舞監@日誌 since 2005

大阪在住、舞台監督・CQ塚本修(ツカモトオサム)の日記です。 観劇の感想や舞台用語の解説、たまに日々の出来事や劇団ガンダム情報も書いてます。 コメント・トラックバックは承認制ですので、すぐには反映されません。非公開希望の方はその旨お書き添え下さい。返信用アドレスも基本的には非公開にいたします。

2009年05月

【舞】動乱の桜ヶ丘R・S(各駅特急1・2・3!・千秋楽)

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いよいよ残り1ヶ月でプラネットステーションも閉館。
第33回を迎える関西最長級の演劇祭「大阪春の演劇まつり(通称:春演)」は、ホームグラウンドを失うこととなる。
過去最多の劇団が参加したであろう演劇祭だけに、来年度からの動向が非常に気になるところだ。
規模の縮小はあれど、演劇祭継続の方向で話は進んでいるようだ。
ちなみに今回の春演は、私が知る限りで参加団体は最少である。
さて、各駅特急1・2・3!は全ての公演を終了し、そのクォリティはゲネプロから最終公演までで飛躍的に進化している。
それはひとえに演出の永冨氏のダメ出しの仕方に秘密がある。
全ての演出家は、よりクォリティの高い作品へと仕上げていくための努力を惜しまないのはもちろんのことだが、大きく違うのはダメの出し方だ。
映像が本職の永冨氏は、撮影の現場で1カットに数十テイクを繰り返すことが、しばしばあると言う。
その撮影の中で役者に対し様々なダメ(NG)やヨイ(OK)の要望を告げるうちに、言葉の選び方や告げ方で、俳優の演技が思惑に反して変化する様子を嫌と言うほど体験し、最も自分の望む演技を引き出すために、どんなダメの出し方をするのが最も効果的かを日常的に体験している演出家なのだ。
そのやり方は、人をよく見ることに尽きる。
演技や現場での態度のみならず、その俳優の人としての在り方を見ることに他ならない。
幾百、幾千のリテイクに裏打ちされた最善のダメ出しなのだ。
本日は稽古場に戻ってから打ち上げを行う。
どこの劇団でもよく見かける、関係者に打ち上げで配る大入り袋。
大入り袋を配布する時間は、速い劇団で15分前後、長い劇団が1時間程度だが、永冨作品では2時間は必要だ。
本日の大入りタイムは2時間半。
永冨氏から役者一人一人に対して、演技の感想、現時点での実力、役者としての今後の可能性や訓練の仕方、演出からの思い、集団の中での態度、振り分けられた役職に対する感想と感謝、それぞれに辛辣だが愛情のこもった言葉を贈る。
永冨氏は人間をよく見ている。
たった1回だけの関わりになるかも知れないワークショップ生に対しても、何ら変わりのない態度で接する。
この稀有な演出家に出会えた者は幸福である。
そして機会があれば、是非ワークショップに参加してみることを勧めたい。
前置きが長くなった。
作品の感想を述べておこう。
本作は3つのストーリーを解体、脚色、構成し、あるレンタルスタジオに訪れる人たちの日常を描いた物語として、1本の繋がりあるストーリーになっている。
「TRUE ROMANCE」(作/松岡眞吾)は、あるバンドに関わる5人の若者の恋愛を描いたラブストーリーで、登場人物の5人は皆それぞれに恋をしている。
男勝りの性格で、決して笑顔を見せないヒロインが、ラストで初めて満面の笑顔を見せる。
この笑顔を素敵に描ければ、この物語は成功と言える。
それぞれの者が、それぞれの立場から恋をする。
その恋のバリエーションが、全て異なる表現法を描けたならば、更に良い作品となる筈である。
「劇団再結成物語」(作/森田和広)は一時解散して1年間活動休止中のアマチュア劇団の代表がスタジオオーナーに語る劇団解散顛末記。
この脚本の良いところは、実際の登場人物はスタジオで待つ代表者一人だけで、代表者の語る思い出の形式で、劇中劇や回想として劇団の物語が構成されていることだ。
1年後に集まる筈の仲間を信じてひたすら待つ劇団代表の男。
信じていた仲間が最後まで来ない苛立ちと切なさを、しっかり表現できるかどうかが、この作品のポイントとなる。
一番のしっかり者と思われた代表者が、実は集合日を間違えて二日前にスタジオに来ていたオチや、他の登場人物の現在を観客の想像に委ね、再会の場面を敢えて設けない点がとても良い。
「宇佐美巡査長の事件簿」(作/廣芝友孝)はミステリーコメディとして良くできた脚本と言える。
導入のスタジオオーナーとバイトの前振りから、犯行シーンや死体発見シーンもないまま、いきなり警察の現場検証へと場面が飛ぶ。
この死体なき殺人事件は、巡査と発見者、容疑者との会話から、観客に事件を連想させ、犯人を勘違いさせることに成功している。
発見者の勘違いと言う結末も、ありがちだがコメディとしては納得できる。
観客にさせた勘違いには、登場人物の勘違いだった結末がよく似合う。
誉めるべきは、最低必要限の場面だけで構成されていることだ。
さて、これらオムニバスでも可能な3本の小作品を1本の作品に構成することは、想像以上に難しい。
明らかに自分よりも実力下な若い脚本を、脚色し、構成する手間は自分で新作1本を書き下ろすのと同等以上の労力を要する。
ワークショップ公演なのだから、安直に繋ぎ部分だけを書き下ろし、オムニバスにまとめることは容易い。
敢えてそれを選択せず、ワークショップ生と正面から向き合い、自ら最も大変な苦労を選ぶことが、永冨義人と言う人の優しさである。
人を見る目の正解さ、役者に対する愛情、脚色力と演出力、作品のクォリティに対する向上心と努力、全てにおいて秀でた才能を持っている。
誉められるのは好きなのに、面と向かって誉められるのが苦手な永冨氏に、間接的に伝えたい。
あなたは本当に、良い演出家です。

※画像は春演フライヤーと、舞台写真。
永冨演出の基本は素舞台、地明かり、無音楽だが、劇中劇に関しては派手に照明と音楽を採用する。
平板になりがちな作品の中盤に、アクセント的に音照を使用して緩急を付けている。

【舞】各駅特急1・2・3!『動乱の桜ヶ丘R・S』

19a831ac.JPG演劇ユニット 各駅特急1・2・3!
『動乱の桜ヶ丘R・S』
脚色・構成・演出/永冨義人
@森ノ宮プラネットホール
5/29(金)15:00〜、19:00〜
5/30(土)15:00〜、19:00〜
5/31(日)13:00〜、17:00〜

各駅特急1・2・3!は、各駅停車なみにマイペースで、特急のように勢いのある芝居を望む役者たちが集まった演劇ユニットで、今回の作品は出演者の精鋭3名が書き下ろした3本の小作品を、「カンセイの法則」で安定した脚本力と演出力で定評ある永冨義人氏が、一本の作品に脚色、構成した演劇作品なのだ。
舞台は、とあるレンタルスタジオ。
このスタジオのクルーたちと常連客2組の巻き起こす、ジャンルの違った3つのお話。
「TRUE ROMANCE」(作/松岡眞吾)は、バンドメンバーのラブストーリー。
「劇団再結成物語」(作/森田和広)は1年休演中のアマチュア劇団が休団から再結成に至る顛末記。
「宇佐美巡査長の事件簿」(作/廣芝友孝)はミステリーコメディ。
オムニバスではなく、3つのストーリーを上手く構成することで、桜ヶ丘レンタルスタジオに訪れる人たちの日常を描いた物語として、1本の繋がりあるストーリーとなっている。
私にとっても、これが多分最後のプラネットホールでの舞台監督となる。
思い出深い作品となりそうだ。
本日より3日間6回公演(1名のみダブルキャストあり)。

【観】ななめ45°『ホヲツタフ』

bdb8a3e7.JPGななめ45° パントマイム公演
『ホヲツタフ』
作・演出/白木原一仁
@シアトリカル應典院

戦場カメラマン、一ノ瀬泰造の「地雷を踏んだらサヨウナラ」をインスパイアした無声劇。
台詞を一切使用しない、ムーブメント主体の無声劇は、登場人物の身体能力の個人差が如実に表れる。
この作品においては、主軸となる白木原氏に高度なマイムを集中させ、大多数を占める群集や子供たちは、無難な日常の動きを中心に構成される。
しかし、この作品が見せたいモノは、動きの緻密さや上手さではない。
台詞を排したことによる視覚に重点をおいたファインダー越しの世界と、視覚に頼らず心で感じとる精神の世界である。
少人数で装置も小道具も用いずに、壮絶な戦争の悲惨さを表現し得るものではない。
まして無声なのだ。
カメラに人生を託した青年が、真に伝えたかったことは何だったのか。
戦争の悲惨さはもちろんのことだが、どんな苦境の中でも希望を捨てず生きる人間の強さと、惨劇と絶望の中で打ちひしがれた人間の弱さではなかったか。
極限の中を生きた一人のカメラマンの眼を通して、全ての人類に共通する根源的な感情である喜びや悲しみ、笑顔と涙を写す出すことに焦点を当てた作品である。
だが、受け取り方は人それぞれであるし、そんなことを考えるのではなく、素直に見たまま感じとれば良い。
どんな観劇も、それが基本なのではなかろうか。

【観】劇団乾杯『街街(マチガイ)』

0632e4b7.jpg劇団乾杯 第10回公演
『街街(マチガイ)』
作・演出/山本握微
@FLOAT(安治川倉庫)
入場無料

これはよく出来たメタフィクションで、心底楽しめた。
安治川の倉庫を使ったインスタレーション劇。
インスタレーション自体がメタフィクションであるが、この作品は更に上を行く。
最終的には現実世界とのメタフィクションへと昇華させている。
面白いじゃないか!
休憩を挟んだ2部構成。
開演前に役者の一人の欠場が告げられる。
パンフレットにも名前が消され、声の出演と訂正して切り貼りがされている。
第1部は森田有香と河野美里の二人芝居。
倉庫内に缶詰めにされた作家と編集者。
作家は初執筆、編集者は自費出版。
この設定だけでも魅力的だ。
物語は昨日から始まる。
カレンダーがめくられる毎に過去に遡り、状況説明が成されていく。
いいね、とても上手いやり方だ。
再びカレンダーがめくられると共に、次第に時間は戻って来て昨日へ、つまり観客の見る現在へと戻る。
やがて倉庫前にタクシーが到着し、二人は取材旅行に出掛けてしまう。
休憩。
第2部は集団劇。
第1部もそうだが、全員の動きは高校演劇の動きで演出されている。
妙にはっきり喋り、不必要に手を動かす。
大変よろしい。
2部は登場人物がリンクした作家の作品が、劇中劇として同時進行する。
現実(演劇)と作品(劇中劇)が同時進行するので、どちらか区別は付かない。
いや、どちらでも良いのだ。
中盤、出演しない筈の役者が突然登場する。
ああ、騙された!
気持ちの良い裏切られ方だ。
で、物語は膨らむだけ膨らんで、物語に無関係な不動産屋の介入により終演する。
劇場主が家賃を支払えず強制退去命令が下る。
違約金を払わねば、公演継続は不可能。
家主は失踪し、主催は家賃を払わない。
いきなりの終演。
現実世界の現実問題とのメタフィクション。
見事と言わざるを得ない。
最終景を見てもお分かりにならないかも知れないが、某劇場の突然の閉館にまつわる事の顛末である。

【観】劇団いちびり一家『鼠のね マダラシグナル』

c3f804c1.jpg劇団いちびり一家 第13回公演
『鼠のね マダラシグナル』
作・演出/阪上洋光
@ウイングフィールド

公演スタイル、脚本、音楽、歌、踊り、衣装、美術、全てにおいて独特の持ち味を遺憾なく発揮する劇団いちびり一家の新作は、ハーメルンの笛吹き男をモチーフにした大人の寓話である。
時として童話は非常に残酷なバッドエンドの結末も多い。
しかし児童向けのそれらは、比喩的な方法により本質をぼやかしてあり、あまりに直接的過ぎると痛々しく感じてしまう。
この物語も、非常に家庭と家族の物事である分、伝わるイメージは非常にダイレクトで、作風に相反してお子様の観劇には不向きである。
だがもちろんこの作品は子供向きに作られたものではないし、大人や社会に対してのアンチテーゼが明白に感じ取れる。
一見可愛らしく、コミカルでリズミカルな阪上作品には、外見とは裏腹のどす黒い内面性を持つ。
この方向で良いと思う。
物語は家庭とご近所の狭い世界に終始する。
小さな世界で起こった出来事を、小さな物語で終わらせる。
もちろんそこには、グローバルな視点で物事を捉える冷徹な演出のマナコ(眼)がある。
完全に独自のスタイルを確立しつつある阪上作品だが、今回の舞台美術に仕掛けは不要と言える。
脚本も演出も、作品世界を十分に表現している。
音響と照明も作品をしっかりサポートしている。
演出上、必要な仕掛けでないならば、観客の視線が本来見せたいモノから動く仕掛けに移動してしまう。
そのデメリットを押してまで仕掛けをしなくて良い。
プランナーには気の毒でも、不要な効果は排除して作品の完成度を上げることが、演出家として観客に対する一番のプレゼントなのだ。
今回から集団名に「劇団」を冠したが、これまでの方向性も方法論も変わっていない。
我が道を行くのみである。

【観】東京ガール『助六』

0ce2f97d.JPG東京ガール 第2回公演
『助六』
作・演出/上崎陽介
@インディペンデントシアター1st

東京ガールは大阪芸術大学の有志により結成した劇団と言うから、もっとエンタメ色の強い作品かと勝手に思っていた。
劇団名も素敵でタイトルもインパクトが強い。
ところが、これはかなり骨太の不条理劇だ!
素舞台を横断するように張られた一本のロープ。
このロープを引っ張るだけの芝居である。
クラブ活動で綱引きをする学生たち、森の中を道に迷ってロープを道標にさまようカップル、犬に引かれて散歩させられる女性たち、ロープの先が何かを確かめるためロープを引き続けるカップル。
登場人物10人は4つの群に別れて、ロープを引っ張っては退場し、別の一群がロープに引かれて登場する。
それぞれの物語は進展が遅く、若干長く感じる。
あと30分縮めたい。
違った場所の異なった時間の物語が同時進行するかと思いきや、それぞれの物語は微妙に交錯し始めて、ついには空間と時間の法則性を無視して、全ての物語は劇場で行われる演劇であることを露呈する。
何たる不条理劇。
理解の度を超えて、答えは観客に委ねられる。
どこまでが確信犯なのかも掴めない。
もしかしたら説明不足なだけの作品かも知れない。
ひょっとしたら難解ではあるが、非常によく出来た論理に基づく作品かも知れない。
その辺りも含めて、注目すべき作品ではある。

OZC gallery+cafe『寺山修司と天井桟敷◎ポスター展』

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OZC gallery+cafe
『寺山修司と天井桟敷◎ポスター展』
共催/テラヤマ・ワールド/ポスターハリス・カンパニー/人力飛行機舎
@梅田OZCgallery+cafe
5/23(土)〜6/6(土)
12:00〜20:00
入場無料

先月お伝えした『寺山修司と天井桟敷◎ポスター展』が本日より開催。
併せて同時開催の『幻想とエロチシズムの寺山修司◎映像詩展2009』が九条シネ・ヌーヴォにて本日より上映されている。
OZCgallery+cafeには30点以上のポスターと、当時の台本、寺山修司の著書やJ.A.シーザーのCD等、貴重な資料がズラリと並ぶ。
また、OZCgallery+cafeの使用案内と平面図が完成し、陳列棚に置かれている。
美術、デザイン、音楽、映像、演劇、舞踏、パフォーマンス、落語、生活アート等の発表の場に、イベント、パーティ、ワークショップ、講演会等の会場としても、多目的に使用可能なギャラリー&カフェとなっている。
可動式の壁面2枚を有するスペースは、発表形態・使用用途により自由にレイアウト出来で、内容によっては24時間の使用も可能。
カラビンカの雰囲気を残し持つこの空間を、是非ご覧頂きたい。

※画像はポスター展のフライヤーとシネ・ヌーヴォのフライヤー。
そしてOZCgallery+cafeの平面図。

【観】伊藤友紀子と約7名の小人たちプロジェクト『白雪姫と七人の侍』

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伊藤友紀子と約七人の小人たちプロジェクト プロデュース公演 VOL.5
時代劇エンターテインメントコメディ
『白雪姫と七人の侍』
脚本・演出/藤原伊織
@通天閣歌謡劇場・STUDIO210

皆さんは通天閣の地下に劇場があるのをご存知か?
非常に分かりづらい入口から地下に降りると、いきなり広間があり、その一画が舞台となっている。
間口の割りに奥行きが狭いことを思うと、演劇には不向きで、歌謡ショーや寄席用のスペースである。
当然、完全暗転は望めないので劇場と言うよりも演芸場と言った方がしっくり来るだろう。
この魅力的なタイトル『白雪姫と七人の侍』も、どちらかと言えば演芸である。
冒頭、京次郎による和風マジックから始まり、劇中のチャンバラ、カーテンコールの白塗りアイドルディュオと言い、大衆演劇のノリなのだが、芝居自体は小劇場テイストの正に時代劇エンターテインメントコメディなのだ。
バカバカしくてストーリーを書く気にはならないが、大体想像通りだ。
いや、想像以上だ!
何より感動的なのは、出演者の平均年齢が推定35歳以上で、全員がやや真面目に作品に打ち込んでいることである。
その甲斐あって、ヒロインの伊藤友紀子はとてもチャーミングで素敵なお嬢さんに見える。
串カツ屋の看板娘、実は行方不明の雪姫、人格が入れ替わって年老いた串カツ屋の女将、実はくの一の女忍者、最後には歌って踊るアイドル歌手。
伊藤友紀子の魅力を満載した1時間20分であった。
ちなみに公演は22日限りである。

【観】コメディユニット磯川家『今宵はグッドファルス』

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『今宵はグッドファルス』
〜終わらせたくない夜に〜
作・演出/保木本真也
@一心寺シアター倶楽

私の父母の兄弟姉妹はやたらと人数が多い。
昔はお盆や正月には親に連れられて親元に帰ったものだが、人数が多いので総ての親類が同じ一日に集まることは少なく、親戚の結婚式にもそうそう全員集まるものでもない。
ところが祖父母の葬式ともなると、さすがに親類縁者が一同に会し、驚くほどの人数が集まるのである。
私の両親は共に5人以上の兄弟姉妹が居り、従兄弟の人数は数えたこともないが、相当数の大人数である。
「祖父母の葬式は孫の祭り」とは良く言ったもので、当時は久しぶりに会う従兄弟と遊んだり、正月のお年玉以上のお小遣いが親戚一同から貰えたので、本当にお祭り騒ぎのような一日を、子供の頃に体験した。
そんなことを思い出しながら、この作品を見ていた。
これは孫の目線で捉えた祖父のお通夜の話である。
もちろん全ての登場人物は同等の存在感とそれぞれに物語を持っている。
だが、湿っぽいお通夜をコメディに仕上げる時に、配偶者や子供の視点からでは、やはりコメディにしづらいのではなかろうか。
もちろんこれは決して不謹慎な作品ではないし、「終わらせたくない夜」と言うテーマも、祖母の立場からしっかりと描かれている。
相変わらず大人数を分かりやすく配置するするのがとても上手い。
安心して見ていられる。
だが、これが最高傑作かと問われれば、過去により優れた作品が存在する。
良くも悪くも素直な作品なのだ。
劇中にもう一度見たくなる思わせぶりなシーンや、意味深な謎や整合性のない不条理を散りばめても、十分に成立する作品ではなかろうか?
リピーターのためのお楽しみを更に盛り込んだ時に、真の若手人気劇団が誕生するだろう。
脚本、演出、役者、全て確実に成長している。
その日はそう遠くあるまい。

第1回『舞台監督講座』

7642a8cd.jpg舞台監督講座、第1回目終了。
またまた、あっという間の3時間で、終わってみれば22:15!
すみません、皆さま。
ペース配分を間違った訳ではないのですが、言うべきことが多すぎるのです。
舞台監督必携の道具類の話が中途半端で終わりましたので、次回に追加説明いたします。
本日は「タイムテーブル」の考察をいたしました。
区分制に対応した組み方と、タイムテーブルが何故遅れるのか、どうしたら遅れないのかを検証。
受講者の方は、感想や質問、分かりにくかった点、等のご意見をメールして頂ければ幸いです。
さて、次回6/23(火)は『小屋入りまでに出来ること』を総ざらいします。
大劇場のように舞台袖からインカムで音響や照明にキッカケを伝えられない小劇場では、劇場入りするまでに綿密な打ち合わせが出来ているか否かで、仕込みや場当たりに要する時間が大幅に変わってきます。
仕込み時に劇場との打ち合わせ漏れが発覚し、劇場から待ったが掛かって仕込みが止まったり、両面テープやケーブルが1本足りなかっただけで仕込みが頓挫することがあります。
入念に下準備を済ませ万全の体制で臨めるよう、劇場入りまでにミスしやすい箇所や、必ずやっておきたい打ち合わせを、企画立案から小屋入りまでの時間の経過に沿って、どの時期に何をすべきかを検証し、無駄のない進行を考察します。
時間が余れば、舞台監督の仕事について書かれた書物や、舞台用語辞典の紹介をしましょう。
本日は45名もの方々(身内含み)に受講して頂きながら、意見交換や質疑応答等の受講者と交流する時間を持てなかったことが大変悔やまれております。
是非ご意見を聴かせて頂きたい。
また、配布したマニュアルは、最終回まで使用するので、次回参加の方は忘れずにご持参下さい。
次回からの受講者は、初回のみ資料を購入して頂き、二回目以降は追加修正したプリントを配布いたします。

第1回『舞台音響映像講座』

f9270af3.jpgコンビニと薬局からマスクが消えましたね。
兵庫・大阪で150名以上の感染者が確定されました。
マスクの必要な方はまだまだ作業着屋や大工道具屋にありますよ。
先週の「舞台照明講座」に続き、本日は『舞台音響(映像)講座』の第1回目。
講師の自己紹介に続き、舞台音響以外も含めた音響のカテゴライズを説明。
舞台音響の話に入るため、まず基本的な音の仕組みを解説し、さらに舞台音響と映像の変遷の説明を終え、舞台音響の仕事の流れを簡単に解説する。
あっという間の3時間。
次回の舞台技術基礎講座は明日5/19(火)に第1回『舞台監督講座』である。
舞台音響映像講座の2回目は来月6/22(月)19:00から。
受講者は通常のインディペンデントシアター2ndの入口(堺筋沿い)ではなく、裏の楽屋口から入場されたし。
参加は無料(要予約)、資料代実費請求。
本日の資料も100円であった。
以下は音響映像講座講師、相内唯史プロフィール。

相内唯史(アイウチタダシ)
舞台映像・演劇プロデューサー。
「at will」主宰。
大学在学中よりバンドやイベントのPAとして劇場やライブハウスで活動を開始し、舞台音響としても多くの作品に関わるが、現在は舞台映像に活動の中心を移す。
インディペンデントシアター2nd音響管理。
本業はもちろんインディペンデントシアター劇場プロデューサーである。
従来の演劇公演の枠に収まらない斬新な劇場プロデュースに定評がある。

新型インフルエンザで公演中止?

新型インフルエンザ感染者がとうとう20名を超えた。
感染者の集中する大阪と兵庫では、街中にもマスク姿の通行人が増え、私の通院する病院では医師・看護士・事務員のみならず、風邪以外で通院する患者にも無料でマスクを配布し、院内感染を予防している。
演劇の観劇者にもマスクを装着している方が目立つ。
密閉された小劇場では、通気性の高い屋外や換気の行き届いた大劇場より、感染の可能性はすこぶる高い。
一定時間密閉された密室に居ることは、万が一感染者が居た場合、密集を強いられる通勤電車や通勤バス以上に、危険度は高いのではなかろうか。
さて、そんなご時世に先ほど舞い込んだのが以下の連絡である。
我々の舞台管理する劇場から、来週に控えた公演を延期するかも知れないとの報が入る。
今、この日記を書いてる間に感染者は30名以上になった。
神戸市は神戸祭りを取りやめ、学校・園の閉鎖が22日までと決定し、芦屋市も閉校依頼が出ている。
来週末に開催予定の公演は、主催者が海外渡航中で20日夜に帰国予定で、入国も速やかに出来ない可能性もあり、更にはこの公演の出演者・来場者は多くの他府県に渡るため、今後の新型インフル感染状況の変化を観察しつつ、開催か延期かを決定したいとの意向で、実際に公演延期の公算が高くなって来た。
今後もこのような新型インフルエンザの余波が、公演の中止や延期の形で劇場にも関与して来ることが予想される。
この場合の劇場、及び主催者、並びに関係者の被害は甚大で、キャンセルに対する規定が詳細に決められていない小劇場も多く、公演中止や延期がもたらす二次災害は計り知れない。
せめてもの防衛手段として、劇場でのマスク着用を推奨したい。
マスクをすることで、感染されにくくなるばかりでなく、自分が感染者であった場合も他人に移りにくくなる。
上演中の無防備な出演者に対しても予防措置となる。
客席が全員マスクの状態で舞台を演じる出演者を想像すると、かなり異様ではあるが、公演を中止するよりは、はるかにマシではなかろうか。
まず我々劇場関係者からマスクをしませんか?
受付や接客係こそ、不特定多数の観客と一番先に接するのです。
しっかりと受付で告知をすれば、これほどの非常事態に失礼や無礼などと文句をつける方はおりますまい。
まず、出来ることをしましょう。
それが我が身ばかりでなく、大切な公演を守る最良の方法ではないでしょうか。

追記
今夜最新のニュースでは、感染確認者84名とか。
朝の情報からすでに4倍!
しかもマスクの売切れ店続出。
マスクの購入はお早目に。
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