何人かの方から,「過去問題をキッチリ学習してきたが,点数が思ったより伸びなかった.」という相談メールを頂きました.それには次の2つの理由があります.
■理由1.
平成3年以降の過去問題をマスターしていない(=マスターした過去問題量が少ない),もしくは,一選択肢ずつ一問一答式でマスターしていない(=各知識ごとの理解度が浅い).
一級建築士学科試験は,独学でも十分合格できます.毎年,本試験内容を検証していますが,平成3年以降の過去問題を抑えておけば合格点を獲得できています.ただし,1点足りとも落とせません.
【平成3年度以降の過去問をマスターすることで,本番で何点とれたのか?】
今年度の学科試験問題について,過去問題(平成3年〜昨年度分)をマスターすることで何点とれたのか?の検証結果が合格物語様のサイト上で公開されております.こちら.
しかしながら,本試験では緊張や焦りによる早とちり,ケアレスミスによって,何点かの取りこぼしが発生します.この取りこぼしさえなければ,過去問題による得点だけで合格可能ですが,この取りこぼし分を見越して,応用問題や新問題で得点を稼がねばなりません.そのためにも,ウラ指導のメルマガ(無料)をチェックしたり,試験直前に一発逆転模試を受ける等して,最低限の新問題対策を万全にしておきましょう.
※【一発逆転模試で何点とれたのか?】
今年も定員500名を大きくオーバーする700名の学科受験生の皆さんにウラ指導の学科試験用一発逆転模試をご利用頂きました.毎年,学科本試験問題に対する的中結果を公開しています.こちら.
最後に,過去問題をマスターするコツをお伝えしておきましょう.平成3年〜12年までの過去問題は,まさに基本問題と言えます(平成12年までは,同じような問題しか出題されておらず,10年分の過去問題をそのまま暗記しておけば,独学でも高得点で合格できていました).しかしながら,平成13年以降は,試験傾向がガラっと代わり,平成3年〜12年までの基本問題についての応用・発展問題や,新問題が多数出題され始めます.問題の作られ方も過去問題を完全に得点できることで合格基準点ギリギリの点数しか稼げず,さらに2,3点の新問題を得点することで合格という形になるよう作成されています.そこで,はじめは平成3年〜12年までの過去問題を基本問題として頭に詰め込んでしまい,その後,平成13年〜昨年度までの過去問題を順に解いていく学習方法をお薦めしています.この方法は,どんな学習方法よりも郡を抜いて効果的ですので,実践してみれば,その効果を体感できます.お試し下さい.
■理由2.
過去問題という知識の「インプット」は完了しているものの,身につけた知識を利用して解答するという「アウトプット」が上手く機能できてない.
上記については,改善するための効果的な方法があります.それは,面倒だったり,ツライ作業になりますが,今年の本試験問題について各科目ごとに,1問ずつどういった考え方をもって本試験で解答し,その結果点数に結びつかなかったのか自分自身で検証することです.本試験当日,どういった判断をしたために得点に結びつかなかったのか?逆に,どういった判断をしていれば得点できたのか?中には,手も足も出ずにどうすることもできなかった問題もあるでしょう.また,落ち着いて解答しておけば,得点できた問題もあるでしょうし,本来は解ける問題だがウッカリミスで得点を逃してしまった問題もあるはずです.それらを,各教科ごとに1問ずつ検証して頂きたいのです.その際に,「他の受験生はどのように解答していたのか?」というデーターと照らし合わせながら検証しておくとより効果的です.他の受験生の解答データーは,こちらのシステム(本試験翌年の2月末まで公開)に参加すれば無料で手に入れることができます.他の受験生達の正答率が70%以上の問題で自分が得点できなかった問題は要チェックです.
以上の作業によって,自分自身のアウトプット能力の歪みを完全に矯正することができますので,来年,是が非でも合格したいのであれば,必ず上記の作業を実行して下さい.合格を運まかせにするのはやめましょう.確実に合格したいのであれば徹底的にいきましょう.