大原の家田園の美術館で大多喜高校美術部の展示会を鑑賞した後(コチラ),久しぶりに大原の家の現場を訪れました.前回までの様子は,こちら.屋根瓦も載り,内部造作が始まっていました.同行して頂いた担当所員より進捗状況の説明を受けました.この住宅でも私の事務所で目指している「骨格を魅せる家づくり」を実践しています.「骨格を見せる」ということは,非常に難しい.ぶっちゃけ,完成後のクレーム防止のためにも化粧して隠してしまいたいのが,つくり手側の本音です.木は,生き物ですから経年変化によって,狂いや,割れも生じ,隙もでる.逃げが効かない分,設計も難しい.ただ,それだけ設計者も施工者も慎重に組み上げていくことになる.それがいい.

おおらの家2骨格を魅せることで,大きな地震を受けても,骨格のズレが一目瞭然となる.健全な骨格であれば,震災後の修復も容易です.建築の原点は,住まい手の生命と財産を守ること.ただ,それだけじゃ,つまらない.住まい手となる家族の人生を心地よく育める家をつくること.それは,ものすごく地味で,忍耐のいるの作業の連続ですが,そんな住空間を造り続けていきたいです.建てさせてもらえるだけ幸せだとも思う.今,建築することが楽しくてたまりません.