phantasmagoria

読んだ本のこと、それ以上に買った本のこと、ときどきライブのことを書き散らかしてみたりする。

今日、映画「この世界の片隅に」を観る機会にようやく恵まれました。原作が持つ独特のタッチも含め、ほぼ忠実に、そして丁寧になぞられた作りになっていて、原作ファンとしてはもうそれだけで感涙ものです。絵を描くのが得意で、けれどふだんはわりと天然気味の主人公・すずが、江波から呉へと嫁ぎ、終戦を迎えるまでの日々を描く物語。日常を次第に侵食していく戦争――しかしその戦争こそが彼女たちにとっての日常。たくさんの喪失を突き付けられながら、それでも生きていくしかないすずの姿からは、最後まで目が離せませんでした。

ちなみにわりと年配のお客さんが多かったのにもびっくりしました。あと、岡山が舞台のアニメ映画「ひるね姫」の予告が流れてたんですが、これがまたそういうお客さんたちにも好評だったようで、映画が終わった後で周囲の人が「観に行こう」と言ってたのも印象深かったです。個人的にはハリウッド実写版攻殻の予告編に釘付けになってたわけですが。ちょっと気になる。


*ここ1週間の購入本*
おがきちか「Landreaall 29」(ゼロサムコミックス/一迅社)
仁茂田あい「シャープさんとタニタくんRT」(クロフネコミックス/リブレ出版)
久世岳「トリマニア1」(ガンガンコミックスオンライン/スクウェア・エニックス)
夏目イサク「熱帯デラシネ宝飾店1」(ウィングスコミックス/新書館)
道満晴明「オッドマン11」(メガストアコミックス/コアマガジン)
カエリ鯛「腐男子社長」(ピクシブエッセイ/KADOKAWA)
三上延「ビブリア古書堂の事件手帖7〜栞子さんと果てない舞台〜」(メディアワークス文庫/KADOKAWA)
彩本和希「ご旅行はあの世まで? 死神は上野にいる」(集英社オレンジ文庫/集英社)
オキシタケヒコ「おそれミミズク あるいは彼岸の渡し綱」(講談社タイガ/講談社)
宮澤伊織「裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル」
小路幸也「壁と孔雀」(以上、ハヤカワ文庫JA/早川書房)
田中啓文「ウィンディ・ガール サキソフォンに棲む狐1」
田中啓文「ストーミー・ガール サキソフォンに棲む狐2」(以上、光文社文庫/光文社)
長山靖生「ゴジラとエヴァンゲリオン」(新潮新書/新潮社)


ランドリ新刊、なんと今回はアニメDVD(約30分)付きですよ!
アカデミーの面々で障害物競走(広い意味で)です。これまで何度もドラマCD化されてるので、キャラに声がついているという点ではさすがの安定感なのですが、やはりそこに映像が付くと違いますね。う、動いてるー!って叫んでしまいましたとも。当たり前か。とりあえず個人的には「五十四さんが本当に小さくて大きい」というところに感動いたしました……(笑)!


王城で侍女見習いをしているメリッサは、16歳の誕生日を機に、城外へ出て貴族の家で奉公することを決めていた。それは今後も王城で侍女として働くにあたり、奉公先の貴族に後見人となってもらうため。そして正式な王城の侍女になりたいのは、憧れの竜騎士隊長ヒューバードと、彼の相棒である高位の竜「白の女王」のそばで働きたいがためだった。しかしその矢先、ヒューバードの兄が病死し、代わりに彼が実家を継ぐことになったため隊長職を辞したと聞かされ、ショックを受けるメリッサ。そんな折、ようやくメリッサの奉公先が決定するのだが、なんと行き先はヒューバードの実家。竜が集う渓谷を治める「辺境伯」となったヒューバードは、「白の女王」に認められ、すべての竜からも好かれているメリッサに、野生の竜たちの世話を頼みたいのだという。そしてもうひとつ、亡き兄の婚約者を追い出すため、メリッサには婚約者のフリもしてほしいと言われ……。

竜が大好きな少女メリッサが、竜の世話係と憧れの騎士の恋人役に奮闘する恋愛ファンタジー。

その身の色でランク付けされる竜種にあって、最高位の「青」の次に位置するのが、竜騎士隊の隊長・ヒューバードの相棒である「白の女王」。その「女王」に認められたがために竜たちからも慕われるメリッサは、王城の竜騎士&その相棒の竜たちの間でも、そして渓谷に住まう野生の竜たちの間でも大人気。当のメリッサはというと、竜のことはもちろん大好きではあるが、では人間相手ではどうかというと、そのあたりはまだまだ無自覚な様子。そんな彼女がヒューバードの恋人役をするということで、いつしか恋心を芽生えさせてゆくという穏やかな展開がなんとも微笑ましい。ちなみにヒューバードとは10歳の年の差があり、また身分差もあることから、いろいろと思い悩むということにもなるのだが、どう見ても両片想いなふたりの反応が可愛くて仕方ない。(特に序盤で、メリッサが王城から出るつもりであると聞いた時のヒューバードの対応ときたら!)

しかし一方で不穏な動きを見せるのが、ヒューバードの亡き兄・レイモンドの婚約者だというエリノアの存在。竜たちからあからさまに嫌われているという事実、その原因を「女王」が語りたがらない理由、そしてレイモンドの死後にヒューバードの妻の座を狙おうとするその目的など、彼女とその周辺事情はわからないことづくめ。目的のため、どこまでもメリッサを踏みつけにしようとするその態度も腹立たしいばかりなので、これらをはねのけてメリッサとヒューバードが結ばれるラストにはとてもすっきりとさせられた。付け加えるなら「白の女王」がメリッサを気に入っているその理由にも。ちなみに、作中では最高位となる「青」の竜が誕生するのだが、その相棒は決まっていないので、続編があればそのあたりもぜひ知りたい。

小暮写眞館IV: 鉄路の春 (新潮文庫nex)
宮部 みゆき
新潮社
2017-01-28

小暮写眞館に泊まりに来ようとしているテンコと共に帰宅中だった英一は、家出してきたという父・秀夫と遭遇する。予定変更し、なだめすかしてテンコ宅に秀夫を連行した英一は、家出の理由が夫婦喧嘩であること、そしてその原因が、風子の死に端を発したものであることを明かすのだった。風子が病死したことで秀夫の実家は京子をよってたかって責め、精神的に不安定になっていた京子は離婚を申し出たが、秀夫はそれを拒み、逆に実家と縁を切ったのだという。しかしこのたび、秀夫の父が危篤という知らせが。縁を切った秀夫は見舞いも拒むが、京子は行くべきだと言って譲らず、喧嘩となっていたのだ。翌朝、秀夫は帰宅し夫婦げんかもひとまず収束するのだが、今度は光の様子がおかしいことに気付く英一。やがて光はひとりで小暮氏の墓がある霊園へと向かっていた。知らせを受けた英一が迎えに行くと、光はぽつぽつと気がかりなこと――風子の幽霊に会いたいその理由を語り始め……。

いつか必ず雪は解け、春がやってくる――そんな未来を示すかのようなサブタイトルが印象的なシリーズ最終巻。

娘が病死した責任を母親に問うのはおかしいと怒る英一に対し、垣本はこれを簡単に肯定することはしなかった。身内だからこそ、誰かに責を負わせないとやりきれないのだ、と。それがいいことだとは思っていないようだが、そのようなものの見方からも、垣本自身がかつて――あるいは現在も――複雑な立場に置かれていたことを想起させられる。誰にも責任はない、しかし誰かに責任があると思わないと腹が収まらない。秀夫の実家はそれを京子に求めたが、花菱家の中ではみんながみんな、自分に責任があると思っていた――結局のところ、根は同じだったのだ。そして英一はひとつの決意を固め、垣本を伴って秀夫の実家へと乗り込む。人の絆に触れることで成長した英一が選んだひとつの幕引きは、なんとも眩しく映る。

とまあここで終わるととてもすっきり……するのだがもちろんそうではなく、そのあとでもうひとつの問題が英一の前に立ちふさがることに。英一との距離が縮まり、少しずつ「普通」になりつつあったはずの垣本に起きた異変。不器用すぎる彼女の生き方が、またしても彼女自身を追い込むことになってしまったのだが、今回その結末を変えたのは英一だった。英一がいたからこそ迎えた物語のラストは、完全なハッピーエンドとは言えないかもしれないが、しかし未来が開けたとしか言いようのない明るいものだった。ついに春が来たのだなあ、と。


◇前巻→「小暮写眞館3 カモメの名前」


スウェンが黎明国女王として即位してから1か月半ほど経った頃、不穏な密書が彼女の下へと届けられる。山越国王子の署名で美鵬国王子へと宛てられたその文書には、山越国に黎明国の正当なる王女が存在していること、現女王が諸国を皇国に売り渡そうとしていること、そして近いうちに黎明国で地震が起きるという未来予知ともとれる内容が書かれていた。スウェンはエルダに皇国の意志を確認しつつ、「正当なる王女」の存在について調べ始めるが、その直後に穂積郷で実際に地震が発生。さらにその矢先、山越国で匪賊が横行しており、その討伐に際してスウェンの立ち合いを依頼される。依頼主が山越国の王弟でありスウェンたちの父の弟子ということもあり、スウェンはその依頼を受け山越国へと向かうことになるが……。

前女王によって荒廃した黎明国の再興を図ろうとする王女たちの姿を描くシリーズ2巻。今回は新女王となったスウェンをメインに据え、女王としての彼女の成長を描いてゆく。

天津洲に存在する諸国の中でも中心、あるいは代表的な立ち位置にあるのが黎明国。しかしもちろん諸国との間が完全に友好的とは言い難く、今回はそんな黎明国の根幹を揺るがすような陰謀が持ち上がるという展開に。もちろんこれに対峙するのは女王であるスウェンなわけだが、そんな彼女の悩みの種は、なぜか最近、弟であるキナンと衝突しがちだということ。姉弟として力を合わせなければならないはずのふたりだが、どこまでもまっすぐで真面目に政に向き合おうとするスウェンとは対照的に、キナンは短絡的あるいは強硬的と言えるような反対意見を持ち出すこともしばしば。とはいえキナンのその発言はスウェン自身を慮ってのことなので、一概にキナンの意見が間違っていると言えないのも確か。そして同時に、キナンも自分の言動がいささか暴力的であることに悩んでもいた。結局のところ、ネックなのはやはり「姉弟」である――つまり身内であるということで、ある意味仕方のないことなのかもしれないし……と、なんともやりきれない気持ちになってくる。

そんなふたりの姿を鏡に映すかのように、今回の問題ではそこここに「対立する親子/兄弟」といった構図が現れてくる。公か私か、どちらを優先すべきか――正しい答えはきっとどこにも存在しないのだろうが、それでも最後にスウェンがキナンに告げた言葉は、ふたりの絆を深めるものになった。それだけでもよかったと思う。

ちなみに出番は少ないが、ルシェはエルダとの婚儀を控えているにも関わらず、あちこちに現れては皆の手助けをしているという相変わらずさ。とはいえエルダとの関係は良好だったり(むしろ思いのほか親密な感じだったりする……少なくともエルダは)、気まずくなりつつある姉と兄の間を自然と取り持ったりと、殺伐とした本筋の横でなんとなく彼女の存在には癒された。


◇前巻→「黎明国花伝 星読の姉妹」


クロウとの結婚式が近付く中、フェルディアにはある悩みがあった。それは「初夜」というものが具体的になにをすることなのかわからないということ。こっそり入手した参考資料はベッドの下に隠しているうちに侍女に見つかって処分されてしまい、代わりを買ってきてもらおうとラナに頼むも当然のごとく断られてしまうフェルディア。そこで周囲の男性陣に初夜の作法について尋ね始めるのだが……。(「すべては恋のから騒ぎ」)

これにて本当にシリーズ完結となる、本編の後日談を収めた短編集。

まあのっけから「初夜とはなんぞや」という、当たり前ではあるが(そして当人には死活問題だろうが)読んでいるこちらとしては脱力感半端ないエピソードからスタート。しかしそれでこそフェルディア、それでこそ「(仮)花嫁」シリーズ。まあ最終的にはどうしようもなく甘すぎる展開になるのでひと安心。ついでにいうと、これ以後のクロウのデレっぷりが半端なく、本編を知る身としては「お前誰だ!」と言いたくなるくらいの勢いなのだがまあ置いといて(笑)。

他にも、パールを再び喪ったユアンに思いがけない再会が訪れる「南の洋に陽は沈み」、クロウの昔話と呼応するようにフェルの打ち明け話が綴られる「花の庭」、ジルフォードの急死から1年後、クロウがイルを訪れ昔話に花を咲かせる「春の祈り」、そして「春の祈り」から少し時をさかのぼり、ふたりの間に3人目のこどもができた時のエピソード「冬の証」を収録。どれも心温まる話ばかりで、ふたりのこれまでを思うと「本当に良かった……!」のひとこと、これに尽きる。これからふたりが進む道にはまだ困難が尽きないのだろうが、それでもふたり一緒なら絶対に大丈夫――そんな絆が感じられるラストがとてもよかった。


◇前巻→「(仮)花嫁のやんごとなき事情〜結婚できたら大団円!〜」


リチャードが店を閉め、姿を消した。もう戻ってこないともとれるメッセージにショックを受けるも、彼がどこにいったのかまるで手掛かりがつかめない正義。しかしある日、閉店中のエトランジェにリチャードの師匠であるシャウルがやって来る。リチャードがイギリスへ向かう飛行機に乗ろうとしていることを知った正義は、シャウルからもたさられた情報をもとに、単身イギリスへと向かうことに。するとその途上で現れたのはリチャードのいとこと名乗る青年・ジェフリー。ジェフリーは正義の身の上についてすべて調査済みらしく、さらにはリチャードの過去と、その身に降りかかっている問題についても滔々と語り……。

リチャードが消えた!?という驚愕のラストから待ちに待ったシリーズ4巻は、美しき宝石商リチャードの正体と過去に迫るという展開に。

まるで恋人に突然逃げられたかのような心境に陥る正義に、リチャードの師であるシャウルは告げる――「納得したい」からリチャードの行先を探すとして、その先になにがあるのか、あるいはどうしたいのか、と。確かにそれは気になるところで、会ってその真意をただすことができれば当座は納得できるだろうが、正義のこの状態を見る限りでは、それで「じゃあそういうことで」と落ち着けるとも思えない。しかし本人にも言語化できないこのもやもやを整理してくれたのは谷本さん。鉱物になぞらえた彼女の説明はとてもわかりやすくて、さすが(正義にとっての)天使!いい娘だ……これで決定的に正義との間の「好意」がすれ違っていないのならなおさら……と思いつつも、まあそのズレもまた天使だなあということで。

ともあれ、ようやく自分の気持ちをひとまず整理したところで、イギリスに向かった正義を待ち受けていたのは、リチャードの実家・クレモント伯爵家の「呪い」ともいうべき因縁。宝石に罪はないとリチャードはよく口にするし、まさにその通りではあるのだが、しかしその宝石を核に、ひとは争いの種を仕掛けてしまう。あるいはそれすらも罪なき美しさがはらむ業のようなものなのか。それでも正義はその呪いに惑わされず、リチャードを救おうと腐心する。そしてリチャードもまた、正義を自分の事情に巻き込まぬよう心を砕くのだ。なんという不器用で似た者同士なふたりなんだ、と読んでいて胸が熱くなってくる。もういいよふたりが相手をどう思っているかとかそれは愛かどうかとかそういうのは、としか言えなくなってくるのだ。そうやって新たな一歩を踏み出したふたりの関係をまだまだ見続けていたい。


◇前巻→「宝石商リチャード氏の謎鑑定 天使のアクアマリン」


湖西の騒動の後始末に追われる文林をなだめつつ、新設された軍の整備にいそしむ小玉。そんな折にもたらされたのは、小玉の貞節に問題ありというまさかの疑惑だった。根拠は薄弱で具体的な証拠もないものの、ひとまず小玉は根拠のひとつとされる軍との関わりを断ち、後宮に引きこもらざるを得なくなってしまう。そんな小玉の憂さ晴らしも兼ねて文林は狩猟の会を開催。しかし小玉の愛騎・白夫人の餌に毒草が混入されており、誤ってそれを食べた司馬淑妃の馬が死んでしまう。後宮をめぐる問題がますます膠着化する中、打開策として新たな妃――しかも皇后たる小玉に次ぐ「貴妃」が新たに招き入れられることとなり……。

シリーズ5巻となり、小玉と文林の関係も新たな局面を迎えることに――ただし、残念ながら悪い意味での。

小玉を追い落とそうとしているのは言わずもがな司馬淑妃の父である司馬氏。そんな司馬氏が胡乱すぎる疑惑を掲げてきたのは文林たちが予想する通り単なる準備不足で、その原因は娘である淑妃の考えなしの暴走によるもの……という展開はまあ笑える話ではある。ついでにいうと後宮に新たにやってきた貴妃・紅燕はあの王太妃の娘だからして、お目当ては文林ではなく小玉。まあそれもいい(もちろん面白すぎることになっている)。問題はそれら一連の流れの中で、小玉が自身の立ち位置に疑問を持ち始めたこと。子を産むわけでもなく、かといって新しい貴妃含め、他の妃嬪たちを勧めることもできていない。疑惑のせいで軍にも関われない。そしてそんな中、ついにふたりが文字通りの「初夜」を迎えてしまったことが、大きな問題となって小玉と文林の間に横たわってしまう。

こんな時でなければうまくいったのではないかと思う。けれどこんな時だったからこそ、小玉はただひたすら傷ついてしまったのかもしれない。あるいは疲れてしまったのかも。文林との気持ちが決定的にすれ違ってしまっていて、しかも小玉はそれに気付いているのに、文林ははっきりとは気付いていない。その齟齬もまた致命的である。隣国との戦が近づく中で、このどうしようもない溝が埋まることはあるのだろうか。


◇前巻→ 「紅霞後宮物語 第四幕」

職場の自販機にコーンポタージュが戻ってきました!
なんでもコンポタが消えたことを憂えた同僚が、たまたまメンテに来ていた自販機メーカーの人に訴えてくれたらしいんです。その行動力もすごいんだけど、わりとはやくその要望が通ったというのもびっくりしました(笑)。ちなみにそのメーカーの撤去理由は「シーズンが終わったから」だそうですが……早くないか? ともあれ、その日のうちにさっそく1缶飲んでしまいました。美味しいなあ。

さてさて、この週末からポケGOに金・銀のポケモンが追加されたと聞きつけたので、さっそく長距離散歩に出てきました。最近遠征することがなく、私の行動範囲内では見たことあるやつしか出てこなくなってたので、久しぶりに新種たちを捕まえ放題で楽しいです。ボールが減るのが早い早い。

金・銀プレイ時にネイティオとヨーギラス(注:進化はさせない)を含めたカワイイパーティを形成していた身としては、当然この2匹をゲットしたい気満々なんですが、今日のところはどちらも現れず。ネイティは影だけ見えたんでいつかゲットできるだろうなとは思ってるんですが、ヨーギラスの方は出てきにくいという噂がちらほらと……えっそれは困る。出てきにくいのならせめてたまごから孵りますように……って邪念を持ってたら出なくなりそうですけど(笑)。


*ここ1週間の購入本*
九井諒子「ダンジョン飯4」(ビームコミックス/KADOKAWA)
藤崎竜「銀河英雄伝説5」(ヤングジャンプコミックス/集英社)
栗美あい「紅霞後宮物語〜小玉伝〜2」(プリンセスコミックス/秋田書店)
雪村花菜「紅霞後宮物語 第五幕」
喜咲冬子「黎明国花伝 茅舟の王女」(以上、富士見L文庫/KADOKAWA)
夕鷺かのう「(仮)花嫁のやんごとなき事情〜未来へ続く協奏曲〜」(ビーズログ文庫/KADOKAWA)
辻村七子「宝石商リチャード氏の謎鑑定 導きのラピスラズリ」(集英社オレンジ文庫/集英社)
直原冬明「十二月八日の幻影」(光文社文庫/光文社)
直原冬明「幻影たちの哀哭」(光文社)
福田和代「S&S探偵事務所 最終兵器は女王様」(祥伝社)


英一の弟・光が、小暮写眞館に出るという前店主・小暮氏の幽霊について気にしているらしい。見かねたテンコが写真ソフトを使って小暮氏の心霊写真を作り、それを光に渡していたことを知った英一は、光の意図をはかりかねながらも、まずは小暮氏の写真をテンコに提供したST不動産の社長・須藤のもとを訪れる。しかし英一の抗議をあっさり受け流しながら、須藤は英一にある写真を渡すのだった。それはとあるフリースクールでの誕生日会の風景だったのだが、その背景によくわからないふいぐるみのようなものが写りこんでいたのだ――ただし、それは明らかに合成されたもの。この写真を撮影し、プリントアウトした少年・牧田は、このぬいぐるみを「カモメ」だと言い張っているのだという。クラスの人気者で成績優秀、いじめの事実もないはずなのに不登校だという牧田少年に何らかの事情があると考える英一だったが、その事情がまったくつかめない。しかし調べを進めていくうちに、この「カモメ」が登場する映画の存在が明らかになり……。

今回も謎の写真を前に奔走することになるシリーズ3巻。本筋はもちろん、「カモメ」の写真と牧田少年の真意を探るという展開なのだが、それ以上に気になるのは光と垣本さんの件。

まず光の方は、なぜか小暮氏の幽霊に会おうと行動を起こし始めている件。実は今巻中で花菱家に泥棒が入るのだが、未遂に終わり逮捕された犯人は幽霊を見たというのだ。やっぱりここに小暮氏の幽霊はいるんだ……ということで、ふたりは小暮氏の娘を訪ねることに。そこまではまあいいのだが(その話を受け入れてくれる小暮氏の娘もなんというかすごいと思う)、最後まで疑問が残るのは、なぜそこまで光が小暮氏の幽霊の実在に執着するのかということ。英一は薄々気付いているようだが、光は小暮氏の向こうに、亡き姉――つまり英一にとっては妹――の風子を見ている。幼い頃に病死した風子の存在は、一見明るく楽しい花菱一家にとって、確実に深く刺さり抜けない棘となってそこにある。だが、いったいなぜそこまで彼女の死が問題なのか――前巻でも描かれていたが、母・京子は光に対して、時折過剰なまでの過保護ぶりを見せることがあった。幼い娘を亡くしたことのある母親の対応としては仕方ないとは言え、そこには何か別の問題があることが英一のモノローグから示唆されている。おそらく次巻で明かされるであろうその過去が気になって仕方ない。

一方、垣本の存在もまた、今なお英一に爪痕を残しまくっている――いい意味でも、悪い意味でも。前巻で線路に飛び込んだ――本人は「電車を真正面から見たかっただけ」と言い張るが――そのあとで、英一は垣本が家族との間に何らかのトラブルを抱えていること、そして時折自殺めいた事態を起こしていることを、須藤から聞かされていた。しかし一方で、他人との関わりを持ちたがらないという垣本が、なぜか英一には興味を示しているということも判明する。今回の依頼を通じて距離が縮まりつつある英一と垣本の関係がどう変化していくのか――垣本は自身の「問題」から抜け出すことができるのか。このどこか危なっかしいふたりからも目が離せない。


◇前巻→「小暮写眞館2 世界の縁側」


最近リーベルの常連となった沖名は、自称「売れない小説家」。霊媒師の噂をどこからか聞きつけた沖名は、ネタのためにアーネストに接触しようとしては佐貴に断られる日々。しかしある時、沖名はとあるアパートの大家だという老人・大槻を連れて来店。なんでも大槻のアパートには、入居者が決まって同じ「池の夢」を見てしまう部屋があるのだという。ふたりの押しの強さに断りきれなかった佐貴は、地守家でホームステイ中のアーネストを伴い、そのアパートを訪ねることに。すると誰も住んでいないはずのその部屋に、気を失った少女が横たわっていた。しかも佐貴とアーネストには、その少女が人形を抱きしめている幻が見えていたのだ。この件に三神が関わっている可能性を否定しきれないふたりは、やがて意識を取り戻し、身元が判明した少女の実家を訪れるが……。

講談社タイガにレーベルを移してのシリーズ4巻は、記憶喪失の少女と、彼女の実家で奉られている「人魚」を巡る展開に。

アパートで発見された少女・汐見聖蓮は記憶喪失だが、その歌声にはアーネストのヴァイオリン同様、浄化の力が備わっているという。まずこの時点で謎なのだが、彼女の実家である汐見家にはさらに不可解な点が。聖蓮の父親の不審死、祖母が信仰する「人魚」の存在と淀んだ池、そして聖蓮が行方不明となった時期と前後して、汐見家の池で死んでいたフリーライター。聖蓮はなぜ大槻のアパートで倒れ、記憶を失ったのか。その部屋で見られるという夢に出てくる池が汐見家の池であるのはなぜか――その部屋にかつて住み、病死した辻と汐見家の関係は。――などなど、謎ばかりがどんどん増えてゆく中、アーネストのヴァイオリンが壊されるわ、一方で三神はまったく姿を現さないわで、なにやらこれまでの事件とは雰囲気が異なる展開に。

そんな中、ヴァイオリンを壊されたことで自棄的になるアーネストに対し、佐貴が思いがけず強く反発するという流れが印象的。これまで以上にアーネストに踏み込んでゆく佐貴からは、かつて三神の告げた「呪い」をはねのけようとする強い思いが感じられて、ふたりの関係の変化を強く認識させられる。そしてそれを受け入れたアーネストも、以前より強くなったと思わされる。しかし同時に、三神のアーネストに対する「執着」の強さも浮き彫りとなる結果に。事件は解決しても、不穏さは晴れないラストがなんとも苦い。


◇前巻→「雪に眠る魔女 霊媒探偵アーネスト」


女子バレー部に所属する先輩に呼び出された英一。実は先日の心霊写真の件が尾ひれがつきまくった状態でネット上に流れており、本人の知らぬ間に「花菱英一は心霊写真を浄化できる霊能者」という噂になっていたのだ。有無を言わさぬ圧力をもって英一に依頼をしてきたその先輩・田部から渡されたのは、田部の先輩である河合とその家族の写真だった――にこやかに写る3人家族、しかしその背後には、3人が泣いている姿が浮かび上がっていたのだ。撮影者は当時河合と婚約していた男性だったが、のちに婚約は破棄され、さらに河合の父親の工場が倒産し、そのまま父親は亡くなったのだという。田部は河合を含めた当事者に知られないよう、この写真の謎を解くよう言い渡すのだった。困惑しつつ、親友のテンコや、例の噂を聞いて興味を持ったというテンコの友人・寺内千春と共に、当時の状況を調べ始めるが……。

不可思議な写真につくづく縁のある?高校生・花菱英一の奮闘を描くシリーズ2巻。

いつの間にか霊能力者という噂を流されてしまっていた英一は、はからずも新たな心霊写真の謎を追うハメに。そこで今回、そんな英一の助手を務めることになるのは、その肌の黒さから「コゲパン」と呼ばれている同級生の千春。ちなみにここで甘酸っぱい展開に……となるかと思ったらそうでもなかったのであしからず(笑)。

突然の婚約破棄、行方知れずとなった元婚約者、父親の病死。写真の泣き顔は、その後起きたいくつもの不幸を予知していたのか――そんな突拍子もない、けれどなんとなく納得はできそうなその仮定を、英一と小春はひっくり返してゆく。ある意味超常現象であることに変わりはないのだが、そこに介在していたのは前回同様、生きている人間の意志だった。しかし今回は前回と違い、やり直せる余地はある。それを当事者たちに気付かせたのは英一と千春。若さゆえか、それとも外部にいるからこそ見えてくるということか――ともかく、そうやって人の絆を取り持つ中で、ふたりにもまた、自分たちの問題を見つめなおす時がやってくる。千春の告白にはそれはもう驚いたが、それで彼女も救われたのならそれでいいと思った。

しかし一方で、新たな火種というか心配事も。ひょんなことから英一は、毒を含みまくったその言動で英一の心に文字通り爪痕を残していったST不動産の女性従業員・垣本が何か抱え込んでいることを知る。ますます存在感を増してゆく垣本にはどんな問題が潜んでいるのだろうか。


◇前巻→「小暮写眞館1」

小暮写眞館I (新潮文庫nex)
宮部 みゆき
新潮社
2016-12-23

ちょっと変わり者の両親に悩まされている高校生・花菱英一は、だから今回の引っ越しにも困惑を隠せないでいた。両親が購入した「念願のマイホーム」は、さびれた商店街の真ん中に位置する、築33年・木造2階建ての元写真館だったからだ。父親の主張で「小暮写眞館」という看板を掲げたまま、その家で暮らし始めた英一だったが、ある日見知らぬ女子高生から1枚の写真を押し付けられてしまう。その写真は彼女がフリーマーケットで買ったノートの間に、「小暮写眞館」の封筒に入った状態で挟まっていたのだという。法事かなにかの後に撮られたと思しきその写真には、6人の男女と、どう見ても幽霊的なものにしか見えない女性の顔が写っていて……。

古びた写真館に住むことになった男子高校生が、奇妙な写真に秘められた謎を追う現代ミステリ長編。元々は講談社から刊行されていたようだが、このたび新潮文庫nexから刊行されるにあたり、4分冊されることになった模様。

というわけでこの1巻ではイントロダクションからの心霊写真騒動が語られてゆく。英一の家族について――時々突拍子もないことを言ったりしたりする両親、どこかマセた雰囲気の7歳下の弟・光、そして幼い頃に亡くなった真ん中の妹・風子の存在。そんな一家が住むことになった写真館――前の持ち主が死ぬ直前まで経営していたという「小暮写眞館」には、その老店主の幽霊が出るという噂ものちのち明らかになったりするのだから驚き。一方で、撮影スタジオがリビングになっているというのが、住んでいる英一にとっては珍妙極まりないのかもしれないが、なんとなく楽しそうでもある。そしてそこに持ち込まれた心霊写真。越してきたばかりで周囲のこともわからない英一は、親友のテンコ(本名は「店子力(たなこ・つとむ)」)と共に、ひとまずこの家を買うときに仲介した不動産屋で情報収集を試みるのだが、社長の須藤はともかく、女性社員の垣本は客商売に向いていなさそうな辛辣さでふたりを出迎える。……とまあ、のっけからクセのありすぎる展開にどんどん引き込まれてしまう。

やがて英一は須藤から、写真に男女のうち3人が火事で亡くなっているといることを知らされ、その3人について調べていくことに。いつしかテンコはその地道さに辟易して手を引くのだが、英一は根気強く、細い糸を手繰り寄せるかのように真相へと向かってゆくのだ。家族に対する描写や学校生活から、英一の性格はシニカルで冷めた感じの「イマドキの若者」タイプかと思っていたのだがそんなことはなく、むしろ几帳面で真面目、そして好奇心が思いのほか強いということがわかってくるのも面白い。しかし一方で、そんな彼の行動が「好奇心は猫も殺す」にならなければいいのだが、と思いつつ……。


片想いの相手であった少女・襟仁遥人と共に高校の屋上から落ちてしまった少年・神田幸久は、気付くと地縛霊のような状態で高校の教室にいた。そこで目にしたのは、かつての遥人のようにクラスメイトからいじめを受けている少女・穂積美咲の姿だった。しかも美咲にも幸久の姿が見えているらしい。以後、幸久を唯一の友人として接してくる美咲に対し、幸久はイメチェンすることをアドバイスしたり、勉強を教えて成績を上げさせるなどして、彼女を周囲に認めさせようとするが、ことごとく裏目に出るのだった。しかしある時、隣の席の高木綾香が美咲をかばったことがきっかけとなり、美咲は綾香と仲良くなっていく。これを皮切りに、少しずつではあるが美咲が他のクラスメイト達にも受け入れられるように。と同時に、幸久にも異変が起こり始め……。

第18回えんため大賞ファミ通文庫部門・優秀賞受賞作。地縛霊になってしまった少年が、いじめにより孤立していた少女を救おうと触れ合い、「再生」してゆく日々を描く青春小説。

幸久の視点から描かれるのは、現在目の当たりにしている美咲のことと、今の状態になる前のできごと――すなわち遥人とのこと。クラスメイトたちからイジメに遭っていた――しかも何か具体的にしたわけではなく、ただ「そういう空気」を作られ、疎外されていたという同じ境遇のふたり。誰よりも正しくまっすぐであろうとした強い少女・遥人と同様に、最初はすべてをあきらめていた美咲も、幸久のアドバイスもあってか次第にその芯の強さを見せるように。しかしどんどん周囲に受け入れられ、最終的にはイジメの主犯格である香苗とも和解してゆく美咲とは対照的に、結果的には幸久の前で死を選ぼうとした遥人。やがて物語は、遥人の抱えていた悩み、そしてなぜ幸久が高校に縛られているのか、その理由に迫ってゆくことになる。

幸久の状況や遥人のことなど、わりと序盤から予測がつきはするが、あくまでも軸となるのは美咲と幸久に訪れる変化の時。幸久は遥人に出会ったことで、そして美咲は遥人に出会ったことで変わることができた。そして幸久はまた、美咲と出会ったことでも生まれ変わることになる。自分の気持ちとまっすぐ向き合うこと。出会いと別れを越えて成長してゆく彼らの姿がなんとも眩しい作品だった。


地方豪族の娘であり、巫女としてこの地を守る任を負う少女・瑠璃の前に現れたのは、大倭王朝の皇子と名乗る青年・紫苑だった。大王の命によりこの出水国にやってきたという紫苑は、出会うなり「オレのこと、お婿さんにしてくれる?」と瑠璃にまさかの求婚。以後も何かと瑠璃の周囲に現れては、仕事を手伝ってくれるように。最初は警戒していた瑠璃だったが、自分だけでなく周囲に対しても分け隔てなく接する紫苑の振る舞いに次第に気を許すようになり、いつしか惹かれるように。しかし身分の違いや朝廷との関係、さらに婚約者の存在などもあって、素直に気持ちを伝えることはどうしてもできず……。

敵対しあう一族の皇子と巫女が禁断の恋に落ちる古代和風ファンタジー。

出合頭に求婚してくるし、以後もなにかと瑠璃に接近してくる紫苑の振る舞いには、当初は瑠璃同様驚かされたものの、手を出してくるわけでもないし、実は過去に何かしらあって……という背景もあってのことだったのでとりあえず安心(笑)。女性を味方につけておけばのちのち有利というそのスタンスはまあ軽くないとも言い切れないが、彼なりの処世術と考えればこれはこれで。最終的に、紫苑の優しさが瑠璃のかたくなさを溶かしてゆくという展開は、そこに隠された過去のあれこれとあいまって、とても印象に残った。ふたりの今後は前途多難のようだが、きっと大丈夫だろうと感じさせる結末がとても良い。欲を言えば、瑠璃の婚約者でもある従兄・翡翠が、実際のところ瑠璃をどう思っていたかを見てみたかった気も。

うちの職場には3種類の自販機が置かれてるんですが、毎年冬場になるとコーンポタージュが入れられるので重宝――という言い方が合っているのかどうかわかりませんが――していました。小腹が減ったときとかにいいんですよアレ。で、今冬ももちろん導入されてたんで時々飲んでたんですが、先日ふと自販機を見たところ、なんとどの自販機からもポタージュが消えているではありませんか! な……なんで……!?

周囲を見る限り愛飲者は結構いたし、休憩室のごみ箱にも空き缶が捨てられているのをよく見かけてたので、決して「売れないから」という理由ではないと思うんですが……しかも1台だけならまだしも全部って。ついでに言うと私がポタージュの次によく飲んでいたホットココアも姿を消し、やたらとコーヒーばっかりになってました。元々コーヒーは多めに入ってたんだけどそれにしたって多すぎないかこの量……と言いたくなるくらいになってます。いやまあ私も缶コーヒー飲むけどさあ……なんかがっかり……なんかの陰謀かな……。


*ここ1週間の購入本*
さらちよみ「マーメイド・ボーイズ2」(KC×ARIA/講談社)
KANA「女の友情と筋肉5」(星海社コミックス/星海社)
織川あさぎ「竜騎士のお気に入り 侍女はただいま兼務中」(一迅社文庫アイリス/一迅社)
宮部みゆき「小暮写眞館2〜4」(新潮文庫nex/新潮社)
彩瀬まる「骨を彩る」(幻冬舎文庫/幻冬舎)
折口真喜子「踊る猫」(光文社時代小説文庫/光文社)
松浦千恵美「しだれ桜恋心中」(早川書房)
「SFが読みたい!2017年版」(早川書房)

SFが読みたい! 2017年版
S‐Fマガジン編集部
早川書房
2017-02-09

毎年恒例の「SFが読みたい!」、国内ベスト30中、既読6冊、積み6冊でした。微妙な成績です(笑)。加えて今回は、特別企画として「2010年代前期ベスト30」ってのもあったのですが、そっち(国内編)は既読12冊、積み10冊でした。
あと、毎回楽しみにしているのが各社の2017年の刊行予定なのですが、文藝春秋から5月に山尾悠子の新作が出るって書いてあるんですけど……えっ、本当に……!?

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