2018年上半期が終了しましたので恒例のまとめをば。1〜6月に読んだ本で特によかった11作とひとこと感想です。なお前回はこちらで。

翼の帰る処 番外編 ―君に捧ぐ、花の冠―
◇妹尾ゆふ子「翼の帰る処 番外編−君に捧ぐ、花の冠−」(幻冬舎)
本編の裏側で起きていたエピソード集。完璧超人に見える皇妹の意外な一面(シリアスな意味ですが)が垣間見えます。

最後にして最初のアイドル (ハヤカワ文庫JA)
◇草野原々「最後にして最初のアイドル」(ハヤカワ文庫JA/早川書房)
「会いに行けるアイドル」から「会いに来るアイドル」、そしてさらなる進化を遂げる主人公の姿には落涙を禁じえません(笑)。

ゲームの王国 上 ゲームの王国 下
◇小川哲「ゲームの王国(上)(下)」(早川書房)
各所でも言及されていますが、上巻と下巻のギャップがなかなか激しい。しかしそれゆえに読み始めたら止まりませんでした。

超動く家にて 宮内悠介短編集 (創元日本SF叢書)
◇宮内悠介「超動く家にて 宮内悠介短編集」(東京創元社)
バカSF短編集(褒め言葉ですもちろん)。表題作が一番好きなんですが、この脱力感がたまりません。あ、もちろんシリアスな話もありますのでご安心ください(笑)。

マグナ・キヴィタス 人形博士と機械少年 (集英社オレンジ文庫)
◇辻村七子「マグナ・キヴィタス 人形博士と機械少年」(集英社オレンジ文庫/集英社)
少年型アンドロイドを巡るライトSF。「リチャード氏」シリーズも大好きですが、デビュー作も含め、こういったSF系の話もお得意のようですので、今後も期待大です。

星を墜とすボクに降る、ましろの雨 (ハヤカワ文庫JA)
◇藍内友紀「星を墜とすボクに降る、ましろの雨」(ハヤカワ文庫JA/早川書房)
これは究極の愛の物語といっても差し支えないのかもしれない。

さざなみのよる
◇木皿泉「さざなみのよる」(河出書房新社)
彼女が生きていた、そのことはいつまでも残り続ける。喪失を受けとめる人々の物語。

悪魔の孤独と水銀糖の少女 (電撃文庫)
◇紅玉いづき「悪魔の孤独と水銀糖の少女」(電撃文庫/KADOKAWA)
世界の終わり――その始まり。「孤独」と「孤独」が出会ったときにうまれるもの。

飛ぶ孔雀
◇山尾悠子「飛ぶ孔雀」(文藝春秋)
火と水と、誰も見たことのない、いつかのどこかの世界の物語。

紅霞後宮物語 第八幕 (富士見L文庫)
◇雪村花菜「紅霞後宮物語 第八幕」(富士見L文庫/KADOKAWA)
第1部完結。小玉が「伝説の皇后」となる、その瞬間に立ち会っているのだというのがよくわかるエピソードだったような気がする。

さよならクリームソーダ (文春文庫)
◇額賀澪「さよならクリームソーダ」(文春文庫/文藝春秋)
青春というのはソーダ水の泡のようなものなのかもしれない。