P1010540今日は,札幌で設備設計をされている環境調和設計の成田一級建築士を講師に招き,建築設備勉強会を開催.弊社の打ち合わせスペースの定員が最大8名までなので,講師席とスタッフ席を除いた残り6名を定員として,このブログ上で募集した所,午前中で満席に.やはり,建築設備に関するニーズは高い!ということを実感.これは,業界全体としていい傾向だと思います.

内容もめちゃくちゃよかった.成田さんは説明が上手だし,実例写真をたくさん用意してきてくれたのでビジュアル的で分かりやすい.そもそも空調とは何なのか,給排水とは何なのか,どんな原理なのか.それらが分かってくる確かにシステムとして設備を考えられるようになるので,多くの意匠設計者の皆さんに参加して頂きたいと実感しました.学科試験対策,製図試験対策にもすこぶる効果的なので,年明けにでも建築設備設計セミナー(空調,給排水編)を再度,企画します.昨年,大変ご好評頂いた電気設備セミナーも開催します.建築設計実務者が講師となって,互いの得意とする専門分野の知識を教えあう環境づくりは私の念願です.もう少しで叶えられる.

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画像を通じて,パイプスペースや機械室の中身,動力用ポンプ,アラーム弁,防火水槽,給水ポンプ,キュービクルとはどんなもので,どの程度の大きさなのかをレクチャー.さらに実際の設備設計図面を使って,図面の読みとり方や,システムやオペレーションの確認方法を懇切丁寧に教えて頂きました.
 

設備をシステムとして理解する.」というのは,昔から成田さんが話されていた言葉.例えば,先日,社会問題となった某大手メーカーの湯沸かし器による死亡事故.排気はあるが,給気を計画していなかったため,空気が足りずに燃焼不良を起こし,一酸化炭素中毒で賃貸マンションの住人が死亡しました.この事件では,製造元のメーカーに責任が押し付けられる形となったが,設計者責任も大きい.排気が必要になれば,当然,給気口が必にになるといった具合に総合的なシステムや原理で設備計画を考えられる意匠設計者を増やさねばなりません.「私は,そんな設計ミスはしないよ.」という話で済ますのではなく,少なくともこの業界内にそういった設計ミスを犯す可能性のある設計者がいる訳だから,そういった設計者を皆で協力して減らしていく運動が必要です.
 
P1010541今回のセミナー企画は,成田さんから頂きました.わざわざ,蛇口やコンセント,配管などのサンプルを北海道から持参してくれて,また,このセミナーに速攻で申し込んでくれた設計者の皆さんの存在を成田さんが喜び,北海道土産のじゃがポックルを沢山持ってきてくれました.成田さんの熱意に脱帽するとともに,設備設計者スピリットに心より敬意を表します.本当にありがとうございました.