5月5日,6日と京都の学芸出版社さんの3Fホールにて関西地区法規講習会を開催しました.東は名古屋,北は石川,西は山口から様々な思いを抱えて参加される受験生の皆さんにとって実質的に役立つような講義内容にしようと随分以前から準備を進めてきました.1日目は,基準法関係について法文の意味やルール,読解方法とそのノウハウについてご説明し,さらに,最初は分かり難いが一旦理解してしまうと点取り問題として強力な武器となってくれる耐火性能検証法,防火区画検証法,避難安全検証法,耐火性能関係規定と構造計算の組み合わせ等について解説,翌日は,法改正部分に特化し,ここが今年の本試験において出題されるであろう問題内容,その攻略術,また,法改正が生じた背景を分かり易くご説明しました.万全な新問題対策を行ないましたので,1〜2点分は,他の受験生達と差をつけることが出来るはずです.尚,講義内で言及させて頂いた景観法の資料データーは,こちらです.↓
http://www.mlit.go.jp/crd/city/plan/townscape/keikan/pdf/keikanhou-gaiyou050901.pdf
京都の学芸出版社さんの本社(設計:吉村篤一/建築環境研究所)
は,京都版建築マップにも掲載されているほどの建築です.なるほど,プロポーションが綺麗で気持ちがいい.ディテールも参考になった部分が多数ありました.
今回の法規講習会においては,机上の理論で完結してしまうことを避けることを最大の目的として準備を進めてきました.法律がどのように作られるのか?それぞれの法律にはどんな意図があるのか?そういった意図(ストーリー)さえ抑えておけば,法令集を引かずとも問題が解けてしまうことを実際に,実践してみせました.とりわけ,法規科目の最大の難関とも言える都市計画法においては,法規のウラ指導2007年度版をもとに線引きされた法令集をもとに,それぞれの条文(原文)の意味を説明していきました.都市計画って何なのか?地区整備計画っては何なのか?特別用途地区って,特定街区って何なのか?それらを建築業界関係者でない一般の方にも分かり易く説明できるようになれれば,都市計画に関する法規定を完全にコントロールできるようになれます.それも実践してみせました.法規のウラ指導に基づいて線引きするということは,過去問題として出題された部分に線引きを行なうということです.その線引きされている条文の意味や解釈の仕方を一通り,原文をみながら解説していくといった講習会を今後も開催していきたいと考えます.それによって,法規定を受験テクニックのためだけに文章として丸呑みするといった形ではなく,本質的な意味や意図を理解できる建築士達を育成することが出来るからです.また,法規定を根本からマスターしておけば,この後の製図試験や,実務においても強力な武器となり,知的財産となることは言うまでもありません.僕自身,実務で設計業務に関わった際,まず最初に極めようと考えたのは法規でした(今思い起こせばそれが法規のウラ指導が生まれた最大の理由かもしれません).
講習会終了後は,東京行きの新幹線の発車まで時間があったので,今回の講習会に参加していた大阪自主勉協会の一部の方達と10人ぐらいで京都駅でお茶して帰りました.^^