P100093328日に,(社)北海道建築士会の平成21年度全道青年委員会連絡会議が開催され,北海道内の各ブロック,支部のリーダーを担う青年建築士が札幌に集まりました.

そこでの講演依頼を頂きましたので,1年ぶりに札幌を訪れました.

最初に,我が国の建築士制度や職能団体の歴史を解説させて頂き,その上で,10月1日より施行される瑕疵担保履行法についての注意事項と対応策について情報提供し,最後に,「建築士による社会制度づくり」とうい演題のもと講演させて頂きました.今回は,過去→現在→未来という三部構成で話を進めました.

その中で,次のような話をしました.
なんでもかんでも法律に頼るのはやめましょう.
法律でルールを決めていくというのは,一連の法改正同様,様々な問題が二次的に発生してしまう危険性があるし,ガチガチ決め付けてしまう.それに,これだけ専門分化が進んでしまった状況下においては,設計・監理,さらには,その他業務(調査,街づくり,都市計画,教育)といった各分野意見のすり合わせをきちんと行える建築士なんていない(=建築業界の現状を精査・把握できている人間なんぞ存在しない).結局,自分が関わっている狭い範囲の現状しか知らず・語れず・考えられず,そんなメンバーで集まって協議してみても業界の未来に対する明確なビジョンが打ち出すのは難しい

そのため,いくら業界の実態を国交省がリサーチしようとしても意味がない.なぜなら,業界の実態を誰も把握できてない
のだから.あげくの果てには,それは行政の責任なんだと考え始める.

そこで,「自分達の業界のルールづくりは,社会制度づくりとして取組んでいきませんか?」と提案させて頂きました.社会制度であれば,自分達の意思によるルールづくりが可能で.それを社会や消費者に発信し,広く周知させていけば,それぞれの地域問題や,職域問題,倫理問題,時代性などにも柔軟に対応することができる.

そのために全国一丸となって取組めるような社会制度テーマを定め,建設的に活動していきましょうと伝えました.建築士と行政と一般市民の3者協働の社会システムづくりが必要です.

会議の最後に,北海道建設部住宅局建築指導課の高島正秀主査より,「協働していきましょう」という言葉を頂きました.昨年の11月28日より始まった重要事項説明書の中には,設計料や監理料の記載欄があり,設計施工している業者の方から「うちは,サービスで設計・監理しているので,そこには0円という記載をしてよいか?」という問い合わせが建築指導課に寄せられる度に,「どうせ工事費の中に(見えないように)計上しているのだから,きちんと設計料等を記載して下さい.それでは,健全に頑張っている設計者に対して失礼でしょう.」と回答
しているという話もありました.この言葉には,非常に勇気づけられたし,嬉しかったです.

会議終了後の懇談会で多くの青年建築士達からお話を伺いましたが,「大切なのは,建築士個人の視点で判断せずに,組織や社会という全体的視点から自分達の業界の未来のビジョンを考えていくことにある」と改めて痛感しました.

当日の様子は,北海道 建設新聞の記事にも取り上げられました.こちら