P1010402昨日と今日の2日間をかけて,ウラ指導主催の一発逆転模試の会場受験を実施.東京と広島で同時開催しました.本気で一級建築士を目指されている方達が全国から終結.初日は本番形式で模擬試験を実施.二日目は参加者全員分の解答例とエスキースをコピーしたものを配布し,課題文作成者の考えや意図をお伝えしたあと,塾生のMさん,Sさん,Yさん,Tさんよりエスキース・プロセスや,時間配分(エスキース,要点作成,作図時間,チェック時間)を解説して頂いた上で計画上,ミスしてしまった部分とその理由を発表して頂きました.慎重なTさんの平面図と梁伏図の吹き抜け位置の不整合には驚きましたが,逆に本試験前のよい教訓となりました.利用者コアや管理者コア,吹抜け位置といった竪穴部分の不整合は一発失格になってしまうので,本番ではチェック項目の優先度を高めて下さい.あと,外構(駐車台数等)も注意です.油断しやすい計画要素です.
 
さて,ここからは一発逆転模試のネタバレになる話ですので,まだ解いてない方は解いてからお読み下さい.今回の一発逆転模試は,まさに近年の本試験レベルです.これまでの訓練課題とは毛並みがまったく違います.30分前に解き終えた方もいましたし,ノーミスだった方も2〜3名ほどおりました.このレベルで全体の4割の合格者を選出できます.
今回の一発逆転模試の肝は読書コートです(他の諸室やエリアとの関係に対する条件設定も最も多い).また,この施設の王様は,単一用途の地域図書館なのだから当然,開架閲覧室となります.したがって,開架閲覧室読書コートとの関係に対する計画上の解釈を設計者に問いています.
 
受験生の皆さんが悩んだのが開架閲覧室の扱い.2層に分けて考えてしまった方も少数ながらおりました.その方達に共通しているのは,最初から2層あり気で考えている点です(いわゆる決め打ち).
 
1.本課題では,開架閲覧室として「一体の連続した空間」を要求しています.ウラ指導の第4課題では課題文の中に「階段を設置して二層にしてもよい」という話を言及していますし,第5課題では図書部門というククリを課題文内で明快にした上で,図書部門全体を階段で繋いだ2層構成にしています.もちろん,この課題でも理想的にはワンフロアーに開架閲覧室系を納めたいですが1階にまとめることは面積的に難しい内容にしてあります.
 
攻略ポイント1.
開架閲覧室系は1層もしくは2層のどちらかで計画することになるが,その判断には細心の注意を要する.
 
攻略ポイント2.
課題文から課題文作成者の意図を丁寧に探った上で計画する.本課題では,「開架閲覧室と読書コートとの関係」となります.
 
2.開架閲覧室内の主通路についてですが,課題文で求められる場合とそうでない場合の2つが考えられます.本課題のように主通路に対する言及がなく,各エリアの要求のみだった場合はそれらのエリアで構成して,書架や閲覧席などをレイアウトする際にエリア内に主通路となる部分が分かるようにして下さい.エリアとは独立して主通路を単独で設けることで,通路によってエリアが分断されては減点されてしまいます.
 
攻略ポイント3.
開架閲覧室内の計画については,課題文で主通路が要求される場合とそうでない場合の2種類が考えられるため,課題文の記載内容に従って慎重に判断すること!
 
ウラ指導の通信添削5課題+今回の一発逆転模試で,本試験に勝つために必要な知識,判断力,対応力は全て伝授させて頂きました.上記の話以外にも,一発逆転模試には,過去の本試験課題の合否結果からあぶり出された教訓が複数詰め込まれています.それらについては,受講生専用掲示板で協議しましょう.コチラ