2017年も半分終わってしまったということで(いつの間に……)、恒例のまとめをしてみました。1〜6月に読んだ本の中で、特によかった14作品&ひとことです。なお前回はこちらで。

KAエスマ文庫 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 上巻
◇暁佳奈「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 全2巻」(KAエスマ文庫/京都アニメーション)
(感想:上巻/下巻
「自動書記人形サービス」として様々な人の縁を繋いでゆく美女・ヴァイオレットの過去と現在をめぐる物語。ヴァイオレットの壮絶な半生は涙なしには読めません。

ひとごろしのうた (ハヤカワ文庫JA)
◇松浦千恵美「ひとごろしのうた」 (ハヤカワ文庫JA/早川書房)
元バンドマンの新米音楽ディレクターが惚れ込んだ謎の新人の曲が、過去の陰惨な事件を解き明かしてゆくミステリ長編。スピーディな展開から目が離せません。

裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル (ハヤカワ文庫JA)
◇宮澤伊織「裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル」 (ハヤカワ文庫JA/早川書房)
〈裏側〉という世界で女子大生コンビが都市伝説に遭遇するSFホラー。ふたりそろって何が起こるかわからない世界にどんどん足を踏み入れていくその豪胆さがすごい。そして都市伝説ネタがこわすぎる……。

飛べない鍵姫と解けない飛行士 その箱、開けるべからず (コバルト文庫)
◇山本瑤「飛べない鍵姫と解けない飛行士 その箱、開けるべからず」 (コバルト文庫/集英社)
錠前師の少女と鉄道王の青年による、謎を秘めた箱をめぐるスチームパンク・ミステリ。ヒロイン・マージのまっすぐさがなんとも眩しい。

天空の翼 地上の星 (講談社X文庫)
◇中村ふみ「天空の翼 地上の星」 (講談社ホワイトハート/講談社)
元・王族のやさぐれ青年と、そんな彼を一度は王と認めたもののその現状を見かねて撤回しに来た天の使いとの奇妙な関係を描く中華風ファンタジー。なんだかんだ言って面倒見のいい主人公と、最初は冷たい態度を取りつつ、だんだん主人公にほだされていく天令がなかなかいいコンビです。

あとは野となれ大和撫子
◇宮内悠介「あとは野となれ大和撫子」 (KADOKAWA)
クーデターが起き、政治家たちが逃げ出した中央アジアの小国で、官僚候補として教育されてきた少女たちが国を建てなおそうとする冒険系小説。タイトルにもなっている、主人公・ナツキたちのスタンスがとても清々しい。

霊感検定 (講談社文庫)
◇織守きょうや「霊感検定1〜3」(講談社文庫/講談社)
(感想:1巻/2巻/3巻
霊感がどの程度のものかをはかる「霊感検定」でその能力を可視化しつつ、周囲で起きる霊的事件を解決していく高校生たちの物語。人と違う能力があるというのはいいことばかりではないけれど、だからこそそれを「特別」にしないためにあるのがこの「検定」だ……というエピソードにぐっときた。

冬雷
◇遠田潤子「冬雷」 (東京創元社)
閉鎖的な小さな町で起きた殺人事件――鷹匠と巫女の禁じられた恋の顛末がなんとも物悲しい。願わくはこのふたりが幸せになりますように。

捜査一課殺人班イルマ ファイアスターター
◇結城充考「捜査一課殺人班イルマ ファイアスターター」 (祥伝社)
狙った獲物(犯人)は逃がさない「狼のような」女刑事・イルマが、陸の孤島的な施設でたったひとり爆弾魔を追うというハードすぎる展開。イルマさんかっこよすぎです。

探偵が早すぎる (上) (講談社タイガ)
◇井上真偽「探偵が早すぎる(上)」 (講談社タイガ/講談社)
遺産目当ての親族から命を狙われる女子高生を守るために現れたのは、事件を未然に防ぐ探偵でした……というまさかの展開。完全犯罪が計画の時点でどんどん暴かれていくという内容にはスカッとさせられます。ちなみに下巻は今月発売予定。

2 (メディアワークス文庫)
◇野崎まど「2」 (メディアワークス文庫/KADOKAWA)
今更ながら作者のメディアワークス文庫作品を読んでみたのですが、どれもこれもすごい。中でも集大成となる本作は特に。この作者にとって、世界はどんな風に見えているのだろうかと思ってしまう。

ガーデン
◇千早茜「ガーデン」 (文藝春秋)
植物を偏愛するフラットすぎる男性編集者・羽野と、彼を取り巻く女性たちの物語。彼に変化をもたらしたのは一体何だったのか――そして彼の変化は何をもたらすのか。

おいしいベランダ。 3月の桜を待つテーブル (富士見L文庫)
◇竹岡葉月「おいしいベランダ。3月の桜を待つテーブル」 (富士見L文庫/KADOKAWA)
ベランダ菜園男子とうっかり女子大生の園芸ライフ・ラブストーリーももう3巻。まもりのことが思いのほか好きすぎる亜潟さんが可愛すぎる件。

鳩子さんとあやかし暮らし (富士見L文庫)
◇野梨原花南「鳩子さんとあやかし暮らし」 (富士見L文庫/KADOKAWA)
ひょんなことからあやかしの相談役になってしまった鳩子さんの田舎暮らし。文句言いつつもあやかしたちをあたたかく見守る鳩子さんが素敵です。