2006年08月08日

『時をかける少女』はrich harvestな逸品なのだ。5

すこし前の話になるけど、新宿テアトルにて『時をかける少女』を観た。
もちろん原田知世の'アレ'ではなく、細田守監督の新作。

じつは当初この企画を聞いたときは「大丈夫なの? どんなもんやねん??」とか思っていただけれど-----けど、いざ封切られてみると友人知人の口から出てくる評判の良いこといーこと。
公開の前日までどーしよーかと迷っていたのが一気に行く方向になりました。

で、噂に違わず。素晴らしい作品でした。

もちろん昔の原田知世主演・大林宣彦監督のものとは一切別ものだし、キャラクターの性格づけなんかもすごく現代的になっている。でもこの作品の魅力はそれだけじゃあ無い。

すべての映画監督に当てはまることではないけれど、作り手として、おそらく一生に一回しかつくることのできないrich harvestな一本というものがあると思う。掌中に大切にしまってあったものをそっと示すような、そんな優しくもちょっとほろ苦い味の小品。たとえば大林宣彦「転校生」「さびしんぼう」や相米慎二「翔んだカップル」、アニメ監督なら望月智充「きまぐれオレンジロード・あの日に帰りたい」とか。えてしてそれらは決して映画史的に記録されるほどの評価は得られないけれど、観た者の心にずっと残り続けるような大切なものになっていく。
誰もが心のどこかにだいじにしまっているものを掘り起こし、反芻させ、癒してくれる装置としてのフィクション。

この細田監督の「時かけ」も、そんな大切な一本になっていくような映画なんだと思う。

たぶんボクがまだ20代〜30代初めくらいの年齢でこの作品を観たら、きっと自分にとってそんなかけがえのないrich harvestな存在になっただろう。
残念ながらそんな定義づけをしたファイルを開いてこの映画をそこに収うには、ボクは少しだけ歳をとってしまったけれど。

だから、この「時かけ」を観てそう感じたら、大切にして欲しいと思う。
まだ観ていないなら…きっと、そんな存在になるよ。
これは観ている側を己れの心の中の過ぎし日々へと'タイムリープ'に誘(いざな)う映画。


「時をかける少女」は、今年必見の一本である。


公開当初はほぼ単館の状態だったけれど、口コミでの評判もあってどうやら少しだけ上映館が増えるみたい。お薦めの作品なので、ぜひぜひ観て欲しい。
東京では池袋よりも既上映館の新宿や、渋谷のほうが見やすくてお勧め。
自分が行ったときも超満員、立ち見も出るほどだったので、かなり早めに行ったほうがいいかも。














原田知世のアレ









ところでこの映画に出てくる中、野球場ってウチから歩いて10分くらいのトコにある哲学堂公園じゃないの。その場面当初から「あれ、ひょっとしてここって…」と思ってたんだけど、水飲み場→並木路で完全にそうと判りました。サスガにガキの頃から馴染んだ場所なので。
[Google Earthが使えるヒトは【35°43'21.89"N/139°40'27.94"E】を入力! ここがあの3人が野球をしていたグラウンドだ!!]
他にも中井駅とか、この近くでのロケハンが多いみたい。

ま、ちょっと余談で。




正直、見るべき魅力が何も見いだせない「ゲド戦記」に行って煮え切らない歯痒さを感じるより、この「時かけ」を観て忘れかけていた高校時代の青春を取り戻したほうがずっといい時間の使い方だとボクは思うよ…

urashima_area41 at 16:53│Comments(0)TrackBack(9)観た映画 

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