けぇ がるね?日記

ネパールの首都、カトマンズから発信しています。

2015年02月

今日のネパール報道から

いつものThe Himalayan Times紙より、気になったニュース抄訳。

豚インフルエンザ感染者在宅治療の是非、カスキ郡医療行政
http://epaper.thehimalayantimes.com/Details.aspx?id=1426&boxid=29132052&dat=2/24/2015
報道より...
 隣国インドにおいて、ここ数ヶ月で700人以上の死者を出している豚由来ヒトインフルエンザ(H1N1)。インドからの観光客が多い観光都市ポカラを擁するカスキ郡でも、ネパール人罹患者が出ている。
 ネパールにおいては血液サンプルをカトマンズに送って検査をする。また、郡病院の隔離病棟に入院させるべきであるが、通勤・通学等の外出を控えることを指示して自宅療養させている。

けぇがるねのひとこと...
 H1N1インフルエンザの場合、日本では罹患患者が多すぎて自宅療養となっていたと記憶。ただし医療体制が確立され、国民の栄養状態も良好な先進国。気候や栄養状況厳しい途上国では、先進国なら何でもない病気が多くの人にとって命取りとなる危険性高い。インフルエンザ然り、下痢然り。インド/ネパールは両国民のビザなし相互入国が自由であるため、他人事ではないのだと思う。
 ところで、日本であれば赤丸で隔離される「腸チフス」「赤痢」「コレラ」や、入院治療となる「肝炎」などの伝染病。ネパールの病院では劇症以外「よくある普通の病気」扱いで、鉄板で自宅療養となる。

ネパール考古局、ネパール国内世界遺産の数を力説
http://epaper.thehimalayantimes.com/Details.aspx?id=1434&boxid=29179488&dat=2/24/2015
報道より... 
 ネパール考古局は、ネパール国内にあるUNESCO世界遺産は2ヶ所だけで、それは「カトマンズ盆地」と「ルンビニ」であると力説する。カトマンズ盆地内にある世界遺産モニュメント7ヶ所(カトマンズ/パタン/バクタプル旧王宮エリア、ボーダナート、スワヤンブナート、パシュパティナート、チャングナラヤン)を別々の7つの世界遺産とカウントするのは間違いである。各種報道のみならず、ネパールの学校で使用される教科書にも同様の間違いが見られるとのこと。

けぇがるねのひとこと...
 この新聞記事自体、半分間違い
 ネパール国内のUNESCO世界遺産は、正しくは4ヶ所。文化遺産として「カトマンズ盆地」及び「ルンビニ」。自然遺産として「サガルマータ(エベレスト)国立公園」と「チトワン国立公園」。2ヶ所と明言するなら、文化遺産Cultural Heritageと書かなくてはいけない。ま、小役人さまたちは、(文化観光民間航空省傘下の)考古局が管理するのは文化遺産だけで、(森林土壌保全省傘下の)国立公園局が管轄する自然遺産なんて知らんもんね。というところか。
 カトマンズ盆地が各遺産地区個別でなく盆地全体として世界遺産であるのは、日本で云えば「京都」が世界遺産なのと似ている。カトマンズ盆地全体ではなく、歴史的・文化的価値あるエリアに限って保全が義務づけられているという訳だ。
 ところでネパールでも、これら以外の古い街並みも世界遺産に登録しよう!世界遺産ブランドで観光振興だ!!という動きがある。近い将来、UNESCO世界遺産はモンドセレクション金賞程度になっちゃう、かもね?言い過ぎか...

ヒマラヤ登山、カトマンズの「躓きの石」

今年春シーズンのエベレスト登山、ネパール側からの登山申請がゼロであるという。 The Himalayan Times 2014.02.16付け元記事/画像クリックでリンク
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アメリカの思索する登山家、アラン・アーネットさんのブログも興味深い。
http://www.alanarnette.com/blog/everest/

昨年春、エベレスト史上最悪の雪崩事故がきっかけとなり、ほとんど全ての登山が中止になった。このいきさつについては過去のブログにも取り上げた通り。
http://blog.livedoor.jp/upreti/archives/cat_50021864.html

さて、昨年の異常な事態に対する救済策として、登山がキャンセルとなった申請に対するパーミッション(登山許可)の5年間有効が検討されてきた。ネパール側からの登山許可は、登山者ひとりにつきネパール政府に支払う登山料だけで、邦貨百数十万円と非常に高額である。

実績ある商業登山隊に参加する場合、代理店への支払い金額、国際航空券、装備等合計して、ひとり5〜7百万円程度必要だと聞き及んでいる。エベレスト以前のシーズンに、チョオユーやマナスルなど他の8千メーター峰で経験を積む必要がある場合も多い。世界最高峰の夢実現には、1千万円前後の資金と、数ヶ月の休暇が不可欠という声もある(なので昨今、特に欧米からは医師、弁護士、実業家などリッチでフィットな層が集まっている印象)。いくら先進国からとは云え、これだけのものを賭けて挑む外国人にとっても切実な問題である。

また、救済措置を申請グループごとではなく、登山者個人個人に対しての権利として認めることも協議されている。登山者がハンドリング登山代理店を変更することを可能とするためである。なぜなら、2014年までネパール側でのエベレスト商業登山隊を結成していた代理店の中から、ネパール側ルートからのオペレーションから撤退するところも出ていることへの対処だ。

昨年春、エベレスト現地での混乱が終結して以降も、カトマンズの観光省、財務省等と政府閣僚の間で、外から見ると全く無責任なやりとりが続いてきた。そして、既に登山のロジスティックス手配が佳境を迎えるべき現在に至っても、ネパール政府は決済を出さずにいる。

エベレストは国の宝、国民の誇りなどときれい事を言うその実、カトマンズの政界、官界にとってのエベレストは「所詮この程度のもの」だと理解するしか、他に考えようもない。

今年春のエベレスト登山の一定の数が、ネパール側からチベット側(中国政府の許可)に流れると予測されている。また、中には、ぎりぎりまで事態の推移を見守っているチームや代理店もあるだろう。中国側の登山許可は北京の意向で突然キャンセルされることもあるし、特定の国に対して厳しい可能性もある。そんなリスクもあるし、同時に、あまり間際では許可されない恐れもあるだろう。ネパールへの申請とチベット側への転戦のタイミング。ぎりぎりまでのチキンレースを強いるネパール政府は、実に腹立たしい。

今年、ネパール側からの登山が限りなくゼロに近くなり、ネパール政府が反省するきっかけ「躓きの石」となるのか?それとも厚顔無恥を貫き通して世界の登山界から見捨てられていくのか?見守り続けたい。

同時に、ネパール側/チベット側の変更で発生する手配の大変さだけでなく、BC登山隊応援トレッキングツアーを企画されているみなさん。根本的な計画見直しを強いられるであろう事、ご苦労思うに言葉ない。登山隊BC滞在サポートトレッキング(普通のトレッカーはBC滞在が許可されないため、希少ツアーとなる)等、付随するツアー商品の成功は、商業登山本体の安全確保にも良い影響を与えるものだと思う。安定した資金確保は、安全確保の重要な要因だ。

登山、イコール生活がかかっているネパール人登山界からもどのような声があがるだろうか?引き続き注目し、経過をお伝えしたい。
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