ヘリを使ったエベレスト登頂、中国女性登山家王静(Wang Jing) さんについての続報が続いている。英文紙としてネパール最大の発行部数であるThe Himalayan TimesのRajan Pokharel記者がこの件、ずっと取材を続けている。

2014年7月3日 The Himalayan Times (画像クリックで当該記事リンク)
王静さんに対しネパール政府は、エベレスト登頂証明書を発行したこと。ネパールの観光業界紙が主催した彼女に対する顕彰式典に、登山を管轄する文化・観光・民間航空省の事務次官も来賓として出席したことはこのブログでも既に記事にしたとおりである。
一方王さんをキャンプ2まで/から、ヘリに乗せてフライトを行ったFishtail Air社のイタリア人パイロットMaurizio Folini氏に対しては民間航空局(CAAN) の指導により、調査の決定が出るまで飛行停止処分(社のフライト人員名簿からの除外)が出されている。Folini氏はその後、ネパール国内での飛行が出来ないためイタリアに帰国していることが確認された。
Folini氏は9,000時間の飛行経験があり、昨年はエベレストの7,800mからのレスキューという超人的飛行も成功させている。記事によれば彼はヘリパイロットだけでなく、登山ガイドでもあるという。Folini氏は「あのような登山には賛成出来ないが、会社に所属するパイロットとして飛行を実施しか選択肢はなかった」と、当時の状況を説明している。
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【以下、私の論評】
Fishtail Air社はヨーロッパ式山岳ヘリレスキュー技術導入に積極的である。レスキュー飛行により数多くの人命を救う可能性の高いパイロットFolini氏が、一握りの外国人登山家とこれをサポートするネパール人の行動によって飛行停止処分を受けたことは、大変遺憾なことである。
同時に、王さんに登頂証明書を発行したのも、Folini氏に飛行停止処分を出したのも、同じく文化・観光・民間航空省(の内部)であり、決定の間に矛盾がある。敢えて踏み込むなら、登山を管轄する観光産業部の動きがおかしいし、その背景について何らかの疑惑を感じている人も少なくない。
登山家の側やヘリ運航会社マネジメントにはお構いなし。外国人パイロットだけが処分を受ける事となれば。それは明確なトカゲの尻尾切り。世界的に大きなニュースにならないとしても、非常に恥ずかしい、ネパールにとって不名誉な出来事となるだろう。ネパール観光業界にとっても、汚点がまた増える。
The Himalayan Times紙とRajan Pokharel記者には、今後とも期待して報道の成り行きを注目している。

2014年7月3日 The Himalayan Times (画像クリックで当該記事リンク)
王静さんに対しネパール政府は、エベレスト登頂証明書を発行したこと。ネパールの観光業界紙が主催した彼女に対する顕彰式典に、登山を管轄する文化・観光・民間航空省の事務次官も来賓として出席したことはこのブログでも既に記事にしたとおりである。
一方王さんをキャンプ2まで/から、ヘリに乗せてフライトを行ったFishtail Air社のイタリア人パイロットMaurizio Folini氏に対しては民間航空局(CAAN) の指導により、調査の決定が出るまで飛行停止処分(社のフライト人員名簿からの除外)が出されている。Folini氏はその後、ネパール国内での飛行が出来ないためイタリアに帰国していることが確認された。
Folini氏は9,000時間の飛行経験があり、昨年はエベレストの7,800mからのレスキューという超人的飛行も成功させている。記事によれば彼はヘリパイロットだけでなく、登山ガイドでもあるという。Folini氏は「あのような登山には賛成出来ないが、会社に所属するパイロットとして飛行を実施しか選択肢はなかった」と、当時の状況を説明している。
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【以下、私の論評】
Fishtail Air社はヨーロッパ式山岳ヘリレスキュー技術導入に積極的である。レスキュー飛行により数多くの人命を救う可能性の高いパイロットFolini氏が、一握りの外国人登山家とこれをサポートするネパール人の行動によって飛行停止処分を受けたことは、大変遺憾なことである。
同時に、王さんに登頂証明書を発行したのも、Folini氏に飛行停止処分を出したのも、同じく文化・観光・民間航空省(の内部)であり、決定の間に矛盾がある。敢えて踏み込むなら、登山を管轄する観光産業部の動きがおかしいし、その背景について何らかの疑惑を感じている人も少なくない。
登山家の側やヘリ運航会社マネジメントにはお構いなし。外国人パイロットだけが処分を受ける事となれば。それは明確なトカゲの尻尾切り。世界的に大きなニュースにならないとしても、非常に恥ずかしい、ネパールにとって不名誉な出来事となるだろう。ネパール観光業界にとっても、汚点がまた増える。
The Himalayan Times紙とRajan Pokharel記者には、今後とも期待して報道の成り行きを注目している。