総括と言うほどでもないがまとめておきたく思う。
第3回のHPFから講評を引き受けて33年になる。高校演劇のフェスティバルは全国的にも珍しく、30年以上続く高校演劇祭は他に類を見ない。
大会の場合は60分以内の舞台作品であることや、出演者が高校生であることなど、様々な縛りがあるが、大阪高校演劇祭(HPF)には時間の縛りが無いだけでなく、顧問の教師や顧問コーチが出演することもあり、中高一貫校では中学生部員だって出演する。劇中でも顧問の個人名を劇中に出して部活動での顧問の失敗や愚痴を楽しく語ったりして、部員と顧問が如何に仲良く部活動を過ごしているかが窺える。HPFは本当に自由だ。
こんなに自由で懐の広いフェスティバルをHPFの最初期から企画して、現在まで継承してる演劇祭は他に聞いたことが無い。
開催当時からコンクールではなく、時間や順位に縛られないフェスティバルを開催する意志が、今も明確に受け継がれている。それが根底にあるからこそ、真に自由な表現の場を創り得る事をフェスティバルの創始者たちは知っていたし、その精神は今も受け継がれている。
その事実に今更ながら驚くのだ。凄いぞ、HPF!!
毎年必ず卒業生と新入生が入れ替わる高校演劇において、演劇部の成長は演劇の知識と技術を伝える顧問やコーチが居ない場合、先輩から後輩にしっかりと継承する事が欠かせない。
演劇部の成長を毎年見せて貰えるのが、それをHPFで直に確認できるのが、私の毎年の楽しみでもある。今年もまた着実にHPFは進歩している。来年のHPFに期待は更に膨らむ。