7/29(金)HPF2017
箕面東高校
『星の華』
作・演出/横野優希
@シアトリカル應典院

毎年創作劇でHPFに挑み、大掛かりな舞台装置を組んできた箕面東だが、段差のある二重舞台だけなのに驚き、3人芝居と言うことに更に驚く。
随分と部員が減ったのだね。
性別の違う双子の姉に対する弟の劣等感から、誰もが持つ他人に対するコンプレックスを描き出す。
劣等感だけでなく、本来なら優越感を抱いて当然の姉も、自分に貼られた他人からの先入観、経歴と言うレッテルに悩み、弟への依存症に悩む。
物語は2人を傍観する友人の目線で描かれて行くのだが、3人芝居ゆえか世界観が狭く、こじんまりしてしまい、世界に広がりがないのが残念だ。
家族の存在や大学での生活描写が浅いため、多くの設定が安直に受け取られてしまう。
劣等感だけでなく心の傷を描く時に大切なのは、何が原因で心に傷を負うことになったか、その傷と主人公がどう向き合い、どのようにその傷と寄り添い、或いは克服し、そして何がどう変わったかを見せて欲しいのだ。
弟が姉に劣等感を持ったのは、成績優秀な姉の存在そのものではなく、姉と自分を比較する存在があった筈で、それらの人間関係をしっかりと描きたい。
冒頭が絵本を読む友人のモノローグから始まるので、ラストも同じく友人のモノローグで締めくくるのが構成的にも収まりが良い。
ラストシーンで観客が冒頭のシーンを思い出すからだ。
今のラストも悪くないが、姉弟の象徴として最後は青と赤の2色だけを残し溶暗した方が印象深くなる。
舞台は両端に高台を設けた二重舞台を舞台奥に配置したシンプルな構造で、様々な場面を上手く使い分けて演出されている。
高台への段差があり過ぎて、昇り降りが見苦しくなるので、階段を一段増やすか、高台を少し低く設えた方が楽になる。
姉と弟を暖色と寒色の照明でイメージさせるのは良いアイデアだ。
だが、前明かりが強過ぎるので、せっかくの色合いが薄れてしまう。
特に弟の立つ台上を照らすライトブルーは他の照明色の干渉を受けやすく、色が混ざってグリーンに近くなるため注意したい。
効果音の素材が見つからなかったのか、音楽に比べ効果音の使用が少なく、時間経過や場所を表すのに効果音を使う場面を増やしたい。
音楽や照明の入れ方と消し方は大変上手く適切なのに、ラストだけ余韻を残さず消してしまったので、ラストは音楽をもっと引っ張った方が良い。
前明かりに対して斜めからの生明かり2灯だけでは、地明かりの数が少な過ぎる。
舞台の両端まで地明かりが確保されず、両端に登場人物が立つと顔が極端に暗くなる。
せめて4灯は地明かりに使いたい。
地明かりの数が少ないと舞台は暗くなり、光量の確保に前明かりを用いてしまい、前明かりが強くなると舞台に色が乗らなくなり、2次的な不具合が出てくることになる。
まずは地明かりをしっかり作ることだ。