2018年01月15日

【製図】合格者たちの上手な勉強法_STさん編

2018東京ユープラ検証会_180116_0015平成29年度(2017年度)の一級建築士製図試験に合格されたSTさん(受講番号No.1012,ユープラ参加No.065)に勉強法についてヒアリングさせて頂きました.今後の製図受験生の皆さんにとって,非常に参考になる話ですので紹介します.STさんの合格を決めた勉強法は,下記の通りです.

1.過去問題研究講座の活用方法
 各年度の課題文・模範解答例をA4印刷の中折で製本し、満員電車の通勤時間でも気軽に見ることが出来るようにしていた。
 各年度のウラ指導の考察について、年度毎の建物用途に応じた、主要な考察ポイントについて熟読した。
 各年度の用途にかかわらず、毎年必須となる『管理系の要求室・適宜室』の取り扱いについて、プランニング力を鍛えるテクニックとして、部屋ごとの取り合いについてよく参考にしていた。
 模範解答例の記述について、暗記とはいかないまでも、構造系、設備系の表記についてよく参考にしていた。
※特に今年は、勾配屋根や地盤・杭に絡む記述
 過去問研究講座専用の掲示板について、気になったことを質疑し、講師の方からレスポンスよく回答してもらった。



2.国語力開発講座の活用方法
他意はありませんがこれまでは独学で勉強しておりました。
市販の参考書、インターネットの受験系のサイトを読む以外、情報を取り入れるツールを持ち合わせておりませんでした。
平成28年にランク3の結果だったことに対して、自分本位の独自解釈、独り善がりの勉強をこのまま進めても結果は出ないと判断し、平成29年2月11日に開催された『プランニング講習会』を受講。

市販の『製図試験のウラ指導(2016年度版)』でもフリープランニングの特集はあるが、紙ベースの熟読は正直なところ、あまりに身になりません。

その点、『プランニング講習会』を受講し、講師の方から生の説明を受けながらフリープランニングを実施したこと、これが私にとって合格することができた、今年最大の武器になったとおもいます。

適している表現かわかりませんが、『百聞は一見に如かず。』

そのあとは前半戦の申し込みを早々に済ませ、正式に通信添削による国語力開発講座の受講。

前半戦後半戦を通じて、講師からの手厳しい評価、非常にためになるコメント等、ほかの受講生の『作品』も沢山見て、本当に9月まで、よく学ばせていただきました。

国語力開発講座は、『製図のテクニック』を学ぶための勉強ではありません。
国語力開発講座は、『一級建築士』に本当に必要な、プランニング能力を鍛えるための勉強です。
国土交通省が正式発表している『平成29年度の合格基準』にもしっかりと明記されていますが、採点のポイントとして、非常に重要な足切りの設定もされている『空間構成」を学ぶには、最適の講座だったと思います。
※課題が発表される前の、前半戦において非常に意義のある経験でしたし、課題発表後も非常にためになりました。

3.通信添削課題の活用方法
資格学校に通った経験がない私が言うのもなんですが、資格学校は質より量を追い、大量な課題を一方的に押し込むことで、受験生に知識武装を身につけさせて、合格に導くような手法に思えます。
その点、ウラ指導は量より質のアプローチです。
上記の国語力開発講座でも長々と書きましたが、ウラ指導は『全体最適・空間構成』に重きをおいて課題を作り、添削してくれます。
『国語力開発講座』で理想的なプランニング能力を鍛え、ようやく感覚を掴み、成長してきたプランニング能力を、『通信添削課題』で余分な理想を削り落される。
この『通信添削課題』では、製図合格に必要なプランニング力と、製図知識のテクニックが学べます。
本当に『肉を切らせて骨を断つ』ような、寒暖の差が激しい勉強を3月から9月末まで隔週で学んだ気がします。


『国語力開発講座・通信添削課題・一発逆転模試』に共通していることとして、参加した受講生すべての解答と、添削結果を見ることが出来るのは非常にありがたい制度です。
平成29年は家のプリンターが大活躍し、安いインクカートリッジも沢山アマゾンで買いました。
両面印刷機能と、PDF分割・結合ソフトを活用して印刷し、常に満員電車で眺め、仕事終わりの平日も晩酌しながら毎日眺めていました。
※図面を引くのは本当に疲れますから、週末・祝日限定です。

4.本番での心構え
平成17年度の製図試験は一発不合格者、ランク4の割合が、全体の43.7%と、過去最大の中、ランク4の一発不合格、角番落ちの経験があります。
一発不合格の原因は、『主要構造部は撤去してはならない』としっかり課題文に書いていたのに、だんだんと集中力が弱まってきた中、意識から抜けてしまい、課題文のイメージ誘導にも見事に引っ掛かり、既存建物の床を撤去してエントランス・吹抜けを設けてしまったことです。

平成29年の試験当日、上記経験があることから、課題文の読み落とし・読み間違いだけは絶対に『死守』と念頭に置いてエスキスしておりました。

また、どんな状況だったとしても未完成で試験を終わらせず、何が何でも書ききることです。
試験当日、6時間経過し残り30分となった段階で、平面図は大浴場の内部記載が終わっておらず、断面図と面積表も未作成の状態でした。
変な汗が出始めたあと、もう不退転の覚悟で残り30分、書きなぐりました。
とても見直し・チェックなんてできる余裕もなく、見栄えも気にせず、とにかく書き終わることだけを意識し、主要な線だけ平行定規使ったあとは、フリーハンドでとにかく書き終えました。
どのような図面を完成させたかについては、ユープラNo.065の再現図をご確認ください。
致命的なミスも私が気付いている範囲で2つもありますし、小さなミスなんて上げたらキリがないぐらいです。
PSなんて、トイレ以外計画すら出来ていません。

5.後進の受験者の皆さまへのアドバイス
プランニングの基礎は、来年の課題発表までがチャンスです。ずっと独学だった私には、今年の前半戦のフルコースの受講は大変ありがたかったです。前半戦で基礎から徐々に製図試験のテクニックも学ぶ。
また後半戦は、建物全体の空間構成を意識してエスキス、プランニングを進めること。
この考え方はさらに大事かと。
後半戦、課題が発表されれば、用途に合わせた基本的な所要室もある程度決まります。
前半戦で基礎・テクニックを学び、後半戦はそれを活かし、空間構成をより意識する。

 作図スピードについて
作図スピードは終盤でも一向に上がることがなく、3時間半が平均相場でした。
今にして思えば、序盤のうちに有料動画やDVDなどを購入して、実際の作図方法やスピード感を見ていた方が良かったのかもしれません。作図の平均相場が2時間半〜3時間以内で納まれば、当然その分の短縮できた時間を他に使えますからね。

 課題文の解読について
今回のリゾートホテルの課題文は、例年にない敷地設定もさることながら、大なり小なりの沢山の条件指定、初出題のコンセプトルームと、結果的にはいたずらに時間を費やし、集中力を削り取られる難課題だったと思います。
私の場合、『通信添削課題・一発逆転模試』の各課題において、『コマプラン検討』に入るまでに解読に掛かる時間は、平均20〜30分でしたが、平成29年の試験課題は、解読まで50分前後は要しております。
試験当日、『時間掛かり過ぎているな』と思いながらも、丁寧に読み取りました。
課題の読み落とし、読み間違いは死活問題であり、1年の集大成をコースアウトに導きます。
今のうちに、『これでもか』というぐらい、本当に丁寧に時間を掛けて、『課題文を解読する取り扱い』を学ぶことをお勧めします。

 ノートの活用
課題もA4サイズに縮小して余白を切ってノートに貼り、エスキスやボリューム出し、コマ検討、自身の当時のコメント、アウトプット・インプット情報等、全て一冊のノートに集約して勉強していました。
コクヨの黒の表紙になっている、5mmのグリッドノートです。
トータル2冊使いましたが、自分の変化も含め簡単に振り返って見直すことが出来るので、お勧めです。

 フリクションペンの活用
各インクの発色も良く、間違っても消せるのでお勧めです。
4色一体の多機能ペン(0.38)1本と、0.7仍斗佑離離奪式を複数本用意して勉強していました。
試験当日も一貫して使っていましたので、蛍光マーカー等は一切使っていません。
自分にとってわかりやすい、色による視認性・プライオリティチェックを確立しました。

 エスキス手順の確立
こればかりは何が自分に適しているのか、自己流を確立するしかありません。
独学の経験としては、平成28年は学科合格からの短期間でしたので、『海豆研究所流』のみ。
平成29年度はそれを基礎として、市販されている『ウラ指導流』と『製図.com流』の良い所だけを取り入れて、自分にマッチした流れを構築しました。

 オレンズネロ(0.3mm)
折れること無く、ノックもする必要なく書き続けられる優秀なシャープペンシルです。
作図するまでに腕力を削ぎ落されるA3の記述や、細々した図面の文字入れにお勧めです。
難点なのは、入手困難なことと、値段が少し高いことです。
※手が痛くなるので、グリップに市販のスポンジクッションを付けて使用。


最後になりますが、どのような学習方法を取り入れるにしても、これだけは掴んでほしいこととして。
ウラ指導さんが良く言っている中に、『全体最適』という言葉がありますが、この感覚だけは今のうちに掴んでほしいです。これを念頭において、この先の色々な課題においても重きをおいて取り組んでいただくと、大切なバランス感覚がやしなえる気がします。

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