7/23(日)HPF2017
緑風冠高校
『うさみくんのお姉ちゃん』
作/中原久典
演出/浅羽始
@ウイングフィールド

関大一高に続き、緑風冠高校もまた脚本の選択が良い。
しっかりと設えた教室の舞台装置も良く、特に花道を使って教室の広さを具体的に表現した演出は眼から鱗であった。
キーパーソンとなる溝呂木役を10年振りに舞台に立つ顧問の木村先生が演じるのだが、これがまた実に良く、高校生にしか見えない。
ウイングフィールドは下手の大臣幕(舞台の一番前にある客席から見える袖幕)の幅が意外に広く、客席の下手端から3列目までは大臣幕が視界を遮り、舞台の下手側が全く見えない。
講評席の下手端からは、せっかく設えた扉のある壁が全く見えないのが実に惜しい。
舞台奥の壁の下手側を90cmほど短くして、下手側の壁を下手の客席からも見えるように斜めに建てるか、下手側の壁の最も客席寄りを中心点にして、下手奥の壁の合わせ目を直角に保ったまま時計回りに回転させ、壁の合わせ目が90cmほど内側になるように配置すれば客席全体から視認できる。
こうすれば上手側の壁が無いアンバランスさも解消できる。
照明変化のほとんど無い演出はこの作品に良く合っていて、ラストに舞台が夕焼けに染まるだけの変化はベストチョイスと言える。
ただ変化が急過ぎて情緒も美しさもなく、それがとても惜しいのだ。
終盤から徐々にゆっくりと夕焼けに染まり始め、ラストもゆっくりと溶暗したい。
ラストのみに音楽を用いるのは会話劇の常套手段だが、この作品に関しては音楽が無くても成立するので好みの別れるところだ。
僅か1曲の音楽で、現実感を無にすることもあるので、音楽の挿入は本当に必要かをよく吟味したい。
照明は関大一高でも述べたが、前明かりが強過ぎる。
花道を照らすため吊り足した灯体が前明かりに照らされて、大きく奥の壁に影を落とし非常に見苦しい。
前明かりの機材よりも舞台寄りに照明機材を追加する時は、機材をバトンの下ではなく、バトンの横に曲吊りすると良い。
カーテンコールの音楽が、コールの挨拶と長さがドンピャでとても気持ちが良い。