5ee46aaf.jpg宮川サキ+Sun!!二人芝居
サキトサンズ 武者修行全国ツアー
『梨の礫の梨』
作・演出/横山拓也
@ムーブファクトリー

宮川サキとSun!!が二人芝居のユニットを組んで全国ツアーに出る。
その皮切り(梨だけに)の大阪公演の会場は、中崎町にある西角秀紀氏のアトリエ、ムーブファクトリーで、西角氏が音響と照明の両方を担当する。
作・演出は『エダニク』で第15回日本劇作家協会新人戯曲賞を受賞した横山拓也氏である。
小さな小屋でささやかな小さな作品を上演する。
日本全国、どこの小劇場にも対応でき、何ならカフェや文化教室と言ったフリースペースでも上演は可能な作りになっている。
音楽を含めた音響効果もほとんど不要で、照明も場合によってはほとんど変化なしで対応できる。
何と言ってもアクティングエリアが小さくて済む。
1坪以上あれば上演できる。
そんな小スペースでも十分に堪能できる芝居を作劇すべく、二人の女優と一人の劇作家が挑戦を始める。
この1時間の作品の中に、女優二人の魅力を詰め込んで、見事な秀作に仕上げている。
二人の喜怒哀楽を全て表出させ、観客を笑わせて楽しませ、尚且つ泣かせて感動させる演劇の素晴らしい要素が上手く構成されている。
切なく、可笑しく、愛おしい作品だ。
横山氏がパンフレットに、宮川サキを「化けもん」、Sun!!を「フェアリー」と比喩していたが、私も同様の印象を二人に持っていた。
初めて二人を見た時、宮川サキは「妖怪」で、Sun!!は「妖精」だと思った。
ちなみに「妖精」女優は年を重ねると大概「妖怪」に進化する。
Sun!!も間もなく片足を突っ込むだろう。
宮川サキは初めから「妖怪」だった。
女優にとって「妖怪」と呼ばれるのは、最高の誉め言葉に値する。
今さら作品の内容に触れる必要もあるまい。
二人の女優を観る。
この幸せを全国で待つ観劇ファンに、早く届けてやれば良い。