7/27(土)2019HPF
阿倍野高校
『失せ物』
原作脚本/田部千香子
脚色/山内貴子・兒子明日香
演出/岩田滉崇
@ウイングフィールド

昭和〜平成〜令和と時代は変われど、そのものの本質は変わらないものだって在る。
人々が求める普遍的な笑いをテーマに、笑いを作り出す芸人たちが所属する芸能プロダクションの養成所が舞台となる。
舞台奥に高さ1尺・奥行3尺の二重舞台、二重舞台の両脇には袖幕に隣接して可動式のパネルが1枚ずつ措かれる。
2組の漫才師と1人のピン芸人による劇中漫才とピン芸が何とも楽しく面白い。
しかしこの作品の狙いは笑いを生み出すことやコンビで居ることに苦悩する芸人たちの、笑いと苦悩の狭間で困惑しながら生きる芸人の姿を描くことで、どの時代にも共通する笑いや苦しみの普遍性を浮き彫りにできたと思うのだ。
お笑いのシーンが多いので笑いに偏り過ぎてしまい、苦悩を描く部分が浅くて薄くなってしまったのが残念だ。
両極の物語を同じバランスで描かなければ、その狭間で失ったもの、取り戻したものが、台詞で語るではなく言わなくても作品自体から感じ取れるのではなかろうか。
転換は暗転の後、薄明りでスムーズに行われ、転換も演技演出の一部として十分に稽古したのが垣間見える。
音楽を多用し過ぎで、挿入する時間は短すぎる。
音楽は本当に必要な場面だけあれば良い。
多用することで、音楽を聞かせたい場面が埋没してしまう。
転換方法や選曲が少し古いので、オシャレでスマートな最近の小劇場演劇を見て欲しい。