セミ1日本オスモ(株)さんの新宿ショールームにて,「今さら聞けない温熱環境セミナー(暖房編)」を開催しました(協力/(株)ウエル様).今回のセミナーのポイントは,断熱材の仕様のグレードアップや,グレードダウンによって,どの程度,年間の暖房費が変動するのかを金額で建て主様へ説明できるようになることです.その際,正確な知識によって,適正な設計,工事を実施できれば,上記の計算結果も机上の空論となってしまいます.皆さん,真剣に受講されていました.このノウハウは,設計事務所や施工会社にとって,他社と差別化を図れる強力な武器となります.そのため,遠くは,石川県や新潟県からの参加者もいました.

セミナーの概要をまとめると,熱損失係数(Q値)に,床面積の合計と暖房必要期間の内外温度差を掛けると,平均暖房能力(機器容量)が求まる.それに燃料単価(電気だったり,都市ガスだったり,LPG(プロパンガス)だったり,灯油だったり)や使用率,使用時間,使用日数を掛ければ,暖房に要する年間の暖房料金が算出できる.※この計算の算定式や,エアコンの場合と床暖房の場合との違い,使用エネルギーの違い(電気,ガス,灯油)の計算結果を解説しました.

今回のセミナーに参加された皆さんは,下記のページで用語の意味を復習しておくとよいでしょう.これで,一級建築士学科試験対策の実務的知識も,万全です.
対流とは,コチラ
輻射とは,コチラ
熱損失係数(Q値)とは,コチラ
COP(成績係数)とは,コチラ
 
※断熱とは,伝導や対流には効果がありますが,輻射には効果が薄い.そのため,輻射対策として,透湿遮熱シートを採用する(夏期における冷房負荷の削減対策).

【豆知識】
人間自体も発熱しています.人が集まると,熱く感じるのは,そのためです.その発熱量は,約100w.人間が22人集まれば,発熱量合計は,2,200w(=2.2kw).これは,6畳用のエアコンの暖房能力に相当します.この話を知っていれば,空調におけるw(ワット)単位について,イメージしやすくなるのではないでしょうか.
※ちなみに,w(ワット)と調理器具(ガスコンロやIHなど)の関係は,コチラの話を知っておくとイメージしやすいでしょう.

建築の知識を学ぶことは,とても楽しいし,面白い.今後も,建築人の皆さんが楽しみながら建築知識を学べる環境を提供していきます.過去に開催した建築力育成セミナーは,コチラ
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