横浜の老舗百貨店に勤めている服部美苑は、なぜか最近やたらと眠気に襲われるように。さらに時を同じくして、来店する客たちの中に怪しげな影を見かけるようになりつつあった。そんな彼女に突然下った辞令は、銀座本店の「特別外商部」への異動だった。美形だが毒舌な先輩・泰原や、存在感の薄い上司、そしてこの百貨店の守り神だというタケハル様に迎えられた美苑が相手をするのは、客は客でも神さまやあやかしといった人ならざるモノばかり。もちろん美苑に最近備わった「人ならざるモノが見える」という能力による辞令ではあるのだが、その能力と眠気は何らかの呪いによるものということがわかり……。

百貨店外商部を舞台に、主人公たち(人間)が買い物を通じて、神さまたちの悩みを解決してゆくハートフルストーリー。

いつの間にか何者かに呪われている!?というショッキングな身の上の主人公・美苑。しかしデパートガールとしてのやる気はもちろんあり、それは相手が人ではなくとも関係なし。猫神父娘の喧嘩を仲裁したり、想い人を探す水妖の浴衣選びを手伝ったりするうち、ひょんなことから自身に呪いをかけた黒幕に遭遇する美苑。そんなこんなで美苑は呪いを解いてもらうため、相手が必要とする商品を探し求めるという展開に。しかし目的が何であれ、お客様のほしいものを探すには、相手の心に寄り添うことが必要――それはたとえ自分を呪った相手であっても同じでなければならないのだ。戸惑いながらも外商員として奮闘する主人公の姿がなんとも眩しく映る。ついでに言うと、口は悪いが面倒見のいい先輩・泰原もなかなかステキなキャラクターなので、もし続編があればふたりの関係にも期待したい。