4月29日に,「法規のウラ指導2007」をテキストとした東京地区法規講習会を開催しました.今回は,「容積・建ぺい率」と「高さ制限」の計算問題の攻略術を1日かけて解説.毎年,必ず2問出題されますので完璧にマスター頂けるように講義しました.また,実務でも役立つ知識として身につけて頂けるように説明していきました.参加者の皆さんが眠そうになれば雑談を交えたり,一人ひとりあてていったり,声を大きくしたり,翌日は,声が枯れていました.また,せっかく講習会に参加してモノに出来た!と思っても帰って復習しなければすぐに身に着けた知識は消えてしまいます.そのため,講習会中,何度も家に帰ったら1問でもいいから復習するようにと参加者の皆さんにお願いしました.今年は,大幅な法改正が施行されておりますので,今回の東京地区を皮切りに,来週末は大阪,6月には福山(広島)で法規講習会を開催します.試験勉強もさることながら,法規というものの本質を読み取ることの面白さを感じて頂ければ幸いです.
去年度の一級建築士学科試験法規科目25問目の問題を見て下さい.まるで宅建に出てくるような問題ですね.この問題が出題された背景にも,現在,大きく建築業界を揺るがしつつある建築士制度改革の影響があります.最高裁において,工事監理者の責任の重さが初めて認められた訳です.これによって,今後,確認申請書の中にある工事監理者欄に自分の名前を記載した場合,例え,自分が所属している設計事務所が潰れたとしても,工事監理者として,その物件に対する責任追求がなされることとなります.工事監理者欄の中に名前を書く場合は,慎重に判断して下さい.無論,建築士法に定められている工事監理者として責務を全うしていれば問題ありません.ちなみに工事監理者の責務とは,設計図書通りに工事が進んでいるかチェックすることにあります.それにしても,近年は,工事監理の必要性や,意義に関する問題がしばしば新問題として出題されておりますね.また,建築士法18条4項の工事監理者としての業務執行に関する条文も法改正により,微妙に変わりますので,これも近いうちに学科試験問題として出題されることになるでしょう.