一発逆転模試の掲示板上に,一発逆転させるためのアドバイスを掲載しました.
記事番号は,No.425です.内容は下記の通りです.


それでは,今年の絶対合格に向けたアドバイスを受講生の皆さんに贈ります.

■一発逆転模試受講生の皆様へ
添削図面の公開が遅くなり大変申し訳ございませんでした.今年は,私に狙いがあり,全ての提出図面を私自身でチェックさせて頂きました.この場で皆さんに合格させる魔法をかけるためです.この模試の課題自体は本試験レベルで作成してありますので,これを実例モデルとして提出図面の趨勢(すうせい)を皆さんにお伝えします.なぜなら本試験においても,減点項目は初めからきまっている訳ではなく,受験生図面の趨勢によってその内容が決定するためです.おそらく,本試験でも200案ほどのサンプルチェックを行った上で,その年の減点項目を決定しております.それは,毎年の合格図面の検証結果からも読み取れます.尚,減点項目の数は,あらかじめ決まっており,その数は解答例にあらかじめ記載されているマス目と同じ数であると想定します(採点の合理化のためではないでしょうか).

今年の一発逆転模試で公開してある添削結果は,あくまでサンプルチェックのための目安に過ぎないと考えて下さい.合格させる添削というのは,「あれやっちゃダメ,これやっちゃダメ」と指導するのではなく,提出図面の趨勢(すうせい)を勘案し,「本課題におけるメインの減点項目はコレとコレ!あとは,減点項目にならないため減点ナシ」という話を明確に受講生に伝えることにあります.今からそれを実践します.繰り返しますが,公開されている添削図面での減点項目は,添削枚数が進むに連れ,変動しておりますので,その点ご了承ください.その変わり,下記のアドバイスによって大きく合格に近づけてみせますので.

たーだーし,ピックアップシートで公開している課題条件違反についての減点は普遍です.課題条件違反だけは,絶対にしないこと!そのためにも,本番では理想形を追い求め過ぎず,割り切った合格プランにまとめることを自覚し,少しでもチェック時間を多く確保して下さい.それが合格のコツです.

提出図面の趨勢(すうせい)から焙り出された今回の一発模試の減点ポイントは下記の通り.

■減点ポイント1
プラザの面積について,庇や上部屋根の部分を引いてない.また,庇等を引いたエリア内に8mの円が内設しているか.
→上部に庇などがある部分に直径8mの円がかぶっているケースは大減点.


■減点ポイント2
敷地南西側に駐車場と設けている場合は,横断歩道からの離れ(5m)をチェック.違反している場合は,一発失格
→北西側(公園側)からの隣地境界線から15m(=7m+3m(横断歩道の幅)+5m(横断歩道からの離れ))以内の範囲内に駐車場の出入口がかぶってしている


■減点ポイント3
ごみ置場の欠落(内部に設けている場合は,床面積から抜く)
→ごみ置場や庇の未記入は,なめてかかっている人も多いが,課題条件違反なので減点度合は大きい
→採点内容にクレームが入った場合にも,明確な減点根拠として提示できますので.


■減点ポイント4
室面積(特に,宿泊室A,B,エントランスホール)の抜けをチェック
→エントランスホールについては,面積根拠の範囲も必ず記載して下さいね(模範解答例参照).
※アナタの設計者としての意図を伝える図面を目指して下さい.


■減点ポイント5
2階のラウンジは場として要求されているので通過動線を通せない.
→重複距離アウトとなったり,宿泊室に入れない場合は一発失格.


■減点ポイント6
エントランスホールから一部のゼミ室や浴室へ直接出入りできる計画はNG
→本施設は,あるグループの発表会等が盛り上がってしまいゼミ室を遅くまで利用している際,あるグループは食堂を,先に食べ終わったあるグループは浴室を同時刻に使用することが想定できます.そこに,団体が到着してフロントでチェックインするかもしれません.そうなるとエントランスはワイワイガヤガヤします.ゼミ室使用者にとっては迷惑ですし,そこに入浴済のグループが着替え等を片手にジャージ姿でウロウロし,かつ,チェックイン待ちの学生達と動線交差するのは避けたいですよね.
エントランスホールと食堂がつながっているような計画は実在しますが,ゼミ室については必ず研修部門としてククリ,エントランスホールから一旦,研修部門にアプローチし,そこから各ゼミ室にアプローチする計画としましょう.浴室は出入口周りは,清掃スタッフや,使用済タオルなどの回収,湯温管理などで職員の出入りも多いので,浴室に向けたくありません.それを配慮して,コアや植栽で目隠しをしている計画もありました.


■減点ポイント7
浴室や便所は「臭い」ものとして計画して下さい.そうすれば,エントランスに向けてドーンと配置したり,食堂に行く経路にドーンと向けたりすることはなくなるでしょう.尚,便所については,共用ゾーンにおいて欲しいです.研修部門のククリの中に置かざるを得ない場合は,ククリの入口部分に設けましょう.


■減点ポイント8
利用者用階段の計画について
→踊り場にあがると大梁に頭をぶつけてしまう計画がありました.階段の計画について改めて知識を整理しておいてください.
→階段の上り表記は,UPしか記載しないことがJISで決められています.DN表記はありませんのでご注意ください.


■減点ポイント9
2階サービス用EVが利用者用廊下にむき出しの場合は指摘
→学生たちが夜中に侵入できてしまうので,管理ゾーン内にくくりましょう.
→いたずらではなく,あやまって乗ってしまうことも考えられますので.
→24時間学生が滞在することを意識してください.


■減点ポイント10
2階洗面室の有無,及び,洗面室への面積記入(面積記入の減点はもしかしたらない)
→洗面室の欠落にも気をつけて下さい.洗面室の室名誤りを複数ございました.室名間違いにはくれぐれもご注意ください.


■減点ポイント11
計画の要点の記述について,北を北東,東を南東,南を北西,西を北東と表現しましょう.


■減点ポイント12
食堂を渓流側に景観を取り込んでいるという要点での記述になっているにも関わらず,食堂の渓流側に管理用駐車場を設けているケースがある.
その場合は,景観配慮の障害となり,計画の要点の記述との不整合要素となる.本番では,ご注意ください.


■減点ポイント13
耐力壁を設けている場合は,計画の要点で構造の記述を確認.
→純ラーメン構造と記載されている場合が見受けられました.


■減点ポイント14
本課題では,計画の要点において設備シャフトについて記述を要求しております.その中でPSの話に言及されると思いますが,その場合はいつも以上にPSの配置に気をつかっ

てください.計画の要点の記述と図面との不整合は一発失格だと考えてください.

 

その他(アナタへの合格アドバイス)
■エスキースのアドバイス
答えは,課題文中の留意事項と計画の要点にある.
→留意事項と計画の要点の記述を先によみ,キーワードや計画ポイントを整理しましょう.
→特に計画の要点の記述との不整合に注意.


■アプローチとウツワ出しと階別振り分け
→課題文に特記なきかぎり,アプローチは必ずメインア道路からとりましょう.初めて訪れる利用者がアプローチしにづらいです.
→ウツワ出しを検討する際は極力敷地内にムダなスペースがないように検討しましょう.
→ウツワの目安がついたら,その面積がターゲット面積に近いかどうかを確認.
→階別振り分けの際は,どちらの階が極端にキツキツ,ユルユルにならないようにバランスを重視.


■動線計画を考える際は,何百人という集団が行列をなして各ゾーンへ向かうことをイメージ.
→1階の場合は2階の宿泊室利用者が一斉に1階に下りてくるケースがあるため,利用者階段の降り口を起点として,食堂に向かう動線,浴室に向かう動線,研修ゾーンに向

かう動線,管理ゾーンに向かう動線,さらに,外部から風除室→フロント(チェックイン)→利用者用階段に向かってくる動線をイメージ.無限の人間たちが行列をなして行

進し続けているイメージで考えれば,明快な動線計画を考えやすい.これをウラ指導では,ゾーニングの方向性と呼ぶ.
→2階でも無理のない範囲でゾーニングの方向性をPR.後,ラウンジのような利用者どうしの交流促進につながる宿泊部門内共用系は,利用者階段やEVホールからすぐに視認

できる位置に設けましょう.初めての利用者にとって使いやすい施設となります.1階の利用者用コアも同様です.風除室やフロントからすぐに視認できる位置に設けること

を意識してください.エントランスホール内に利用者用コアが配置されてない場合も一発失格の恐れがあります.
→模範解答例を参照


■終わりに
課題条件違反がなければ合格ですと再三,伝えてきました.本番では理想形を深追いせずに必要最低限の合格図面を作成するつもりでエスキースしてください.とは言え,課題文に書かれてなくても上記の話は合否に影響を与えます.それらは,提出図目の趨勢によって決まります.それを具体的に皆さんに示そうと思いました.上記内容を今一度よーくお読み頂き,本試験にいどんで下さい.上記の話を知っていれば,大きなアドバンテージとなりますので.