歳国を守護する瑠璃龍を祭る「龍神の宴」で舞姫役を務めることになった楊月英。練習を終え帰ろうとする彼女の前に現れたのは、類稀なる美貌にキツネ耳を生やした青年・景将だった。邪妖かと身構える月英だったが、そこに謎の黒い影が。間一髪で景将に助けられた月英がそのまま連れ込まれたのは王の御前だった。例の「影」の存在を感知していた王と宰相・楊真英は、「影」が月英を狙っていたことを知ると、景将を護衛につけ、月英を囮として「影」に対する対策を練ることに。しかもその護衛任務のため、月英は半妖である景将と主従契約を結ばされることに。しかし「ご主人様」と呼びつつも見下したりからかったりするような態度を崩さない景将に、月英は振り回されっぱなしで……。

新作は前作「瑠璃龍守護録」シリーズから20年ほど後を舞台とする中華風ラブコメファンタジー。前作のヒロイン・鈴花に憧れる落ちこぼれ道官・月英と、半妖の青年道士・景将の下剋上すぎる主従関係!?が描かれてゆく。

つまるところ楊真動&夕紅の息子である景将は半妖という自身の性質のせいで蔑まれることも多く、結果として大変ひねくれてしまった青年。一方、舞姫としての資質はあっても道士としては落ちこぼれではあるが、一応名門である楊家の一員である月英は、コンプレックスを抱えつつも明るく素直なお嬢さん。なのでいくら景将が意地悪な発言をしたりひねくれた態度をとったりしたとしても、月英は時には衝突しつつも基本的にはまっすぐ景将へと向かっていく。だからこそ、景将もなんだかんだ言って月英に惹かれてしまったのだろう。半妖としての性質に翻弄されつつも(そしてまんまとそれを景影に見破られつつも・笑)、最後の最後でぐっと押してくる景将にこちらもどきりとさせられたり。

ちなみに前作の主人公夫妻にも黎竣という息子がいるらしいが(終盤でちらっと出てくる)、なかなかこちらもひねくれ気味の青年に育っているらしい。あの鈴花の息子なのになぜ、という気持ちと、あの黎鳴の息子だしな、という納得する気持ちとがただいま綯い交ぜになっているので、続編があれば彼の活躍……というか蒼家の家庭の事情を知りたい。