けぇ がるね?日記

ネパールの首都、カトマンズから発信しています。

2014年04月

リングロード拡張工事の現実

カトマンズの真夏を彩る、大木に咲く紫のジャカランダ並木を撮ろうとリングロードに出てみたら。花はまだちらほらしか咲いていない。

その一方、カトマンズのカランキからパタン郊外を通り、再度カトマンズのコテソールまでのリングロードは、拡張工事の真っ最中。

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リングロードとは、カトマンズとパタン市をぐるりと囲む、27kmの郊外環状道路である。今から30年ほど前、中国政府の援助により完成した。

市街地の拡大と郊外に開発されている住宅地とのアクセス。急増する車両やバイク。急激な都市化の進むカトマンズ首都圏の需要を満たすため、今回も中国の無償援助により対向4車線ずつ、計8車線の道路に拡張が進められている。現在第1期工事として、カランキ〜コテソールまで9km区間が工事されている。

これまでの道路部分が中央にあり、その左右、グリーンベルトとして残されていた空き地が掘り返され、排水溝等の工事が為されているのだが。

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道路部分の昔の埋め立てと、30年間のアスファルト舗装の層により、新規拡張部分との間に大きな段差が生じている。

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これは今後盛り土をして、道路と同じ高さになるのであろうが。現在掘り返して、ガードレール等の防御も無しに車やバイク、歩行者が通行している。横に置いた自転車と比べて、段差の高さが分かる。

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今のところ大きな事故は起こっていないが、乗客を満杯に詰め込んだバスが突っ込みなどしたら。大惨事になる事、この写真からだけでも想像出来るだろう。
 
いやはや、チャイナ式土木工事。しかも、ネパール。命あっての物種である。 

パタンのクマリ

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カトマンズ旧王宮地区のクマリの館に住まわれるロイヤル・クマリだけでなく、カトマンズ盆地内には何人かのクマリが現在でも存在している。由緒正しきネワール族の、吉祥の印を持って生まれた少女が、生きている女神さまとして国家や地域の信仰の対象になっている。

女神でいる間は外出や食物に対する規制もあるが、近年では女神期間中の学校教育にも配慮が為されるようになったと聞く。カトマンズクマリのように通学できない場合は、学校の先生がクマリの元に出向いての個人教授となるようだ。

パタンのジャワラケル交差点〜クマリパティ(文字通り、クマリの東屋)は昨日今日、ストリートフェスティバル。食べ物や衣類の露天、ヘビメタバンドのコンサートという下世話な環境の中、パタンクマリのお目見えも行われていた。

祭りの最終日には国家元首も臨席するパタンのラト・マチェンドラナートをはじめ、パタンの神聖なる祭りや儀式には欠かせない、街の守り神である。

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ラト・マチェンドラナート、祭りはもうすぐ

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カトマンズ盆地に雨期の到来を知らせる、パタン、ラト・マチェンドラナートのご神体を乗せる山車が、今年も伝統通りの技法で準備されている。今年は5月3日に巡行が始まり、1ヶ月から2ヶ月にわたってパタン旧市街地各地に巨大な山車が曳かれていく。祭りの終焉の頃には、盆地に豊作をもたらすための雨期が始まる。

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エベレスト、続報 Apr. 24_21:13

情報源;

本日のロイター電
http://www.reuters.com/article/2014/04/24/us-nepal-everest-idUSBREA3H06L20140424?feedType=RSS&feedName=everything&virtualBrandChannel=11563 

ネパール時間20:45からのBBCラジオネパール語国際放送


内容は同じ。本日エベレストBCを訪れた交渉団のトップに直接取材(ロイターは次官。BBCは大臣) 。

ネパール政府が今期の登山活動を一括中止決定することはない。

各登山隊の状況判断を尊重する。

登頂に失敗した場合2年以内であれば再度挑戦できる規定があるが、今回は特例として5年以内であれば再度登山料払うことなく今回の登山許可で再挑戦を認められるよう、閣議決定にかける。
 

BBCは現地のネパール人高所ガイドに電話インタビューしていた。曰く、アイスフォールの状況良くないし、家族も今回は登山活動を辞退するように云うが、どうやって外国人メンバーに納得してもらうかが問題だ。とのこと。

登山を中止する登山隊が増加した場合、アイスフォールの通過危険性の問題以外にも、上部のルート工作をするマンパワーや機材が決定的に不足する。登山継続の登山隊には、慎重のうえにも慎重な活動が望まれる。 

エベレスト、続報 Apr. 24_12:55

エベレストベースキャンプから発信する、ピークフリークス登山隊のブログに拠れば、ベースキャンプで行われたネパール人ガイド・スタッフとネパール政府の話し合いの結果により、今シーズンのネパール側エベレスト登山が全て中止されることで合意した。現在のエベレスト登山許可は、今後5年間有効にすることも合意された模様である。
http://peakfreaks8000.blogspot.com/ 

ネパール政府からの公式発表はまだ出ていない。ひとつの未確認情報としてお伝えする。

エベレスト、続報 Apr. 24_09:20

欧米各登山隊の公式ウエブサイト発表に拠れば、雪崩事故で自隊のシェルパを失ったAlpineAscentsとAdventure Consultantsに続き、ネパール時間昨日、IMG隊とPeak Freaks隊も今シーズンの登山中止を発表。
http://www.alpineascents.com/everest-cybercast.asp
http://www.adventureconsultants.com/adventure/EverestDispatches2014/
http://www.mountainguides.com/everest-south14.shtml
http://peakfreaks8000.blogspot.com/2014/04/safety-first-we-pull-pin.html?spref=fb

本日ネパール政府とネパール山岳諸団体の代表がベースキャンプに出向き、待遇改善決定の説明と登山継続を話し合うことになっているが、これを待たず。の、判断である。

Peak Freaks隊のブログに拠れば、アイスフォールのルート工作を担当するアイスフォールドクターから、今期ルートの安全性について悲観的見通しが出ているとの記載もある(しかし、私の立場では直接取材していないので、このような情報があると紹介するに止める)。AlpineAscents、Adventure Consultants、Peak Freaks隊は合同でヘリコプターをチャーターし、(アイスフォール上部に位置する)キャンプ2に荷揚げ済みの登山資材をエアリフトで下ろす計画とのこと。自隊のシェルパがこれ以上アイスフォールを通過することを、回避するための措置である。


現地報道によれば、本日ビーム・アチャリヤ観光大臣、スシル・ギミレ観光省次官をはじめとする所轄省庁のトップ及び高官、ネパール登山協会、トレッキング業協会、登山オペレーション業協会、登山ガイド協会、及びヒマラヤレスキュー協会の代表がカトマンズからヘリコプターチャーターで現地に赴くとのこと。情報ソースに拠れば、12名の乗客で2台のヘリがチャーターされているそうだ。

続報を待ちたい。私が一番願っているのは、全てのネパール人と外国人の安全である。同時に、登りたい、登らせたいという人たちの願い。登りたくない、自分は今回登らないという人たち双方が尊重されること。

ネパール人高所ガイドの献身のうえで成立する商業登山隊の是非や、これに参加することの意味づけについては、何かが決定的に変化していくと思う。登山を生活の拠り所としている人たちにとって、より良い方向が見いだせることを願っている。

エベレスト、続報 Apr. 23_12:00

未確認ではあるが、信頼できる筋からの情報。

今期エベレスト登山を全面停止に追い込みたい特定の政治勢力が「山の麓」からベースキャンプに乗り込み、オルグしているそうだ。外国メディアへの「ベースキャンプ現地情報源」も、この勢力からのものに偏っている。

本日カトマンズで再度関係者が協議し、明日、登山関係諸団体やネパール政府観光省責任者がヘリでベースキャンプに赴き、現地で直接交渉を行う計画があるとのこと。観光省次官、出来れば大臣が乗り込むとのこと。

ここ数日の事態推移に注目したい。同時に、ヒマラヤ登山も特定の政治勢力に浸食されようとしている噂の事実関係を確かめたい。高所ガイドやスタッフの安全と補償を名目に、自派勢力の資金源として絡め取ろうとする動き。これはカトマンズで、ホテル労働争議で行われたことの焼き直しだ。人の命を、同じくネパール同胞の特定政治派閥が搾取する可能性について、許し難いものを感じる。 

ネ政府の回答と、エベレスト続報

昨日4月22日。エベレスト登山に従事するネパール人高所ガイドやスタッフに対する補償改善について、ネパール政府は以下のような回答を出した。

ヒマラヤ高所ガイドの死亡保障保険金額をこれまでより50万ルピー増額し、150万ルピー(約150万円)とする。今回の事故で亡くなり、現行保険額しか受け取れない遺族には差額を政府から支給する。

怪我や病気の治療に対する補償額を30万から40万ルピーに増額。

外国人が
支払う全ての山の登山料の30%を地方開発のため郡開発委員会に拠出しているが、そのうちの5%を山岳救援基金に拠出する。救援基金は負傷者のリハビリやキャパシティビルディング、死亡遺族への援助や山岳救助に使用される。基金の運用ガイドラインを2ヶ月で作成する。

山岳事故慰霊公園建設予算を、次年度予算から支出する。


この決定を受け、エベレストベースキャンプでは今後の登山活動について協議が続いているようだ。事故で隊のシェルパを失い、既に登山活動を中止し決定したグループも若干出ている。 

現地にいる外国人登山者(家)のブログに拠れば、大多数は今後の行動について未だ協議中である模様だ。シェルパの間には不安感がぬぐい去れていない。深く信頼されている高僧が「これ以上の登山はやめるべきだ。更なる死者が出る」と発言したとの未確認情報も拾えた。同時に、命の値段の軽さや、政府側の対応に収まらない怒りが蔓延しているとも聞く。政府高官が現地に飛び、ガイドやスタッフたちと直接対面すべきだとの声もある。

また同じガイド(シェルパ)と云っても、大手登山代理店の正社員として年間雇用されている人材と、遠征ごとに臨時雇用されるフリーランスという立場の違いにより、登山継続に対する意見の違いが出ているとの指摘も出ている。 

欧米系大手商業登山隊を主催する外国人著名登山家2名は急遽ベースキャンプからカトマンズに飛び、本日政府当局と直接交渉に臨むとの情報もある(私の知る限り、シェルパからも顧客からも大変尊敬されている外国人登山家)。

昨日から外国ニュース通信社から「今シーズン登山中止」とのセンセーショナルな見出し報道が出ている。しかし実際のところ、まだまだ先行き不透明である。結論は出ていない。と見るべきだ。 

エベレストジャンプ、中止

エベレスト登頂後、ウィングスーツを着用しパラシュート降下とその生中継を計画していたディスカバリーチャンネルは、今回の雪崩事故を受け、計画の中止を発表した。公式サイト発表
ディスカバリーチャンネル・エベレストジャンプ生中継日本語サイト
計画の詳細日本語情報外部サイト


今朝UPしたネパール側エベレスト全登山隊の今後の動向であるが、BC現地情報がカトマンズにはないので、今後の見通しについては明言できない。全て中止となった場合、スタッフへの補償、外国人登山者の支払った登山料の扱い等、大きな問題となるだろう。

これは私の全くの推測であるが、商業登山隊に限れば現在の時期は高度順化の期間中であろう。6千メートルまでの順化であればエベレストでなくとも、付近の、登山料が比較的安価で許可取得も容易な山で可能である。粛々と、エベレスト以外の山で順化を行っているパーティーもあるだろう。 

世界のてっぺんに行きたい!という望みは誰にも否定できないものであり。これに向かって努力を続けてきた世界中の登山者がいる。登ってなんぼ。顧客を登らせてなんぼ。の、現場のガイドたちスタッフもいる。事故を深く悼みつつ、1週間後の登山活動再開を願う人たちも少なくないと思う。

同時に、命は安くないことを主張するのは当然の権利。カトマンズの登山代理店業界には、カトマンズの政治勢力や複雑な地縁血縁ごとの利害関係が絡んでいること。これが政府との交渉にどのような影響を与えるのか? 現場の人たちを置いてけぼりにした交渉にならないこと。現場の人たちとそのご家族の今年、来年、将来を、より確かなものとする結果が導き出されること。願うばかりである。

春の登山シーズンはまだ、始まったばかり。

エベレスト登山、停止中。中止の可能性も。

今朝の報道から
The Himalaya Times (ネパール)
e-Kantipur (ネパール)
The Gurdian (英国) 

4月18日に発生したエベレストアイスフォールでの雪崩は、13人死亡、3人行方不明、9人負傷(うち7人重傷)という、過去にない大規模な事故となった。死傷者、行方不明者は全員ネパール人高所ガイドやスタッフである。現地では行方不明者の捜索が続いていたが、現場の危険性がこの継続を難しくしている模様だ。

事故の犠牲者に哀悼の意を表し、同時に登山現場の安全確保と(外国人からの高額な登山料* を徴収する)ネパール政府による保障体制の確立を求め、昨日から1週間、ガイド、スタッフたちによる全ての登山活動を停止することとなった。要求の内容は、
 事故死亡者遺族や怪我によって今後の登山活動に参加できなくなった犠牲者に対し、1千万ルピー(約1千万円)の補償金を支払うこと。
 全ての山の登山料収入の30%を拠出し、山岳救援基金を創設すること。
 今シーズンの登山活動を辞退するスタッフに対して、基本給を支給すること。
 スタッフに対する山岳保険金の倍増
 レスキュー活動に対するヘリの活用を進めること。
などである。

4月18日を追悼の日とし、今年をエベレスト追悼の年とすることも、現地からアナウンスされた。

エベレスト・ベースキャンプだけでなく、カトマンズでも政府と登山代理店の話し合いが行われる。この内容如何では、今年春の(ネパール側)エベレスト登山全てが中止される可能性もある状況となっている。

「オレたちの命の値段を、これ以上安く値踏みするな!命がけで、エベレストという国の威信を守る現場の人間に、ネパール政府は敬意を払うべきだ」

という、現場からの、あって然るべき主張だと思う。これまで長年の不満が、大事故をきっかけに爆発しようとしている。


* 登頂の可能性が一番高い、春シーズンエベレスト登山料は、外国人1人あたり1万1千ドル。ネパール政府はこの春だけで、3億円規模の登山料収入を得ている。
 

登山の安全と、生活の問題

今朝のネパール英字新聞で、あるシェルパ族登山家/観光業事業家の意見が紹介されていた。
 
ネパール政府は今年春のシーズンだけでエベレスト登山料として3億ルピー(約3億円)の収入があった。また、登山以外の下界での様々な事故補償に1千万ルピーを支出している。しかし、命がけでネパールのイメージを世界に知らしめている登山ガイド/シェルパに対する保障はない。このままでは20年先には、高所ガイドに従事するシェルパはいなくなるだろう。

もちろん、国家による保護や保障は必要だ。同時に、現場に従事する高所ガイド個人も、高度な技能を有する専門職として確立することが不可欠なのではないだろうか?ヨーロッパのガイド同様に。この場合、高所ガイドは登山技術だけでなく、語学能力や登山に対する専門知識が必要となり、これを客観的に審査し、格付けする公平な機関と権威が不可欠である。ネパール政府やネパールの登山界に求められるのは、このようなマネジメントである。

しかし、現場でガイドたちが、命をかけて稼いだお金で師弟に高い教育を受けさせる。教育を受け、外国人と対等にやりとりできるようになった子供たちは高所ガイドにならず、街での仕事に就く。先進国に移住する。カトマンズでトレッキング手配の旅行業に就く。ヒマラヤに帰るにしても、ロッジ経営等安全な仕事に就く。という図式がある。かつてナムチェ。クムジュンは有名ガイドを多数輩出したが、既にこれら地区の経済・教育水準が上がり、若者たちは高所登山に従事したがらない。かつて登山で名声を得た父親たちは、自分の息子や娘を登山に送らない。これらの地域では危険な登山に従事しなくとも、ロッジ経営やトレッキング等、より安全な仕事で安定した生活を営むことが可能なのだ。

例えば、危険な荷揚げとなるBCからC2までを人力でなく、高所ヘリでエアリフトすることは出来ないだろうか?しかしこうなるとその代金は、危険の代償に稼ぐ現場のシェルパではなく(荷揚げ1回に付きいくら、という歩合制である)、カトマンズのヘリ運行会社に吸い上げられてしまう。

エベレスト登山ではシェルパに対する安全が叫ばれる一方、価格競争による顧客のぶんどり合戦もある。安全第一でマネジメントされる価格の高い手配で「命の安全を買う」登山者がいる一方、低価格で挑戦する人たちもいる訳だ。 

シェルパに頼る商業登山は「ダっセーよ!」と云うと、「じゃあオレたちの生活どうしてくれんだよ?」という、多くのシェルパさんや業界の声が聞こえてくる。「世界のてっぺんに行ってみたいのです」という、世界中から集まる多くの顧客(や、ごく少数の登山家)たちの願い自体にも、ケチをつけたくない。

難しい問題である。今年春の登山シーズン、始まったばかりである。残り40日間が、安全に恵まれることを祈るしかない。

エベレストでの雪崩事故

ヒマラヤの氷河とは?  

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2011年撮影

今朝夜明け前の時間、ネパール側エベレスト・ベースキャンプ(BC)からキャンプ1(C1)の途中で雪崩(氷河の崩壊?)が発生し、現地報道によれば遠征隊のネパール人シェルパ15人が巻き込まれた。現在のところ6名の死亡が確認され、行方不明となった9名の側索がつづいているという。

この事故の背景には、ネパール側エベレスト登山ルート特有の危険と、現在の商業登山の現実が感じられる。

BCからC1の間は氷河地形の中でも、特に「アイスフォール」と呼ばれる「氷河の滝」であり、氷河の底が急峻かつ狭い谷になっている。氷河はそのまま流れる事が出来ず、氷と氷の間には深い裂け目「クレバス」が生じる。そのため、氷河上のルート崩壊は頻繁。敬意を込めて「アイスフォール・ドクター」と命名された専門のシェルパチームが、アイスフォール帯の登山ルートを設営。毎日巡回し保守点検も行っている。

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2011年撮影。この写真はエベレスト氷河のものであるかどうか確証ありません。イメージ映像です。

それでも尚、アイスフォール帯の通過は、ネパール側からのエベレスト登山において、デスゾーン(標高8千メートル以上の地点)と並ぶ、一番危険な場所と考えられている。近年の商業登山隊では、顧客たる外国人登山者に対し、一番少ない回数のアイスフォール帯通過で登頂に成功出来るような措置が執られている。エベレスト直前、BCへのトレッキング途中にあるより安全な別の山での高度順化であったり、身体の負担を軽減させる酸素の有効利用であったりするわけだ。  同時に、顧客のための上部キャンプへの荷揚げ/荷下げとルート工作は高所ガイドたるシェルパの背中にかかっている。結果、何度もこの地点を通過する事となる。

誤解を恐れずに云うならば、アイスフォール帯の通過はロシアン・ルーレット。ただし、どの拳銃にタマが入っているか?予測できて、かなり回避できる(プロによるルート工作、保守管理。経験による天候や氷の状態予測。高度順化をしたうえでの迅速な行動等) 。しかし、それでも、毎年何度もそこを通過していれば、どんなに屈強かつ足の速い人であっても、不運につかまる危険性がある。

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2010年撮影。カラパタールからのエベレスト。

ざらり、とした気持になる。エベレストの頂を目指す全ての人の安全を。願うばかりである。
 

ネパールの緊急通報電話番号と、その問題

The Himalayan Times紙に拠れば、元ネパール国営Nepal Telecom以外の携帯電話からは、警察と救急車依頼の緊急無料通報番号にしか電話できないそうだ。以下備忘録も兼ねて、ネパールの緊急通報電話番号をあげる。

100 警察オペレーションセンター
101 消防署(火災のみで、救急は管轄外)
102 救急車依頼(火災は101)
103 交通警察(交通事故等)
104 行方不明の子供捜索
105 カトマンズ地区国軍
106 国軍警察
1111 ネパール政府首相直属「目安箱」(政府の不正、不便等の相談) 

Nepal Telecom (NTC) の携帯電話からは上記の番号全てに繋がる。ネパール最大手の民間Ncellの場合、警察(100)と救急車(102)のみ通話可能。

UTL等、大手2社以外のキャリアの場合、どの緊急番号にも繋がらない。 

この原因であるが、1から始まる緊急電話番号システムはNTCが構築しており、そのネットワークに他社回線が繋がらない事である。NTCはこれらを無料公開していると主張するし、一方民間はNTCが非協力的で回線接続に消極的であるとの見解。事実大手民間Ncellは、警察と救急車については独自に自社ネットワークを構築し、サービスを提供している。

普通に生活している部分では、緊急時に警察と救急車に連絡できればまず問題ないのでNcellで良いが、問題なのは、普通の電話回線への繋がりやすさである。警察は別として、一般サービスの信頼性は低い。いざという時公共サービスに頼るのではなく、個人対個人のネットワークでの救援を連絡する方が確実である。そんなとき、家族や親しい友人の携帯に「繋がる電話回線」が不可欠だ。

しかし、回線能力を超えてSIMカードを販売しているため、時間帯やエリアによっては「Network Busy」で絶望的に回線が繋がらない。 このためネパールで販売される携帯電話機の多くは、2枚のSIMカードが一台で使える機種である。NcellとNTC、別のキャリアのSIMを入れておき、その時々の状況で使用している。

マハーバーラタ、再び

ネパールで広く信仰されている宗教のひとつ、ヒンズー教。この宗教の教義や、価値観を学ぶ上で大変役に立つ宗教的叙事大河神話ストーリー「マハーバーラタ Maha Bharata」。原典を読み解くのは長大すぎるし、日本語訳は今ひとつ、抄訳の感が免れず。そうなると、テレビドラマとして作成されたものが一番取っつきやすい。

BR Film社制作による1988年テレビシリーズのオープニングとクロージングソング。



ネパールでも国営テレビで、私の記憶では1991年あたりから放送されていた。インドだけでなくネパールでも大人気となった。私もネパール移住直後、ヒンズー教徒たる連れ合いとの生活立ち上げ期であり、ヒンズー教を信仰する社会の価値観を知る上で、こんなに勉強になったものはない。

私にネパール/ヒンズー教的価値観を植え付けようと、連れ合いはそれこそ、ストーリーの意味や背景を逐一丁寧に教えてくれた。それが後日、大変な事態の原因になるとは夢にも思わず......

マハーバーラタというのは、平たく云えば古代インド王族同士の遺恨がもたらす大殺戮のお話しであり、人間だけでなくヒンズー教の神々までが入り乱れて展開する。ウィキペディアでの解説はこちら。


そんなマハーバーラタが去年秋より、インドの衛星テレビチャンネルStar Plusで再度、最新版が制作され絶賛放送中。放送後にはyoutubeにも、放送版がUPされている。これはその第1話。



四半世紀の間のCG技術の進化を感じさせるものであり、登場人物のキャラクター設定もより現代的である。1988年版では「神話ではそういうことになっているから」的で、何故親族内の遺恨が積み重なったのか?端折られている感があった。しかし現在のものは、善側の中にある弱さ。悪役側にとっての言い分がきちんと描かれている。

マハーバラタという、ヒンズー教徒にとって絶対的な真実と盲信の手垢にまみれた神話を、異教徒として冷静に解釈してみよう。一言で言うなら、

屁理屈が成立するなら、どんな悪行を行っても良い。慈愛あふれる年長者であっても、武力で倒しても良い。前世からの業であれば、どんな悪行でもそれを貫き通せば死語天国に行ける。結局人間はみんな死ぬ訳で、最後は無に帰るのだから何があっても/何をしても恐れる必要はない。

と云うものだ。善と考えられているクリシュナ神は、慈愛あふれる祖父(の世代)に弓引く事を躊躇うアルジュンにそんな事を説くし、クリシュナは妻以外に何千人もの愛人がいるし、その中で一番相思相愛なのは人妻(ラダ)だ。神さまであれば、他人の奥さんであってもオッケー!貞淑の鏡な王妃たちにも、結婚前の隠し子がいることぼろぼろ。言語道断なのは王との間の息子たちが亡くなった後、嫁たちに対し、結婚前に生まれた(王との血縁ない)自分の隠し子と子を為せ!と命令する皇太后がいたり。で、実際息子たちをもうけてこれを王位に就かせちゃう。そしてこの息子たちの甥だの嫉妬と反目が、世代を重ねるごとに深く大きくなっていく。

善の王子は実はギャンブル依存症。財産、国土だけでなく、家族や妻までも賭で取られてしまう。人身売買よ。

しかしそれら全てが、神の名の元に正当化されてしまう。

悪の王子側は、そりゃお行儀悪いけど、身分や出自に拘らず能力ある人間を認めて友情を深めるし(ドゥリヨーダンとカルナ)、ファミリーを売ったりはしない。

しかしそれら全てが、神の名の元に邪悪とされてしまう。

世の中、邪悪でイイのよ。それが神さま(=世の主流派)に裏書きされればね。反対に、どんなにイイとこあったって、神さま(=世の主流派)に認められなきゃダメなのよ。

なーんか、現代のどこかの国の社会の原型のような気がしません?こーゆー価値観を容認するってことは、今生きている人間の人生観にも反映されている。 

1988年版を逐一丁寧に説明してもらい、調べ物をして補強し、日本人の頭で考えて理論武装した。そう、かわいそうな連れ合いの教育から、こんな毒花が咲いたという訳だ。 わたくし、1988年版も最新版でも、狡猾な悪者とされるシャクニに共感するところ大なのだ。みんなが嫌うドゥリヨーダン王子の、たったひとりの理解者。しかも頭は良いし賭博の天才だし、クリシュナのようなイイ子ぶっりをしない潔さ。

よし、ガンバレ!シャクニ大先生!!と、最後に負けてしまう事は数千年の昔から決まり切っているのに、今日もまた、シャクニとドゥリヨーダン大悪王子側を応援する私は、仲良く連れ合いと一緒に最新版マハーバーラタを見るのであった。

いろいろあるが、夫婦は仲良しで。主義主張は異なれど..... 

mahabharat
Star Plusチャネルにて、月曜から土曜まで、ネパール時間20:45(インド時間20:30)から。絶賛放送中。週6日放送とは!大河ドラマであり夜の連ドラでもあるとは.....

 

ネパールの通信事業重点は、音声からデータへ

本日のネパール新聞報道The Himalayan Timesから(元記事)

ネパール国内の通信事業を管轄・管理するNepal Telecom Authority(ネパール通信事業庁) 最新のレポートに因ると、

固定電話、携帯電話を合計した電話回線の数は約2千3百万となり、全国民2千6百49万人の86.82%が何らかの電話回線を保有していることとなる。これは2008年統計15%と比較して大きく躍進している。ただし国民の多くに携帯電話が普及したこともあり、回線増加率は鈍っている。

携帯電話回線の保有は、全国民の76.8%である。

インターネットデータ通信の普及率は30%を超え、8百14万回線となった。 2008年統計では1%以下であった事と比較し、急激に増加している。現在インターネット使用者の95%は、持ち運び可能なデバイス(携帯電話、タブレット、ノートパソコン)を使って接続している。

ネパールでのスマートフォン価格最安値は5,000ルピー(約5千円)となっている。

ネパールの通信事業各社のビジネス戦略は音声からデータにシフトしており、今後データ通信でのシェア確保が、企業存続のカギとなるであろう。


*-------*-------* 以下、解説 *-------*-------*-------* 

電話回線の高い保有率については、携帯電話契約の値段が安く簡単になったことにより、一人が複数の回線契約をする事例。また日本と違い、料金前払いのプリペイド契約が一般的である結果、使い捨てSIMとなっている回線契約数も統計に入っていると思われる。

現在実際に使用されている回線数については、Nepal Telecom Authority(ネパール通信事業庁) のウエブサイトを確認したが、2014年に入って更新されておらず情報は得られなかった。さすが、ネパールのお役所クォリティ!

携帯電話は急激な回線増加に、設備拡充が追いついていない。例えば、都市部では一番メジャーなNcellのプリペイド回線は日中〜夕方、トラフィック過多で繋がらないことが多い。このような事態のため、一台の機器にSIMカードが2枚入る携帯電話機が普及し、NcellとNTCという異なるキャリアの回線を使い分ける事も一般的である。蛇足であるがこのNcell、プリペイド回線には全く繋がらなくても、企業向け(だが、申し込めば個人でも契約可能)のポストペイド(料金後払い契約/日本同様)回線には繋がることが多い。回線に優先順位をつけているのではないか?

以前はインターネットは個人でパソコンを保有したり、ネットカフェに通う一部の個人や事業所に限定されていた。現在は安価なスマホ普及により、携帯からの接続が急増している。カトマンズの中流階層においては、ほぼ月収並みの高価なスマホ(見るところ、邦貨5〜6万円前後)を購入する場合もある。ハイエンド・アンドロイド端末やiPhoneが、ステイタスシンボルとなっている。

カトマンズ首都圏だけでなく、地方の村落部においても3G回線圏内が広がってきている。近未来のネパールにおいては、電話同様に(もしかすると、そのうち逆転して)データ通信が重要なファクターとなるだろう。村のオジちゃん・オバちゃんも、スマホでLINE使って、海外出稼ぎしている子供たちと長電話する日も近いか?
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