今年の旧正月の前日に、娘の韓服を買った。

日本でも着物を着る人が少なくなってきているのと同様に、
現在は韓国でも日常的なシーンで韓服を着ることはめったにない。

着る機会があるとすれば、近い親族の結婚式の時や、
年に二度、つまり旧盆と旧正月の名節の時くらいだろうか?

その数少ない機会である年に二度の名節の時も、
大人は洋服姿で、韓服を着るのは子供だけ、というパターンが多い。

だから、旧盆や旧正月の前に大型マートの子供服のフロアに行くと、
これでもか! とばかりに色とりどりの子供用の韓服が並べられている。

そういえば以前、娘がまだオリニチプに通っていた頃に、
必要に迫られて「なんちゃって韓服」を買ったことがあった。



旧正月には「なんちゃってチョゴリ」で


あらためて読み返してみたら、
ちょうど2年前の旧正月の時に書いた記事だったわ。

その「なんちゃって韓服」を買った当時は、


「このデザインだったら、普段着としても着回せそう!
ジャケットの部分をジーンズに合わせたりとか・・・」


なんて考えていたわけだが、実際にどうだったかというと、
普段着として着回す、だなんて、とんでもない。

結局その年の旧正月に2回だけ、
オリニチプと義母宅で着ただけでサイズアウトしてしまった。

その時に、


年にたったの2回、それも短時間しか着ないようなものを、
果たしてまた買う必要があるのだろうか?



と強く疑問に感じたこともあり、
その翌年(つまり去年)は韓服なしで過ごさせた。

ところが、その年の旧盆に義母宅で従姉が韓服を着てるのを見て、
私も韓服が着たい! と言って泣かれてしまいましてね・・・。

それで仕方がなく、じゃあ次の旧正月には韓服を着ようね、と約束。
まあ、それが今回の旧正月だったわけでして。

母親としてどうかと思われるかもしれないけど、
基本的に「年に2回しか着ないものを・・・」と思っていることに変わりはない。

だから、買いに出かけるのも億劫で億劫で仕方がなく、
重い腰を上げたのは旧正月の連休が始まる前日、という具合だった。

で、いざ大型マートの子供用韓服売り場を覗いてみると、
これがもう安っぽい原色テランテランの韓服のオンパレード。

こういうのが子供用韓服の主流だ、と言われてしまうとそれまでなのだが、
はっきり言って趣味が悪いと思うし、購買意欲もまったくわいてこない。

でもって、買わないわけにもいかないしな・・・。
どうしようかな・・・。

と思いながらマート内のフロアをウロウロと歩いていた時、
通路の隅の方に落ち着いた色合いの韓服が置かれているのを発見。

それは大人用の韓服だったのだが、
よく見るとまったく同じデザインの子供用もある!

ひかえめな光沢のある金色のチマ(スカート)に、
モスグリーンのチョゴリ(上衣)。アクセントにリボンのピンクが効いている。

見た瞬間、これだ! と思った。
これこれ、こういう上品な色のモダンな韓服を探していたのよ!

価格も69,000ウォンで、
子供用の韓服としてはおそらく平均的。

原色テラテラの韓服は美意識的にどうも許せないけど、
このシックな韓服ならまったく抵抗ない。

というわけで、その韓服を購入して嬉々として帰宅し、
旧正月の当日に娘に着せてみた。



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うんうん、なかなかいい感じ♪

サイズ的にもまだ若干だけど余裕があるので、
うまくいけば来年いっぱいまでは着られるかもしれない♪

などと、ややみみっちいことを頭の片隅で考えながら、
勝手にホクホクとした気分で旧正月の連休を終えた。

次に袖を通すのは今年の旧盆だな、と思いながら韓服を洗濯し、
クローゼットに長期間保管するためにしっかりアイロンも当てておいた。

ところが、連休が明けてしばらくした頃に幼稚園から連絡があり、
2月初旬の卒業式&終業式には韓服で出席させて下さい、とのこと。

おー、こんなにすぐにまた韓服に袖を通す機会が訪れるとはー。
買っておいて本当によかったわー。

と、またもやホクホクとした気分で卒業式&終業式の当日を迎えた。

指定された時間に講堂に出向くと、
韓服に身を包んだ大勢の子供たちと、その保護者で賑わっていた。

まずは卒業していく年長組の子供たちが5人ずつ檀上に呼ばれ、
園長先生から卒業証書を渡され、全員揃って一礼してから降りていく。

その子供たち全員が、例の原色テラテラの韓服姿だったのだが、
安っぽい生地も、遠目に見ると華やかでとても綺麗だった。

・・・そのあたりで、ちょっとイヤな予感はしていた。

そして、いよいよ娘の名前が呼ばれた時、その予感は現実となった。



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・・・じ、地味すぎて目立たない。
先生方のダークスーツと完全に同化しているし。


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モダン韓服を着た娘を単体で見た時は、
似合っているし、可愛いと思った。

が、鮮やかな色使いの韓服を着た他の子供たちと並ぶと、
もう完全にかすんでしまって、ちょっとかわいそうなレベルだった。

この後、同じ組の子供たちが全員集合してダンスを披露してくれたのだが、
残念ながら踊りなんかもう全然頭に入ってこなかった。

なんていうか、


貴族の子供たちの集まりに使用人の子供が混じってしまった


ような印象を受けてしまいましてね・・・。

娘よ、ごめん!
母の自己満足でヘンな韓服を着せてしまって!

卒業式&終業式、というおめでたい日であったというのに、
その日はブルーな気分で帰宅し、帰宅後も一日ずっとブルーだった。

日本の母に「終業式で韓服着た時の写真を送れ」と言われていたので、
舞台の上にいるところを撮った写真をLINEで送ったところ、


「地味すぎてどこにいるんだか全然わかんない!」


とか言われてますますブルーに。

娘に、「地味な韓服を選んじゃってごめんね」と謝ったら、
いいよいいよ、と、6歳の娘に気を使わせてしまった母親って・・・。


・・・嗚呼!


でもまあ、基本的にポジティブな性格なので、
一晩寝たら、翌朝にはブルーな気分はケロリと忘れてしまった。

今回が娘にとっては終業式で、卒業式ではなかったことが不幸中の幸い!
来年の卒業式には、原色テラテラの韓服を着せてあげよう!

と心に誓った次第。

今回買ったモダン韓服は、もったいないから今年の旧盆まで着せて、
その後はフリマで売るか義妹の子にあげてしまおうと思う。

やれやれ。