■【法規で点数を稼ぐ】〜第10回
今回も,「03敷地・構造・設備」の項目からのお話です.「法規のウラ指導」のP62にある問題コード14013(平成14年度出題)を見て下さい.

問題文中に「安全上,防火上又は衛生上重要である建築物の部分」という言葉が突如現れます. この問題が出題された平成14年は,本試験中,何を基準に法令集のどこを調べればよいのか分からずパニックに陥った受験生が数多く発生しました(答えは指定建築材料(法37条)です).たった1点で合否が分かれる過酷な学科試験戦争において,法令集の持ち込みが認められている法規科目(=他の受験生達が得点を伸ばしやすい科目)で1点を損なうことは,致命的なダメージになってしまうからです.
※他の受験生達も得点できない問題であれば,差がつかないので全く気にする必要ありません.「自分だけが得点できなかった」という状況が最も怖いです.だからこそ,最低限,平成3年度以降(平成3年度を含む)の過去問題は,カッチリと抑えていて欲しいです.過去10年分程度の過去問マスターで合格できる時代ではありません.

しかしながら,その年の問題全体をよく見ていくと問題コード14043(4問目3番選択肢)にて「指定建築材料」に関する問題が出題されており,このとき落ち着いて条文(法37条)を読み,「安全上,防火上又は衛生上重要である建築物の部分」という言葉がここにあることに気づけた受験生は,14013(1問目3番選択肢)についても解答できました.これは,問題作成者側の配慮(通称/ヒント出し)であったように思えます.ただし,同じ設問内の選択肢として出題させてしまうと,多くの受験生に気づかれてしまうため,あえて1問目,4問目というように問題を分けて出題したのではないでしょうか.
 
ここでの教訓は,「あれっ?何,どうすればいいのっ!?」と思ってもそれだけで焦らず,常に冷静さと平常心を保ちながら問題を解き進めることが大切です.今回のように,他の問題文中に「ヒント」が隠されているケースもある訳ですから.
 
また,平成15年度に出題された「高さ制限の計算問題」のように出題ミスがあり,解答不能な問題に遭遇する場合もございます.とりわけ法規科目は,一つの問題に,こだわりたい欲求を抑え,制限時間内に,冷静に,全問題を解き終わることに集中して下さい.戦術の基本は,法令集をめくる回数を最小限に控えます(なるべ法令集は使用しないスタンスを貫く).そして,一通り解き終わらす.その後,法令集をめくらないと自信のない問題から優先的に法令集をめくって確認していく.
 
この作業がなかなか出来ない.一問ずつ,法令集をめくって確実に得点できていることを確認しながら,次の問題へと進みたいと考えるのが人間の性(サガ)ですが,確実に合格を掴みたいなら1問ずつ法令集をめくって確認したい気持ちをグッとこらえて下さい.少なくとも,ベテラン受験生達は,そのようなスタンスで本番を戦います.なぜなら,それを出来ずに時間配分などで失敗した苦い経験を既に体験されているからです.

DSC_0167のコピー〇【法規で点数を稼げる本】
「法規のウラ指導」をご紹介します.
コチラ(内容の一部を公開中).今年度版の内容に限り,メールでの質問対応サービスも行っています.詳しくは,法規のウラ指導のP4をご覧下さい.コチラの合格者ブログでも紹介されています.