広報課の千晶から、制服の代金についての相談を受けた沙名子。沙名子も制服代は会社持ちだと認識していたのだが、千晶が人事課に尋ねると、個人負担だと言われたのだという。しかし沙名子が再度調べたところ、やはり規則が変更になった形跡はない。沙名子は千晶に間違った情報を告げた人事課員・玉村志保に制服代の話を聞きに行くが、志保からはまともな答えが返ってこず、なぜか制服に対する文句を述べられてしまう。志保の態度について問題があると周囲からも聞かされていた沙名子は、彼女がなぜそんなにも攻撃的なのかを調べ始める。一方、秘書課の有本マリナの担当になっていた美華は、彼女がキャバクラでバイトしているという噂を確かめるために調査を続けていた。するとマリナが勤めるキャバクラで、天天コーポレーションの部長たちが企業買収専門のコンサルタントと会っていたことがわかり……。

日々提出される様々な領収書から社内の人間模様を描き出すシリーズ6巻。今回は天天コーポレーションに買収話!?というまさかの急展開に。

秘書課の有本マリナは、かつて沙名子が証拠不十分により横領を見逃してしまった相手。彼女のようにわかりやすくしたたかで、しかも役員たちの権力をバックにつけているような女性は、沙名子でなくとも苦手な相手だと言える。そんな彼女の不正に敢然と立ち向かうのは、経理課の新人(中途採用ではあるが)・美華。しかし彼女が見つけたのは、マリナが仲介し、大手メーカー「サンライフプロダクト」が天天コーポレーションを買収するかもしれないという可能性だった。そこで沙名子は、営業部の山崎のアドバイスも受けつつ、対応策を練っていく。

何事もイーブンと平穏が大事で、事を荒立てるのをよしとしない沙名子が、会社の存亡を賭けた事態に乗り込んでいくというのはどこかちぐはぐなことのようにも思える。しかし会社の存亡はすなわち、彼女を含めた一般社員の待遇そのものに関わってくる。さらに同期にして親友である美月が、専務である円城格馬と結婚するという話を聞かされたからにはなおさら。自分のため、そして親友のために、一芝居打ってまでマリナを追い詰めようとする沙名子の姿はなかなかのカッコよさで、その行動力や洞察力は、同じ経理担当者として驚くばかりでもある(笑)。

とはいえ、今回の事件の幕引きは、沙名子に苦い経験をもたらしたこともまた確か。このことが、彼女の今後の仕事ぶりに影響しなければいいのだが……。


◇前巻→「これは経費で落ちません!5〜落としてください森若さん〜」