舞監@日誌 since 2005

大阪在住、舞台監督・CQ塚本修(ツカモトオサム)の日記です。 観劇の感想や舞台用語の解説、たまに日々の出来事や劇団ガンダム情報も書いてます。 コメント・トラックバックは承認制ですので、すぐには反映されません。非公開希望の方はその旨お書き添え下さい。返信用アドレスも基本的には非公開にいたします。

2010年12月

整理してみたら、

半日以上かかりました。
観た芝居をメモする習慣はない。
何を見たかを、手帳にすら記していない。
チラシと、パンフと、記憶を頼りに列挙してみた。
凄い数だ!
到底フォロー出来ないので、書ける時に書きたい感想を書くことにする。


5/5西原理恵子博覧会『バラハク』@京都国際マンガミュージアム
5/25【舞】遊劇体『多神教』@五條會館五條楽園歌舞練場
5/28【観】劇団ガバメンツ『ちゃんちゃんばらばら』@インディペンデントシアター2nd
5/29【観】A級MissingLinkトライアウト『蒼天、神を殺すにはいい日だ』@ウイングフールド
5/30【観】月曜劇団『あたらしい凹凸』@インディペンデントシアター1st
5/30【観】ともにょ企画『冒険。たけしの場合。』シアトリカル應典院
6/3~8【舞】クロムモリブデン『恋する剥製』HEP HALL
6/6【舞】クロムモリブデン『不躾な映像』HEP HALL
6/8【観】柿喰う客『露出狂』@精華小劇場
6/10~13【舞】ババロワーズ『ヒューマノイド自治区3丁目17番地ももいろタウン』@ABCホール
6/14~17【舞】エイチエムピー・シアターカンパニー『Politics! Politics! Politics and Political animals!!』@こまばアゴラ劇場
6/21~7/4【舞】クロムモリブデン『恋する剥製』@赤坂RED/THEATER
6/25【観】あうん堂『うてなのやどり うき仙人』@ウイングフィールド
6/26【観】神大自由劇場『テキサス芝刈機』@シアター300
7/2【観】ひょっとこ乱舞『水』@吉祥寺シアター
7/5【G】ガンダムカフェ
7/8~11【舞】カンセイの法則『田舎に住む人たち』@芸術創造館
7/13~7/25【舞】sunday『サンプリングデイ』@精華小劇場
7/19【観】HPF清風南海高校『ディア・マイ・グッピー』@シアトリカル應典院
7/20【観】HPF大産大附属高校『と』@シアトリカル應典院
7/20【観】30×30・2vs2『交換日記』『恋のピンチヒッター』/ゲキバコ!『4/3【サンブンノヨン】』@インディペンデントシアター1st
7/21【観】HPF箕面高校『marble~硝子のムコウ~』@ウイングフィールド
7/21【観】柿喰う客『The Heavy User ヘビー・ユーザー』@インディペンデントシアター2nd
7/22【観】HPF箕面東高校『さんすうとけものたち』@シアトリカル應典院
7/23【観】HPF枚方なぎさ高校『見果てぬ夢』@シアトリカル應典院
7/24【観】HPF鶴見商業高校『未完成』@シアトリカル應典院
7/27【観】HPF咲くやこの花高校『おとなも子供もかいだんとゼリーを』@ウイングフィールド
7/27【観】30×30・sputnik.『三人夜々』/アルデンテ『越えられるのはマリアだけ』@インディペンデントシアター1st
7/28【観】HPF金蘭会高校『ハルメリ』@精華小劇場
7/29【観】HPF金光藤蔭高校『宙(そら)のそら』@ウイングフィールド
7/30【観】HPF追手門学院高校『農業少女』@精華小劇場
7/31【観】コトリ会議『びゅいーん、瓶』@シアトリカル應典院
7/31【観】HPF精華高校『変身』@ウイングフィールド
8/1【観】レトルト内閣『絶叫ソング』@ABCホール
8/1楳図かずおデビュー55周年記念 恐怖マンガ展『楳恐―うめこわ―』@HEP HALL
8/1【観】HPF梅花高校『七人の部長』@ウイングフィールド
8/3【観】30×30・空間悠々劇的『カーテンの隙間から空が。凄く青い。…青い。』/糖衣K錠『明日への扉』@インディペンデントシアター1st
8/4【観】Zsystem『All for you』@シアトリカル應典院
8/5【観】桃園会『a tide of classics 三好十郎・浮標』@精華小劇場
8/6【G】「魂フェス2010」「ウルトラ劇画二人展」
8/7【G】「ガンダムSUPER EXPO 東京2010」
8/8【観】愛知県大会・愛知淑徳高校『悦』@稲沢市民会館
8/8【観】愛知県大会・岡崎商業高校『夏芙蓉』@稲沢市民会館
8/8【観】愛知県大会・春日井高校『CLOVE~くらぶ~』@稲沢市民会館
8/8【観】愛知県大会・横須賀高校『恋ナビ!』@稲沢市民会館
8/8【観】愛知県大会・新城東高校『親の顔が見たい』@稲沢市民会館
8/8【観】愛知県大会・同朋高校『銀河旋律』@稲沢市民会館
8/9【観】愛知県大会・古知野高校『RAGAZZO(少年)』@稲沢市民会館
8/9【観】愛知県大会・中村高校『おさん幻想』@稲沢市民会館
8/9【観】愛知県大会・東海学園高校『初版:熱海殺人事件』@稲沢市民会館
8/9【観】愛知県大会・刈谷高校『CLOSE TO YOU』@稲沢市民会館
8/9【観】愛知県大会・椙山女学園高校『コパリバ!』@稲沢市民会館
8/10【観】愛知県大会・名城大学附属高校『桜井家の掟』@稲沢市民会館
8/10【観】愛知県大会・知多翔洋高校『うぉっしゃぶる』@稲沢市民会館
8/10【観】愛知県大会・藤ノ花女子高校『おはな』@稲沢市民会館
8/10【観】愛知県大会・光ケ丘女子高校『Say goodbye to lilies of the valley』@稲沢市民会館
8/10【観】愛知県大会・千種高校『Is ―アイズ―』@稲沢市民会館
8/10【観】愛知県大会・尾北高校『もうひとつの《罪と罰》』@稲沢市民会館
8/11【観】愛知県大会・旭丘高校『記、一仔誕生』@稲沢市民会館
8/11【観】愛知県大会・刈谷東高校『痛快大活劇 断絶~便所くん最後の日~』@稲沢市民会館
8/11【観】愛知県大会・愛知高校『紺屋高尾』@稲沢市民会館
8/11【観】愛知県大会・豊橋中央高校『FIRST STAGE~1984、夢は時空を超えて』@稲沢市民会館
8/11【観】愛知県大会・大同大学大同高校『こんにちは赤ちゃん』@稲沢市民会館
8/12【観】愛知県大会・緑高校『りんごの木の下で』@稲沢市民会館
8/12【観】愛知県大会・一宮高校『オンリー!!』@稲沢市民会館
8/13水木しげる米寿記念『ゲゲゲ展』(東京)
8/14【G】「静岡ホビーフェア」
8/15【観】少年王者舘『ガラパゴス』@精華小劇場
8/16~18【舞】Micro To Macro『スカイフィッシュ・ワルツ』@シアトリカル應典院
8/19~22【舞】カンセイの法則『舞台を作る人たち』@インディペンデントシアター2nd
8/23~29【制】くじら企画 大竹野正典追悼三夜連続公演 第一夜『サラサーテの盤』@精華小劇場
8/25【観】C.T.T.OSK vol.8 けのび『等々力』/A..A.C.P.『I like your eyes』/AAPA(アアパ)『outskirts(抜粋)』@ウイングフィールド
8/26【観】baghdad cafe'『ごっこでいいから、手をつないでて』@シアトリカル應典院
8/27~29【舞】枚方こどもミュージカル『天の川ラジオ』@枚方市市民会館大ホール
8/30水木しげる米寿記念『ゲゲゲ展』(大阪)
9/3【観】MASTER:D『ラバーソウルラバー』@インディペンデントシアター2nd
9/4【観】南船北馬『4つのシ点』@can tutku
9/5【観】浪花グランドロマン『人造都市』@大阪城公園太陽の広場内特設銀色テント
9/6~12【舞】劇団態変『自由からの逃走』@大阪城公園太陽の広場内特設銀色テント
9/13「ウイングカップ2010」前夜祭@ウイングフィールド
9/14【G】1/1ガンダムヘッド
9/14【観】彗星マジック×コトリ会議『定点風景』『夕刊コトリ会議会議』@インディペンデントシアター1st
9/17【観】IsLand☆12『ヤガク』@シアトリカル應典院
9/18【G】旭堂南半球の『ガンダム講談一年戦争』~ソロモンの章~@ワッハ上方「上方亭」
9/19【観】イチハラ会『優シイ思イ出』@ウイングフィールド
9/20【観】近畿大学文芸学部芸術学科舞台芸術専攻19期生卒業公演『時の物置』@近畿大学会館5階・日本橋アートスタジオ
9/20【観】劇団ぎぶあっぷ『ララバイなタワー』@シアターカフェNyan
9/24【観】野外劇団楽市楽座『鏡池物語』@扇町公園
9/26【観】ほどよし合衆国『コメディエンヌ★No.1』@芸術創造館
9/28【観】ステージタイガー『そこにあるヒビ/メディアライフ』@インディペンデントシアター1st
10/1【G】「魂ネイション2010」
10/1【観】カムヰヤッセン『やわらかいヒビ』@三鷹市芸術文化センター 星のホール
10/5【観】ステージタイガー『病的船団』@インディペンデントシアター1st
10/6【観】トイガーデン『ユビュ王』@ウイングフィールド
10/8【観】虚空旅団『見送ル、背中』@ウイングフィールド
10/9~11【舞】evkk『FOG』@芸術創造館
10/12【観】彗星マジック×baghdad cafe『定点風景』@インディペンデントシアター1st
10/13~17【舞】エイチエムピー・シアターカンパニー『Politics! Politics and
Political animals!』@伊丹AI・HALL
10/20~24【舞】遊劇体『縄文人にあいういう』@伊丹AI・HALL
10/25~31【制】くじら企画 大竹野正典追悼三夜連続公演 第二夜『密会』@ウイングフィールド
10/26【観】30×30・空間悠々劇的『わかってる。この後が怖いけど、今はこれしか言えん。最高!』/GEROGEROhouse『例えば君がパーマネントに』@インディペンデントシアター1st
11/2~4【舞】極東退屈道場『サブウェイ』@ウイングフィールド
11/6【観】A級MissingLink『蒼天、神を殺すにはいい日だ』@伊丹AI・HALL
11/9【観】彗星マジック×カメハウス『定点風景』『銀河』@インディペンデントシアター1st
11/10【観】劇団タノシイ『見守りたいぜ』@ウイングフィールド
11/11「第2回むりやり堺筋線演劇祭」後夜祭@S-pace
11/12【観】芝居処 味一番『弁当~駅弁・空弁~』@インディペンデントシアター1st
11/13「六甲枝垂れ」「加藤文太郎~ある登山家の物語~」
11/13【観】日活JOE・山本忠『山の声』朗読会@六甲ヒルトップギャラリー
11/14【観】ピースピット『有毒少年』@ABCホール
11/15~19四国旅行
11/16「四万十川」「足摺岬」「足摺海底館」
11/17「のいち動物公園」「高知城」「坂本龍馬記念館」
11/18「やなせたかし記念館 アンパンマンミュージアム」「祖谷かずら橋」「大歩危・小歩危」
11/19【観】May『晴天長短 ―セイテンチャンダン―』@インディペンデントシアター2nd
11/20【観】ともにょ企画『レイク横』@ウイングフィールド
11/21【観】10デシリットル『ソコニアル』@そとばこまちアトリエ Black Boxx
11/21【観】売込隊ビーム『アイスクリームマン』@伊丹AI・HALL
11/23【観】LOOP!LOOP!!LOOP!!!2・0・1・0 芝居処 味一番『弁当~幕の内~』/ブルペンズ『コン・ライター』/The Stone Age ヘンドリックス『寺に唄えば』@インディペンデントシアター1st
11/26【観】コトリ会議『わたしノほしデハ鯨ガおよグ』@ウイングフィールド
11/27【G】富野由悠季『這い上がるために』@NHK文化センター梅田教室
11/28【観】最強の一人芝居フェスティバル『"INDEPENDENT:10"』@インディペンデントシアター2nd
11/30【観】30×30・かのうとおっさん『借りぐらしのかのうとおっさん』/青山郁彦『龍馬神伝説~宝塚市民話より~』@インディペンデントシアター1st
12/3【G】「ガンプラEXPO JAPAN tour in 名古屋」
12/3「愛知県高校演劇顧問総会・顧問研修会」
12/4【観】妄想プロデュース『夜の瞳』@ウイングフィールド
12/11【G】旭堂南半球の『ガンダム講談一年戦争』~ア・バオア・クーの章~@ワッハ上方「上方亭」
12/12【観】ミミズ基地『死臭を救えば』@インディペンデントシアター2nd
12/14【観】彗星マジック×コレクトエリット『定点風景』『演技体練習』@インディペンデントシアター1st
12/16【観】Ugly duckling『凛然グッド・バイ』春眠@伊丹AI・HALL
12/17【観】LINX'S -02-『~2nd virgin~』(B)@インディペンデントシアター2nd
12/18【観】Ugly duckling『凛然グッド・バイ』冬眠@伊丹AI・HALL
12/18【観】Buddy!『ヨーソロー!!!』@そとばこまちアトリエ Black Boxx
12/19【観】LINX'S -02-『~2nd virgin~』(A)@インディペンデントシアター2nd
12/20【観】悪い芝居『キョム!』@精華小劇場
12/21【観】30×30・空間悠々劇的『忘れよう。忘れないと。内側から燃えてしまいそうだ。』/ババロワーズ『Happy Happy XXXXmas!』@インディペンデントシアター1st
12/22【観】燐光群『3分間の女の一生』@伊丹AI・HALL
12/23【観】カラ/フル『NUDE 底に在る 傷情の顔』@ウイングフィールド
12/23【観】劇団大穴『CMの憂鬱』(Bチーム)@インディペンデントシアター2nd

何か抜けているような気もするし、観劇日を間違えているような気もするので、お気付きの方は知らせて頂きたい。
更に年内に4~5本見る予定がある。


【観】燐光群『3分間の女の一生』

da5a63f7.jpg燐光群
『3分間の女の一生』
作・演出/坂手洋二
@伊丹AI・HALL

全てのシーンが3分間で構成され、バラバラの30の場面が集積され、全てを紡ぐことで1つの世界が構想される。
しかも全てのシーンは、カップヌードルやボクシング等、全て3分間をテーマにした内容で構成されているのだ。
そして、終わってみれば、やはり燐光群は燐光群であった。
今さらストーリーを語るまでもない。
11月の東京公演を皮切りに、東北から中部、中国、九州と巡業し、このAI・HALLが最後の地となる公演なのだ。
さすがに場面転換は多く、燐光群にしては美しいとは言い難い。
暗転とブルー転、暗転幕を駆使し、最短の速さで処理するものの、転換を転換と見せぬ構成が出来るなら、また見たいと思うのだ。
だが、3分間で完結する30の芝居を繋いで、1本の物語にすること自体が素晴らしく、この作品に影響され、遠くない未来に、そこから派生するであろう幾多の演劇作品が、私は今から楽しみで仕方ないのだ。

榮田佳子×イトウワカナ『0141≒3088』&ゲキバカ『三匹のゲキバカ~つか』とか

a0ba250f.jpgついにブログの最近のカウンターを見てしまう。
先月丸々休んでしまい、さすがにかなり見に来る方も減っただろうと思い、ちと見てしまい、深く反省。
これだけ止まったままのブログを、毎日覗きに来て頂いた皆さま、ありがとうございます。
気になった芝居は、振り返って書いて行きます。

で、フライヤーの画像を探すため、ネットを検索して回るのだが、良作に対して的外れな感想を見かけると、本当に残念に思うのだ。
最近では、インディペンデントシアター2ndで見た、最強の一人芝居フェスティバル『"INDEPENDENT:10"』の榮田佳子による一人芝居『0141≒3088』(作・演出/イトウワカナ)だ。
直接感性に訴えかける作品だけに、観客が直感的に受け取る印象がネガティブだと、一気に受け入れられなくなる危険を冒してまで、本作品を発表した二人を賞賛したい。
もちろん作者は、感じるまま自由に作品を楽しめるように作ってあるので、無粋な説明は一切ない。
表面上は男友達の下を転々としながら、とにかく食べ歩く女の一日を描いただけの物語だが、食べることの意味を少し考えたい。
演劇は元来メタファーなものだ。
食べる行為は何らかの比喩と想像しなが見なければ、その本質に気付かないまま終わってしまう。
食事=性行為とするなら、食べ物=男性であり、食べ物に見立てられた色んな男を食べ歩き、こいつは不味い(下手くそ)だの、塩っぱいだの、甘いだの、美味しいだの、男は女に値踏みされているのだ。
更には、この作品内のみならず、拡大解釈するならば、全ての女は、男どもを値踏みしてますよと、宣言しているのだ。
そうでなくとも、淡々と食べるだけの行為の、何とエロチックなことか!
劇中にエロスを連想させる演出が随所に施されていたはずなので、思い起こして頂ければ解釈の糸口になろう。

それから、ゲキバカについて。
『三匹のゲキバカ~つか』(作・演出/柿ノ木タケヲ)のタイトルからも、つかこうへい作品のオマージュなのは一見して解るはずだが、若い観客層にはゲキバカも初めてなら、つか作品の知識も少ないので、少し解説したい。
ちなみに私もゲキバカは初見。
劇中に使用した音楽は、ほとんどがつか氏が本公演で使用した音楽である。
素舞台の会話劇で、音響、照明、脚本、構成、つか作品の模倣以上のリスペクトが成されている。
本作はLINX'S-02-『2nd virgin』への書き下ろしなので、テーマである2nd virginを作品の中にどう盛り込みかが見ものの一つとなっているのだが、他団体がほとんどテーマに触れない中、かっつりとオカマネタでセカンドヴァージンを前面に引き出し、最後までこのテーマで押し切るのだ。
そこで使用する音楽を同性愛者の楽曲に限定し、更に最新の時事ネタである尖閣諸島の船舶追突(=オカマ)事件、市川海老蔵殴打事件(歌舞伎俳優にはオカマが多い)を盛り込み、ラストを蒲(カマ)田行進曲(つかこうへいの代表作の一つ)で締めくくる。
見事なまでに統一された構成で、脚本は面白く、役者は3人とも個性豊かな上に上手いのだ。
発想的には、2nd virgin→オカマ→蒲田行進曲→つかこうへい、の流れであろうが、脚本構成は、つかこうへい→オカマ→2nd virgin→同性愛者→時事ネタ→蒲田行進曲→つかこうへい、と見終わってから何故オカマなのか、何故つかこうへいなのかが、理解できる構成となっていて、そこが絶妙なのだ。
先のブログでワンランク上と評したが、実際は数ランク上の作品であり、レベルの違いを見せ付けておきながら、それを気付かせない上手さも兼ね備えている。
劇作家、演出家ならば、これらの作品からその凄さを感じ取り、驚愕せねばならない。

【観】悪い芝居『キョム!』

99e179fd.jpg悪い芝居 Vol.11
明日のための紛失劇
『キョム!』
作・演出/山崎彬
@精華小劇場

まず、設定が面白い。
路上生活者の救済に、取り壊しの決まった小劇場を貸し与えられ、そこで暮らすことになった彼らは、屋根のある小劇場の舞台でも、相変わらずブルーシートで作ったテントや、廃材や粗大ゴミで造った荒ら屋で暮らしている。
そんな設定の中で、仲間の一人が何者かに滅茶苦茶に鈍器で殴打され撲殺される。
殺人事件が起こったあとの劇場に、容疑者が一堂に集められ、刑事がやって来るところから芝居は始まる。
回想シーンを挟みながら、事件のあらましを説明しつつ裁判仕立てで犯人を探る前半と、真犯人による犯行が起こるまでを丹念に描いた後半により構成された物語である。
と言うと刑事ドラマか推理小説のように感じるかも知れないが、後半を単なる回想劇にしない工夫があり、後半こそが現在の現時点、つまり今であり、前半は後日起こるであろう物語であることが明かされて行く。
この作品は後半こそがテーマであり、それを過去の問題ではなく、現在の問題として提起する仕掛けが非常に上手く新しい。
だが、この作品の本質は、劇中で描かれる社会問題ではなく、人間の、自分自身の存在意義にある。
もちろんホームレス問題もホームレス差別も、とても重要な社会問題である。
どんな環境にあれ、どのような人物であれ、人が人として存在した、生きた証を、この世の中に如何にして残すのか?
この作品は問題提起しているのだ。
それがしっかり伝わったなら、この作品は成功と言える。
もちろん物語はそこに収束して行くのだが、ラストはもっとたたみかけるように終わりたい。
高校生が娘の死を告げに来てからが長い。
全てを描く必要はない。
最もインパクトの強い場面の印象を薄れさせることなく、スピーディーに終わらせたい。

後半より頭角を表す路上生活者のリーダー格である北川大輔が非常に良い。
その巨体で作品を包み込むように、作品全体を支えている。
彼が代表を務めるカムヰヤッセンも、関西では類を見ない劇団なので、是非とも関西公演が望まれる。

【観】LINX'S -02-『2nd virgin』(A)

7a92757c.jpgLINX'S -02-
『2nd virgin』(A)
主催/石田1967
@インディペンデントシアター2nd

Aプログラム
オープニングアクト:劇団大穴
①激団しろっとそん
『大阪ストラット!!!!』
作・演出/大牧ぽるん
②オパンポン創造社
『ストラーイク』
作・演出/野村侑志
③劇団ZTON
『月黄泉ノ唄 Before Episode1 日輪ノ剣』
作・演出/河瀬仁誌
セカンドアクト:カメハウス
④コトリ会議
『音が見えてるよに話す』
作・演出/山本正典
⑤ゲキバカ
『三匹のゲキバカ〜つか。』
作・演出/柿ノ木タケヲ
+ゲスト:伊藤えん魔
『ハードボイルド落語』
脚本・演出・出演/伊藤えん魔
+アドシバ!
構成/上田ダイゴ

終わってみれば4時間もの大イベント。
先日のBプロが3時間だったので、重複する演目を差し引いても6時間半はあろう。
もう少しコンパクトでも良い。
大穴とカメハウスは先日よりバージョンアップしているが、感想は割愛したい。
今週末に両劇団は本公演を控えているので、見に行く予定である。
以下、感想。

・しろっとそん
若い!
ひたすら若い。
内容も若ければ、演技も若い。
だが悪くない。
このテイストを守りながら成長して欲しい。
空間の広さを意識した演技が必要である。
物語の展開が予想通り進み過ぎるので、もっと出鱈目を磨きたい。
・オパンポン創造社
野村侑志と池下敦子の二人芝居。
とても良い。
日頃、ほぼ全裸で登場する野村侑志が、終始裸で演技をする。
しかし今回はむやみに裸になるのではなく、裸であることにしっかりと意味を持たせ、裸であることを忘れさせるほどの演技を見せる。
作品の完成度も高い。
二人の持ち味が良く活かされている。
・ZTON
初見。
安倍晴明の出生を描く時代劇ファンタジーのプロローグである。
ダンス仕立ての殺陣も良く稽古されている。
20分だけでは何とも言えないが、強烈な個性には欠ける。
真面目さが伝わる作品なのだが、お利口さんにならず、もっともっと暴れて欲しい。
・コトリ会議
どうと言うことのない二人芝居の会話劇を、効果音担当の役者を入れた三人芝居にすることにより、数倍面白い作品に仕上げている。
毎回違った着眼点の豊富さと、台詞の面白さが山本氏の持ち味なのだが、食卓を挟んで向き合っているようで向き合えなかったカップルが、最後に初めてお互いに向き合うラストシーンが美しく、キレイにまとめられている。
コトリ会議、ハズレなし!
・ゲキバカ
とても面白い。
しかも上手い。
最新の時事ネタを上手く練り込み、つかこうへいテイストに仕上げている。
一貫して使われる一見下品なオカマネタだが、きっちりと今回のテーマのセカンドヴァージンを提示しており、それが全てラストの蒲田行進曲のための前振りだと気付かされる面白さ、更にはそのための「つかこうへい」テイストなのだと気付かされる奥の深さ、しかもこの脚本を僅か2日間で仕上げてしまう力量、何もかもがワンランク上である。
この凄さは見過ごせない。
見習うところ多し!
・伊藤えん魔
えん魔氏のレパートリーから、「時うどん」をハードボイルドに味付けした落語を披露。
久しぶりのネタであれ、安心して見ていられる安定感、観客を惹きつけ楽しませる力量、関西を代表するエンターテイナーである。
・アドシバ!
直前のハードボイルド落語のお陰で、導入部分に先日のような違和感はない。
しかし内容はグダグダである。
人選が良すぎて失敗するパターンの典型であろう。
アドシバ!で一番好きなのは、観客が選んだお題のあらすじを簡潔に話すサリngROCKで、本人が自覚しないローテーションのMCと言い、上田ダイゴのハイテンションとのギャップと言い、その魅力を遺憾なく発揮する。

【観】Ugly duckling『凛然グッド・バイ』12/16春眠&12/18冬眠

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劇団Ugly duckling 第32回本公演
最終公演『凛然グッド・バイ』
作/樋口ミユ
演出/池田祐佳理
@伊丹AI・HALL

年内の観劇日誌はお休みにするつもりだったが、これは書いておかねばならない。
15年、30回以上の公演を重ねた劇団が最終公演を迎える。
物事には始まりがあり終わりがある。
時折そんな当たり前のことを痛感することがある。
旗揚げから見続けて来た劇団に対しての思いは、決して半端なものではない。
もちろん本人たちは私たち以上の思いも胸に舞台に上がるのだ。
その作品は最終公演に相応しく、別離と旅立ちの決意に満ちたステキな作品となった。
二人芝居として描かれた本作は、「春眠」編を出口弥生とののあざみが、「冬眠」編を吉川貴子と村上桜子が演じる。
この2作品は同じ脚本による合わせ鏡の裏表になっており、全く正反対の作り方から同一の収束点を描く。
「春眠」はパフォーマンス性も高く非常に抽象的に作られており、黒い装置と最低限の小道具を用い、直感的に観客に訴え掛ける構造で、一方「冬眠」は具体的に小道具を多用し、情緒的に正攻法の会話劇で構成されている。
よって「冬眠」は非常に分かりやすく、情景がイメージしやすい。
「春眠」はイメージが掴みにくいものの、直接感性に働きかけて来る。
二作品とも観られた方は幸いである。
どちらもUgly ducklingが大切に培って来た独自の表現法を丁寧になぞった作品であり、その集大成が一作にまとめられずに二本の作品として公演されることの意味と喜びを実感出来た筈だからだ。
本作は更に来年、東京で「春眠」、福岡で「冬眠」が公演される。
どちらも一作品のみの公演なのが残念だが、最後の晴れ舞台に凛々しくエールを贈りたい。
ありがとう、グッド・バイ!

【観】LINX'S -02-『2nd virgin』(B)

1fea3c84.jpgLINX'S -02-
『2nd virgin』(B)
主催/石田1967
@インディペンデントシアター2nd

Bプログラム
オープニングアクト:カメハウス
。VS2
『全国女子高校生選手権』
作・演出/徳山1982
元 男肉du soleil
『初恋男肉夢心地(パラダイスキッス)』
はちきれることのないブラウスの会
『ママがサンタにキス・マイ・アス』
作/二朗松田
演出/河口仁

セカンドアクト:大穴
The Stone Ageヘンドリックス
『寺に唄えば』
作・演出/朝田大輝
ゥ好董璽献織ぅー
『イキルカラダ』
作・演出/虎本剛
+アドシバ!
構成/上田ダイゴ

・カメハウス
来週本番を控えたカメハウス『マクベス』の番宣前座。
本番さながらに踊る踊る。
どんなマクベスになるのやら…。
・2VS2
2VS2の持ちネタの中でも、この全国女子高校生選手権は屈指の完成度を持つ。
私のお気に入りの作品でもある。
他の作品群も、どれも完成度が高く、次回公演も近いのでオススメしておく。
・元 男肉du soleil
解散公演を見られなかったのが悔やまれる男肉の最後っ屁。
池浦さだ夢氏のラップに乗せて、歌う男肉と踊る男肉の乱舞。
本公演ほどのパワーはないが、池浦氏のひたすらラップするパフォーマンスが素晴らしい。
近大に入学して、中国人の留学生と恋に落ち、日本と中国が戦争になり、政治と宗教をこけおろす。
本日のベストアクトである。
・はちきれることのないブラウスの会
「はちブラ」は女優四人によるユニット。
もっとも「はちブラ」と呼ばれているかどうかは知らない。
良くできた脚本と、息の合った四人の女優は、外し笑いを狙ったシチュエーションコメディで、シュールな展開と予想出来ない結末で、新感覚の喜劇を提供する。
ハッピーエンドに出来る話をシュールに終わらせる力技が非常に良い。
今後の期待が高まる。
大穴
これまた来週本番を控えた大穴の番宣なのだが、しっかりとダンスを交えつつ来週公演する『CMの憂鬱』のプロローグとなっている。
しかも面白い。
見たくなる。
これま来週が楽しみだ。
The Stone Ageヘンドリックス
先日1stの「30×30」で見た作品の再演。
作品の長さに関係なく独自の世界観で観客を巻き込みことの得意な老舗劇団だが、ベタな新喜劇風の展開がいつも惜しく思うのだ。
それぞれが個性的で突出した俳優であり、このテイストでなくても十分に演れるのだから、もっとじっくり観たいのだ。
ストーンエイジの会話劇希望。
ステージタイガー
得意の熱い芝居で5本目を締めくくる虎本作品だが、30分では収まり切らない。
このプロットは1時間半は必要だろうし、そのくらいの尺で見てみたい話である。
物語を作るのに、30分は短過ぎる。
だがそこは力技でギュギュッと押し込んだ濃い作品となっているが、奥行きと膨らみを持たせれば、更なる感動大作になったはずである。
だが、実に石田氏への愛情の詰まった小作品であった。
アドシバ!
オマケのコーナーで、本日の登場俳優のみならず、当日スタッフの中から選ばれた8人の役者が、2チームに別れ即興演劇で勝負する。
余興としては良いかも知れないが、すでに7本の完成された作品のあとに、即興演劇は蛇足である。
構成を考えるべきではあるまいか?
とは言え、それぞれの完成度は予想以上で、更に明日からはサプライズゲストで伊藤えん魔氏が『ハードボイルド落語』を披露するとか。
私は19日にAプログラムを見るのだが、期待の高まるBプログラムであった。

最近のこと

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すっかりブログ離れしておりますが、かなりヒマになり観劇三昧の日々です。
多忙で書けない時期を過ぎ、11月には四国旅行に行きました。
後半に入り、ようやく時間が出来たものの、溜まりに溜まった観劇数に呆然としていると、どんどん時間が過ぎて行き、書かないと書かないで、随分楽だと気付いたりして、まぁ来年からでも再開しようかと思うのです。
しかし、せめて何を観たかは記しておかねば自分で忘れてしまうので、近々まとめてみます。
で、今日はLINX'Sのことだ。
現在インディペンデントシアター2ndにて、開催中のLINX'S-02-だが、10劇団+αが集結し、5劇団ずつの2つのプログラムを公演中。
趣味の観劇が高じて、自分のお気に入りの劇団を集め、30分ほどの小作品のショーケースを開催する芝居バカが大阪に居る。
主催の石田1967氏が、LINX'Sを始めて早くも3回目。
その芝居バカの熱意に応えて、とりあえず即席レビューをば!
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