膝の半月板を損傷した・・・のかもしれない。

したのかもしれない、という曖昧な表現をしているのは、
まだ確定的な診断が下されたわけではないからである。

膝に軽い痛みを感じ始めたのは12月の末頃。

具体的な場所は左膝の外側。
日常生活面では特に問題ないが、バレエを踊ると痛い。

痛むのはプリエで膝を曲げた時や、ジャンプで着地した時ではなく、
脚をまっすぐに伸ばした時に、瞬間的にズキッとくる感じ。

痛みのレベルとしてはそれほどひどいものではなかったので、
日本に滞在していた間に、バレエ教室のオープンレッスンに2回通った。

それが悪かった、というわけではないのだろうが、
3週間近く経ち、韓国に戻った今も痛みはまだ残っている。

当初に比べたらかなり和らいできてはいるものの、
レッスンを再開したら、きっとまたすぐに元に戻るだろうな、という感じ。

なので、バレエのレッスンに行きたい気持ちをグッと抑えて、
代わりに少し大きな整形外科の専門病院に行ってきた。

膝を専門としている先生に診てもらったところ、
外側の半月板の周辺が炎症を起こしているのかも? とのこと。

一応、レントゲンを撮ったけれど、
レントゲンには特に何も写ってはいなかった。

半月板が損傷しているかどうかはMRIを撮らないとわからないが、
消炎剤の服用で治ることもあるので、とりあえず飲んでみましょう、と。

治らなかったらMRIを撮ることになるんだろうけど、
こっちは保険がきかないので、MRIなんてもう目玉が飛び出るほど高い!

それでなくても引っ越しを間近に控えた物入りな時期なんだから、
できれば消炎剤で治ってほしい、というか治ってくれ!

診察室を出る前に医者の先生に、

「薬で痛みが消えたら、来週からレッスンに行ってもいいですか?」

と聞いたところ、診察室内の空気がシーンと静まり返った。
なんだろうこのイヤな沈黙、と思っていたら先生が口を開いた。


「・・・いや、1カ月間は安静にして下さい」


ガーン!

1カ月もバレエを踊れないのか!
ってことは、発表会も出られないじゃん!

・・・あ、そうそう、2月の上旬に発表会があるんですよ。

バレエの先生から発表会の話を知らされたのが12月の頭のことで、
その時点でもう本番まで2カ月を切っていた。

日本的な常識で考えると、もうありえない悠長さなのだが、
発表会といってもそこまでかしこまった雰囲気のものでもないとのこと。

クラス毎に10分くらいの簡単なヴァリエーションを披露する、って感じらしい。

何カ月も前から発表会のために練習をして、外部から男性ダンサーを呼んで、
参加費も10万円以上かかり、という日本のバレエ教室の発表会とは違う。

参加費も衣装代等すべて含めて6万ウォン(約7千円)という破格さ。

発表会の練習も、本番が2月3日だというのに、
1月25日から始めましょう(その代わり毎日レッスン)、という具合だった。

だからまあ、出演する方も、観に来る方も、割と気楽な感じ(だと思う)。

この歳になって他人様の前で、それも舞台上で踊るのは気恥ずかしかったのだが、
そういうアットホームな感じの発表会ならありかな? と楽しみにしていた。

それなのに、ああ、それなのに・・・。
なぜここにきて、膝の故障、という展開になるかな・・・。

・・・と嘆いていても仕方がないので、頭を前向きに切り替えることにする。

自分の目的は、今回の発表会に出ることではない。
これからも細く長く、継続してバレエを続けていくことである。

なので、しばらくレッスンに出られないのは辛いけれど、
2月いっぱいまで休養し、3月から再開することを目指したいと思う。

話を半月板に戻すと、今回の痛みの原因は自分が一番よくわかっている。

バレエは、アンディオールといって、両足の爪先を外に向けて立つ姿勢が基本。
その角度は180°、つまり両足が一直線の状態になっていることが理想とされる。


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自分は、ここ20年近く、運動らしい運動をほとんどしてこなかったせいで、
股関節を含めた体中の関節という関節がガチガチに固くなっていた。

にもかかわらず、無理にアンディオールの姿勢を取ろうとし続けたために、
その負担が膝にかかってしまったのだと思っている。

右の膝ではなく、左の膝が痛くなってしまったのは、
右脚よりも左脚の方が柔軟性が劣っていたからだと思う。

無理に完璧なアンディオールを目指さなくても、120°でも別にいいんじゃね?
と、今なら思う。本当にもう、頭をかきむしりたくなるほど、そう思う。

さらに悪いことに、バレエのレッスン中だけではなく、
日常生活面においても、アンディオールを意識するように心がけていた。

台所で食器を洗っている時の足元も、アンディオール。
交差点で信号待ちをしている時の足元も、アンディオール。

ああ、もう、自分のバカ、バカ、バカ!

仮に完璧なアンティオールができたとしたところで、
はっきり言って、そんなものは自己満以外の何ものでもない。

そんな、よくわからない自己満のために、
膝の半月板を痛めてしまってどうするよ!

・・・というわけで、当面はバレエはお休みします。

韓国での新年度に当たる3月から無事にレッスンを再開することができたら、
足の爪先は120°の角度にして、膝に負担がかからないようにするつもり。

そして、発表会には出られないけれど、
当日はクラスメートたちの踊りを、客席から応援したいと思う。