phantasmagoria

読んだ本のこと、それ以上に買った本のこと、ときどきライブのことを書き散らかしてみたりする。 (当ブログは全文無断転載禁止です)

今日は海の日ですがもちろん仕事でした。心なしか出勤してる人が少ないような。

通勤中に、外で冷蔵庫を洗う兄弟を見ました。

……あれ……?

いやあ、夏だなあ!


*購入本*
小牧桃子「ハートの国のアリス〜時計仕掛けの騎士〜」(一迅社文庫アイリス/一迅社)
倉橋由美子「酔郷譚」(河出書房新社)

一迅社文庫の少女向けレーベルが今月創刊。てなわけでまたしてもアリス(笑)。
折り込みチラシや公式サイトには、わざわざ各作品のジャンルが明記してあるのですが、「百合」って……さすが一迅社。
そういや、創刊ラインナップになぜか富士ミスの作品だったルクレリが入ってます。あれって少女向けなのかなあ。そういえば葉山透はビーズログ文庫でも少女小説を書いてたはず。「9S」はSF的要素が高いのでさほどではないけど、意外と少女小説に親和性の高い作風かのかも。

長い終わりが始まる長い終わりが始まる
山崎 ナオコーラ

講談社 2008-06-26
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小笠原は大学4年生。マンドリンサークルの一員として練習に励む日々。音楽が好きだからマンドリンを弾く。サークルには思い出作りや仲間作りではなく、あくまでも音楽をやるために来ているのだ。協調性がなく独善的なその性格から、時には周囲と衝突することもある。けれどマンドリンのために、音楽のために、小笠原はサークルを辞めない。それに、サークル内に好きな人もいる……。

山崎ナオコーラの新作は、終わらない大学生活を描く青春小説。

自分の思いに正直な小笠原。正直すぎて、他人の心情を想うという視点にやや欠けている彼女の行動に、私としてはなかなかなじめなかった。それでも音楽にかける想いは真摯で、そういう時は良き先輩・良き指導者であるし、良き演奏家でもある。それゆえの行動、それゆえの発言と思えばなんとか受容できた。

大学4年生といえば、当然学生としては最後の年。普通なら就職活動をして、卒論を書いて、1年間をかけて来るべき学生時代の「終わり」に備える。4年生になった時点で、タイトルのように「長い終わりが始ま」っているのだ。けれど小笠原には「終わり」がない。見えないというか自覚できないというか。終わりたくないから断ち切りたいとすら思う小笠原は、成長できていないのか、はみ出し者の苦悩か、それとも≪天才≫ゆえの純粋さか。終わらない、というよりむしろ終われない、そんな日々。青春小説というよりはむしろ、モラトリアム小説(というジャンルは存在するのか?)と言いたい。このあたりの感覚は、先に読んだ「グ、ア、ム」の長女が持つ焦燥感にも似ているような気がした。

グ、ア、ムグ、ア、ム
本谷 有希子

新潮社 2008-06
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勘の鈍い母、わがままな長女、姉とは正反対の堅実な次女。そんな3人がなぜかグアム旅行に行くことになった。しかしたどり着いたグアムは大雨。それぞれの性格と行動をめぐって、次第に険悪な雰囲気が漂ってきて……。

本谷有希子の新作は奇妙な家族小説と言うべきか。
一家の今までの生活ぶりと、グアムに行ってからの出来事が、母、長女、次女の視点を交差させながら綴られる。
表面上はそれほど仲悪そうに見えない姉妹だが、それもすべて互いの(とはいえ、どちらかと言えば主に妹の)努力によるもの。けれど妹は体調が思わしくなく、また久々の再会ということもあり、姉に対する苛立ちが抑えられなくなっていく。
姉自身、いつまでもフリーター的な暮らししかできず将来に不安を感じたりもしているが、それもすべて社会のせい、自分は不景気な時代に社会の犠牲となった世代に入ってしまっているのだから、と無理やり自分を納得させている様子。

姉妹の年の差は4年。妹は「たった4年」としか思っていないのかもしれないが、姉の方は「されど4年」と思っている。それは「ワーキングプア」の話題の時にも如実に表れている。同じ環境で育ってきた姉妹なのに、できてしまったこの差は何によるものか――その「差」を敏感に感じ取っているのはどちらも同じこと。そしてそれを感じ取れない母は、姉妹の間でおろおろするばかり。

それでも最後に見えた光の中で、姉がとった行動はなんとも面白い。開き直りともとれるその行為が、この作品を単なる重苦しい家族小説とは読ませないようにしてくれる。

ラブコメ今昔ラブコメ今昔
有川 浩

角川グループパブリッシング 2008-07-01
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第2弾となる「制服ラブコメ」短編集。「野生時代」に掲載された短編5本に書き下ろし1本を収録。

奥さまとのなれそめ話をめぐる、二等陸佐・今村と隊内誌記者・千尋ちゃんの攻防を描く「ラブコメ今昔」。
大阪のOL・歌穂の彼は年下で笑顔が可愛くて、自衛官で、しかも……な「軍事とオタクと彼」。
女たらしという不本意極まりないあだ名をつけられた広報官・政屋が恋に落ちる「広報官、走る!」。
空自の花形パイロットの妻の悩みを描く「青い衝撃」。
付き合い始めた彼女は上官の娘、しかもまだ上官には秘密で……の「秘め事」。
そして書き下ろしは「ラブコメ今昔」の千尋ちゃんの、彼とのなれそめ話「ダンディ・ライオン〜またはラブコメ今昔イマドキ編〜」。

とにかくラブ!そしてコメディ!
笑えて泣けて、不意に胸を突かれる、甘いだけじゃない恋愛短編集。
自衛隊という特殊な職業ならではの制約、シチュエーション。そしていつか命を落とす日が来るかも知れない、という現実。これらがきっちり書かれていて、短いながらもこれらの物語をより深くしてくれている。

20日です。イオンお客様感謝デーのCMを見たので、感謝されに行ってきました(笑)。
開店と同時に行ったのですが、併設の映画館がものすごい人。朝10時の時点で、ポケモンは14時、ポニョは15時の回まで満席だったようです。
……そうか、世間はすでに夏休みなのだな……。

私はジブリ映画にまったく興味のない人種なのですが、「崖の上のポニョ」のCMには参りました。サブリミナル効果の如く、気がつくと「さかなのこ〜」と口ずさんでしまいます。職場の休憩室にに置かれていた雑誌であらすじを読んだのですが、ポニョの両親が気になって仕方ありません。特に父。「人間辞めた」ってどういうこと?というか、人間って「辞める」モノなんですね。「止める」んじゃないんですね。なるほど?

ちなみに、昨夜「時をかける少女」を観ました。すごく良かったです。ラストが特にいい。
結構前にもテレビでやってたのに、その時録画したものをずっと観ていなかったのです。アホだなあ自分。なんでもっと早く観とかなかったのかね。


*購入本*
虚淵玄「ブラック・ラグーン シェイターネ・バーディ」(ガガガ文庫/小学館)
有川浩「クジラの彼」(角川書店)

予告通り買ってきました(笑)。

中国地方も梅雨明けし、夏が来た感がすごい今日この頃。
一方わたくし、あれからもう1週間たつというのに、いまだに頭の中がふわふわしています。恐るべしゴーイング。

それにしても朝から暑い。機動力が落ちっぱなしです。こんなんで来週のセットストックは乗り切れるのか。たぶん無理だ。セットストックは乗り切れても、翌日仕事に出られるのか。もうダメだ。

とりあえずがんばろう、ということで(?)TSUTAYAに行ってきました。Perfume、UVERworld、DOPING PANDA、ポルノグラフィティ、あとマイラバ。久々にCD借りてきました。ドーパンの新曲(出たのは結構前ですが……)は、アネッサのCM曲なだけあって、聴いてると「夏だね!」という気持ちがわいてきます。

そうそう。これも。



シュノーケルの新曲「ナツカゼ」です。
先週、東京から帰ってきたら、机の上にありました。母上が回収してくれたようです。
夏らしい、さわやかにはじけるラブソング。西村くんの声がやっぱりいい。またライブ行きたいな……。
8月には新曲「ラプソディ」を収録したスプリットCDが出るということなので、そちらももちろん買おうかと。EQツアーで、会場によっては「ラプソディ」が披露されていたようなのですが、私が行った岡山ライブではやってなかったんだよな。どんな曲なんでしょうか。


*購入本*
広江礼威「ブラック・ラグーン8」(サンデーGXコミックス/小学館)
機本伸司「僕たちの終末」(ハルキ文庫/角川春樹事務所)

アニメ第3期の制作も決定した「ブラック・ラグーン」最新刊。またオビに「必殺メイド」の文字が……なんかこう、違うモノを想像してしまいます。
けっこう雑誌で読んでるのでアウトラインは分かってましたが、通して読んでみると、多くの組織の思惑が絡み合って、だれが何をしようとしているのかがごっちゃになってきます(汗)。とりあえずシェンホアがまた出てきてくれてうれしい限り。どうやら私は、ちょっとトウのたった(失礼)美女が好みなようです。姐さんというか(笑)。バラライカとかシェンホアとか、あと「DOGS」のフリューリングとか、「Landreaall」の五十四さんとか。ああ、あと「荒川」の島崎とか(笑)。

さておき、ガガガ文庫で本作のノベライズが出てました。どうやらオリジナルストーリーのようです。
今日の所はスルーしましたが、8巻を読んでがぜん燃えたぎってきましたので、明日買いに行ってきます(笑)。

アトス、しずかな旅人アトス、しずかな旅人
山崎 佳代子

書肆山田 2008-04
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セルビア在住の詩人の最新詩集。

世界はひかりで満ちている――そんな印象を抱く。

まず目を引いたのは、夏の朝の涼しさを≪夏なのに光がさむい≫と表わした1節。わかってしまえば何気ない言葉だが、想像力のかきたてられる表現。

そして「ひかりのきしべ」――2007年に亡くなったセルビアの詩人に捧げられた連作。ここでは、彼岸と此岸の挟間を、文字通り「岸辺」ととらえている。ふたつの岸辺は、しずかな、光る水に隔てられている。ふたりを隔てる、つめたくもあたたかな光に満ちた場所。かなしくも穏やかな情景。自転車に乗って去っていった魂は蛍となって飛んでゆく。そのひかりを、言葉で、見送る。

連作「もはや母の言葉でなく」も良い。「きみがどこへいこうと」の一部。

 きみの声の繋がり
 それが僕だ

 (光る水に浮橋があらわれ)

 すべては夢に
 かえって
 いく


「きみ」を包むように存在する「僕」。どこにもいなくて、けれどここにいる存在。

どの作品にも、やわらかい光のような視線がある。シンプルでうつくしい詩集。

ターミナル―詩集ターミナル―詩集
平田 俊子

思潮社 1997-12
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97年発行の第5詩集。

今の季節にも合う(?)、本詩集の中で一番好きな詩が「青い傘、ジル」。

 一本の青い傘と棲んでいた、
 傘の名はジル、
 ジルは散歩が好きだった、


……と始まる1篇。でも連れて出ればずっと引きずって歩かねばならないから、とジルを疎んじる「わたし」。雨が降り出すとはしゃぎ出すジルを家に閉じ込めて「わたし」は外出する。ドアの向こうでジルはドアに体当たりして泣く。≪ジルばかなジル≫と、「わたし」はジルの死を予感する。ジルは傘のことなのか、それとも誰かのことなのか――ひっそりとしみのように広がる闇。

ターミナル――それは発着点。現実から連れてこられたわたしは、ここから、どこでもないどこかの世界に連れて行かれる。薄暗く、仄明るい、透明な世界。それが見たくて、わたしは平田俊子の詩を読む。

 あなたの声を聞かせてください
 わたしの声を聞いてください
                ――「ひ・と・び・と」

神様のパズル (ハルキ文庫)神様のパズル (ハルキ文庫)
機本 伸司

角川春樹事務所 2006-05
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落ちこぼれ大学生の綿貫は、憧れの保積さんを追いかけて「素粒子物理研究室」に入る。その担当教授に、不登校の女子学生をオリエンテーションに連れてくるよう頼まれた綿貫は、ポイント稼ぎとばかりにその学生の家を訪ねることに。しかしその相手、穂瑞沙羅華はなんと飛び級の天才美少女。尊大な彼女の物言いにカチンときた綿貫は、大学で知り合った聴講生の老人・橋詰を引き会わせ、彼の疑問をぶつける――いわく「宇宙が無からできたのであれば、そのあたりにある無から宇宙を創り出すことはできるのか」と。数日後、突然研究室に現れた沙羅華は、ゼミのディベートのテーマとして「宇宙を作ることはできるかどうか」を提案。かくして沙羅華と綿貫は可能派、残りの4人が不可能派としてディベートをすることに……。

第3回小松左京賞受賞作にして映画化もされた、作者のデビュー作。
宇宙の起源を考えるということは、宇宙の一要素である「自分」の起源を考えることにもつながる。この問いは、人工授精で生まれ、天才少女として期待され続けた沙羅華を想像以上に追い詰めていく。シミュレーションの中で神の視点を得てもなおさらわからないこと。絶望の向こう側で彼女は希望を見出せるかどうか――そして綿貫ができることは。

結末の書かれ方がやや甘い気もするが、十二分に面白い。
……これ、よく映画にできたな……。


神様のパラドックス神様のパラドックス
機本 伸司

角川春樹事務所 2008-07
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平凡な女子大生・直美は、学祭で知り合った大学OBの男・小佐薙に誘われ、アプラDTという会社でバイトをすることに。量子コンピューターの研究者である小佐薙は、ふたりの同僚と共に、会社も持て余したその巨大コンピューターを使って占い事業を始めようとしていた。そこで彼らは≪神≫を創ろうと考えて……。

新作は「神様のパズル」の番外編的長編。

バイトにあまり乗り気でなかった直美だが、例のコンピューターが搭載された航空機のパイロットに一目惚れし、積極的に≪神≫創りに参加することに。けれど予想以上の困難が彼女たちを待ち受ける。人間が≪神≫というシステムを作ることで生じるパラドックス。神が神を創るということ――原理が全く分かっていないことをあえてやろうという姿勢は、「〜パズル」における物理学の解釈とよく似ている。分からないモノをどれだけ使いこなすことができるか。

≪神≫創りの過程、そして胸のすくような結末に、「〜パズル」以上のすっきりさが得られる。あわせておすすめ。

幾度目かの最期―久坂葉子作品集 (講談社文芸文庫)幾度目かの最期―久坂葉子作品集 (講談社文芸文庫)
久坂 葉子

講談社 2005-12
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良家の子女として生まれ、家庭や戦争、周囲の状況に翻弄され鬱屈した日々を過ごしつつ小説を書き始め、1度は芥川賞候補になりながらも、21歳の若さで自殺した作家の作品集。

近所に住む年上の医師を一途に思い続けた少女の行く末を描く「四年のあいだのこと」。
病気の兄と父を抱え、無軌道な暮らしを好む弟を支えにしつつ、どこか享楽的な生活を営む娘が主人公の芥川賞候補作「落ちてゆく世界」(のちに「ドミノのお告げ」と改題)。
澄子(=久坂葉子の本名と同じ)という良家の娘を主人公に据えた自伝的小説「灰色の記憶」。
3人の男に惹かれ、翻弄されつつ、最後に死を選ぶしかなかった作者の遺言状「幾度目かの最期」。
≪死≫という名の悪魔に魅入られた女を描く小品「女」。
マネキンが人間を憐れむ戯曲「鋏と布と型」。
合わせて「南窗記」のエッセイ数編を収録。

とりわけ「灰色の記憶」から「幾度目かの最期」の流れは、家族、男、同業者といった周囲の人々に翻弄され続ける女の姿が克明に描かれている。抗って、抗ってもなお流れに逆らい切れなかった女は、死を選ぶしかなかったのか。この2作の後に「女」を読むと、なおさらその思いは強くなる。

のみこまれる。久坂葉子の心の動きに。

幼いころから死への願望が強かったのか、あるいは生への執着が薄かったのか。
それまでの自殺未遂は、確かに決定打に欠けていた。理由も後付けのような、衝動的なものばかりだったように思える。けれど最期だけは違った――3人の男の間をさまよい、活路を見出そうとした矢先に落とされた絶望。閉塞感。どうしようもなさ。

自身の才能について自虐的な言葉を吐くことの多かった作者だが、負の心情を書くことでここまで人を惹きつけることはなかなか難しいだろう。

グランドマスター!のこされた神の郷 (コバルト文庫 き 5-37)グランドマスター!のこされた神の郷 (コバルト文庫 き 5-37)
樹川 さとみ

集英社 2008-07-01
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シンドー書記の腰痛の療養も兼ねて温泉に向かうシーカたちご一行。しかし先行していたシーカとハルたち数名は、いつの間にか森の奥の隠れ里に迷い込んでしまう。おりしもその頃、その村では異教の神の祭が開かれようとしており、シーカたちは余所者として捕まってしまう。囚われながらもシーカは、この土地の神の異変に気付き、里長の姉である巫女に会おうと試みるが……。

シリーズ4巻は、ぶらり旅にはつきものの温泉旅行編。
団員たちがなんとなくシーカとハルの関係について邪推したりもしているが、なかなかどうしてこのふたりは……(笑)。奇妙な関係も少し前進したような、そうでもないような。

教団からの追手も登場し、いろいろ雲行きの怪しい展開になりつつある今巻。異教の巫女が視たシーカの「未来」とは? そしてシーカ本人の真意は?

楽しかった&慌ただしかった2週連続東京ぶらり旅も終わりです。
もっとあちこち行って見たかったですが……やっぱり慣れない土地なので移動に手間取って、いらぬタイムロスが多かったのは残念。

……まあいい、いいんです。いま大変しあわせなので。
明日からまた頑張ろう。うん。


*購入本*
機本伸司「神様のパラドックス」(角川春樹事務所)
平田俊子「ターミナル」(思潮社)
山崎佳代子「アトス、しずかな旅人」(書肆山田)

GOING UNDER GROUNDのFCイベント「TAMARIBA vol.4」から戻りました!
興奮のあまり、出先から書いております。

まだ明日とか大阪とかあるので詳細は省きますが、内容は告知のとおり、初めてのワンマンの復刻ライブでした。MCの配置も当時のままだったそうです。

CLUB251は地下の小さいライブハウスなのでステージが低く、私のいた5列目から、立っているメンバー4人はかろうじて見えたのですが、丈さんはほぼ見えなくて残念。

あと、TAMARIBA恒例のお見送り&お土産があったのですが、これがすごかった。もうわたくし、今夜は眠れないかもしれません……。

ああ、本当に行ってよかった。当たってよかった。今日の思い出だけでしばらく生きていけそうです(笑)。


セットリストとかの詳細は、全イベントが終わったら、覚書代わりに改めて書くつもりです。とりあえず今日はここまで。
とはいえ、いつのことになるか……(汗)。

□■□■□■□■□□■□■□■□■□□■□■□■□■□

というわけで追記です@2009/1/12。

さてさて。大阪での「TAMARIBA vol.4」が終わったので、今更ながら東京でのことを思い出してみます。

この日は7年前に下北沢CLUB Que(FCイベント2日目の会場)で行われた初ワンマン2daysの初日の復刻ライブだったそうです。セットリストも、合間のMCの位置も当時のままだったとか。
セトリは以下のとおりです。

太陽の季節
ロマンチック街道
あの犬
ボンベルタ
Heavenly
シーン2
グラフティー
桜が咲いたら
伊豆あたりへ
ROMANCE

メタルジャガー
思春期のブルース
アロー
RIDE ON
《アンコール》
荒川わたれ
Cello
涙がこぼれそう
HAVING YOU

だいたいこんな感じだったかと。「グラフティー」「凛」は、当時新曲として披露したもの。「RIDE ON」のアウトロでメンバー紹介が入りました。一応「アンコール」として分けて書きましたが、この日はそのまま続けて演奏していました。

今回の2daysのセトリについて、2日目のものはすぐ判明したそうなのですが、初日のセトリはなぜかメンバーもスタッフも覚えていなかったらしく困ったそうです(笑)。

あと「ROMANCE」について、この曲は彼らが17歳頃に作った曲だという話を。
ちょうど洋一さんがブラジル行きを断念(笑)した頃で、彼はこの曲を聴いて勝手にアレンジを考え、キーボードを抱えてやってきたそうです。しかも最初は一番優しそうないっさんのところに行き、好感触を得たので素生さんやナカザに聴いてもらったのだとか。当時、バンドでなぜか人事権を握っていたナカザは「(いっさんも洋一さんも)どっちも出戻り組だよね」と苦笑。ちなみに丈さんは学校が違ったため洋一さんのことを知らず、最後までサポートメンバーだと思っていたようです。

ライブ終了後は私物プレゼント抽選会。名字のあいうえお順で抽選・手渡しをしていました。
トップバッターのいっさんは洋楽のCD。わざわざ買ってきた、ということに対し、「私物じゃないじゃん」と非難集中(笑)。
洋一さんはサイン入りの昔のアーティスト写真。壁に貼っていたものなので黄ばんでいるうえに穴が開いているそうですが、かなりレアかと。
丈さんは、かつてナカザの漫画が掲載された(!)コミックバンチと、「目を閉じて〜」ツアーで使っていたスティック。雑誌にはナカザの、スティックには丈さんのサイン入り。すごく欲しかったです……。
ナカザはおなじみ「NKZ」Tシャツ。しかも珍しく白で、これもサイン入り。
そして素生さんは昔かぶっていた赤いキャップ(サイン入り)でした。

で、最後は恒例のお見送り+お土産手渡し。なんと今回はメンバーとの記念撮影。というわけで、非常に時間がかかりました。私の番になった時はすでにライブ終了から1時間が経っており、そしてまだあと4分の1くらいは残っていたような。
写真を撮った場所はかなり狭い通路の角でした。急いで写真を撮られ、メンバーと握手しようとしたのですが、ちょうど写真を撮っていた後ろにドアがあり、スタッフのひとりがそこを通ったため分断され、奥にいた丈さんといっさんとは握手させてもらえませんでした……非常に残念です。でもいいです。いいんです。いろいろあって死にたくなるほど幸せになれたので……!

以上、いまさらながらの「TAMARIBA」レポでした。
今回みたいなライブ形式もいいけど、個人的には前回のようなコント形式(?)の方がいいな、とも思ったり。でも前回も思ったのですが、お見送りとお土産手渡しというのは、FCならではという感じですごくいい。これだけは次回も(あるのならば)やってほしいですね。

旅に出るまでにシュノーケルの新譜が入らないかな……と思っていたのですが、TSUTAYAからの電話はありませんでした。失敗した……。

本日も東京行きです。ゴーイングのFCイベントに参加するためです。今回の趣旨を鑑みて、旅のお供に「GOING UNDER GROUND」を聴いています。まだちょっと素生さんの声が若くて細いですね。でもそれぞれの音の鳴らし方が今よりがむしゃらというか粗いというか衝動的というか。とにかく現在の彼らとはちょっと違うな、というのが正直な感想。でも嫌いではない。今夜のイベントが楽しみです。


*購入本*
田村由美「7SEEDS 13」(フラワーコミックスα/小学館)
ほしの総明「ハートの国のアリス〜Wonderful Wonder World〜1」
ネスミチサト「crookclock」(以上、ブレイドコミックスアヴァルス/マッグガーデン)
「音楽と人 2008年8月号」(USEN)

ゲームやってないくせに「ハートの国のアリス」のコミカライズまで買ってます。このベタすぎる感じがけっこう嫌いではない(笑)。
「crookclock」は新人さんの初コミックス。時計職人とメイドのほのぼの初恋ものです。なごみたい時に読むと吉。

Boy’s Surface (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)Boy’s Surface (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
円城 塔

早川書房 2008-01
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「博士を愛せなかった数式」というコピーと鮮やかなピンクの表紙が目を引く、ハヤカワでの第2小説集。まさかの恋愛小説集――といっても普通の恋愛小説ではない。なんでも「数理学的純愛小説集」なのだとか。

表題作「Boy's Surface」の他に、書き下ろしを含む3作品を収録。
大規模かつ抽象的な計算空間の中心で、キャサリンだかゴルトベルクだかがアイを叫んだような「Goldberg invariant」。
出会うたびに≪すごい≫存在になっていく、僕にとってはたったひとりの愛すべき彼女を描く「Your Heads Only」。
いつか出会うはずの、近くて遠いふたりの邂逅の物語「Gernsback Intersection」。

確かに……どれも恋愛小説にしてはやや無機質だが、SF小説にしてはロマンチックにすぎる側面も持っている。「Gernsback Intersection」なんかはボーイ・ミーツ・ガールものといってもいいようなストーリー。淡々とドライに、けれどほんの少し感傷的な筆致がとても好みな短編集。

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