前回からの続きです.武士が政治を行うようになった鎌倉時代.そこから,室町,安土桃山,江戸時代へと続く武家社会に禅宗は歓迎されていきます.その理由の動画解説はコチラ.※この動画,あまりに僕の心に刺さりすぎて何十回も視聴しています.まぢでお薦め!

他の仏教宗派は一神教であり,それは武士のトップと仏様とどっちが偉いの?,どっちに従うの?という課題があった.その点,禅宗は無神教(仏様に祈るのではなく,メンタル コントロール メソッドとのようなもの)であるため,家来との間で絶対的な主従関係を構築していきたい武家社会にとって,非常に都合のよい仏教宗派だったのです.

なので,武士=禅宗が大好物と覚えておきましょう!

そんな「禅宗様の建築」についは,平成22年,19年の一級建築士「学科」試験に出題されています.

【計画科目/問題コード22022】
「天竺様(大仏様)」の特徴として,組物は,柱頭だけでなく柱間にも並び,組物間の空きが小さいことから詰組みと呼ばれている.

【解説】
鎌倉時代には,「大仏様(天竺様)」と,「禅宗様(唐様)」という2種類の新様式が中国から伝わる.「大仏様(天竺様)」建築は,肘木を柱の側面に差し込んだ「挿肘木(大仏様組物)」が特徴で,柱と柱を貫などの横架材でつなぎ,大架構を可能した様式である(コチラ).「浄土寺浄土堂(鎌倉時代,兵庫県小野市浄谷町)」,「東大寺南大門(鎌倉時代,奈良市雑司町)」がその典型例である.問題文の「詰組み(つめぐみ)」は,禅宗様(唐様)の特徴である.

【解答】×



【計画科目/問題コード22023】
「唐様(禅宗様)」の特徴である,上部が曲線をなす開口部は火灯(かとう)と呼ばれ,鎌倉時代後半に初めて用いられている.

【解説】
「禅宗様(唐様)」は,屋根の反り,深い軒,扇垂木海老虹梁火灯窓(上部が曲線をなす開口部)など緻密で繊細な意匠が特徴である.「円覚寺舎利殿(鎌倉時代,鎌倉市)」がその典型例である.また「組物」は,和様のように柱の上だけでなく柱と柱の間にも入れる「詰組み(つめぐみ)」となっている.※円覚寺舎利殿の一層目の両端には,裳階(もこし)があります.現代でいう下屋部分のようなものです.この話は,まだ一級建築士「学科」試験には出題されていませんが,近いうちに新問題として出題されるでしょう.


【解答】○
続く