20120531213818484-3先日,開催した「被災建物の構造性能回復セミナー」が建通新聞さんの記事(5月23日付)に掲載されました.コチラ.東日本大震災で損傷した仙台にある賃貸マンションがどような損傷被害を受け,それをどのように修復したのか,そのときのコストについても公開しました.

このプロジェクトは,メッチャ大変でした.オーナー様は,次の地震被害から住民の皆さんの安全を確保すること.そのためにも単なる表面的な補修で済まさずに,構造性能を元に戻せる補修工事を実施したのです.当時は,東北エリアは建築特需となっていて,工事をお願いできる施工会社が見つかりませんでした.

そこで,ウラ指導の卒業生ネットワークに頼って,大阪の専門工事会社へお願いし,職人を連れて仙台で工事して頂きました.それによって,工事費を不当に高くなってしまうことを防げたのです.

修復工事内容を第三者機関に評価してもらうため,工事計画や工事箇所,現場写真,製品証明書などを全てキッチリまとめていかねばなりません.本セミナーでは,そのノウハウを参加された皆さんに共有しました.尚,このマンションは,2020東京オリンピックが決まった際,高値で売却できました.このマンションだけが,構造性能を高めた形で補修してあったからです.入居者を募集される際もそれを「価値」の一つとしてアピールできます.オーナー様にも非常に喜ばれました.

この問題解決力は,ウラ指導ネットワークがなければ実現できませんでした.改めて健全な意味でのネットワークが生み出す問題解決力が大きな価値を生み出せる時代になったことを痛感したプロジェクトでした.国土交通省の官僚や建築行政,大学や専門学校などの教育機関,建築確認審査機関や建物性能評価機関,その他,日本を代表する建築設計事務所やスーパーゼネコンの中には,ウラ指導の卒業生が活躍しています.彼ら(彼女ら)は,過酷な一級建築士受験戦争を一緒に戦い抜いた戦友たちです.今後もビジネスライクな関係を超えて彼ら(彼女ら)と協働し,新しい問題解決力を生み出していきます.その上で,建築ノウハウ公開セミナーを通じてその内容を公開・共有していきます.

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