ネパール震災復興に参加するローカル/国際NGOと個人に対する政府方針が策定された。とする、6月1日付e-Kantipur(Kantipur紙電子版)の報道。原文クリック(英語)。

以下抄訳...
ネパール政府は震災復興支援に参加する団体と個人に対し、政府との間に協定を結ぶ必要があるとの閣議決定を行った。ネ財務省外国援助課によれば、この措置は閣議決定が為された先週から今後6ヶ月間有効となる。

政府筋は、「震災支援のために集められた巨額の資金がどのように、如何にして使用されたのか明らかにするための措置である」と主張している。

ネパール内閣によって採択された “Directives on Mobilising Assistance of National and International Non-Government Organisations-2015” は、NGO/INGO、企業や個人はネパール政府と取り交わした協定(契約)に基づき、被害を受けた教育、医療、住居に関するインフラ再建に対し独自資金を運用することが出来ると規定している。資金はまず首相直轄救援基金への入金が推奨される。独自に資金運用を望む場合は、プロジェクト終了後建設されたインフラを政府に引き渡すことが条件となる。

物品による支援の場合も、同様な協定を政府と結ぶものとする。

政府以外の団体や個人がインフラ再建を行う場合、政府が策定した手続き、基準、デザインに準拠すべきであり、Post Disaster Needs Assesment (PDNA 6月15日発表予定)との整合性も必要である。政府が建設するインフラと、NGO等が建設するものの同一性を持つことで、公平な援助を目指す。
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一方NGO/INGO側は、この種の政府規定は常によい結果をもたらすと限らないと警鐘を発している。 

「方針の考え方はよいが、ネパール官僚機構の手続きにより復興が妨害される恐れがある。NGO/INGOは、政府による資金凍結の可能性を抱えている。政府はもっと実際的な対処をすべきである」
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政府規定によれば、政府との協定締結後は募金活動は行えない。また、協定に反する事実があった場合、許可は無効となる。NGO/INGOは協定締結後一週間以内に活動を開始し、決められた期間内に活動を終了する。その後はプロジェクト(注 建設したインフラ)を政府に引き渡す。

建設において出来る限り、ネパールの人材と資材を使用する。外国人の雇用については別途許可を取る。建設されたインフラに、ドナー側の宗教、文化、商標をつけることは出来ない。

このような措置により、ネパール国内で行われる協力活動の追跡ができる。

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ここからはネパールの空の下による...

この規定は震災「以降」、ネパールでの協力支援活動に新規参入する団体と個人に向けてであると推測できる。震災以前からネパール政府に登録した団体については、それぞれ中央/地方政府と協議・認可の下活動を継続している。震災支援についても同様である。

NGO/INGO側が主張するように、政府の言い分は正しいことを云っているのであるが、官僚機構の中での運用がスムーズに為されるかどうかが鍵となるだろう。「6ヶ月で完了させて出ていって下さい」という政府の主張であるが、ネパール役所仕事で数ヶ月止まってしまう事はあり得る。支援の足かせになる恐れは大きい。

同時に、中央や地方政府や行政、地域住民との摺り合わせなしに行われる支援については、問題点が多いことをNGO側からも聞く。独善や政治的野心に基づく支援は無駄と支援重複を生みやすい。

ネパール政府側の姿勢もあまりに上から目線であるし、一方、支援をする側に問題がない訳でもない。

政府も支援者も、被災者の立場を考えなくてはならない。そこをどうやって上手く合法的に、効果的に立ち回るのか?プロに任せるのが一番迷惑をかけない。そうでなく、自分たちで飛び込むのであれば、余程覚悟して賢く、自分の目の前にない状況や人たちのことを考える力。自国とは全く違う文化や価値観であるネパールを洞察する力が不可欠だ。

自分がやっていることは常に正しい...とは、考えないことをお願いしたい。自省を込めてである。

ネパール政府に対しても云いたいことは山ほどある。然るべき外側からのロビーイングを継続して、政府を動かしていかなくてはならない。しかし同時に、ネパール政府の主張には必然性があることがある。問題は、行政の現場での運用に支障あることを紙の上で提唱してしまうこと。これまでいくつもの閣議決定が、結局有名無実化して運用されなかった。

震災という未曾有の事態である。政治をお願いしたい。政治屋による政治ショーは勘弁してほしい。