方ではない。

*-------*-------*-------**-------*-------*-------*

さて、ネパールの政治家にインタビューする時、ネパール語で聞くか英語で聞くかによって、出てくるものが違うことがある.....って話しは。

つづく

ザ・タフネゴシエーター 〜2

で、ハヌマンドカの「魑魅魍魎くんたち」であるが、その後も仲良くしてもらっている。時々我が仕事場にも遊びに来るようになり、今も横に3人(匹?)ほどいて、私がブログを書くのをニタニタ笑いながら眺めている......って。

まあ、これは大嘘だけどね。

しかしながら、あのお寺、この路地裏、はては、我が家に居る守護神さんと、時々、あらまあ。という出会いは続いている。もしかすると、カメラをはじめとする撮影機材の発する電波が、呼び寄せるのかもしれない。

私の仕事の中では、魑魅魍魎くんよりずっとずっと手強い「生きた人間」と交渉しなくてはならないことの方が多い。

と、ここまで書いて、今日はティハールで忙しいので失礼。家の、プラチャンダよりギリジャより強情な「亭主」が、ブログ以前に、仕事もさせてくれない。

分かったよ。ニュースより大切なんだろ!ティハールが!!!!!

つづく

ザ・タフネゴシエーター 〜1

私はネパールで、結局何をしているんだろう?と、ふと、考えた。

TVジャーナリストという肩書きを使うこともある。大きな業務用ビデオカメラを担いだカメラマンと一緒に、インタビューマイクを握りしめつつ突撃取材!というイメージも湧いてくるだろう。

コーディネーターという肩書きで、ネパールで取材したテレビ番組に、自分の名前を載せてもらうこともある。これまた、様々な最新の放送機器と共にやって来たクルーと、華やかに、ネパール各所で業務にあたっている印象を持っていただけるかも。

しかし、実際は、傍目で見て「わぁ、テレビの撮影だ!」と分かっていただける業務なんて、ホンの一瞬でしかない。普段は、地道に、撮影やニュース取材のための「リサーチ」や「交渉」をしている。撮影現場においても、降り懸かる突発事項や現場での変更、悪天、ゼネストなどに対処するため、眉間に皺を寄せつつ、次のこと、その次の展開を考えて頭を痛くしているばかりである。

ねぇ、ネパールのこういう「現実」を、撮影できる場所ってない?

とリクエストされるや、それがどんなに困難であろうと、撮影実現に漕ぎ着けるための諸々をクリアーして、現場の進行をスムーズにすべく立ち会わねばならない。そして大切なことは、一連の仕事が、ネパール国内における法律に抵触しないよう、役所の許可を取ったり、関係者の理解を得るのも仕事である。

こういう業務に世界中で従事している人間が居るからこそ、普通の旅行者や生活者では「入れない場所の景色」や「見ることが出来ない光景」というのが、テレビに溢れているのである。

普通不可能なことも、(いつもじゃないけど)かなりの確立で可能にする、「ザ・交渉人」が、私の、いや、亭主と私の仕事....と、云ってしまうと、格好つけすぎ。

*-------*-------*-------**-------*-------*-------*

さて、今までの仕事で、忘れられないもののひとつ。カトマンズ旧王宮、ハヌマンドカ・パレス内部の公開は、昼間だけ。業務用ビデオ撮影は許可されない。

ここを「日中〜夜間」、業務用カメラで撮影せねばならぬ!

時は、2001年王宮惨殺事件の数ヶ月後。社会も、政府も、王室もピリピリ緊張が続いていた。当時、旧王宮の許可はネパール宮内庁に申請であり、なかなか許可されなかった。しかも、日没後も撮影。そんな不可能を可能にしたのは、我が亭主が粘った成果。

夕暮れ時となり、撮影のクライマックスの時。日中は静かだった旧王宮の隅っこ。柱の影が、何となく「ざわざわ」してきた。目には見えないが、異界の者の気配がする。日本から来たクルーは、全然感じていない。でも、私は、鳥肌立った。それでも、全然怖くはない。

やあ、魑魅魍魎くんたち!

おい、こんな時間までお前たち何してる。オレたちが、闇の世界に出てこられないじゃないか。

ごめんね。もうちょっとだから。

と、不思議な存在と交信しつつ、撮影が終わるまでなだめすかして。

撮影が終了したのは、とっぷりと日が暮れた頃。撮影機材を撤収し、王宮から外に出るとき。旧王宮の闇の中、巨大な姿で起立する、九階建てのバサンタプールバワンを見上げた。ついさっきまで、内部で撮影をしていた建物。王宮の中核。

その壁面にぶら下がるように取り付けられた、中世の芸術的木彫り窓、窓、窓から、無数の魑魅魍魎くんたちがこっちを見ていた。その、目、目、目、目と、視線が合った。

あ゛ーーーっ。     つづく

季節を、登山で感じる

私は元々、日本で10年ほど、真剣に山登りをしていた。そしてヒマラヤにやってきて、「自分は、ヒマラヤに登る人間ではない」ことを、悟った。しかし同時に、とある山が、

「その代わり、面白い人生をあげるから、しばらく山に来てはダメ」

と、私に引導を渡してくれた。その結果が、今の私の人生である。下界での修行を7年ほどした後、トレッキングではあるけれど、山が再び呼んでくれるようにもなった。しかもそれが、何らかの形で、自分の見たものを広く世間に見ていただく業務だというのが......面白い人生だ。

*-------*-------*-------**-------*-------*-------*

と、そんな私にとって、春と秋のヒマラヤ登山・トレッキングシーズンに、ここに「帰ってきてくれる」登山隊の存在は、毎回、心わくわくするもの。

時には、ずーっとご無沙汰だった先輩と再会できたりする事もある。「よっ、また来たよ。元気にしてた?」と、毎回声をかけてくださる方もいる。日本で山を登っていた頃、神さまのように感じていた山屋さん、山岳写真の先生と出会えて、きゃ〜っ♪と感激することもある。

今年の秋の登山、シーズンも終わり。これからカトマンズにも、寒い季節が来る。しかし2月3月の声を聞く頃には、また、春の登山隊がやって来る。と、最近、季節の移り変わりを、登山隊の動向で感じている。

カトマンズという場所で暮らす人間として、かつて、山の世界に居たと云うことは、ラッキーなことだ。とは云え、山屋としては落第生だった私だけどね。

*-------*-------*-------**-------*-------*-------*

「生温かく見守る」って、ネパールのような国では、昼寝しながらいい加減に、でも時々見守るってスタンスじゃないと、疲れちゃうんですね。特に政治なんて、全然前に進まない。でも時々、ゴトッ!と展開する。

だから登山隊への応援も、生温かくなっちゃうこと、お許しを。

マオ派、首都での活動強化か?

和平交渉が、なかなか合意に至らない。元々、まとめるのが至難の問題と政治状況であるから、驚くには足りない。が、残念な状況である。

短期間での合意が難しいことは理解していても、やはり、首相官邸という究極の密室での交渉が長期化することは良くない。市民や国民を無視して、政治家だけで、権力の綱引きをしているように見えてくる。

例えば、王制について。「政党側も共和制に傾いた」「象徴国王に固持している勢力がいる」などなど、様々な噂が漏れ聞こえてくる。しかし本来、こういう問題は国民投票にかけるなどして、国民の意思を問うべきではないだろうか。

カトマンズに暮らしている私たちも、周囲にいる(普段付き合っている)ネパールの人たちによって、「王制廃止の共和制」が大勢に見えたり、反対に「やはり国王が必要」が主流に感じられたりする。いわんや、ネパール全体の意志なんて、絶対見えてこない。

だから私は、この手の問題について、「大勢は云々」と明記したくない。

自己の視野の狭さと、付き合うネパール人が偏っている可能性があることを自覚しているから。

各種政党もマオ派も、各々の主張と利害はあるだろうが、国民の声を聞く努力をしても良いんじゃないか?ワタシが大勢です!と、主張するのが政治家なんだろうけれど、どこを向いて政治をしているんですか。

*-------*-------*-------**-------*-------*-------*

さて本日午後、マオ派は「首都圏での活動強化」を宣言するらしい。

和平交渉を、自派に有利に運ぶための活動だが、決裂の場合は「首都での巨大ムーブメント」「共和革命」に発展する可能性もゼロではない。この場合、都市部で大規模な武力衝突に発展するとは考えにくいが、それでも、人の血は流れるだろう。

この事態を一番避けたいのは、実はマオ派だと思う。だから、話し合いによる和平実現の可能性は充分にある。しかし同時に、マオ派にとって首都での決起しか方法がなくなれば、他の選択肢を見つけることも困難だろう。

いやはや、まったく、ギリギリの局面にならねば事が動かないネパール。イライラしたりヤキモキする。それでも、最後に何とかするのがネパールである。

警戒しつつ、希望を持ち続けたい。

日曜日合意?

ダサイン休暇明けから、3回にわたって続いている和平交渉は、明後日、日曜日に4回目となる。7政党、マオ派共に、合意に近づいているが合意には至らずという発言。

まあ、国の根幹に触れる、ここ10年間人の命をやり取りしつつ戦ってきた案件なのだから、簡単に合意するはずもない。同時に双方とも、今回合意して、新生ネパールに向かわねば、浮かぶ瀬がないことも理解している。

合意に至った後も、暫定憲法制定、マオ派を含む暫定政権樹立、国家運営、新憲法制定、新体制での民主政府確立。と、先は長い。時間はかかる。

それでもなお、今回の和平交渉が合意に達して、暫定政権樹立に向かうなら、ネパールに対する希望が見えてくる。そうでなければ、ちょっと、厳しい未来。

生温かく、見守る。

スイートポテト・パイ

秋の味覚、さつまいも。カトマンズでは、日本種のお芋さんが手に入る。

今日はカフェUさんで、「スイートポテト・パイ」に遭遇!ヨガで1時間絞られた後、迷わず、食す。美味しさが脳髄に広がり、悶絶ぅ〜

実に、絶品!花丸。

カフェUさんは、日替わり定食もデザートも、心を込めて丁寧に作られている。作る人たちの優しさ、誠実さが、味に表現されている。食べる人を、元気にしてくれる味って、あるんだよね。

それにしても最近、パタンで完結する(カトマンズに行かない)事が多い。明日は、和平交渉だ。カトマンズ遠征(?)だ。

トークは続く

ダサイン休暇明けから始まった、第2回トップ和平交渉。今回は、シリーズものとして、複数の日にわたって、1日おきの日程で続いている。

さて、明日、シーリズ3回目の交渉がある。どうやら問題の核心が、王制の扱いらしい。その他の問題については、双方の歩み寄りが感じられる。個人的意見だが、王制については「国民投票」で決めるのが、一番すっきりすると思う。しかしまあ、トップ交渉でどんな決定が出るのか?

合意は近い。明日にも.....という声もあるが、ネパールは、フタを開けてみるまで分からない。ダーティーなどんでん返しは、ネパールの得意技。また、合意に達したとしても、合意を維持した「運営」というのが出来るかどうか?

ネパールでは、物事を生温かく見守るしかない。

さて、新憲法制定のための「制憲議会選挙」は、来年6月中旬までに実施と、これだけは昨日合意された。それ以降の時期は農繁期+雨期となり、全国規模での選挙が難しくなる。願わくば、5月中旬以降の選挙日程でお願いしたい。春の観光シーズンが終わった後で.....ね。

ネパールの国家選管によれば、選挙の公式発表があってはじめて準備に着手できる。準備期間は、最低6ヶ月必要とのこと。「鬼が笑う」かもしれないが、時間は必要。

国外勢力から強制された選挙では、物事解決できない。イラクでもアフガンでも、悲しく実証済み。しかし今回、曲がりなりにもネパールの国内交渉で道筋がつくなら希望がある。ネパールが、よりマシな民主主義に進むのだから。

と、希望は裏切られることが多いネパール政治である。しかしそれでも、そろそろ、社会改革とセットで平和が来ても良い。

今日の一日、明日もまた

北朝鮮の核実験。爆発したのは、国際的な非難。

西側諸国の気を引くために、核をはじめとする「危険な駄々」を外交カードに使う国、北朝鮮であるのは旧知のことだが、今回は(北朝鮮式)全体主義の「終わりが始まった」か。

国際ニュースの業界では、東京、ソウル、ワシントンDC、ニューヨークが激震なのだが、実は、北京ラインが最前線のような気がする。阿倍総理訪中に続き、激務が続いているのだろうな。ご自愛いただきたいなぁ.....と、北京方面の空を見上げて、敬愛するHさんを思う。

*-------*-------*-------*

秋のヒマラヤ登山。マナスルとシシャパンマの「お友だち(と云うには畏れ多いような先輩たちも参加)登山隊」がそれぞれ、そろそろ、カトマンズ帰着。登頂成功の方たち、出来なかった方たちもいるけれど、皆さん無事で本当に良かった。

ヒマラヤ登山は、下界にいる私がものを云えないシビアな世界があること。昔、少しだけの経験だけれど、知っている。その場に行った方たちだけが共有できる喜び、苦しさ、悔しさ、満足感がある。

だから、登れても登れなくても無事で良かった、と文字にすると「軽く」なってしまう。

あの、山の、登山の、酸素の薄さと、雪と氷と風の、凍ったザイルの、アイゼンとピッケルとパイルの、喉をやられる乾燥の、でも、胸がぎゅーっと締め付けられる充実感の世界が、なつかしい。あの世界からカトマンズに戻ってくる皆さんと、会いたい。声を聞きたい。顔を見たい。一緒に笑いたい。

みなさん。おつかれさまでした。

*-------*-------*-------*

今日は、ダサインの長い休みが明けて、最初のヨガ。日本から届いた「ウルトラマン・タイツ」、ワコールのCW-Xをはじめて使った。

すごい!実に、素晴らしい。

履いている私だけでなく、先生もびっくりしていた。普通、練習の日にちが空くと決まらない「筋力系」のポーズが、休み前以上にピッと一発で決まる。ぐらぐらしない。「どーしちゃったの、ワシ?」って感じで、とにかく、スーパーパワーが出た。

さて、明日は日本も連休が明ける。どどどっと、メイルが押し寄せるかな?

ウルトラマン、レッグ

むふふふふっ。ウルトラマンの脚。何のこと?

イチロー選手御用達、ワコールCW−X。しかも、スタビライクス。これが昨日、国際お取り寄せで、日本から届いたわけ。買ってきてくれたAさんに、感謝!

ウルトラマンタイツを履いたから、無限の力が出るわけではない。しかし、無用な筋肉疲労を軽減させ、体軸を安定させる効果が期待できる。最近のヨガが、力業(ちからわざ)連続になっていることもあり、必要だったのね。

でもって、来年春の「エベレスト計画」にも欠かせないウエア。ふふふ。エベレストBCから駆け下るフルマラソンに、参加するのね、ワシ。縁起よく、昨日の夜にはマラソン主催者ともばったり出会って、パッション溢れる決起集会となった。

亭主に内緒で買ったのだけど、見せたら「おお、これは業務用にも使えそうな優れものじゃん!」と。値段を云ったら、「いや、こういう投資は必要だよ」と、素晴らしい反応。

来年の大会は、欧米系スポーツテレビの取材も予定されているらしい。私も、国際的アスリート・デビューか?ってったって、高度5,000M〜3,000Mの低酸素フルマラソンを、10時間以内のタイムで完走するのが目標.....という、凄いんだか、全然凄くないのかよく分からない目標なんだけど。

ウルトラマンの脚で、シュワッチ!なのだ。

コングレスとUML

凶暴なる(?)山羊肉食え!祭り、ダサイン週間が今日終わる。

昨日、今日は、家族や親戚のティカ(儀礼的祝福)はどの家も完了しているため、芸能界、政界などの「社会的挨拶大会」が開かれることが多い。昨日金曜日朝は、ネパール舞台演劇の雄、スニル・ポカレル氏主催の「舞台系文化人ティカ大集会」に行ってきた。尊敬すべき大先生、気の置けない友人と「やあやあ」挨拶を交わせた。

*-------*-------*-------**-------*-------*-------*

午後は、ネパール統一共産党(UML)主催の、ダサイン茶会。

また今日は、コングレス党主催の、ダサイン茶会。

この2つの、ネパールを代表する政党の茶会の様子が、対照的で面白かった。両方とも、場所は党本部。何千人〜数万人の人が押し寄せるため、会場面積が絶対的に足りないのも同じ。

UMLは招待客を「業界別」に区分けし、呼ぶ時間をずらし、政党支持者のおじちゃん・おばちゃんから大臣、外国大使まで、(時間差で)同じ場所で同じ軽食とお茶を飲む方式。来る客と帰る客が「時間差」だから、圧迫感なく出来る。比較的ゆっくり、会話と軽食を楽しめた。しかし、異業種の人とは出会えない。会場には、使い捨ての皿やカップを捨てるゴミ箱もある。

コングレスは、2時間という限られた時間に、みんな一緒に呼ぶ。会場は、大混乱。東京の通勤電車並み。お茶と軽食の場所は、外交官やVIPは別のテントでゆったり。その他大勢は、押し合いへし合いで殺気立つテントで飲み食いさせられる。

亭主と私は、たまたまVIPテントに知り合いの大臣がいて、挨拶したら、「さっ、君たちもここで食べて行きなさい」と、ウィンクしてくれた。ラッキーと云うべきなのだが、居心地悪し。さっさと食べて、会場を後にした。

UMLに限らず、ネパールでは共産系政党の方が統制取れているし、組織運営がしっかりしている。それでもコングレス党を越えられないのは、ネパール人の、仕切りや計画を軽視する「土壇場勝負至上主義」が関係しているのか?

それにしても、このような場所に毎年顔を出すのは、いずれにせよ「普段の顔見せや付き合い」をしておかないと、業務立ちゆかないネパール社会だからこそ。報道各社、明日の「和平交渉」様子見取材もあるし。

さて明日。マオ派との和平交渉はあるか、また延期か?あったとしても今回は、数日にわたる長期協議になる可能性もある。

プロフィール
カトマンズの天気
Click for カトマンズ, ネパール Forecast
記事検索
  • ライブドアブログ