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《古典部》シリーズ第5弾は、2009〜2010年にかけて「野性時代」に掲載されたものをまとめた連作長編。マラソン中に部員から話を聞きつつ、奉太郎は大日向の心変わりの原因について考えていく。彼女が仮入部するきっかけになった新入生歓迎イベントでのこと、部員たちによる奉太郎へのサプライズイベントのこと、大日向の親戚が開くという喫茶店への訪問のこと、そして大日向が入部を辞めると言って去って行った数日前の放課後のこと……いろいろな要素が絡まり合っていくものの、奉太郎が自身の推理を述べるまで、その真相が読んでいるこちらにはまったくわからなかった。
ほんの些細なことの積み重ねが真相を導くという構成はさすが、の一言。まったくもってあざやかな、しかしどこか重く苦い、そんな結末。ともあれ新しい環境、新しい人間関係。彼らの今後の活躍(?)にますます期待ということで。
◇前巻→「遠まわりする雛」



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