phantasmagoria

読んだ本のこと、それ以上に買った本のこと、ときどきライブのことを書き散らかしてみたりする。


両親を亡くし、叔父であるバウンゼン伯爵に引き取られることになった13歳の少女カティルーナは、叔父と共に訪れた獣人貴族ベアウルフ侯爵家で、錯乱状態に陥っていた嫡男・レオルドに《求婚痣》を付けられてしまう。相手が本当に結婚するまで3年は消えないという痣を付けられ怒り心頭のカティルーナに対し、謝罪にやってきたレオルドはおおよそ悪いとも思っていない態度で、ふたりの関係は最悪としか言いようのない状態。幸いカティルーナは少年と見まがう外見のうえ、本人も男名である「カティ」で通していたため、ひとまずは男であると偽って3年間やり過ごそうと決めるのだった。しかしその後、カティが志願して勤めることになった治安部隊は、レオルドが長を務める王都警備部隊の直属部隊。その後も顔を合わせては言い争いが絶えない(あるいは無視)という関係のまま2年と数か月が経過。しかしまもなく仮婚約者の立場から解放されるという時期になった頃から、なぜかレオルドがカティに対して態度を軟化させ、やたらと接近するようになってきて……。

第5回New-Generationアイリス少女小説大賞・同賞受賞作家のデビュー作。男装少女と獣人青年による、婚約(仮)から始まる異種族間恋愛ファンタジー。

人間だけでなく「獣人」と呼ばれる種族が登場する本作。人間よりも強い力を持ちながらも共存している獣人には、人間とは異なる制度というか性質がもちろんあって、そのひとつがカティも被害(?)に遭った《求婚痣》と呼ばれるもの。対象となる相手は何人いても構わないが、相性や好みなどが合う相手(性別問わず)に付ける魔術的な紋様で、付けた側か付けられた側のいずれかが結婚するか、または3年程度経てば自動的に消えるものだという。うっかり事故――とカティは思っているが、レオルドにしてみれば本能的な行動だったに違いない――で《求婚痣》を付けられて迷惑千万としか思っていなかったカティだったが、なぜか突然レオルドが和解を申し出てきたり、やたらと構いにきたり、しかもそのたびお菓子を持ってくるようになったりと態度を一変させたところからが面白い展開に。

実はカティより12歳も年上なレオルドだが、カティに女癖の悪さを指摘されて以来遊ぶのを止めたし(しかもそれはまだカティを構い倒すより前の話)、カティが周囲の仲間に笑顔を見せることに苛立つし、仕事が忙しくカティに会えなくなると面白いくらいに不機嫌になるし、獣人は頭部に触られるのを嫌う性質のはずなのにカティに頭を撫でられて喜んだあげくその後も所かまわず自分の頭を撫でさせるし……と、28歳男性(しかも最強獣人)とは思えない振る舞いのオンパレード。しかもそれらを行っている間、カティは男であるという認識のままなのだから恐ろしい。とはいっても本人は男色のつもりはなく、ただ(名目上は)友人として仲良くなりたい一心だという、想像だにしなかったピュアさ加減にはもういったいどうしたらいいか。

とはいえ最後の最後でカティが女であることに本能的に気付き、そこから流れるように再び婚約者としての約束を取り付けるという手際はさすがオトナの男性(?)、時折なかなかきわどい展開になったりもするので、とりあえずカティ逃げてー!ということで(笑)。


辺境伯ヒューバードの婚約者となったメリッサだったが、両親、そして国にもまだ正式には認められていない状態。そこでふたりは王都へ向かうことにするのだが、一番の問題はメリッサを母と慕う青を置いていかざるを得ないことだった。なんとか説得に成功したメリッサたちは王都へと向かうことになるが、ふたりを出迎えた王弟オスカーから、ヒューバードの母の生家である隣国キヌートのフェザーストン伯爵家の人間が、外交官としてやってきていることを聞かされる。彼らの目的はすべての竜を従えることのできるメリッサの存在そのもの。メリッサとフェザーストン伯爵家との縁談話を、国家間の問題に持ち込もうとしていたのだ。しかもそんな折、青が辺境を離れ、メリッサを追って王都へと勝手にやってきて……。

竜好き侍女が竜を巡る騒動に巻き込まれるシリーズ3巻。今回は婚約成立に暗雲が!?&青の独り立ち!?の2本立てということで。

今回の舞台は王都イヴァルト。竜の存在を慮りつつ、ヒューバードとも良好な関係を築いていたメリッサ。あとは許可を得るだけ……と思っていたら、青の代理親という立場ゆえに彼女の結婚に政治が絡みそうになってしまったり、独り立ちを試みる青に振り回されたりで、なかなかゆっくりする暇もないという状況に。無条件に竜に好かれる唯一の存在という類稀なるスペックを持ってはいるものの、結局のところメリッサはただの平民の娘。不安に押しつぶされそうになるという展開もあったものの、婚約者であるヒューバードや、王弟であるオスカーの助力もあってなんとか問題もクリア。彼女の周りに力を持つ味方が多くてよかったね、ということで。

……とまあこういった問題が起きっぱなしなので、なかなかふたりきりになれないメリッサとヒューバード。特にメリッサは常に青の面倒を見る必要があるので、ヒューバードにとっての最大の敵は、メリッサ父ではなく青なのかもしれない(笑)。とはいえ青もそろそろ名実ともに独り立ちしそうな感じだし、婚約も認められたしで、続刊があればふたりの関係の変化にも期待したい。


◇前巻→「竜騎士のお気に入り2 侍女はねがいを実現中」


歳国を守護する瑠璃龍を祭る「龍神の宴」で舞姫役を務めることになった楊月英。練習を終え帰ろうとする彼女の前に現れたのは、類稀なる美貌にキツネ耳を生やした青年・景将だった。邪妖かと身構える月英だったが、そこに謎の黒い影が。間一髪で景将に助けられた月英がそのまま連れ込まれたのは王の御前だった。例の「影」の存在を感知していた王と宰相・楊真英は、「影」が月英を狙っていたことを知ると、景将を護衛につけ、月英を囮として「影」に対する対策を練ることに。しかもその護衛任務のため、月英は半妖である景将と主従契約を結ばされることに。しかし「ご主人様」と呼びつつも見下したりからかったりするような態度を崩さない景将に、月英は振り回されっぱなしで……。

新作は前作「瑠璃龍守護録」シリーズから20年ほど後を舞台とする中華風ラブコメファンタジー。前作のヒロイン・鈴花に憧れる落ちこぼれ道官・月英と、半妖の青年道士・景将の下剋上すぎる主従関係!?が描かれてゆく。

つまるところ楊真動&夕紅の息子である景将は半妖という自身の性質のせいで蔑まれることも多く、結果として大変ひねくれてしまった青年。一方、舞姫としての資質はあっても道士としては落ちこぼれではあるが、一応名門である楊家の一員である月英は、コンプレックスを抱えつつも明るく素直なお嬢さん。なのでいくら景将が意地悪な発言をしたりひねくれた態度をとったりしたとしても、月英は時には衝突しつつも基本的にはまっすぐ景将へと向かっていく。だからこそ、景将もなんだかんだ言って月英に惹かれてしまったのだろう。半妖としての性質に翻弄されつつも(そしてまんまとそれを景影に見破られつつも・笑)、最後の最後でぐっと押してくる景将にこちらもどきりとさせられたり。

ちなみに前作の主人公夫妻にも黎竣という息子がいるらしいが(終盤でちらっと出てくる)、なかなかこちらもひねくれ気味の青年に育っているらしい。あの鈴花の息子なのになぜ、という気持ちと、あの黎鳴の息子だしな、という納得する気持ちとがただいま綯い交ぜになっているので、続編があれば彼の活躍……というか蒼家の家庭の事情を知りたい。


大学を卒業したもののに就職できず途方に暮れていた夏芽勇作が拾われたのは、呪いを招く特殊な文化財を調査する民間業者「STCセンター」だった。その日、神祇鑑定人だという九鬼隗一郎と共に向かったのは、とあるヤクザの親分・田頭の家。3か月前にある刀を失って以来、田頭は体調を崩し、さらには「喰われる」悪夢に悩まされているのだという。彼が奪われたと語るのは、アイルランドの詩人・イェイツが所有していたとされる日本刀だった。「器に足りない者は喰われる」と言い伝えられるその刀の行方を追うふたりは、有名なオカルティスト・室見千鶴子が田頭と親交があったことを突き止めるが、彼女は半年前に病死しており……。

神祇を鑑定する「ジンカン」の活躍を描くオカルトミステリ。

落ちこぼれを自覚する新人・勇作と、隻眼の壮漢・九鬼という見た目的にもギャップがありすぎるコンビが、呪いをもたらす特殊文化財絡みのトラブルを瞬時に解決!という話かと思ったら思いのほかそうではなかったりする本作。見た目通りにベテランな九鬼はともかくとして、たまたまこういう仕事に就くハメになった素人かと思いきや、実は勇作の方も大きな「問題」を抱えていることがわかる。そしてそれが次第に、ふたりの関係にも大きく影響していくという展開に。

詩人であり魔術結社の一員であったとされるイェイツの「日本刀」、持ち主をことごとく死に至らしめるという「キプロスの女神」、そして秀吉から家康に渡ったとされる「月の小面」という3つの特殊文化財に触れる中で、勇作は自分の抱える問題、そして九鬼との関係を改めて考えることに。トクブンに対して異様なまでの執着を見せる九鬼の、その真意はどこにあるのか。そしてそんな九鬼を「鑑定」すると誓う勇作が、いったいどんな結果を示してくれるのか気になる。加えて取り上げられるトクブンの来歴や蘊蓄がなかなか興味深いので、ぜひ続編希望ということで。

新年が始まったかと思ったら今日はもう13日ということで、いつの間にこんなに日にちが過ぎ去ったのかちょっとよくわからなくて首を傾げてます(笑)。最近職場で使っているシステムが入れ替わったので、通常業務が滞りがちなんですよね、テストとか不具合とかあって。今までも何回か経験してるけどやっぱり慣れないなーと。どうしても使い慣れた前のシステムの方がいいなあ、と恨めし気にサブPCを見つめる日々です。

ところでわたくし、毎日の目覚ましに古いガラケーを使ってたんです。4年ほど前にスマホに変えたんですが、枕元にスマホ置いとくと、寝しなでもつい触ってしまうので仕方なく。しかしこのたび、ついにお亡くなりあそばされました。充電しても画面は真っ暗なままです。電池が終わっちゃったんでしょうねきっと。長年お世話になりました……ということで今はしぶしぶスマホを枕元に置いてるんですが、やっぱりつい触ってしまって夜更かししちゃうのでどうにかしないと……というのが今年の課題ということでひとつ(笑)。


*ここ1週間の購入本*
田村由美「7SEEDS外伝」
田村由美「ミステリと言う勿れ1」(以上、フラワーコミックスα/小学館)
ジョージ朝倉「ダンス・ダンス・ダンスール8」(ビッグコミックススピリッツ/小学館)
スエカネクミコ「ベルサイユオブザデッド2」
西尾雄太「アフターアワーズ3」(以上、ビッグコミックスヒバナ/小学館)
暁月あきら「十二大戦2」(ジャンプコミックスプラス/集英社)
田中相「LIMBO THE KING 3」(KC×ITAN/講談社)
雨隠ギド「甘々と稲妻10」(good!アフタヌーンKC/講談社)
角田光代・河野丈洋「もう一杯だけ飲んで帰ろう。」(新潮社)

破滅の王
上田 早夕里
双葉社
2017-11-21

1936年、上海。宮本は自ら志願し、上海自然科学研究所へと向かうことに。中国人研究者たちと共に専門である細菌研究に勤しんでいた宮本だったが、日中間の関係がますます悪化してゆく中、研究者仲間で親友の六川が行方をくらましてしまう。以前、別の研究員が抗日ゲリラに拉致・殺害される事件があったこともあり、失意に沈む宮本。その矢先、日本総領事代理である菱科、そして日本大使館の武官補佐官である灰塚少佐に呼び寄せられた宮本は、極秘裏にある機密文書を渡され、意見を求められる。それは「R2v(キング)」と仮称される、新種の細菌についての論文だった。「R2v」に対する治療法は今のところ存在しておらず、研究しようにも論文そのものが欠損しているうえ、肝心の「R2v」の菌株すらないという事実に戦慄する宮本。さらにその直後に六川が遺体で発見されるのだが、その死にも「R2v」の存在が関わっているようで……。

2016〜2017年に「小説推理」に連載されていた長編ミステリ。大戦中の上海を舞台に、治療法のない未知の細菌兵器「R2v」を巡る男たちの攻防が描かれていく。

コレラに似た症状を引き起こすが、ペニシリンなどの現存する薬剤に耐性があり、なおかつ人体に入り込めばたちまち増殖し宿主を死に至らしめる突然変異の細菌「R2v」。出自も作成者もわからないことだらけだったこの細菌が、もし兵器として前線にばらまかれてしまったら――そしてそれが風に乗り、あるいは鳥などが媒介して世界中に広まってしまったら――タイトル通り、まさに「破滅の王」としか言えないこの細菌に挑むことになるのは、細菌学を専門としていた研究者・宮本と、特務機関の工作員である灰塚少佐。その立場上、当初は反発し合っていたふたりだったが、次第になくてはならないバディのようになっていく展開がなんとも熱い。

その一方、やはり恐ろしいとしか言えないのが「R2v」の存在、ひいては世界大戦中に各国が研究していた細菌兵器の存在。ことに宮本は、日本軍でも秘密裏に続けられていた細菌兵器の研究と人体実験の存在に身震いする。その研究を全うするためであれば、どのような実験であっても遂行すべきという、倫理観を無視した「研究者」としての想いと、敵味方関係なく、同じ人間を犠牲にするという非人道的なことをしてはならないという「人間」としての想い。宮本はかろうじて踏みとどまることができたが、もし別の研究機関に所属していたら、前者を選ばざるを得なかったかもしれないという恐怖。そしてどちらを選んだとしても、未知の細菌に対する治療法を確立するということは、その細菌の存在そのものを確定かつ完成させてしまうことと同義となる。いくら治療法があったとしても、そんな危険なものを完成させるべきなのかどうか、という取り返しのつかなさに対する恐怖。「R2v」を作り出した研究者は、殺し合いを続ける世界を目の当たりにし、その絶望に塗り潰されながら、その先を世界に委ねた。おそらく彼は「R2v」が完成してもしなくてもいいと思っていたのだろう――破滅するかどうか、それは人類次第。あとは好きにしろ、と。そこまで人を追い詰めていく「戦争」というものがただただ恐ろしい。


千景たち「キューブ」の面々のもとに飛び込んできたのは、鈴蘭学園という美術科で有名な高校で起きたふたつの事件だった。ひとつは山際由美という女生徒が校舎から飛び降りたという自殺未遂事件。そしてもうひとつは、その女生徒が「虹展」という有名な絵画展に出そうとしていた絵が行方不明になったという事件。しかもまだ賞もとっていないその絵を、プラチナ・ミューズ画廊の矢神が買い取ろうとしていたという情報のオマケつきで。その絵に興味を持った面々はさっそく捜索を開始。その一環として、千景が編入生と称して鈴蘭学園に潜入することに。そこで千景はふたつの相反する証言を得るのだった――一方は由美が常にひとりで行動することを好む少女だったという証言。そしてもう一方は、いじめを受けて孤立していたという証言で……。

「図像術」が隠された呪いの絵画を追う美術ミステリシリーズ5巻。今回は千景が女子高生として学校に潜入!?という驚きの展開に。

もともと他人との感性の違いもあって他者と馴染めなかった千景だけに、透磨は千景のJK作戦に否定的。もちろんそれは彼女のことが心配で仕方ないからなのだが、当の本人は思いのほかけろっとしているし、男子生徒に言い寄られて興味半分で放課後デート的なことをするしで、透磨の機嫌は悪くなる一方。当たられる千景としては憤懣やるかたないとは思うが、傍から見ているとなんというか楽しすぎる流れに(笑)。

しかし山際由美の描いた「絵」の正体が明らかになるにつれ緊張が走る。図像術を持つ絵を模写できるものはいない――というのが千景の持論だったが、もしかしたら由美が数少ない「できる」人物だったのかもしれないということ、そして彼女がかつて、欠損があるものの「本物」を見たことがあるという事実が、事態を緊迫させてゆく。そして千景は彼女の存在に自分を重ねずにはいられなくなるのだ。それでも周囲の支えがあって――キューブの面々の存在、そして見ないふり気付かないふりをしているようだが透磨の存在のおかげで、だいぶ立ち直りつつある千景。しかしその一方で、彼女の失われた記憶が少しずつ戻りかけている気配も。これはこれでまたひと波乱ありそうな予感……。


◇前巻→「異人館画廊 当世風婚活のすすめ」


リュカリスとアルトゥールの婚礼式も間近というある日、リュカリスを手伝うという名目で星王国第1王子であるゼノンが先んじてやって来る。筋金入りの帝国嫌いであるゼノンは、リュカリスが星王国人であるがゆえに帝国人の間での評判が悪いという事実を指摘し、4か月の間にこの状況が改善されなければふたりの結婚を白紙に戻すべきと要求。アルトゥールの父親であるヴィッセン国王も面白がってその申し出を承諾するのだった。憤慨するアルトゥールに対し、どこまでも前向きなリュカリスは、まず軍の訓練に参加して情報収集を図ろうとするが……。

人たらしの男装王女の結婚までを描くラブコメファンタジー、完結編となる3巻。今回は「目指せ全国民を総タラシ!?」ということで(笑)。

前巻ラストでその存在が示唆されていた「同担拒否過激派」なリュカリスの兄・ゼノンが登場……なのだが、登場してから常にリュカリスに対して辛辣な言葉しかかけない塩対応っぷりで、「どこが同担(以下略)……?」と思っていたのだが、厳しい発言も態度もすべてリュカリスを溺愛するがあまりの裏返しで、例の手厳しい要求も単純に婚約破棄をさせたいがため(笑)。しかし当のリュカリスはといえば、ゼノンは自分のことを嫌っているが、しかし兄王子の義務として自分の面倒を見てくれているんだ素晴らしい!という謎フィルターをかけたままゼノンを絶賛敬愛中(そこがまたバカわいい・笑)。気が合うんだか合ってないんだかわからない兄妹の関係がなんとも面白い。

とまあここで判明したのがリュカリスの驚くほどの自己評価の低さ。ゼノンの態度が一因なのかもしれないが、アルトゥールが彼女に友人がいるという話を聞いたことがない、と気付くシーンにはこちらも驚くと同時に不憫な気持ちに。だからこそ彼女は全力で相手にぶつかり、そして自分がどう思われていようと相手を愛そうとして、結果としてこんな人たらしオバケみたいな存在になってしまったのだろう。しかしそんな彼女が唯一、誰にも渡したくないし、好きという気持ちを返してほしいと思えた相手がアルトゥール。本人がようやくそのことに気付いた(たぶん)という流れにはほっとひと安心。末永くお幸せに、ということで。


◇前巻→「男装王女の波瀾なる輿入れ」

U
皆川 博子
文藝春秋
2017-11-28


1915年、ドイツ帝国。海軍大臣ティルピッツのもとに届いたのは、イギリスに鹵獲されたUボートを、捕虜となった水兵ハンス・シャイデマンが自沈させるという暗号報告だった。任務遂行したハンスを回収すべく、軍はU19を密かに派遣することを決定。そこでハンスの知人であるという王立図書館の司書ヨハン・フリードホフを、回収時の本人確認のため乗船させることに。偶然にもU19にはハンスの養い子であったミヒャエル・ローエも水兵として乗船。自分がいるにも関わらずヨハンが乗り込むことを疑問に思いつつも、ふたりを乗せたUボートはイギリスへと向かうのだった。一方、1613年、オスマン帝国。3人の少年が強制徴募で親元から離され、奴隷兵としてイェニチェリに入れられることに。商人の息子であったシュテファン・ヘルクと、農民の息子であったミハイ・ローエは兵士候補としての訓練に従事させられるが、貴族の出であったヤーノシュ・ファルカーシュはその容姿を買われ、ふたりとは引き離され内廷入りすることになり……。

「オール読物」にて2016〜2017年にかけて連載されていた歴史長編。1600年代のオスマン帝国と、1900年代のドイツ帝国を往還しつつ、シュテファンとヤーノシュというふたりの男の数奇な人生を描いていく。

物語としての「現在」は、《U-Boot》と題されたミヒャエル視点でのドイツ帝国パート。その合間に《Untergrund》と題された、シュテファンとヤーノシュそれぞれによる手記形式でのオスマン帝国パートが綴られていく。まったく関係ないように見えるこのふたつのエピソードだが、実はシュテファンはハンス、ヤーノシュはヨハンであり、300年の時を経てなお生き続けているということがわかってくる。しかし、なぜそんなことが可能なのか。それはのちにふたりが書き残した手記である《Untergrund》パートで明らかになってゆく。

強制徴募によって少年奴隷となったことで出会ったシュテファンとヤーノシュ。短い行程の中で仲良くなったふたりだが、ふたりの配属先が異なったところから、ふたりの運命はまったく違うものになっていく。シュテファンは城の外で、ヤーノシュは中で、オスマン帝国の斜陽を目の当たりにしてゆく。そして同時に、癒えることのない傷を心身に負ってゆくこととなる。信仰を、言語を、名前を、その他多くのものを剥ぎ取られ奪い去られ、空っぽになってしまったふたりが、その身の裡に代わりに詰めたものは一体何だったのか――あるいは詰め込めなかったその理由は。

そうして違う道を歩んでいたはずのふたりだったが、思わぬところで道は再びひとつとなり、時を超えてゆく。亡きミハイのために外を歩き続けるシュテファンと、傍観者としての立場を選び内にこもったヤーノシュの、どちらが正常か、あるいは正気かなどと問うことはできない。擦り減った精神を抱えて生きていくには、それぞれ縋るものが違ったという、それだけのことだったのだろう。沈みゆくUボートの中でふたりが選んだ道は、果たして本当に「最後」となりえたのか。それは誰にもわからないけれど、「最後」であればいいと思う。

2017年が終了しました……ということで、恒例のまとめです。7〜12月に読んだ本の中で、特によかった12作品&ひとことです。なお上半期のまとめはこちらで。

天盆 (中公文庫)
◇王城夕紀「天盆」(中公文庫/中央公論新社)
架空の盤上ゲーム「天盆」にすべてを懸けた少年の物語。その一途さに引き込まれます。

永劫回帰ステルス 九十九号室にワトスンはいるのか? (講談社タイガ)
◇若木未生「永劫回帰ステルス 九十九号室にワトスンはいるのか?」(講談社タイガ/講談社)
人嫌いの偏屈青年&哲学青年が繰り広げる超常現象ミステリ。それぞれが抱える問題のせいで、どこか危ういバランスを保つふたりの関係が気になります。

怪物 (集英社文庫)
◇福田和代「怪物」(集英社文庫/集英社)
定年間近の老刑事が出会った青年研究者は何者なのか……というサイコパスミステリ。最後まで読むと、タイトルの「怪物」とはいったい誰のことだったのか、いろいろ考えさせられます。

機龍警察〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)
◇月村了衛「機龍警察」シリーズ(早川書房)
(感想:1巻/2巻/3巻/4巻/5巻/6巻
近未来ならぬ「至近未来」の日本を舞台にしたハイブリッド警察小説シリーズ。犯罪者との攻防、警察内部での権力闘争、そして近寄りつつある破滅の足音……ハードボイルドな展開と息つく暇もない密度の物語がたまりません。

ひみつの小説家の偽装結婚 恋の始まりは遺言状!? (集英社コバルト文庫)
◇仲村つばき「ひみつの小説家の偽装結婚 恋の始まりは遺言状!?」(コバルト文庫/集英社)
偽名で作家活動をしているヒロインと、その作家の大ファンである青年騎士とがまさかの偽装結婚!?という恋愛ファンタジー。ふたりのその後もぜひ読んでみたいのですが……。

金木犀と彼女の時間 (ミステリ・フロンティア)
◇彩坂美月「金木犀と彼女の時間」(東京創元社)
文化祭中のある時間帯を繰り返してしまうタイムリープ現象に巻き込まれた主人公が、1周目で自分に告白してくれたのに、2周目以降で死んでしまうクラスメイトを救おうとする青春ミステリ。同じ時間を繰り返す中で成長していく主人公がいい。

錬金術師と異端審問官はあいいれない (集英社コバルト文庫)
◇藍川竜樹「錬金術師と異端審問官はあいいれない」(コバルト文庫/集英社)
平民出身の異端審問官の青年と、貴族令嬢である錬金術師というでこぼこコンビが、とある貴族の罪を暴こうと奮闘するファンタジー。衝突を繰り返しながらも歩み寄ってゆくふたりの関係が好きです。

カラヴィンカ (角川文庫)
◇遠田潤子「カラヴィンカ」(角川文庫/KADOKAWA)
小さな村を支配し反目しあうふたつの家と、その「家」そのものに人生を狂わされてゆく男女を描くミステリ長編(「鳴いて血を吐く」改題)。魔性の女として忌避されていたヒロイン・実菓子が隠し続けた本当の想いには思わず涙が。

応えろ生きてる星 (文春文庫)
◇竹宮ゆゆこ「応えろ生きてる星」(文春文庫/文藝春秋)
結婚直前に婚約者に逃げられた男と、そんな男に復讐を持ち掛ける謎の女との1週間。ノンストップかつハイスピードで駆け抜けていく、それはきっと恋なのだろう。

心中探偵 蜜約または闇夜の解釈 (幻冬舎文庫)
◇森晶麿「心中探偵 蜜約あるいは闇夜の解釈」(幻冬舎文庫/幻冬舎)
運命の女と共に死ぬことを夢見る作家・華影忍が巻き込まれた殺人事件の真相とは。女というものは、いつだって謎に満ちた存在なのかもしれない。

バビロン 3 ―終― (講談社タイガ)
◇野崎まど「バビロン3−終−」(講談社タイガ/講談社)
舞台をアメリカに移した3巻では、「自殺法」が世界を変えてゆく様が描かれます。ひたすらに絶望を撒き散らす曲世愛の目的はいったいどこにあるのでしょうか。

レアリアIII(前篇): 運命の石 (新潮文庫nex) レアリアIII(後篇): 運命の石 (新潮文庫nex)
◇雪乃紗衣「レアリア3 運命の石 前後篇」(新潮文庫nex/新潮社)
絶望へ向かって加速してゆく大河ファンタジー3巻。小さな希望の灯さえも取り上げられそうな展開にはひたすら胸が痛くなります。ちなみに約2年半ぶりの新刊だったので、次はもう少し早めに読みたいですねーと……。




皇帝選のお披露目を目前に控える中、アリルらしき少年が遺体となって発見された。戸惑いながらもミレディアはアリルの生存を信じ、残された仮面を手に帝都をさまよい続ける。一方、白の妃ネネの罠からからくも逃げ切っていたアリルは、身体から精神を切り離した状態で過去を渡り歩いていた。そんな中、ラムザは皇帝になるという決意を改めて固め、ミレディアを白妃宮へと呼び寄せ、以前のように王朝語の講義をさせた後、アリルの居場所だという紙片を渡す。そしてミレディアの退室後、現れたロジェを――「法皇の代理人」たる枢機卿を自身の後見人とするのだった……。

様々な思惑が交錯する大河ファンタジー、約2年半ぶりとなるシリーズ3巻は前後編。本編に加え、4年前のグランゼリア城包囲戦を描く中編「碧落」を収録。

前篇では行方不明になったアリルを、ミレディアがその命を賭して追う姿が、そして後篇では12月の冬至の日、皇帝選に先駆けた候補者――ラムザとアリル――のお披露目の顛末が描かれる。特に前者では時間軸が現在と過去入り乱れ、アリルがかつての恐怖帝と遭遇したり、ミレディアの過去を垣間見たり、そのさなかで以降の展開に関わってくる小ネタが混じっていたりと、なかなか息つく暇もない描写が続く。そしてその合間で語られるのは、ふたりの周囲の人々の思惑やその過去。白の妃ネネとアキの関係、ラムザの決意とその正体、王弟カイの忠誠心……それらはミレディアとアリルにとって時に助けとなり、時に障害となる。彼らの想いはどこまでも真摯で、私欲すらはらむ余地はない。それは自身の信じるものの、あるいは誰かのための行為であり、そのためだったら狂っても構わないとすら考える、どこまでもひたすらに純粋な願いであり目的である。その中をミレディアとアリルは繋いだ互いの手だけを頼りに駆け抜けようとする。その先にあるのは絶望と破滅、あるいは別離だけだとしても。

「碧落」で描かれた4年前のグランゼリア城包囲戦の凄惨な顛末は、これからミレディアに訪れるであろう未来の写し絵なのかもしれない。エセルバートの願いを叶えるため――ただそれだけのために、アキはこの惨状を招いた。夥しい死の中でたくさんの仲間を、そして友人となれるはずだった少年を失い、さらにはアキの裏切りを知ったミレディアの中はもうからっぽ。あの時も、そして今でもなおアキは微笑みを浮かべ、自身の「願い」のために奈落の底を歩き続け、ミレディアもいずれはそこに向かうしかなくなっている。アキは「今」のミレディアがアリルのために存在していることを知ってもなお、最後は自分のもとに来ると信じて疑わない。そしてミレディアもそうなるだろうと考えているようだが、その一方でお披露目の夜のアキとの対峙の様子を見ていると、以前とはわずかであるがアキへの接し方が変わっているような気がしなくもない。アリルの手はそんな彼女を引き留めるよすがとなれるのか。そして「運命の石」が鳴らした音は最後の希望か、あるいは単なる絶望を上乗せするだけとなってしまうのか。ネネが好んで歌い、あるいは「碧落」の中で語られる「太陽王」と「月の妃」の物語はいったい誰のことを暗示しているのだろうか。かつての鳥かご、あるいはこの神話になぞらえられ、絡めとられてしまうのは一体。


◇前巻→「レアリア2 仮面の王子」


祖母が残した蔵の着物も残り1枚となっていた。「桜の園」と名付けられていたその着物の持ち主「野々宮英子」は、書置きを残して失踪した野々宮家の女性――鹿乃たちの曽祖父の妹。祖母・芙二子が生まれる前に英子は失踪していたはずだが、なぜか芙二子は彼女と会ったことがあるような口ぶりで、「山で神隠しに遭った」と知人に話したことがあったという。英子が残したとされる和歌の書付――吉野山の桜が題材のものばかり――、そして野々宮家が吉野の山に土地を持っていることを知った鹿乃は、管理人のもとへ話を聞きに行くが……。(「散りて咲くもの」)

人の縁を繋ぐアンティークミステリ連作、シリーズ7巻にして完結編。

蔵に残っていた最後の2点――祖母の友人から預かった帯、そして失踪したという野々宮家の女性の着物の謎を解いた鹿乃。特に後者については、なぜ鹿乃や祖母が不思議な着物の謎を解くことができたのかというシリーズ最大の核心へと迫ってゆく。そしてラストエピソードとなる表題作「白鳥と紫式部」には、蔵のものではない、新たな「不思議な着物」が登場することで、本編と、鹿乃の兄・良鷹がメインの短編群を繋ぎ、未来へと向かう鹿乃たちの姿が描かれていく。

前巻で鹿乃と慧は想いを通じ合わせ、晴れて恋人同士に。しかしその一方で、なにやらモヤモヤしているのが鹿乃の兄にして慧の友人である良鷹。なまけ癖はあるものの、基本しっかり者の兄というスタンスだった良鷹が密かに抱えていた屈託をも、やさしくほどいてゆく結末がとても印象的だった。そして着物を未来へと受け継ぎ、守っていこうとする鹿乃の決意もまた。


◇前巻→「下鴨アンティーク 暁の恋」

さあ、2018年がやってきてしまいました……!
今年もよろしくお願いいたします。

というわけで今年も毎年恒例、初詣&初買い物に行ってきました。
我が家はここ数年、午前中のうちに最上稲荷に出掛けるのですが、今年は例年よりちょっと早めに出たにも関わらず、30分ほど渋滞に巻き込まれてしまいました。例年だとほとんど待つことなく駐車場に入れる時間帯だったはずなんだけど……みなさん、今年は朝早いのね……?

今年の無病息災その他もろもろをお願いし、お守りを買い、参道の露店をひやかしてたい焼き(カスタード味)を食べつつ、お次は某ショッピングモールへ。したらばすごい人。毎年のことではありますが、駐車場は臨時の奥深くまで満車だし、店内は人が多すぎてなかなか前に進めないし。しかも今日はわりと暖かかったせいか、あるいは寝不足のせいか(昨夜は寝るのが遅い&何回か目が覚めた&朝も無駄に早く目が覚めた……のトリプルパンチ)、頭痛でふらふらしてしまいましたがとりあえず初買い物してきました。バーゲン品のニット1枚と、ちょっと気になってた単行本1冊。

そして毎年恒例、今年の読書初めですが、今回はweb小説です。小説投稿サイト「カクヨム」に掲載されている秋永真琴の短編「森島章子は人を撮らない」

概要として「才能という視えないしさわれないものについて」とある通り、「才能」をめぐる物語です。小説家を志望しつつも日々の忙しさに流されて何も書けない女性・新井が出会ったのは、ひとを被写体としないアマチュア写真家の大学生・森島。彼女との出会いが新井にもたらしたものは……という展開なのですが、読み終わった瞬間に感じたのは「こわい」というただひとつの感情でした。言い訳だらけのなまぬるい日々の中に、不意に投げ込まれ突き付けられる、純然たる「現実」。けれど新井がなんとかそれを受けとめ、選んでいく姿がとてもよかったです。わたしもできればそうありたいものです。難しいことではあるだろうけど。


*2018年最初の購入本*
上田早夕里「破滅の王」(双葉社)


小国ディメに生まれた第6王子のアリスマは枯れ枝のような体つきに醜悪な容貌の少年だったが、数字に対する興味には並々ならぬものがあり、その数学的才能を幼い頃から開花させてゆくも、ディメでは数学はおろか数を数えることすら重要視していなかったのだった。国政に関わることもできず、大国フィラスの姫君との縁談もその容貌のため破談となったアリスマ王子だったが、南のエンギル王国が攻め入り、兄王子たちが戦死していく中で、指揮権を得てから40日後にエンギルを撃退。これを可能にしたのが、アリスマ王子が考案した「算廠」と呼ばれる巨大計算機関だった。ディメの国王となったアリスマは算廠を用いて国をどんどん拡大してゆく。その傍らに常に侍っていたのは、星の光が凝ってできた美しい従者だった……。(「アリスマ王の愛した魔物」)

ハヤカワでの久々の短編集は、2010〜2012年に発表された4本に、書き下ろし1本を収録。

一番好みだったのは、数学的おとぎ話といった趣の表題作。性別どころか出自すら不詳の美しき従者と、その容貌あるいは立場ゆえに孤独をかこつアリスマとの間にあったものは一体何だったのか――ひとつ言えることは、従者は間違いなくアリスマにとって唯一無二にして最高の理解者であり、従者がいたからこそアリスマは生きていけたのだろうけど、それではこの「従者」とは?というオチがいい。利用していたのは、あるいはされていたのは、一体どちらだったのだろうか――答えはきっと「お互い様」なんだろうな、と。

もうひとつ、いいなと思ったのは「星のみなとのオペレーター」。大嶋啓之という作曲家とのコラボレーションCD「星海のアーキペラゴ」に収録されたという、なかなか変わった経緯で発表された作品。小惑星イダの宇宙港でオペレーターとなった筒見すみれが、ひょんなことから異星人とのファースト・コンタクトを果たすという展開なのだが、SF要素たっぷりなのに雰囲気はお仕事もの、という作者お得意の作風がぴったりとハマっていて楽しい。コンちゃんがかわいいし、その正体にはびっくり。

ついに2017年が終わろうとしていますね……!?

いやまあ「?」付けようと付けまいと終わるんですけどね。
とりあえずこの年末年始、わたくしは6連休とあいなりました。シフト上土日は休み+会社の規定で公休3日追加+1日有休で、昨日から1/3まで。とはいえ大掃除したり墓掃除にかり出されたりと、この2日は働きづめでした……明日も別の墓参りがあったりするしね……。

でまあそんな合間を縫って、今年最後(たぶん)のガチャガチャをしてきました。とはいえやったのは2種類のみ。一方は某アイドルもののラバストで、6種類中に推しがふたりいたんで、どちらかだけでいいから……と思って4回やったらその推し以外の4種類がそろったんですよ。なんだこれ夢かな。ますます私の「ガチャガチャ向いてない説」が強化されたような気がします……。

で、もう一方は「カプキャラ リラックマ」。カプセルそのものも本体のパーツになるという便利なアレです。私が引き当てたのはコリラックマだったんですが、出てきた姿は「耳のないコリラックマの生首」でした。ちょっとシュールです。

これを、
20171230コリラックマ1

こうして、
20171230コリラックマ2

こうじゃ。
20171230コリラックマ3

まあカワイイ。そろえたいなーとは思いますが、全4種類しかないので早々にダブる予感がしますね……やめとこう。

ということで本年の雑記はこれにて終了かと。
今年もいろいろお世話になりました。ここにお立ち寄りくださったみなさまへ感謝の気持ちを。そして来年も縁があればまたお会いしましょう。よいお年を。


*ここ1週間の購入本*
hagi「春告と雪息子1」(MFコミックス・ジーンシリーズ/KADOKAWA)
殿ヶ谷美由記「だんだらごはん1〜2」(KC×ARIA/講談社)
よしむらかな「ムルシエラゴ11」(ヤングガンガンコミックス/スクウェア・エニックス)
よしながふみ「大奥15」(ヤングアニマルコミックス/白泉社)
雪乃紗衣「レアリア3 運命の石(前)(後)」(新潮文庫nex/新潮社)


以前感想を書いたことのあるドラマCD「春告と雪息子」がコミカライズされ、その1巻が出たので大喜びでゲットしてきました。作画は原作と同じhagiさん。今のところCD1巻のセイジ編が終わったところまでですが、CDには出てこなかったキャラやエピソードが追加されているので、これがどう物語に影響してくるか楽しみです。

改めて紹介しますと……
雪によって外界から隔絶されている小さな山村「不二之村」で信仰されているのは「雪女伝説」。村人たちは雪女の末裔であり、何年かに一度、村からは「春告」と呼ばれる生贄を雪女に捧げることになっています。物語は当代の「春告」となった主人公(個人としての名前はなく、生まれながらにして「春告様」と呼ばれている)が元旦から始まる儀式に向かうというストーリー。

主人公の幼馴染である青年・セイジが世話役として彼女を手助けするのですが、次第に彼女が生贄になるという事実を受け入れられなくなり、今巻では儀式を失敗させようと目論むという展開に。その一方で、なぜか主人公の周辺で起きる連続殺人、記憶喪失と言いつつも村の儀式について何か知っているらしい商人、そして彼女に襲い掛かる謎の人物……といろいろ謎要素も満載。今回のコミカライズの内容を改めてドラマCDにするそうなので、そちらも楽しみです。

春告と雪息子 第一章・上巻
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エグジットチューンズ
2018-01-17


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