東谷文庫

二年間のうちに且て東谷と呼ばれてゐた土地に単身移り住む計畫の、 成功するか頓挫かを隠居生活のスタートと共に開設したブログにて記録   但し、一年二箇月にして断念 以下に連なるは、我がBLUE RUINSのお片付け目録

センリョウ
万両はマンリョウ、千両はセンリョウ。動植物名は表音文字のカタカナで分類します。
さうなんですから。

マンリョウは鳥の糞に混じつて庭、畑を問はずあちこちにで芽吹いて、あつといふまに果実を作ります。
なので、草取りではしばしば刈りとります。
センリョウはさつぱり。ここから一歩も動きません。
   ◇
秋の七草にあるキキョウはかつてアサガオとされてゐました。
 萩の花 尾花 葛花 なでしこが花 をみなえし 
 また藤袴 朝顔が花    山上憶良:万葉集巻8
この朝顔にはキキョウ説、ムクゲ説、ヒルガオ説、アサガオ説があるとのこと。
憶良のころにアサガオ(古名:牽牛子けんごし)は日本になかつた(または薬用で、一般の鑑賞には供されてゐなかつた)、『新撰字鏡』898-901にはキキョウのことを万葉仮名で【阿佐加保】と書いてゐた、とも。
【阿佐加保】は音の表記ですから【あさがほ】、旧仮名で書く場合の【あさがお】です。
   
話が前後しますが、キキョウの学名は(ラテン語表記は)Platycodon grandiflorusで【(口の)広い釣鐘+大きな花】とのことですから、そのままアサガオに当てはまりさう。
   ◇
使用したpixelがそれぞれに《アトム名場面集》であつたらな、とは思ひました。 
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真空に近いガラスドームのなかに、片側のみ黒塗りにした金属片4枚でできた風車が金属棒の先に置かれてゐる、まあそんな解説になるかと。
黒塗りの面が赤外線を吸収しやすいことから温められ、面に接した気体分子により大きな運動エネルギーを与える反作用として風車が回転する。
ラジオメータ
真空に近ければ気体分子が少ないものの、多ければ回転には抵抗になるといふことかな。
無地のアルミ面やドーム内に影響する赤外線のエネルギより、黒体輻射熱エネルギ?の方が大きい、といふことかな。
ラジオメータのWikipediaがないので、あれこれ推測しました。
※なくはなかつた。【ラジオメーター効果】にリンクしました。

日の出の位置と高度の季節変化により自室の正面から陽が差すので、このところ毎朝、見違へるやうに廻つてゐます。
往年の海老一染之助・染太郎師匠の芸並みに。
 ※小雪末候 橘始黄(たちばなはじめてきばむ) 
    ◇
ヒントは
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昨日の画像のひとつはこのなかの一部を拡大したもの。
ぼくの出品物『アトムによる創世記』は左下方向の、黒いの。

イヌザンショウ
尾根を切つた墓所でみたサンショウ擬き。いまにしてイヌザンショウだと思ひます。
果実に繋がる茎?枝?が赤いから。
香は確かめてないんですよね。鼻が利かないといふより、自然観察に対して気が利かない。

サンショウの果実には2個の分果があり、種子は2個。
イヌザンショウ、カラスザンショウ、前2種の雑種とされるコガラスザンショウには3個の分果があり種子は3個。
イヌ、カラスの名づけは「似てゐながら劣る、役に立たない」を本位とする、サンショウとわけるための日本人の悪知恵です。たぶん。
いや、あんがい他の言語にもあること? たとへば和訳した、黒とか黄色とか。
※黄色で思ひだしました、『ドラゴン/怒りの鉄拳』にも登場シーンのあるらしい、終戦までの租界の公園に立てられたと云はれる【狗與華人不得進内】は都市伝説のやうですね。
    ◇
本日10時半より『みんなのアトム展』、オープンです。
案内状に名前のない数名がどれほどの数になるのか、開けて見るまでわからない。
追加の参加者(ぼくもそのひとりにカウントされてゐた)4人分を印刷したシール(案内状に添付するための)があるやうですが。
と云ひながら、昨日遅くにおおかたの搬入展示が終つてゐますから、残りのスペースにぼくの作品擬き《アトムによる創世記》が収まるのかどうか(遅れて今朝の搬入予定)

アトムは会期中の13日が13回目の誕生日で、誕生3か月で東日本大震災を契機に広島くんだりまでやつて来ました
※確認すると3月17日だつたと。震災はおなじ年の11日。
   関東の《3/13にホームセンターで出会って3/16に迎えに行って》。
かの地にゐるより雷鳴に出喰はす機会はたぶん少なかつたのでは。
公園や河川敷でボールを見つける愉しみも(ほら、《鼻が利く》!)、街がコンパクトな広島の方が多かつたのでは?

つい過去形で書いてしまひましたが、現役の広島ッ子です。
母も父もゐたことでせうから、老いても子です。
DSC08641

さ・る【去】
➊自動詞ラ行五段活用(移動するの意で、古くは近づく場合にも遠ざかる場合にもいう)
 1⃣(季節や時を表す語のあとに付けて)その時、季節に
 なる。中古以後は、多く「夕されば」、まれに「春され
 ば」の形が用いられる。

この一項が目を引きました。
2⃣以降は❷他動詞ラ行五段活用に重なる【去る】とおなじイメジです。

【冬ざれた】を電子辞書で引くと【ふゆ-ざれ】で載せてゐました。
ふだんに経験する《冬の、風物が荒れはててもの寂しい様子。また、その季節。》のことですが、そこに【補注】として
 「春され」「秋され」と同じく、その季節になるの意の
 「冬さる」から転じた語。冬の場合は特に、その荒涼と
 した感じを表す語として用いられる。

なぜここで「夏され」にふれないのか、また電子辞書の日本国語大辞典は項目をあげないのか、とても不思議でした。
似たやうな使用感の「━めく」は「春めく」から春夏秋冬を漏れなく載せてゐます。
s-PB280008
落葉の量が2倍に。
たぶん1,000枚に1枚が柿の葉です。
さうさう、画中にツヤアオカメムシが一頭ゐます。

は新漢語林に依ると
字義 ①さく(裂)。解きひらく。
   ②死体を物にはりつけ市中にさらす刑罰。棄市きし
   ③物音の形容。また、鳥の鳴き声や、羽ばたきの音の形容。磔磔たくたく
042 043 flap
   042-043 flap

この2点のタイトルを flap にしました。
flap には鳥が羽ばたく、羽ばたいて飛ぶといふ和訳があります。
もとはといへば、左の042を collage した際に利用した画像がゴルゴタの丘で処刑されたイエスとほか2名の影を描いたものだつたことから、【磔】に意外な語釈があることを知り、右の collage に羽ばたく鳥を加へたのでした。
   
語釈にある【磔磔】はオノマトペらしく、ネットの漢詩のひとつにはネズミがものを齧る《カリカリ》を表現するシーンがありました。
英語では Crunch! crunch! とのこと。
アメリカンポップアートのR.リキテンスタインにはありさう。
    ◇
先の2点が手元から離れ、ブログを通じて【磔磔】を知つたせゐでせう、 flap に追加の044が。
ネズミの絵柄が見つからなかつたのでモグラに近いとされるトガリネズミか、エゾトガリネズミらしき画像を使用しました。
《カリカリ》は《借り借り(笑)》だなあと思はぬでもないところ。

絵の中心に風景を置きましたがこれには視覚的な仕掛けがあつて、はたしてR女史、A女史に気づいて戴けるかどうか。
 ※撮影しないまま発送したので載せられません。

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