今年春シーズンのエベレスト登山、ネパール側からの登山申請がゼロであるという。 The Himalayan Times 2014.02.16付け元記事/画像クリックでリンク
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アメリカの思索する登山家、アラン・アーネットさんのブログも興味深い。
http://www.alanarnette.com/blog/everest/

昨年春、エベレスト史上最悪の雪崩事故がきっかけとなり、ほとんど全ての登山が中止になった。このいきさつについては過去のブログにも取り上げた通り。
http://blog.livedoor.jp/upreti/archives/cat_50021864.html

さて、昨年の異常な事態に対する救済策として、登山がキャンセルとなった申請に対するパーミッション(登山許可)の5年間有効が検討されてきた。ネパール側からの登山許可は、登山者ひとりにつきネパール政府に支払う登山料だけで、邦貨百数十万円と非常に高額である。

実績ある商業登山隊に参加する場合、代理店への支払い金額、国際航空券、装備等合計して、ひとり5〜7百万円程度必要だと聞き及んでいる。エベレスト以前のシーズンに、チョオユーやマナスルなど他の8千メーター峰で経験を積む必要がある場合も多い。世界最高峰の夢実現には、1千万円前後の資金と、数ヶ月の休暇が不可欠という声もある(なので昨今、特に欧米からは医師、弁護士、実業家などリッチでフィットな層が集まっている印象)。いくら先進国からとは云え、これだけのものを賭けて挑む外国人にとっても切実な問題である。

また、救済措置を申請グループごとではなく、登山者個人個人に対しての権利として認めることも協議されている。登山者がハンドリング登山代理店を変更することを可能とするためである。なぜなら、2014年までネパール側でのエベレスト商業登山隊を結成していた代理店の中から、ネパール側ルートからのオペレーションから撤退するところも出ていることへの対処だ。

昨年春、エベレスト現地での混乱が終結して以降も、カトマンズの観光省、財務省等と政府閣僚の間で、外から見ると全く無責任なやりとりが続いてきた。そして、既に登山のロジスティックス手配が佳境を迎えるべき現在に至っても、ネパール政府は決済を出さずにいる。

エベレストは国の宝、国民の誇りなどときれい事を言うその実、カトマンズの政界、官界にとってのエベレストは「所詮この程度のもの」だと理解するしか、他に考えようもない。

今年春のエベレスト登山の一定の数が、ネパール側からチベット側(中国政府の許可)に流れると予測されている。また、中には、ぎりぎりまで事態の推移を見守っているチームや代理店もあるだろう。中国側の登山許可は北京の意向で突然キャンセルされることもあるし、特定の国に対して厳しい可能性もある。そんなリスクもあるし、同時に、あまり間際では許可されない恐れもあるだろう。ネパールへの申請とチベット側への転戦のタイミング。ぎりぎりまでのチキンレースを強いるネパール政府は、実に腹立たしい。

今年、ネパール側からの登山が限りなくゼロに近くなり、ネパール政府が反省するきっかけ「躓きの石」となるのか?それとも厚顔無恥を貫き通して世界の登山界から見捨てられていくのか?見守り続けたい。

同時に、ネパール側/チベット側の変更で発生する手配の大変さだけでなく、BC登山隊応援トレッキングツアーを企画されているみなさん。根本的な計画見直しを強いられるであろう事、ご苦労思うに言葉ない。登山隊BC滞在サポートトレッキング(普通のトレッカーはBC滞在が許可されないため、希少ツアーとなる)等、付随するツアー商品の成功は、商業登山本体の安全確保にも良い影響を与えるものだと思う。安定した資金確保は、安全確保の重要な要因だ。

登山、イコール生活がかかっているネパール人登山界からもどのような声があがるだろうか?引き続き注目し、経過をお伝えしたい。