phantasmagoria

読んだ本のこと、それ以上に買った本のこと、ときどきライブのことを書き散らかしてみたりする。 (当ブログは全文無断転載禁止です)

爆弾
呉 勝浩
講談社
2022-04-20

呉勝浩「爆弾」
とるに足らない案件で警察に引っ張られてきた、どこにでもいそうな貧相な男――スズキタゴサクというふざけた名前を名乗るその男は、次々と「霊感」による予言を口にする。そしてその通り、1度目は秋葉原で、2度目は東京ドームシティで、謎の爆発が起きるのだ。劣等感全開で繰り出すスズキの言葉に次々と飲み込まれる刑事たち。まさに言葉巧みに人間をそそのかし堕落させる「悪魔」のようなスズキに、真っ向から対峙することになったのは類家という刑事。こういった作品では、類家のように頭脳戦が得意で、しかし組織の一員としてははみ出し者というか、犯罪者とは紙一重的な人物が登場して、鮮やかに相手をやりこめていくのだが、本作の「スズキタゴサク」はそんな頭脳派キャラを凌駕するほどの悪質さを見せる。そうして次々と都内に仕掛けられた爆弾は火を噴いていく。その炎があぶり出していったのは、人間の本質そのものなのかもしれない――いい意味でも、悪い意味でも。



深町秋生「探偵は女手ひとつ シングルマザー探偵の事件日誌」
サブタイトルに「シングルマザー探偵」といっても、この連作集の主人公である女探偵・椎名留美(元警察官)は、どちらかといえば便利屋に近い存在。舞台が山形県ということもあってか、例えばさくらんぼ農家の手伝い、スーパーの万引きGメン、デリヘル嬢の送迎、果ては老人宅の雪かきまで。しかしいったん探偵業務ともなれば、元警察官としての洞察力と身体能力、そしてあらゆるツテを使って鮮やかに事件を解決していく。中には結果オーライではあるけれど、その過程では苦々しい展開もあったりするのだが、それらを吹き飛ばすのは全編山県弁の会話(笑)……だけではもちろんなく、留美のキャラクターのおかげもあるのだろう。解説では日本ハードボイルド女探偵のひとりに数えられると称賛されているが、今のところこの1冊しか出ていないのは残念。ぜひ続編を出してほしい。


生命式 (河出文庫)
村田沙耶香
河出書房新社
2022-05-03

村田沙耶香「生命式」
著者自身がセレクトしたという12編を収録した短編集。裏表紙のあらすじにある「文学史上最も危険な短編集」だとか「正常は発狂の一種」という惹句(ちなみに後者は登場人物のセリフからの抜粋となっている)を体現しているといっても過言ではない。まず表題作の「生命式」からして凄まじい――なんとこの作品中では、死者が出ると「葬式」ならぬ「生命式」を開くのだが、そこで参列者たちは調理された死者を食べ、さらにその場で相手を見つけて交尾を行い、子供を産むことが推奨されているのだ。しかし主人公である池谷は、どちらの行為にも及び腰なのだった。なぜなら30年程前、彼女が幼かった頃にはまだ「生命式」の慣習はなく、人肉を食べることは忌避されるべきことだったのだから。本作に限らず、この作品集の中では――というよりこの作者の作品では、というべきか――、しばしば価値観の転倒が行われる。そして大多数がその転倒を受け入れる中、どうしてもそれになじめない人物が描かれる。もちろん物語の中で転倒する価値観は現実では(おそらく、きっと)ありえないことだろう。しかし現実にだって、ここまで程度は激しくなくとも、似たような状況は確かに存在している。マジョリティであることは「正しさ」とはなんら関係ないのだということを、この作者はいつもまっすぐに突き付けてくれる。


氷の致死量
櫛木 理宇
早川書房
2022-05-10

櫛木理宇「氷の致死量」
学校での「事故」がきっかけで職を辞していた女教師・鹿原十和子は、とあるカトリック系の高校で再度教師として働き始める。その学校では14年前に戸川更紗という女教師が殺されているのだが、彼女をよく知る人々は、口をそろえて戸川と鹿原が似ているというのだ。そして鹿原自身も、戸川と同じ「アセクシュアル(無性愛者)」であることも手伝い、やがて彼女の死の真相を追うことになる。一方、戸川の元教え子である八木沼という男は、いまだ警察にはバレていないが、猟奇的な快楽殺人者であった。そんな彼がある目的のために、鹿原の教え子の母親を意図的に殺すことに。「戸川更紗」という女教師を軸に、このふたりの運命が交差し、意外な結末を導くことになる。八木沼の行為もさることながら、戸川が殺された真相だったり、鹿原の身に降りかかった「事故」だったりはどれもこれも気分が悪くなるような、まさに犯人たちの独りよがりな理由によるものばかり。犯人に限らず周囲の人間たちにとって、何でも受け入れてくれる――ただしそれが本意であってもポーズであっても関係はない――戸川や鹿原のような人物は、自分を映す鏡のようなものだった。だからその「鏡」で、人々は見たいものだけを見る。しかし少なくとも、鹿原は「鏡」ではなくて「氷」だった。だから映っているはずの――見る者が見たいと(身勝手に)願う姿はいつしか溶けて消えてしまう。かつて夫に「氷のようだ」と蔑まれたことのある鹿原だったが、それは違う意味で彼女の本質を見抜いていたのだ。だからこそ、彼女は生き延びることができたのだろう――その「氷」の本質を相手に見せることができたがゆえに。

ついに公開になりました。庵野秀明監督によるウルトラマンのリメイク作品「シン・ウルトラマン」が。
ということでさっそく観てきました。

正体不明の巨大生物が次々と現れる日本(ゴジラの時もそうだったけど、なぜ日本にばかり(笑)ってなりますよね。まあそういう話だから仕方ないんですけど)。政府はこれらの生物を「禍威獣(カイジュウ)」と呼び、これに対応するための組織、通称「禍特対(かとくたい)」を設置。以後、ここに所属する5名の専門家たちの指揮の元、なんとか禍威獣を駆除していきます。しかし電気を捕食する7番目の禍威獣「ネロンガ」が現れ、暴れまわるそのさなかに、大気圏外から謎の飛翔体が現れます。その飛翔体――銀色の巨人は手から謎の光線を放ってネロンガを撃破。また、後日8番目の禍威獣「ガボラ」登場時にも巨人はどこからともなくやってきて、ガボラと交戦し、いずこかへと連れ去るのでした。その後も人類の殲滅、あるいは利用を企む外星人が現れ、そのたびに「巨人」こと「ウルトラマン」は交戦し、これらを退けていきます――そう、ウルトラマンは明らかに人類を守ろうとしているのです。彼の真意はどこにあるのか。そして、一連の事態の裏で人類に迫りつつある真の脅威に対し、人類はどう抗うのか……。

冒頭で6番目までの禍威獣登場と撃退の流れがざっと解説されるんですが、この時点でもう面白い。ちなみにパンフレットの1ページ目に説明文(テロップ文)がそのまま載ってるんですけど、とにかくこれで世界観がだいぶわかりやすいというか、物語に入りやすいというか、ひらたくいうと「つかみはオッケー」という感じで私はとても好きですね(笑)。個人的に一番ツッコミたかったのは、とり逃がした禍威獣が1体いること(鳥だけに笑)。どこに行ったんだろう……。

中盤からは禍威獣ではなく外星人(つまり宇宙人)との攻防になるんですが、明らかに人類を殲滅しようとするヤツもいれば、うまく立ち回って利用してやろうというヤツもいるんですよね。その対比がまた面白い。そして最後には圧倒的な強さを誇る敵の登場。この「敵」の登場シーンだとか形状だとかがとてもヱヴァQの冒頭エピソードっぽくてこれまた私好みで、帰りにパンフレットだけでなく「デザインワークス」という資料集も購入してしまいました(あるある)。

個人的にウルトラマンは見ていなかったので(平成ゴジラ世代ですので……)、原作に対するオマージュ的な部分は全然わかっていないのですが、それでも問題なく楽しめました。「ウルトラマン」がどういった意志によって人類を守ろうとしているのか。そして人類はただ守られるだけでいいのか。そういった問題は現実にも通じるものがあるのだろうな……と考えさせられつつ。
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ところで後半に「政府の男」として竹野内豊が出てきましたよね……パンフにも役名が書かれていなかったんですけど、あれは赤坂センセイ(シン・ゴジラ)ですか!? ねえ!?


*ここ1週間の購入本*
窪中章乃「流血女神伝〜帝国の娘〜3」(少年サンデーコミックスSP/小学館)
村田沙耶香「生命式」(河出文庫/河出書房新社)
佐々木譲「雪に撃つ」(ハルキ文庫/角川春樹事務所)
呉勝浩「蜃気楼の犬」(講談社文庫/講談社)
呉勝浩「スワン」(KADOKAWA)
櫛木理宇「氷の致死量」(早川書房)
荒木博行「世界『失敗』製品図鑑 攻めた失敗20例でわかる成功への近道」(日経BP)
「シン・ウルトラマン デザインワークス」(カラー)

笙野頼子発禁小説集
笙野 頼子
鳥影社
2022-05-08

笙野頼子「笙野頼子発禁小説集」
最新作品集はタイトルからすでにものものしい1冊。というのも、こちらには2018〜2021年にかけて各媒体で発表された短編7本に、書き下ろし「ハイパーカレンダー1984」が収録されているのだが、このうちの大半を掲載していた「群像」を出している講談社から、書籍化することができないと言われたからだという(なので本作の出版社は講談社ではない)。その問題視された、本巻収録作に通底するテーマが「女消(メケシ)」。ついに女が消されてしまうというのだ――それは今まさに世界を席巻しつつある、「性自認」にまつわる問題。何の根拠も裏付けもなく、本人が「自分は女だ」と言ったらそれがまかり通ってしまう世界。そしてそれに少しでも疑問を呈しただけでつるし上げが始まってしまう世界。そうして出来上がるのは、「女」になってしまった元男たちが、生まれながらの女性たちが持っている(はずの)権利をどんどん侵害していく世界。そして「女」という単語そのものが差別用語であるとして消されてしまう世界。これらの問題の根底に何があるのか、そして今、いったい何が起ころうとしているのか――コロナという病気も、あらゆる脅威から国民たちを守らなければならないはずの「セーフ」も、LGBTなどのマイノリティという「弱き者」の権利を主張する人々も、こぞって――時には手を取り合いながら――攻撃する先はやっぱり女なのだ。そしてそろいもそろって、自分たちの主張を通す横で積み上げられる犠牲の、その不均衡さからは目をそらして「なかったことにする」。そんな恐ろしい現実を改めて確認させられる1冊だった。



近江泉美「深夜0時の司書見習い」
「オーダーは探偵に」シリーズの作者の新作はビブリオファンタジー。北海道を舞台に、現実世界での「図書屋敷」、その裏に広がる「図書迷宮」の荒廃を前に、主人公の女子高生・アンが司書見習いとして迷宮の復旧に努めることになる。「図書迷宮」の描写――読者のイメージが積み重なって現れる〈著者〉や〈登場人物〉たち、案内役の小生意気な猫「ワガハイ」、先祖返りして羊の姿になった書物(昔の本は羊皮紙できていたので)等々――がなんとも魅力的。そして迷宮の主でありながらも、この迷宮から遠ざかろうとする青年・セージと、迷宮に現れる〈著者〉の少年・もみじの存在が、ある「事件」がきっかけで後ろ向きな性格になってしまっていたアンを少しずつ変えていき、同時にセージも変わっていくという、その青春小説的な展開もとてもいい。本作ではもみじとセージの「正体」が判明して一件落着したものの、迷宮内の「本」――つまり迷宮を形作る秘術の一部――が外部に流出してしまったということが判明しているので、そのあたりを解決するために続編希望ということで。

最近エコバッグのガチャガチャが増えてきていますが、やはりガチャガチャなのであまり大きくなく、そのわりに高い(500円のものも多数)ので、使いみちもあまりなさそうだし……と敬遠していたのですが、このたび見かけた明治のお菓子がモチーフのシリーズがあまりにもかわいかったのでついガチャってしまいました(意志弱)。それがこちらです。
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左がアポロ、右が明治ミルクチョコレートです。この他にマーブルチョコとチェルシー柄もあるそうです。しかも、裏側も柄が違うという凝りよう。
20220507明治

エコバッグをまとめるためのバンドもぜんぶ形が違うので、これは500円かかっても仕方ない!という感じです。なおサイズは箱ティッシュが2〜3箱ほど入りそうな感じですね。

ちなみにこの画像では2つしか映っていませんが、これとは別にアポロがあと3つあります。明治ミルクチョコを出すまでの間、初回から数えると4連続でアポロが出ました。ちなみに1回目、2〜3回目、4回目はそれぞれちがう場所でチャレンジしています。どういうことだってばよ(笑)。


*ここ1週間の購入本*
あおのなち「君が死ぬまで恋をしたい5」(百合姫コミックス/一迅社)
深町秋生「探偵は女手ひとつ シングルマザー探偵の事件日誌」(光文社文庫/光文社)
深町秋生「PO 警視庁組対三課・片桐美波」
深町秋生「PO 守護神の槍 警視庁身辺警戒員・片桐美波」(以上、祥伝社文庫/祥伝社)
深町秋生「ブラッディ・ファミリー 警視庁人事一課監察係 黒滝誠治」
吉村昭「高熱隧道」(以上、新潮文庫/新潮社)
布施祐仁「自衛隊海外派遣 隠された『戦地』の現実」(集英社新書/集英社)
笙野頼子「笙野頼子発禁小説集」(鳥影社)
福田ますみ「ポリコレの正体 『多様性尊重』『言葉狩り』の先にあるものは」(方丈社)

剣持麗子のワンナイト推理
新川帆立
宝島社
2022-04-08

新川帆立「剣持麗子のワンナイト推理」
「元彼の遺言状」の続編となる短編集(厳密にいうとこの前に長編が1冊あるのだが、そちらは剣持麗子の同僚が主役なのでまた後日)。前作で亡くなった町弁のクライアントを真面目に(?)引き継いでいる剣持麗子。そんな彼女のもとに持ち込まれるのは金にならない上に厄介な案件ばかり。酒気帯び運転で捕まった女から「奈良漬を大量に食べたせいだ」と主張されたり、警察から「武田信玄と名乗る人物があなたを呼んでいる」という連絡をもらったりと、冒頭からのトバしっぷりにびっくりするやらおかしいやら。そんななんともいえない事件を、「武田信玄」ことホストの黒丑を助手として引き連れつつ次々と解決していく麗子の手際はさすが!のひとことなのだが、一方でその黒丑がどうも怪しい動きを見せたところで本作は終わっている。続編(たぶんあるはず)で麗子は彼の狙いに気付くことができるのだろうか。

【前巻:元彼の遺言状】



深町秋生「アウトサイダー 組織犯罪対策課 八神瑛子掘
シリーズ3巻にして第1期完結というところだろうか。悪徳女刑事・八神瑛子があらゆる手段を駆使して追い求めてきた、亡き夫の死の真相がついに明かされることに。夫を死に追いやった人物の正体もさることながら、個人的にはこれまで瑛子に敵対――というか手を変え品を変えて彼女を監視し続けてきた上野署の署長・富永が思いがけない手を差し伸べてきたこと。瑛子の行動が彼の信条に反していることに変わりはないが、それでも部下である彼女を救おうとするその行動から、富永の愚直さがこれでもかと描かれていく(ただし時々「もしかして富永は瑛子のことが好き……なのか……?」と言いたくなる描写があるのはご愛敬・笑)。富永にしても瑛子にしても、警官であるという芯の部分は同じなのだなと再確認させられた。

【前巻:アウトクラッシュ 組織犯罪対策課 八神瑛子供




ファズイーター (幻冬舎単行本)
深町秋生
幻冬舎
2022-03-24

深町秋生「インジョーカー 組織犯罪対策課 八神瑛子」
深町秋生「ファズイーター」

シリーズ4〜5巻は第2期という位置付けになるだろうか。夫の敵討ちを終えてもなお、これまで通り借金で警官たちを支配し、裏社会との繋がりも持ち続けたまま任務にあたる瑛子。そんな中、情報提供者だったヤクザ――千波組のナンバー3である甲斐との決別をきっかけに次々と事件が起こり、気が付けば瑛子は千波組のトップでありながら狂王と化した有嶋と対決することに。さらに警察内部からの監視も厳しさを増し、瑛子は文字通りの四面楚歌に陥ることとなる。有嶋との死闘の末にたくさんのものを失った瑛子だが、彼女を突き動かす「悪党を叩き続ける」という新たな炎は消えぬまま。今後の彼女の活躍にも期待したい。

ランチパックを買いました。ヤマザキパンのアレです。ただし食べられません。
20220430ランチパック

ポーチなんです。
たまごとピーナッツの2種類がありましたが、悩んだ末にたまごにしました。
中のランチパック本体もポーチになっており、内布は黄色……否、たまご色です。
まあサイズは本物のランチパックと同じなので、小物しか入らないんですが、モノを入れたいわけではなく、バッグからぶら下げたい欲(笑)の方が高いので問題ありませんね。我ながらいい買い物をした……のかな?(笑)



*ここ1週間の購入本*
D・キッサン「神作家・紫式部のありえない日々1」(ゼロサムコミックス/一迅社)
松浦だるま「太陽と月の鋼4」(ビッグコミックススペリオール/小学館)
倉谷滋「怪獣生物学入門」(インターナショナル新書/集英社)
布施祐仁・三浦英之「日報隠蔽 自衛隊が最も『戦場』に近づいた日」(集英社文庫/集英社)
近江泉美「深夜0時の司書見習い」(メディアワークス文庫/KADOKAWA)
深町秋生「ヘルドッグス 地獄の犬たち」(角川文庫/KADOKAWA)
深町秋生「ドッグ・メーカー 警視庁人事一課監察係 黒滝誠治」(新潮文庫/新潮社)
深町秋生「ファズイーター」(幻冬舎)


深町秋生「アウトバーン 組織犯罪対策課 八神瑛子」
主人公が悪徳女刑事!?ということで気になって買ってみたシリーズ1巻。夫が謎の「事故死」を遂げたのち、めきめきと頭角を現してきた美貌の女刑事・八神瑛子――しかし彼女は目的のためなら手段を選ばず、同僚を金で買い、裏社会とも密接に繋がっているのだ。そんな彼女がこのたび独自に捜査をしていたのは、ある連続殺人事件。ひとりめの被害者はある暴力団の親分の娘であり、ふたりめの被害者は中国人の風俗嬢。どちらも瑛子の裏社会の協力者たちと密接に関わっているからだった。刑事としては型破りすぎる彼女の行動に、そして今回の事件の意外な真相に、ページを繰る手が止まらない。まさにジェットコースターのような物語だった。
余談だが、本作は米倉涼子主演でドラマ化されたことがあるそうな。わりとぴったりでは……。



深町秋生「アウトクラッシュ 組織犯罪対策課 八神瑛子供
今回の悪徳女刑事の敵はなんとメキシコ人暗殺者!?なシリーズ2巻。情報提供者の甲斐が若頭補佐を務めている千波組、その親分である有嶋との会談を果たした瑛子は、夫の死の手がかりを求める代わりに、有嶋からある男を守るよう指示される。キタハラと名乗る男を狙っているのは、関西のヤクザと手を組んで日本進出を果たしているメキシコのカルテルが送り込んできた凄腕の暗殺者・グラニソ。グラニソの手口は残忍かつ凄惨で、そんなバケモノを相手に瑛子がどう立ち回るのかというのが本作の見どころ。ちなみに前巻から続いている、瑛子を疑っている上野署の署長・富永との攻防は今回も瑛子が勝ち。富永がスパイとして送り込んだ元不良警官・西を瑛子が追い込んでいく手口はあまりにもえげつなさすぎてもはや笑うしかなくなってくる。しかし今回のラストで瑛子が有嶋から聞かされた「事実」――ただし読者側には明かされていない――は、きっとそんなものではないのだろう。



垣谷美雨「姑の遺品整理は、迷惑です」
タイトル通りのストーリーではあるのだが、意外なラストにほっこりする1冊。
急死した姑の遺品整理をすることになった主人公・望登子。舅である夫を亡くしたのち、郊外の団地でひとり暮らししていたはずの姑だったが、団地の狭い部屋の中には驚くほど大量にものが詰まっていたものだからさあ大変。食料品、食器、衣服、書類、夫の子供時代の持ち物、そして家具……さらにベランダには謎の石があるわ、となりの家の女性からは「(亡き姑から)ウサギを預かっているから返したい」と言われるわ……なんというか、読んでいるこちらまでノイローゼになりそうな状況。そのたびに望登子は、つつましかった亡き実母と姑を引き比べてため息をつくのだが、そのうちにあることに気付くのだ――遺品だけでなく、周囲との関係から姑という人物がくっきり浮かび上がってくるのに対し、自分たちにほとんど迷惑もかけずひっそりと死んでいった実母には、思い出すらもあまり残っていなかったことに。断捨離も大事だけれど、思い出まで捨ててしまわないようにしなければな、としんみりさせられた。

文具女子博に参加するなどしているうちに、いろいろと文房具について興味を持ち始めた今日この頃。ネットや雑誌で組まれる文房具特集などを見ているうちに、ペン類にも少しずつ興味がわいてきました。これはよくない兆候です(笑)。
20220423ブルーブラック

まず手を出したのはこの2本。ゼブラの「SARASANANO」と、パイロットの「Juice up」。いずれも0.3mmのブルーブラックです。前者は名に違わずサラサラとした書き心地。シックな見た目も高ポイントです。後者はペン先だけ見ると鋭角な感じでカリカリひっかかりそうに見えましたが、実際に使ってみるとまったくそんなことはなく、また同じ0.3mmなのにサラサよりも線が細くてすっきりして見えるのがいいですね(細いのが好きなので……シャーペンも常に0.3mmですし)。
20220423エナージェル

で、次はどちらも同じペンです。ぺんてるのエナージェル。買ったときは0.5mmの芯が入ってましたが、個人的にあまり好きではないので0.3mmに差し替えて使っています。アデリアレトロとのコラボ商品でTSUTAYA限定……と言われたらもう買うしかありませんでした(意志弱)。エナージェルは、以前読んだ本で、字がきれいに書けるペンとして挙げられていた記憶が。その通り、こちらも書きやすくて気に入っています。
20220423ボールサイン

で、最後(いまのところ・笑)はサクラクレパスの「ボールサインiD」。こちらは0.4mmです(このシリーズには0.3mmがないんですよね……残念)。こちらの特色はなんといっても黒のバリエーションがあるという点。同じ黒でも青みのあるもの、緑みのあるもの、赤みのあるもの……という感じで、様々な「黒」が楽しめるということでつい手を出してしまいました。ちなみに購入したのは「フォレストブラック」と「カシスブラック」。前者はともかく、後者は完全にカシス色(赤……というよりは茶色に近い感じ?)です。黒……かなあ……?と言いたくなりましたがこれはこれで(笑)。

まあそんな感じでペンがやたらと増えており、自室でも職場でもいつの間にかペン立てがいっぱいいっぱいになってました。特に職場ではその時の気分で適当に使ってるので、気付いたら机の上に黒のペンが何本も転がっているという有様に(笑)。まあいっか。


*ここ1週間の購入本*
松崎夏未「烏は主を選ばない3」(イブニングKC/講談社)
藤崎竜「銀河英雄伝説23」(ヤングジャンプコミックス/集英社)
東堂燦「十番様の縁結び 神在花嫁綺譚」(集英社オレンジ文庫/集英社)
柴田勝家「スーサイドホーム」(二見ホラー×ミステリ文庫/二見書房)
深町秋生「アウトバーン 組織犯罪対策課 八神瑛子」
深町秋生「アウトクラッシュ 組織犯罪対策課 八神瑛子供
深町秋生「アウトサイダー 組織犯罪対策課 八神瑛子掘
深町秋生「インジョーカー 組織犯罪対策課 八神瑛子」(以上、幻冬舎文庫/幻冬舎)
垣谷美雨「姑の遺品整理は、迷惑です」(双葉文庫/双葉社)
小川洋子「密やかな結晶」(講談社文庫/講談社)
津堅信之「日本アニメ史」(中公新書/中央公論新社)
牧英正「人身売買」(岩波新書/岩波書店)
新川帆立「剣持麗子のワンナイト推理」(宝島社)
呉勝浩「爆弾」(講談社)
イェイツ/芥川龍之介/ホノジロトヲジ「春の心臓」(立東舎)

鑑定人 氏家京太郎
中山七里
双葉社
2022-01-20

中山七里「鑑定人 氏家京太郎」
ある事情によって科捜研を辞し、自ら「氏家鑑定センター」なる民間の科学捜査鑑定組織を立ち上げた氏家京太郎。そんな彼のもとに持ち込まれたのは、ある連続殺人犯の弁護人からの依頼だった――その男が起こしたとされる3件の事件のうち、3件目については自身の犯行ではないというのだ。警察、そして検察側の主張――その根拠となる科捜研の鑑定結果に疑念を抱いた京太郎は、古巣を相手取り、改めて事件の鑑定に挑もうとする。しかしようやく事件の試料を入手したのも束の間、センターに何者かが侵入して資料を奪われ、さらに結果を記した書類を持つ職員が襲われてしまうのだった。警察が登場する作品でよく言われるのが「警察は自身の誤りを認めない」というものだが、今回もその通り、警察はどんなにずさんな資料でも、そこに書かれた(自分たちに都合の良い)結果を絶対正しいものとして押し通そうとするため、京太郎たちは苦戦を強いられるハメに。しかもその先に待っていたのは、なんともやりきれない結末。「絶対」というものはどこにもないのだと改めて感じさせられる物語だった。


古本食堂
原田 ひ香
角川春樹事務所
2022-03-15

原田ひ香「古本食堂」
大学院生の美希喜は、母親に命じられ、先日急逝した大叔父・滋郎が営んでいた神保町の古書店へと向かう。そこにいたのは、滋郎の妹で、この店を相続したという珊瑚だった。古書店経営の知識はないながらも、当面は店を続けようとしている珊瑚を手伝うことになった美希喜。そんなふたりのもとには、悩みを抱えた様々な人たちが訪れる。ふたりは本を通じて、彼らの悩みを解決するようになっていくのだった……ということで、タイトルには「食堂」とあるものの、実際は古書店もの。とはいえ、ふたりが神保町やその周辺で様々な美味しいものを買ってきて、それがお悩み解決にも一役かっているので、あながちタイトル違いというわけでもなかったりする。美希喜と珊瑚、それぞれの視点から交互に描かれるのは、ふたりのこれまでだったり、滋郎との関係だったり、そしてふたりが今後どうしたいか――ひいてはこの古書店をどうするのか、という問題にも繋がってゆく。そんな中で美希喜はある結論を出すことになるのだ。本と食べ物を通じて、人々がゆるやかにつながっていくさまになんとも心温まる。


警官の紋章 北海道警察 (ハルキ文庫)
佐々木譲
角川春樹事務所
2020-12-15

佐々木譲「警官の紋章」
道警シリーズ3巻。洞爺湖サミットへ向けて道警の緊張が高まる中、日比野という警官が拳銃を持ったまま失踪する。警察学校から急遽呼び戻された津久井は、上層部から日比野を追うよう指示される。調査の結果、日比野の失踪が、同じく警官であった彼の父親の死―-郡司事件に関わる裁判で証人として召喚される前夜に「事故死」していた――の「真相」を知ったためだと気付く津久井。一方、佐伯は過去の覚せい剤密輸おとり事件に疑惑を抱き、密かに調べを進めることに。例の「郡司事件」がまだ尾を引く道警で、またしても騒動が起きることに。佐伯の調査もいつの間にか津久井の捜査活動につながっているし、なぜかそのころ小島はサミットに出席する大臣のSPを務めることになってるし、佐伯に置いてきぼりにされた新宮は空回りするし(笑)……とはいえ、相変わらず警察内の隠蔽体質(上も下も)には辟易させられるし、どこまでも幅を利かせる「組織の論理」には佐伯や津久井でなくてもうんざりさせられる。果たして佐伯は、上層部が引き起こしたおとり捜査をどこまで追及することができるのだろうか。

【前巻:警察庁から来た男】


巡査の休日 (ハルキ文庫 さ 9-5)
佐々木 譲
角川春樹事務所
2011-05-15

佐々木譲「巡査の休日」
道警シリーズ4巻。洞爺湖サミットから約1年。入院中に脱走し、指名手配をかけられていた殺人犯・鎌田が、神奈川で起きた現金強盗未遂犯として浮上する。かつて鎌田が逮捕されるきっかけになったのが、村瀬香里という女性にストーカー行為をしたうえ、彼女の自宅に不法侵入していたところを、護衛に付いていた小島に撃たれたことだった。そんな折、香里のSNSやメールアドレスに不審なメッセージが届くように。送り主が鎌田であると考えた警察は、改めて小島を護衛に付けることに。しかし香里はまもなく行われるソーラン節のイベントに出場予定だった。そのさなかに襲撃される可能性が高いため、小島も一緒に出場せざるを得なくなるのだった……ということで、なんだかおもしろい展開になりつつあるのだが実際はなかなか緊迫しているという本作。その裏で津久井は鎌田の行方を追うよう命じられ、佐伯は引き続きおとり事件の証拠集め。しかし後者については、今巻で一応のめどがたったというか、集めた証拠をどう使うか、佐伯はついに決断することに。佐伯の狙いに気付いた上司からのセリフはなんとも重く、がために佐伯はそのような決断に至ったのだろう。しかしこれは、個人が組織に負けたということでは決してなく、佐伯が警官であるという矜持を守ったということに他ならない。シリーズはこの後も続いているので、今後の彼らの活躍にも期待したい。

昨年の夏ごろだったかと思うのですが、クリームソーダのミニチュアマスコットのガチャガチャが出てました。全6種で、形は同じですが、ソーダ部分の色が違うんですね。これがまたかわいくて、ぜひほしい!と思って探し回ったのですが、私の行動範囲内では残念ながら見つかりませんでした。

で、つい最近、それが再販されたとのこと。今度こそ!と探し回ったものの、またしてもどこにもない。もはやメルカリに手を出すしかないのか……(注:前回探してた時は300円の商品が1,000円以上で売られてました・笑)と諦めかけていたまさにその時ですよ。

先日、ユニゾンの新譜を買うために某CDショップに行きました。したらばそのレジの前に、箱入りのクリームソーダが!

ということで大喜びで2つひっつかんで購入してまいりました。結果はこの通りです。
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黄色が「オレンジ」、ピンクが「いちご」だそうです(よかったダブらなくて)。ちょっといちごのクリームが少ないのが気になりますがまあいいか。念願のクリームソーダ、ゲットだぜ!(笑)


*ここ1週間の購入本*
Wako「サチコと神ねこ様7」(フィールコミックス/祥伝社)
佐々木譲「密売人」
佐々木譲「人質」
佐々木譲「憂いなき街」
佐々木譲「真夏の雷管」(以上、ハルキ文庫/角川春樹事務所)
高田昌幸「真実 新聞が警察に跪いた日」(角川文庫/KADOKAWA)
北海道新聞取材班「追及・北海道警『裏金』疑惑」(講談社文庫/講談社)
鈴木正崇「女人禁制」(講談社学術文庫/講談社)
BMC「いいビルの写真集west」(パイ・インターナショナル)
BMC「喫茶とインテリアWEST 喫茶店・洋食店 33の物語」(大福書林)
牧英正「差別戒名の系譜 偽書『貞観政要格式目』の研究」(阿吽社)

人でなしの櫻
遠田潤子
講談社
2022-03-29

遠田潤子「人でなしの櫻」
父親である料理人・竹井康則との折り合いが悪く、家を飛び出し画家となった竹井清秀。しかし長年絶縁状態だった父が死んだと聞かされ、しぶしぶ向かった先で目にしたのは、頭を打って死んだ父と、その父が囲っていたと思しき少女・蓮子の姿だった。清秀は父の付き人から蓮子の正体を知って愕然とする――蓮子は8歳でどこかから「買われて」きた娘であり、そのために19歳となった今も、精神年齢は8歳のまま、毒親の元から助けられたという偽の記憶を植え付けられ、康則を慕っているということだった。しかも彼女の本名でもある「蓮子」というのは、亡き清秀の妻が産むはずだった娘の名前と同じだった――。父親への憎悪、画家としての熱情、そして病に侵され余命わずかという状況も相まって、やがて清秀は蓮子と共に姿をくらまし、彼女の絵を描き続けることとなる。あれほどまでに憎んでいた父親と同じように、ひとりの少女を描くことに囚われ、すべてを擲っていく清秀。そしてそんな彼を最初は康則の代替として、しかしいつしか自身の意志で描かれることを選んだ蓮子。ふたりの進む道は、そして背負った業は、他人から見ればおぞましいものだったのだろうが、ふたりにとってはどこまでも純粋なものだった。だからこそ迎えた結末は、きっとふたりの望んだ通りだったのだろう。


笑う警官 北海道警察 (ハルキ文庫)
佐々木譲
角川春樹事務所
2020-10-15

佐々木譲「笑う警官」
2002年に北海道警で起きた実際の事件をモチーフにした「道警シリーズ」第1弾。札幌市内のアパートで起きた殺人事件で、被害者となったのは北海道警察本部の女性巡査・水村だった。所轄署の警部補・佐伯が臨場したものの、なぜかこの事件は本部預かりとなり、捜査から外されてしまう。まもなく容疑者として浮上したのは、水村の交際相手である津久井巡査部長だった。しかも津久井は覚せい剤の常習犯であり、拳銃を所持して逃走しているため、発見次第発砲を許可するとの通達がなされるのだった。しかし、かつて津久井と組んで危険なおとり捜査に従事したことのある佐伯は、津久井が容疑者であるということに疑念を抱く。そんな中、津久井本人と連絡を取って彼が無実であること、かつ警察から彼が狙われる理由を知った佐伯は、部下の新米警官・新宮や、PCの取り扱いに長けている女性警官・小島といった信頼できる同僚たちと共に、独自捜査を行うのだった。警察の隠蔽体質に真っ向から立ち向かい、あらゆる伝手をたどって真相にたどり着く佐伯たちの手腕はとにかくすごい。終盤になると、自分たちの情報が組織側にもれていることに気付いた佐伯が、内通者あぶり出しの意味も込めて電話ひとつで情報戦を繰り広げる展開にはすかっとさせられる。と同時に、身内にはとことん甘く、今回のように組織を守るために射殺をも辞さないという警察の体質にはぞっとさせられた。


警察庁から来た男 北海道警察 (ハルキ文庫)
佐々木譲
角川春樹事務所
2020-11-13

佐々木譲「警察庁から来た男」
道警シリーズ2巻。前巻から半年が経過した道警に、警察庁からキャリアの警視正・藤川が監察官としてやってくる。ここ数年の間に起きたいくつかの事件を通じ、警察庁は道警にまだ何らかの腐敗が隠れているのではないかと考えたためだった。藤川は先の事件以降、警察学校の雑用係として左遷させられていた津久井を呼び寄せ、調査協力を要請することに。一方その頃、佐伯は新宮と共に、あるホテルでの部屋荒らしの捜査を進めていた。その部屋に泊まっていた男性は、かつて薄野のぼったくりバーで謎の死を遂げた男性の家族で、道警に再捜査を依頼するためにやってきていたのだという。佐伯はその事故についても調べることに。やがて津久井たちの調査と佐伯の捜査が繋がり、道警内に巣食っているある組織の存在があぶり出されていく。前巻の事件で底が見えたと思っていたのに、そのさらに底があったのか……と暗澹たる気持ちになってくるものの、佐伯たちの活躍ぶりに、まだ捨てたものではないのだなと安心させられる。

以前、オンライン文具女子博で「Pavilio」というレーステープの福袋を購入しました。その時は3種類入ってて、うち1つは固定、残り2つはランダム封入となっていたんですね。で、他にどんな模様があったのかなーと公式サイトを眺めていたんですが……まあそうなるとほしくなりますよね。ということで吟味した結果、4つほど購入してしまいました(笑)。

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公式サイトから購入したのは真ん中の4つ。両サイドの2つ(袋入りのもの)は、同時期にダイソーで見つけたものです。数年前にPavilioがダイソーとコラボした商品だそうで、それを知ってダイソーに向かったものの見つからず、もう売り切れたのかな……とあきらめていました。が、後日、ラッピング材料のコーナーで発見したので喜んでゲットしてきました。前回までの敗因はマスキングテープコーナーを見ていたことです。似てるけど違うってことですね(いまさら)。

ちなみに前回福袋でゲットしたものについては、手持ちの透明ブックカバーに貼ったりしました。今回の分については何に使おうか思案中です。公式のTwitterやインスタなどを見ると、グラスなどに貼ってもOKみたいなので、いろいろと夢が広がりますね……!


*ここ1週間の購入本*
斉木久美子「かげきしょうじょ!! 12」(HCスペシャル/白泉社)
芥見下々「呪術廻戦19」(ジャンプコミックス/集英社)
坂井希久子「愛と追憶の泥濘」
櫛木理宇「殺人依存症」
櫛木理宇「残酷依存症」(以上、幻冬舎文庫/幻冬舎)
嶋津輝「駐車場のねこ」
森岡督行「800日間銀座一周」(以上、文春文庫/文藝春秋)
山田正紀「ここから先は何もない」(河出文庫/河出書房新社)
佐々木譲「警察庁から来た男」
佐々木譲「警官の紋章」
佐々木譲「巡査の休日」(以上、ハルキ文庫/角川春樹事務所)

樹海警察 (ハルキ文庫)
大倉崇裕
角川春樹事務所
2022-03-15


樹海警察(2) (ハルキ文庫 お 19-2)
大倉 崇裕
角川春樹事務所
2022-03-15

大倉崇裕「樹海警察」「樹海警察2」
警部補になった柿崎努が左遷……もとい異動を命じられたのは「山梨県警上吉田署」の「地域課特別室」。そこは富士山の裾野に広がる樹海で日々発見される遺体を専門に処理する部署だった。しかも部下はワケありそうな3人の巡査たち(うちひとりは事務方)のみ。果たして柿崎警部補が霞が関に再び返り咲ける日はくるのか!?という異色の警察小説シリーズ。クソ真面目で四角四面な「ザ・キャリア」という感じの柿崎を、部下の栗柄と桃園は受け流してうまく扱うという対応。しかしこの3人の起点や洞察力のおかげで、発見された遺体が自殺ではなく他殺であると判明し、犯人逮捕につながるという展開に。この奇妙な関係性もさることながら、柿崎が次第に部下たちを(たぶん)認め、そのやり方に染まって……もとい(笑)、馴染んでいくのがなんとも面白い。1巻で明日野の問題は解決したものの、栗柄の問題(かつて彼が問題児の不良少年を殺して樹海に隠したという噂がある)や桃園の問題(行方不明の夫が樹海で自殺している可能性がある)はまだ解決していないので、続刊にも期待したいところ。



青木祐子「これは経費で落ちません!9〜経理部の森若さん〜」
トナカイ化粧品やブルースパとの合併の件がなかなか落ち着かない天天コーポレーション。そんな中、今度は国税の税務調査が入ってくるものだからさあ大変。なのに森若さんのもとに持ち込まれる――あるいは彼女がどうしても気になってしまう人間関係にまつわる案件もまた山積み。太陽からついにプロポーズされたのはいいけれど(しかしどうしても「結婚」によって自分のペースを乱されるのが受け入れられるかどうかわからず、さりげなくスルーしている状態だったりするのだが)、一方で山崎は森若さんに社内政治を持ち掛けてくるし、鎌本も妙な態度を見せているし……このあたりが仕事だけでなく、太陽に誤解されなければいいのだけど。

【前巻:これは経費で落ちません!8〜経理部の森若さん〜】



内藤了「TRACE 東京駅おもてうら交番 堀北恵平」
クライマックス目前!核心に迫りつつあるシリーズ7巻。休暇で長野へ帰省し、改めて亡き祖父のことを調べつつも、「うら交番」の謎を解く決心を新たにする恵平。先輩である平野を巻き込んでしまったことに責任を感じているようだが、本当にそれだけ……?(ニヤニヤ)などと思いつつも、事態は相変わらず混迷を深めている。うら交番の柏村が残していた何者かの爪と毛髪のDNAが、現代の外国実失踪事件関係者のものと一致したからさあ大変。やはり恵平たちとは逆に、過去から現代に来た人物がいるのか……あるいは、その人物が年を取り、現代でも同様の犯罪に手を染めているのか……いずれにせよ、背後にはやはり例の「ターンボックス」――「匣」がいる模様。次巻で完結とのことだが、どのようにすべてが解決するのかが気になって仕方ない。

【前巻:EVIL 東京駅おもてうら交番 堀北恵平】

春が来ましたね。
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*ここ1週間の購入本*
ジョージ朝倉「ダンス・ダンス・ダンスール23」(ビッグコミックスピリッツ/小学館)
遠田潤子「人でなしの櫻」(講談社)
川口穣「最強の災害情報インフラをつくったホワイトハッカーの10年 防災アプリ 特務機関NERV」(平凡社)

先日、3回目のコロナワクチン接種に行ってきました。ちなみに1〜2回目に引き続き、今回もファイザーです。最初はモデルナになるらしいと聞いてたんですけど、別にこだわりもないのでまあいっかということで。

前回までと同様、接種した当日(夕方)はなんともなかったんですよね。打った側の腕がちょっと重痛いかなーというくらいで。で、翌朝も多少筋肉痛はあるものの、そこまでではなかったんですよ。でも大事をとって休んでみたら大正解(←)。お昼過ぎになって急に震えが止まらなくなったんです。久しぶりに、かつ文字通り「歯の根が合わない」ほどに歯がカチカチ言ってるし、手も震えてるんです。寒気で。そばにいた家族からも「唇が真っ白になってるよ」と言われ、真っ青じゃなくて真っ白ってなんぞ……と思いながら熱をはかったらなんと38.1度。こりゃまずいということで寝込んだのでした。

もちろんひと眠りして夕方になっても熱は下がっておらず、まさかの38.8度をたたき出したので引き続き寝込むことに。ちなみにそんな状態でも風呂には入ったんですが、お湯を浴びても冷たく感じるんですよね……それだけ熱が高かったということなのかもしれませんが、個人的にそんなふうに感じたのは初めてだったのでびっくりしました(笑)。

で、翌朝起きたらなんとか36.9度まで下がり、動けるのは動けるけど念のためその日は半休にして出社。その日の夜……つまり接種からまる2日経ったころにはようやく平熱に戻り、身体も軽くなったのでひと安心といったところです。いやーそれにしてもコロナワクチンの副反応、改めておそるべしといったところでしょうか。まあこれで本当に感染しにくい状態になっているのであればいいんですけどね……。

余談ですが、ワクチン接種に行った週は、月〜金の5日中3日分しか働いてなかったんですよね(接種した日とその2日後は半休取ったし、接種日翌日は有休にしたので)。すると最後の3日目(金曜日)がとても仕事がはかどったんですよ。休んでいた間の仕事がたまっていたにも関わらず。つまり何が言いたいのかというと、やっぱり人間、週に5日もぶっ通しで働くのはよくないってことですよ!(笑)


*ここ1週間の購入本*
小西明日翔「来世は他人がいい6」(アフタヌーンKC/講談社)
タスクオーナ「氷菓14」(カドカワコミックスエース/KADOKAWA)
入江亜季「旅」(青騎士コミックス/KADOKAWA)
夢野久作「人間腸詰」(角川文庫/KADOKAWA)
内藤了「TRACE 東京駅おもてうら交番・堀北恵北」(角川ホラー文庫/KADOKAWA)
青木祐子「これは経費で落ちません!9〜経理部の森若さん〜」
東堂燦「それは春に散りゆく恋だった」(以上、集英社オレンジ文庫/集英社)
大倉崇裕「樹海警察2」(ハルキ文庫/角川春樹事務所)
佐々木譲「制服捜査」(新潮文庫/新潮社)
大沢在昌「帰去来」(朝日文庫/朝日新聞出版)
高木晋哉「ジョイマン・高木のツイート日記2010-2020 ここにいるよ」(ワニブックス)
「文房具屋さん大賞2022」(扶桑社)

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