「私はあなたが好きです」
「感謝してます」
「嫌いです」

など、登場人物の関係性をどれだけ台詞に出すかというのは、
キャラクターアニメとして非常に重要なポイントだろう。

あっぴろげにどれもこれもモノローグで説明するアニメもそれはそれでいい部分があるが、
一方で「言わなくてもお互いの気持ちが通じ合っている」という関係に憧れる人も多いのではなかろうか。


 


のんのんびよりという作品は基本的にキャラクターの関係を口に出さない。
蛍ですら、小鞠への偏愛ぶりを直接口にしているわけではない。バレバレだけど。

これは昨今の「美少女日常もの」というくくりの作品の中では珍しいのではないだろうか。(※1)
いきなり「私たちずっと一緒だよ」とか言ってくるどこかの4コマアニメとはどえらい違いである。
(あれは、そんなことですら堂々と言ってしまえる女の子たちのアンリアルな美しさを描きたいんだろうけど)


1話の桜餅のくだりは、「言わなくても伝わる関係性」がよく描かれていた。
入学したばかりの蛍が、ちゃんと仲間に加わったという位置づけのシーンだ。


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たまゆらみたいに見せ場で美しい台詞を重ねまくっていくスタイルもあるが、
本作品においては台詞の量が最小限に抑えられていた。
あったのは蛍の息遣いとBGMがほとんどである。

音楽と、過剰にならない程度の動きだけで、ここまでキャラの関係性を表現する。
川面監督の経歴からして、真下監督作品に通じるところがあるなと思ってしまった。



また、3話の小鞠・夏海の母が家出した二人をなでるところも同様だ。

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一通り叱った後に、このナデナデ(若干強めなのがまたいい)

母が姉妹を抱きかかえ、泣きながら「もう心配させないでよねずっと待ってたんだから~」
みたいな台詞を続けるアニメもあるだろうが、
のんのんびよりで描かれる関係はそういうものではない。

原作では「晩御飯冷めるでしょーが」という台詞が続くのだが、
アニメではそれさえも削っており、直後に食卓のシーンに移行している。
より「言わなくても伝わる関係」が強化されていると言えよう。




その一方で、「言わなかったから伝わらなかったこと」をネタにするお話もあったりする。
2話Bパートがその典型である。

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この話、一言でも蛍が小鞠の名前を口にしていたら
小鞠「あれ?なんで私の名前知ってるの?」
で終わる話だったのである。

しかし蛍は小鞠の名前を口に出さない。
Aパートで「こまちゃんって言うな」と言われたことがここに繋がっている。
(hyouka0721さんのツイートより)実は原作ではAパートとBパートのお話は間隔があいており、
そこまでを狙ったものではなかったと思われるが、
アニメで2つの話を連続させたことでそういう解釈も導かれるということになる。
巧みなシリーズ構成と言える。(※2)


また第3話では、
冒頭で「(小鞠は)ウチがついててやんないとね」と”モノローグで”言う夏海と、
最後に「私がついててやんないと(夏海は)ダメなんだから」と”台詞で”言う小鞠の対比をネタに使っていた。
これもまた、夏海が口に出さなかったからこそのネタ。

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どちらも小鞠が誤解しているネタなのが、小鞠の性格を象徴しているともいえる。



(※1)もっとも、きららアニメがバンバン出てくるまでは、
関係性を全面に押し出す日常もののほうが少なかったような・・・ 

(※2)小鞠という名前を含まなくても「先輩」という単語を使っていてもバレたので、
この推測は抜けがあるともいえる。 
だが、 蛍が小鞠を呼びづらくなった一因であることには間違いない。