7/24(月)HPF2017
箕面・豊島高校
『K3 〜たたけ!TA・NA・KA・SAN!〜』
原案/荒木佑珠
作・演出/野邊茉優子
@シアトリカル應典院

“みのてし”恒例の創作劇はキャスト17名+古川先生の総勢18名が出演する学園モノで、キャストのほとんどを1・2年生に配し、技術と知識の必要なスタッフを2・3年生で担う大所帯である。
これは高校演劇では正しい役割配分で、実際のところスタッフのミスが極めて少なく、安心して見ていられる。
ストーリーはホラーかと思いきや、演劇部の伝統と自分たちの本当にやりたい事の狭間に立った現役生が、悩みながら自分を見つめ直す群像劇になっている。
ホラーテイストの不気味なノック音の伏線がちゃんと回収されずに終わるのは残念だが、多くの登場人物のキャラクター分けもしっかり為されていて、生き生きとしたダンスシーンや特別出演の古川先生の出番等、見どころの多い作品に仕上がっている。
部室にある装置として措かれたドアからノックの音が聞こえ、扉を開けると誰も居ない不気味なシーンは、扉を半開きにせず客席のどこからでも中が見えるように全開した方が良い。
観客に扉の向こうを見せることで、誰も居ないことを強調できる。
照明は関大一高と緑風冠に同じく、前明かりが強過ぎる。
何度も言うが、地明かりを前明かりで作ってはいけない。
アクセントに足したアンバーやブルーの照明が前明かりで消されてしまい、明確に舞台に色が着かないのだ。
音楽は過剰に入れ過ぎである。
場面に合った音楽を入れるばかりが音響効果の仕事ではなく、音楽を入れないのも音響の仕事である。
音楽を多用すると最も音楽を聴かせたい場面や印象付けたいシーンが、音楽を聞くことに観客が慣れてしまい効果が半減してしまう。
その場面に本当にその音楽が必要かどうか、シーンに合う合わないだけでなく、全体を通しての音楽や効果音のバランスや流れも考えてみよう。
音楽のジャンルがバラバラに挿入される作品より、ジャンルが統一されている方が収まりも良く完成度も高くなる。
ボーカル曲と演奏のみの音楽を混ぜて使ったり、意図せず1曲だけボーカル曲やインストメンタルを挿入しても、その曲のみが浮いてしまう。
また、音楽が流れることで、その場面の雰囲気も音楽に引きずられ、音楽の曲調に雰囲気が限定されてしまい、作品の印象も左右される。
演出者は全てのスタッフワークを検証し、舞台監督とも相談し、敢えて照明や、音響をカットする英断も必要である。