7/26(水)HPF2017
阿倍野高校
『たまねぎ』
作/演劇部
演出/高本修伍
@ウイングフィールド

演劇部の創作作品。
2枚の立てパネルの裏表と配置替えを組合せ、様々なシーンを演出する。
現実世界で友達から仲間ハズレにされた主人公の少女が、小学校の学芸会で演じた野菜と虫の戦争の世界に紛れ込むファンタジー作品。
全員が楽しんで演じているのが大変良い。
転換の配置はよく考えてあるものの、一つ一つのシーンが短く転換が慌しいので、幾つかのシーンを膨らませ、幾つかのシーンは省いて修正すれば、より見やすくなるだろう。
タイミング良く登場人物が現れたり、偶然にも地下牢を発見したり、小学生の頃の台本を見つけたりと、都合良く物事が進み過ぎると嘘くさく感じられるので注意したい。
例えば台本はラストに唐突に登場させるから不自然なのであって、冒頭で自宅に帰った主人公が何らかの理由で昔の持ち物の中から偶然台本を見つけたのなら自然に感じるし、その後ファンタジー世界へ迷い込むのも納得しやすくなる。
更にはラストで再び台本を手にするのも必然的になってくる。
地下牢の入口も、突然発見するのではなく、それを見つけるまでの過程や必然性が欲しいのだ。
また、地下への入口を舞台前方に位置決めすると、客席最前列のお客さんの身体が壁になり、客席の後方からは座った演技が全く見えない。
客席と舞台が同じ高さの劇場では、座り芝居や寝転び芝居を出来るだけ舞台奥でした方が良い。
それでもウイングフィールドの舞台の奥行きでは、客席後方から舞台奥の床面は視認できないのだが、舞台前にするよりは幾分見やすくなる。
他の高校の感想でも述べたが、前明かりが強過ぎてホリゾントがキレイに染まらない。
パネルの影もホリゾントに映るので、美しくない。
前明かりは顔の陰影を消す程度の明るさに抑えると良い。
花道の照明機材は上手く曲吊りし、ホリゾントに影が出ないよう処理されている。
とても素晴らしいのは野菜と虫をモチーフにした衣裳の出来映えで、それぞれに野菜の色と形を上手くデザインし、皆が上手に着こなしている。
惜しいのは美粧(メイキャップの意)で、野菜と虫をモチーフにしたメイクをできたなら更に面白かったと思う。
また終盤で明かされるタイトルの秘密、たまねぎの野菜言葉が「不死」であることが、この作品の根底にあり、野菜と虫が持ちつ持たれつの関係なのだと物語をまとめる辺りはとても上手くできている。
ひょっとしたら虫たちにも虫言葉の裏設定があるのかも知れないと、キリギリスの虫言葉を調べたら、なんと虫言葉は「勝負パンツ」でズッコケた!
ちなみに他にも果実言葉や鳥言葉、石言葉、星言葉、等々たくさんのモノを象徴する言葉がある。
しかし「勝負パンツ」って、そんな虫言葉、あり?